キックボクシング
レポート

【GOAT】那須川龍心がバックキックで初回KO勝ち、松倉信太郎がKO負けで世界王座獲得ならず、龍聖がロムイーサンからダウン奪う完勝、渡部蕾が片山魁を鮮やかカウンターでKO、歩希がSAIGOをKOで開幕

2025/10/30 18:10
キックボクシングフェス「GOAT」2025年10月30日(木)東京・後楽園ホール※テレビ東京系列全国6局ネット(テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビ北海道、テレビせとうち、TVQ九州放送)にて11月1日(土)16:00~17:15に放送。TVerで見逃し配信あり。 ▼第7試合 SBIホールディングス株式会社 presents RISEルール 53.5kg契約 3分3R延長1R〇那須川龍心(TEAM TEPPEN)KO 1R 1分38秒 ※右バックキック×チャラームダム・ナヨックエータサラ(タイ/NayokAThasala GYM)  那須川はアマチュア大会で数々の優勝を経て、2022年4月のRISEでプロデビュー。2戦目で6月の『THE MATCH 2022』でK-1の大久保琉唯に判定で敗れ初黒星を喫したが、フライ級に階級を下げると3連勝。2月の「RISE NEW WARRIORSフライ級トーナメント」の準決勝で塚本望夢に判定で敗れるも、その後は6連勝。2024年6月には塚本へのリベンジを果たした。  また、2023年大晦日の『RIZIN』でMMAに初挑戦し、シン・ジョンミンにパウンドでTKO勝ち。2024年11月、数島大陸を初回KOで破り、RISEフライ級王座を奪取。2025年3月にクマンドーイをも2RでKOし、6月にはハマダ・アズマニに圧勝してISKA K-1ルール世界ストロー級(-51.5)王座に就き階級を上げることを宣言。8月にスーパーフライ級で1位の政所仁を破った。12連勝と破竹の快進撃中。戦績は14勝(6KO)2敗。  チャラームダムは80勝(13KO)25敗4分の戦績を持つ、元ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級王者、チャンネル7スーパーバンタム級王者。2022年度にはムエタイ年間最優秀選手賞(MVP)を獲得している。  1R、ジャブを突いていく那須川にチャラームダムは右ロー、前蹴りを合わせに来る。一気にスピードを上げる那須川が左ボディを決めるとチャラームダムは後退。  一気にラッシュをかける那須川にチャラームダムも反撃するが全くスピードが違う。ロープに追い詰めてボディを中心にパンチを当てる那須川が、右フックからの左アッパーでダウンを奪う。  続いて左ボディを直撃させた那須川は、右のバックキック! この一発が見事に決まり、チャラームダムは悶絶してダウン。那須川の見事なKO勝ちとなった。 那須川はマイクを持つと「今回こういう地上波でキックボクシングをやるってことで、僕をメインに起用していただきありがとうございます。今、天心がキックボクシングを引退して前より盛り上がりが下がっている状況が続いていますが、この状況を変えられのは俺しかいないと思います。もっともっと強くなってGOATが何回も行われるように僕も上がっていきます」とアピールした。 [nextpage] ▼第6試合 株式会社Wacker presents ISKA K-1ルール世界スーパーミドル級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇ブリース・コンボウ(カメルーン/Amrani Palace/王者)KO 2R 1分53秒 ※右ボディブロー×松倉信太郎(team VASILEUS/挑戦者)※コンボウが防衛に成功。  松倉はK-1甲子園2009 -70kg日本一トーナメントでの優勝を経てK-1、Krushを主戦場にキャリアを重ねた。2018年に戦場を『RISE』に移し、『RIZIN』にも参戦。2020年9月にWPMF世界スーパーミドル級王座を獲得、2021年3月にはKNOCK OUT-BLACKスーパーミドル級王座に就いた。  2022年4月にK-1に復帰。2023年6月に行われた「K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント」では決勝へ進出するもハッサン・トイに42秒でKO負け。しかし、12月のタイトルマッチで王座を奪取した。2024年7月には80kgでアレクサンドル・アマリティに判定勝ち。2025年2月にはパク・チュンイルにKO勝ちした。戦績は39勝(20KO)18敗。  コンボウは2023年4月から2024年6月までGLORYに参戦、1勝2敗を記録している。  1R、右カーフの蹴り合い、ジャブの突き合い、そして左ミドルの蹴り合いと技を交換する両者。松倉は左インカーフも蹴る。カーフに足をそろえるようになったコンボウだが、声を上げながら強打を放つ。松倉は右ストレートで対抗。  2Rもカーフを蹴り合う両者だが、右の蹴りから右のパンチを放つコンボウが右ストレートでダウンを奪う。ここからコンボウがさらにギアを上げ、ショートの連打を見舞って松倉をロープへ釘付け。 右フックから右アッパー、左右ボディとパンチを連打し、最後は右ボディ。うずくまってダウンした松倉は立ち上がることが出来なかった。 [nextpage] ▼第5試合 リズム株式会社 presents KNOCK-OUT BLACKルール 60kg契約 3分3R延長1R×ロムイーサン・TIGER REON(タイ/REON Fighting sports GYM)判定0-3 ※27-30、27-29、26-30〇龍聖(BRAID)  龍聖は小学1年生でキックボクシングを始め、アマチュアで多くの経験を積んで2019年4月にプロデビュー。2021年10月にはKNOCK OUT-BLACKフェザー級初代王座に就いた。RIZIN、巌流島でも勝利し、2023年3月にはラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級王者ペットセーンセーブと対戦し延長戦でダウンを奪って勝利。6月にはチュームーシーフーにダウンを奪われるも延長戦で逆転勝利、12月にはファク・スアレスをKO。  2024年4月にSBの川上叶に判定勝ちとデビュー以来の無敗記録を更新していたが、6月に久井大夢に判定負け。デビュー以来の無敗記録が「17」で途絶えた。12月にブライアン・ガビオに判定勝ちでISKA世界スーパーフェザー級(K-1ルール)王座を獲得すると、2025年3月のONE日本大会に初参戦し、スリヤンレックに完勝を収めた。しかし、6月の久井大夢との再戦は延長戦で判定負け。戦績は19勝(11KO)2敗。  対するロムイーサンは元ラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級2位、元BBTVミニフライ級1位の肩書きを持ち、現在は健太率いるREONジムのトレーナーも務める。これまで日本の試合では森井洋介、勝次などから勝利を奪い、2024年11月に久井を延長戦の末に判定3-0で破る番狂わせを起こした。12月の「KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級王座決定トーナメント」では1回戦で下地奏人にKO負けを喫したが、2025年7月に久井からダウンを奪い返り討ちにした。  1R、龍聖はジャブ&右カーフ、ロムイーサンは右の強打を返す。龍聖のしつこい右カーフにロムイーサンもカーフを蹴り返し、打ち合いになるとロムイーサンの右フックと龍聖の左ボディが交差する。  2R、龍聖が左右ボディ、左三日月蹴りで手数多くボディを攻めていき、カーフも蹴る。ロムイーサンは右ストレート、右ボディの強打で対抗するが、龍聖の左フックがクリーンヒットし、ロムイーサンが下がる。ロープを背負わせて左ボディ連打を見舞う龍聖。  3R、ますます手数を増やす龍聖がカーフと左右ボディ、右ストレートと攻撃を散らしていき、飛びヒザ蹴りも見せる。ロープを背負ったