キックボクシング
レポート

【RISE】中村寛が起死回生のハイキックでダウン奪い優勝、YURAがKO圧勝、王者対決は白鳥大珠から延長戦で2度のダウン奪った笠原弘希の勝利に、麻火佑太郎はソンヒョン超えならず、原口健飛が初回KO勝ち、南原健太がGLORY世界ランカーに勝利、志朗が2R29秒でKO勝ち、宇佐美秀メイソンがダウン応酬で辛勝、吉田実代がキック復帰戦で完勝、棚澤大空が数島大陸を破る!松本天志が塚本望夢を振り切る

2025/11/02 12:11
RISE WORLD SERIES 2025 FINAL2025年11月2日(日)東京・両国国技館 ▼メインイベント(第13試合)RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournament決勝 3分3R延長1R〇中村 寛(BK GYM/第8代ライト級王者)延長R 判定3-0 ※10-8×3×エン・ペンジェー(中国/仏山温拿拳館)※中村が優勝。本戦の判定は29-28、30-30、29-29。  中村は野性味あふれるファイトスタイルから、“人獣”とも称される。日本拳法仕込みのサウスポーから放たれる破壊力抜群のパンチを武器に、2021年7月には大雅からダウンを奪って判定勝ち。11月にはYA-MANに判定負けを喫したが、大激闘を演じて強烈なインパクトを残す。2022年6月の『THE MATCH 2022』ではレオナ・ペタスから番狂わせの勝利を収めた。  2023年4月に直樹を判定2-0で破りRISEライト級王座を奪取。2024年3月のK-1との対抗戦で与座優貴に負傷判定で敗れたが、6月にタリソン“Crazy Cyclone”フェレイラをKOして再起。9月にはエン・ペンジェーから延長戦で勝利をもぎ取った。2025年3月の1回戦ではチャンヒョン・リーにリベンジ、6月の準決勝ではシュートボクシング王者の笠原友希を延長戦でKOした。戦績は19勝(14KO)6敗1無効試合。  ペンジェーは39戦無敗の戦績を引っ提げて2024年9月の横浜大会に参戦し、中村寛を苦しめるも判定負けを喫し初黒星。2025年1月には常陸飛雄馬に判定で敗れたが、試合内容が評価されてトーナメント出場権を獲得。3月の1回戦ではレダ・ベラーセンに判定勝ち、6月の準決勝では常陸にリベンジして決勝へ進出した。“マジックスタイル”というトリッキーなスタイルの持ち主。戦績は41勝2敗。  1R、ペンジェーのジャブに思い切り左フックを合わせに行く中村。さらに左カーフを狙い撃ち。ペンジェーはジャブを突きながらステップで動き、右ストレート、前蹴りを放つ。  2R、ステップで動き続け、突然前へ出てくるペンジェーに中村は的を絞り切れない様子。ペンジェーは軽い打撃だがジャブ、右ストレート、顔面前蹴りを当てる。  3R、一気に詰めてくる中村にペンジェーは動きながらジャブ、ヒザ蹴り、顔面前蹴り。中村が距離を詰めてのフックはかわされる。中村が詰める、ペンジェーが当てて離れるが繰り返され、中村のフックは空を切る。終盤は中村がコーナーへ詰めて左右フックの連打。  本戦はドローとなり、延長戦へ。ペンジェーはジャブ、中村が近付いてくるとヒザ、顔面前蹴り。さらに細かくパンチも当てていく。追いかける中村だがパンチは空を切り、絶体絶命。  しかし、組んできたペンジェーのボディにヒザを突き刺し、さらに左ボディ。コーナーへ追い込んだ中村がボディの連打からそれまで空振りしていた左ハイをヒットさせ、ダウンを奪う。大歓声に包まれる場内。立ち上がったペンジェーに中村は左右フックのラッシュをかけた。判定は3-0で中村が勝利、トーナメント優勝を果たした。  中村はマイクを持つと「しょっぱい試合しましたね。それが率直な自分の感想です。でもまだまだノビシロがあると思いませんか。世界一まで根性で来たので。来年、世界のベルトを作ってもらって、ONEとかいろいろな団体の選手がRISEに来れるような存在になるので。知名度だけが先行している格闘技界を、それぞれ正解はあってもいいと思いますが、僕の正解の格闘技業界ではないので、僕は全額格闘技に突っ込んでまだまだ強くなって帰ってきます。もっと凄いメインイベントを来年、楽しみにしていてください」と語った。 [nextpage] ▼セミファイナル(第12試合)オープンフィンガーグローブマッチ -66kg契約 3分3R×伊藤澄哉(戦ジム/RISEライト級2位&スーパーライト級4位)KO 1R 1分46秒 ※左ジャブ〇YURA(ダイアタイガージム/スーパーライト級5位)  YURAはK-1甲子園準優勝、第4代IKCウェルター級王座、初代ジャパンカップ同級王座、突破70㎏以下級王座、RKSウェルター級王座を獲得。「一番手っ取り早く有名になるため」の手段としてBreakingDown出場を選び、2023年5月から出場。2024年12月にトーナメントを制して初代BreakingDownフェザー級王者となった。RISEには2023年12月の『RISE WEST』から出場し、2024年10月には木村”ケルベロス”颯太をOFGマッチでKO、2025年3月には山口裕人もKOしてプロ戦績は15勝(7KO)1敗。唯一の黒星は『雷神番外地』で朝久泰央に付けられたもの。  伊藤は地下格闘技キックの大会『益荒男』や『飛車角』で活躍、17勝(15KO)無敗の戦績を引っ提げて2019年11月にRISEでプロデビュー。3戦3勝2KOの快進撃を続けていたが、2021年9月の4戦目で実方拓海に初黒星を喫した。2022年4月にはYA-MANと初のOFGマッチを行ってダウンの応酬の末にKO負けし3連敗を喫したが、2023年10月に北井智大を破ると3連勝(2KO)でライト級1位に躍り出た。しかし、2024年11月に高橋聖人にまさかの初回KO負け。再起戦となった2025年4月、石田迅を初回KO。6月のLFSトーナメント1回戦に抜擢されたが、ペトル・モラリに敗れた。10月19日に塩川琉斗に判定負けしたばかりだが、チャド・コリンズ欠場で名乗りをあげた。戦績は6勝(4KO)7敗。  1R、ジャブを突いていくYURA。伊藤は圧をかけて前へ出ていくが、YURAはスピードのあるジャブを打って離れていく。伊藤が前に出たタイミングでYURAがジャブを2発打つと、伊藤はダウン。  立ち上がった伊藤だがダメージは明らかで、YURAのジャブをもらうと再びダウン。YURAのKO圧勝となった。  YURAはマイクを持つと「今回はチャド・コリンズ選手とやる気満々で鍛えてきたんですけれど、めっちゃ残念でした。次必ず勝って優勝まで上り詰めます」とトーナメント優勝を宣言した。 [nextpage] ▼第11試合 GLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(-65kg)STANDING TOURNAMENT 3分3R延長1R×白鳥大珠(TEAM TEPPEN/RISEスーパーライト級王者)延長R  判定0-3 ※7-10×3〇笠原弘希(シーザージム/SB日本ライト級王者)※笠原がベスト8進出。本戦の判定は30-29、30-30、29-29。  白鳥はキックボクシングからボクシングに転向し、8勝(5KO)3敗の戦績を残してキックボクシングにカムバック。2019年2月に第5代RISEライト級王者に輝くと、3月に開幕した「RISE WORLD SERIES 2019 -61kg Tournament」で優勝。2021年6月の「RIZIN KICKワンナイトトーナメント」では皇治らを破って優勝。2023年は3月にK-1との対抗戦で佐々木大蔵に勝利。  2024年12月の「GLORY RISE FEATHER WEIGHT GRANDPRIX」では1回戦でペットパノムルンに敗れた。2025年3月には麻火佑太郎と第5代スーパーライト級(-65kg)王座決定戦を争い、判定勝ちで2階級制覇を達成した。8月はアンディ・ターランドに初回KO勝ちで戦績は32勝(13KO)11敗1分1無効試合。  笠原は強打を武器に2018年9月にSB日本フェザー級王座、2019年9月に同スーパーフェザー級王座、2022年4月に同ライト級王座とSB史上初の三階級制覇を達成。海外強豪勢を相手に連続KOでSB王者の強さを証明してきたが、2024年2月にONEでのワラポン・ソー.デッチャパン戦で判定負け。10月の復帰第一戦では長谷川祐也を1Rわずか55秒でKOしたが、12月にジャックに延長戦の末に判定負け。  2025年2月の再起戦ではコムキョウを1RでKOし、4月にジャックとの再戦で延長戦の末にリベンジした。6月の1回戦ではLOMPETCHに勝利も、8月に3階級制覇を狙ってイモト・ボルケーノに挑戦もTKOで敗れた。戦績は36勝(16KO)8敗。  1R、白鳥は前蹴りと左ミドル、笠原はローを蹴っていく。中盤から笠原がステップを踏んで左右にスイッチしつつ飛び込んでのパンチを繰り出し始める。打ち合いで笠原の右フックが白鳥を捉えた。  2R、打ち合いで強いところを見せる笠原に、白鳥は打ち合いになりそうになるとクリンチで止める。離れると前蹴り、ミドルを蹴る白鳥。終盤は打ち合いで逆に左ストレートをヒットさせるが、笠原は下がらない。  3R、白鳥が距離感をつかんだか、ジャブを何度も命中させ、左ストレートもヒットさせる。笠原は距離を詰めて打ち合いに持ち込もうとするが、白鳥に先手をうたれていく。白鳥は左右フックも。  判定はドロー。延長戦へ。白鳥が右フックからの左ストレートをヒットさせ、さらに前蹴りも。白鳥の流れで進み、笠原の手数が出ない中、笠原が踏み込んでの右フックをヒットさせて白鳥をグラつかせる。さらに右フックで追い打ちをかけたところでレフェリーがスタンディングダウンを宣告。  さらに笠原が追い打ちをかけ、白鳥も打ち合いに応じたが、笠原の右ストレートで白鳥がダウン。判定3-0で笠原の勝利となった。  笠原はマイクを持ち、「次の試合とか全部置いといて、一度頂点に立った男、白鳥選手に勝ちたいなと思って研究して頑張りました。会長、見てますか! 僕ってこのトーナメントの全選手の中でめちゃくちゃいいハート、世界に誇れるハートを持っていると思うので全力懸けて獲りに行きます。僕が2年も3年も戦いたいって言っていた原口選手が待っていると思うので、次戦いましょう」と、原口と戦いたいとアピールした。 [nextpage] ▼第10試合 GLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(-65kg)STANDING TOURNAMENT 3分3R延長1R〇イ・ソンヒョン(韓国/RAON/スーパーライト級1位)判定2-0 ※29-28、29-29、30-28×麻火佑太郎(PHOENIX/スーパーライト級2位)※ソンヒョンがベスト8進出。 “コリアンモンスター“ソンヒョンは日本ではRISEで活躍。世界を股にかけて戦い、世界の70kgのトップファイターを次々と撃破し、2019年7月には松倉信太郎と第4代RISEミドル級王座決定戦を争い、第2代ライト級王座に続いての2階級制覇を達成。2023年3月、RISEミドル級王座の初防衛戦に臨んだが、海人に敗れて王座を失った。7月にウェルター級に階級を下げて中野椋太と対戦するもKO負け。  2024年3月、白鳥大珠を判定で破り連敗を脱出した。9月には中野にリベンジを果たしている。12月の「GLORY RISE FEATHER WEIGHT GRANDPRIX」では1回戦でベルジャン・ペポシとの激闘を制したが、準決勝でペットパノムルンに敗れた。2025年3月、原口健飛に判定負け。戦績は70勝(17KO)13敗2分。  麻火はKNOCK OUTとREBELSでキャリアを積み、2022年2月からはRISEを主戦場に。2024年4月には『ONE Friday Fights』に参戦し、セクサンに完勝する番狂わせを起こした。6連勝で9月にチャド・コリンズに挑んだが初回KO負け。12月はヤン・カッファから逆転KO勝ちを奪った。2025年3月、白鳥大珠とRISEスーパーライト級王座決定戦を争い、ダウンを奪うも惜敗。8月の1回戦ではエドゥアルド・カタリンをKO。相手の攻撃をマタドールのようにかわし、自分の攻撃を当てる独特のスタイルに開眼した。戦績は18勝(5KO)10敗。  1R、麻火はジャブと前蹴りを多用し、サイドへ動きながら右カーフを狙い撃ち。ソンヒョンが近距離になると顔面へヒザを突き上げる。ソンヒョンもローを蹴るがなかなか距離を詰められない。  2R、回り込む麻火だがソンヒョンの圧を受け続ける。ソンヒョンが右ストレート、左フックをヒットさせ、麻火をロープ際やコーナーへ追い込む場面が増える。麻火は横蹴り、前蹴り、後ろ廻し蹴りで対抗も、このラウンドは押された。  3R、ソンヒョンは右ストレートのフェイントから右ヒザを突き刺す。これが何度も決まる。麻火の頭が下がるとすかさずヒザを突き上げる。麻火はワンツーを当てていき、蹴り技も多彩に放つがソンヒョンの圧に押される状況が続いた。  判定は2-0でソンヒョンの勝利。上手く戦った麻火だが、届かなかった。 [nextpage] ▼第9試合 GLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(-65kg)STANDING TOURNAMENT 3分3R延長1R〇原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM/ISKA世界ライトウェルター級王者)KO 1R 2分52秒 ※×ペトル・モラリ(モルドバ/Kickboxing fearless/ウェルター級2位)※原口がベスト8進出。  原口は空手出身で、高校からはボクシングを始めて17歳でプロデビューし、2016年西日本新人王決定トーナメントで準決勝進出。2017年にキックボクシングでプロデビューすると、わずか2戦目でACCELフェザー級王者となり、翌年(2018年)のRoad to RIZINキックトーナメントで優勝。2020年1月にRISEライト級王座に就き、2020年10月には「DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント」で優勝。  2022年6月の『THE MATCH 2022』では山崎秀晃にTKO勝ち。2023年3月にはISKA世界王座を獲得。GLORYのランカーや推薦選手を次々と撃破し、2024年7月にGLORY世界フェザー級王者ペットパノムルンとの3度目の対決に臨んだが判定負け。2024年12月の「GLORY RISE FEATHER WEIGHT GRANDPRIX」では1回戦でミゲール・トリンダーデに初回KO負けを喫したが、2025年3月にイ・ソンヒョンに判定勝ち。8月にRISE世界王者チャド・コリンズに挑戦も判定2-1で惜敗。戦績は27勝(17KO)6敗1分。  モラリはWKU世界-65kg王者で、戦績は8勝3敗。パンチ、蹴り共に思い切った攻撃を仕掛けるアグレッシブなファイタータイプ。2021年6月に、当時無敗だったヤン・カッファを後ろ廻し蹴りでKOした一戦が光る。2023年12月の初来日ではRISEウェルター級王者の中野椋太を判定で破ったが、2024年6月にスーパーライト級で白鳥大珠に判定負け。9月も實方拓海に判定で敗れたが、2025年6月の1回戦で伊藤澄哉に判定2-1で勝利。  1R、原口はローとインローを蹴っていき、左インローを蹴ってからの左三日月でダウンを奪う。さらに左三日月の連打でダウンを追加。  モラリは蹴り足をキャッチしての軸足払いとパンチで反撃するが、原口は左ミドルと左右ボディでもボディを攻めていき、最後は右カーフを蹴るとモラリが背を向けてしまい戦意喪失。モラリをギブアップさせ、原口が完勝を収めた。  原口は「やっぱり勝つってのは嬉しいなと思います。ペッチに負けるまでは自分が一番強いと思ったんですけれど、負けるようになって勝つって難しいなって、勝つって素晴らしいなって思っています。背負いすぎた部分とかあったと思うし、とにかく今日は自分らしく戦ってみようと思って戦いました。報われてよかったです。トーナメントなので最後に立ってるヤツが一番強いので、それに自分がなれるように勝って行きます」と、途中声を詰まらせ、涙を浮かべて語った。 [nextpage] ▼第8試合 SuperFight! -85kg契約 3分3R延長1R〇南原健太(TARGET SHIBUYA/第2代RISEライトヘビー級王者)判定3-0 ※30-29、29-28、30-28×フランジス・ゴマ(フランス/COC PERFORMANCE/GLORYミドル級5位)  1R、右ローの蹴り合い。南原は右ハイ、右フックも織り交ぜる。ゴマも負けじとハイキックを放ち、ヒザも。ややゴマのパンチを受けすぎる南原。  2R、ゴマは前蹴りを多用し、南原はその蹴り足をキャッチしてのボディを狙う。南原の右フックや左ボディが決まるが、ゴマは下がらず打ち返してくる。互いに被弾するも打ち返す展開が続く。南原は左ローを連打。  3R、南原は左右フックからの左ローを連発、ボディと左ローで攻めていく。右フックでグラついたゴマにラッシュをかけていくが、ゴマも打ち返す。回転力を上げていく南原が左右フックとボディで前へ出ていった。  判定3-0で南原がGLORY世界ランカーから勝利を収めた。  南原はマイクを持つと「僕の試合前に休憩入ったので、この冷めた空気は俺しかいないと思って盛り上げました。でも倒し切れなかったのが僕の課題で、これからもっと練習して強くなります」と話した。 [nextpage] ▼第7試合 SuperFight! バンタム級(-55kg)3分3R延長1R〇志朗(BeWELLキックボクシングジム/初代RISE世界バンタム級王者)TKO 2R 0分29秒 ※レフェリーストップ×ペットサンコム・ソー・ソンマイ(タイ/ソー・ソンマイ/オムノーイスタジアム認定スーパーバンタム級王者)  志朗はジュニアキックを経て2009年8月にタイでプロデビュー、翌年1月に国内でプロデビューを果たした。2016年1月にはISKAムエタイ世界バンタム級王座を獲得して2度の防衛に成功。2018年11月からはRISEに参戦し、那須川天心とは2度対戦。2023年3月にディーゼルレックをハイキックでKOし、RISE世界バンタム級王座に就いた。 「RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament」ではクマンドーイに敗れ準優勝。2024年3月は田丸辰の挑戦を受けて世界王座の初防衛戦に臨んだが、偶発的なバッティングで無効試合となった。9月に田丸との再戦を判定勝ちで制し、拳の手術を経て2025年3月に復帰戦でユン・ドクジェに判定勝ち。8月の2度目の防衛戦で玖村将史にリベンジ。戦績は34勝(13KO)6敗4分1無効試合(タイの試合は除く)。 ペットサンコムは2024年10月の『ONE Friday Fights 84』に出場し、サンデー・ブーンデクシアンから勝利を収めている。  1R、志朗は徹底的に右ローを蹴っていき、ジャブを突く。ペットサンコムは左ミドル。互いに探り合いのラウンドとなったが、志朗がパンチをまとめる場面もあった。  2Rが始まってすぐ、志朗が右ストレートから右の連打を叩き込むと、ペットサンコムはたまらずダウン。立ち上がるもフラフラしており、レフェリーがストップした。  志朗がマイクを握ると「KO宣言していたのでKOは当たり前だと思っていたので、来年は55kgでワールドシリーズ開催してもらって。自分は55kgでトップにいるので戦わないといけない相手もいるし、世界トップを決めて欲しいです」とアピールした。 [nextpage] ▼第6試合 SuperFight! ウェルター級(-67.5kg) 3分3R延長1R〇宇佐美 秀 メイソン(team VASILEUS/RISEウェルター級王者)判定2-0 ※29-28、29-29、30-28×ジョ・サンヘ(韓国/JINHAE-JUNG EUI HOI KWAN)  1R、メイソンは右カーフと左インカーフを狙い撃ち。サンヘが左ストレート、左フックを放ってくるとかわして右を打ち込む。スピードのある右ストレート、右ボディにサンヘは焦りの表情。  2R、メイソンは矢のようなジャブ、左ハイから左ロー。完全にペースを掌握したかに思われたが、サンヘのワンツーでダウンを奪われる。しかし、直後にロープを背負った状態での右フックでダウンを奪い返した。  3R、メイソンはアツくなると大振りになる癖と、勘でよけるため伸びるサンヘの左ストレートを被弾する。前に出るサンヘのパンチに危険な場面もありながら、メイソンはジャブを突き左ストレートを当てた。  判定2-0で辛くも勝利したメイソンはマイクを持つと「またダウン取られて最後押されているところもあったと思いますが、とりあえず勝ててよかったです。もっと強くなってもっと強い相手とやりたいと思います」と反省しながらも飛躍を誓った。 [nextpage] ▼第5試合 -52.5kg契約 3分3R×美斬帝(=みきてぃ/テツジム)判定0-3 ※28-30、27-30×2〇吉田実代(Bread winner NYC/前IBF世界バンタム級王者、第5・7代WBO世界スーパーフライ級王者)  吉田はTARGETに入門してアマチュアキックボクシングに出場、2009年からはマッハ道場に移籍してMMAでプロデビューした。JEWELSで3戦した後、池袋BLUEDOGジムに移籍して2011年からはシュートボクシングに出場。神村エリカ、魅津希、高橋藍らと対戦し、10勝4敗の戦績を残して2014年にプロボクシングへ転向した。  2017年10月、高野人母美を破り日本女子バンタム級王者になると、2018年8月にはOPBF東洋太平洋女子バンタム級王座も獲得。2019年6月にWBO女子世界スーパーフライ級王座を獲得し、初防衛にも成功。2度目の防衛戦で敗れるも2021年6月に奪還した。その後は米国に拠点を移し、2023年12月にIBF女子世界バンタム級王座を奪取、2階級制覇に成功。プロボクシング戦績は18勝5敗。  1R、左右フックを打って前に出る吉田に美斬帝は右ローで応戦。前に出る吉田が右ストレートをヒットさせて左右フック。  2R、クリンチが多い展開となるが、前に出てジャブ、ワンツーをしっかり当てていく吉田。美斬帝の左に右のカウンターも被せる。吉田のヒットが目立ち、美斬帝は後退してクリンチに。  3R、吉田のジャブ、右ストレートに美斬帝もパンチで打ち合うが、的確性に差がある。しっかりパンチを当てていく吉田はカウンターもとり、ボディも打つ。さらに右ローも蹴る吉田。  終始、自分のペースで戦いパンチを的確に当てていった吉田が判定3-0で勝利を収めた。  吉田はマイクを持つと「12年ぶりのキックボクシングのリングに上がって緊張があって内容的には50点かなってところだったんですけれど、勝ててよかったのと快く迎えてくれた皆さんに感謝します。ボクシングもキックもやるからにはトップを目指したいです。まだまだ実力足りないけれど、テッサと戦えるように頑張るので」と、テッサ・デ・コムとの対戦を目標に掲げた。 [nextpage] ▼第4試合 第4代RISEフライ級(-51.5kg)王座決定トーナメント一回戦 3分3R延長1R×数島大陸(及川道場/同級1位)判定0-3 ※29-30×2、28-29〇棚澤大空(TEAM TEPPEN/スーパーフライ級6位)※棚澤が決勝へ進出。  1R、数島は棚澤がパンチを打ってくるところをかわして左ストレート右フック。しかし、棚澤の右ストレートを連続してもらい、右ハイももらってのけ反る。それでも数島はダメージを感じさせることなく、打ち返す。棚澤の右ストレートが目立つラウンドに。  2Rも棚澤が前へ出ての右ストレートが目立つ。数島も打ち返して当てるが手数が少なく、セコンドからも「数を出せ」と声が飛ぶ。  3Rは数島の方から仕掛けていくが、棚澤はカウンター狙いに切り返す。かなり疲れが見える棚澤だが、右ハイを何度も蹴り、ダイナミックな右ストレート。数島も当てるが、手数に差がある。  判定は3-0で棚澤が金星を得て決勝へ進出。棚澤は嬉し涙、数島は悔し涙を流した。  先に決勝進出を決めた松本は「このトーナメントは僕が絶対に優勝するトーナメントだと思っていて。次決勝で当たるけれどフライ級着て2戦目ですぐベルトっていうのは僕的にも納得いかない。ここは絶対に負けずと頑張ってタイトル獲りたいと思います」と宣言。  棚澤は「数島選手に勝って花言葉調べてきたんですけれど、そんなこと言えないほどこの1勝は価値ある1勝だと思います。松本選手めちゃくちゃ強いんですけれど、圧倒的に僕が勝って無敗でベルトを獲ろうと思うので決勝お願いします」と必勝を誓った。 [nextpage] ▼第3試合 第4代RISEフライ級(-51.5kg)王座決定トーナメント一回戦 3分3R延長1R〇松本天志(TARGET SHIBUYA/同級2位)判定2-0 ※29-29、29-28×2×塚本望夢(team Bonds/同級3位、初代DEEP☆KICK -51kg王者)※松本が決勝へ進出。  1R、松本は強い左インローを連発していく。塚本は左ミドルと警戒してスウェーするが、松本は左インR-を蹴る。塚本はボディからの左右ショートアッパー。松本も左ボディストレートを打つ。塚本がサウスポーになると松本は距離を詰めていってパンチを打った。  2Rも左インローを蹴っていく松本だが、塚本の急所を直撃。塚本は「お前、何回めやねん!」と怒る。松本に警告。再開後、松本が右ボディストレートを打つと塚本は左ミドルを合わせ、逆に左ボディを打って行く。終了直前、松本の左インカーフに塚本が大きな反応を見せた。  3R、ボディを打ち合った両者はスピーディーなパンチのコンビネーションを回転させての打ち合いを展開。ドッと場内が沸く。松本はインカーフやボディを交え、さらに回転を上げていく。塚本もパンチを返すが松本のヒットがやや上回ったか。  判定2-0で松本が勝利。松本は嬉し涙を流した。 [nextpage] ▼第2試合 スーパーフェザー級(-60kg)3分3R延長1R〇門口佳佑(EX ARES/フェザー級1位)判定2-0 ※29-28、29-29、30-28×龍斗(RAUSU GYM/第6代Bigbangフェザー級王者)  1R、互いにジャブの差し合い。門口は右ストレート、細かいフック&アッパーにつなげていく。龍斗は右ストレートを当てつつ、蹴りを出していった。  2R、序盤はヴァレリーキックを連発、ローを蹴っていた門口だが、中盤以降はパンチを当てていく。龍斗はサウスポーにスイッチし、ガードが低い門口の顔面を狙う。門口はフック&アッパーに左ボディ。ショートパンチを細かく当てていく。  3R、門口はヴァレリーキックを相手のカーフに当てていく。龍斗はワンキャッチからのヒザを巧みに使い、右ストレートも。門口は細かく手を出していき、フック&アッパーを繰り出していく。龍斗も当てるが、門口の手数が多い。  判定は2-0で門口が新階級での初勝利を飾った。 [nextpage] ▼第1試合 スーパーフェザー級(-60kg)3分3R延長1R×裕樹(ANCHOR GYM/RISE3階級制覇)TKO 2R 2分44秒 ※レフェリーストップ〇戸井田大輝(TOP LEAD GYM/フェザー級7位)  1R、ブロックを固めて前に出る裕樹は左右ロー、戸井田は右カーフ、左三日月、右アッパー、左右フックとボディと多彩な技を繰り出し、裕樹は戦いづらそう。右カーフではフラつく場面も。  2R、飛びヒザを連発する戸井田に裕樹は左奥足ローと左インローを連打していく。裕樹のペースになり始めたところで、戸井田が飛びヒザを命中させてダウンを奪う。  戸井田は一気にパンチでラッシュを仕掛け、ワンツーで裕樹がダウンしたところでレフェリーがストップ。戸井田の鮮やかなTKO勝ちとなった。  マイクを持った戸井田は「僕は第8章、試練ってタイトルで新しい人生を歩もうかと思っているんですけれど、皆さんも注目していただけたらと思います」と語った。 [nextpage] ▼オープニングファイト4 フライ級(-52kg)3分3R〇YAYAウィラサクレック (WSRフェアテックス幕張/同級4位)判定3-0 ※30-29×2、30-28×愛弥(NEXT LEVEL渋谷) [nextpage] ▼オープニングファイト3 スーパーフライ級(-53kg)3分3R〇小野琥大(TARGET/2025年 RISE Nova全日本大会 ジュニア-55kg級優勝)KO 1R ※右ストレート×井端刻也(健心塾) [nextpage] ▼オープニングファイト2 フェザー級(-57.5kg)3分3R△一輝(MtF MUGEN GYM)ドロー 判定0-1 ※28-29、29-29×2△羅粋(TARGET) [nextpage] ▼オープニングファイト1 アトム級(-46kg)3分3R×綾芽(楠誠会館/アマチュアキックボクシング全国大会2025一般女性クラス-46kg級優勝)判定0-3 ※28-30×3〇小西江美香(CYCLONE GYM)
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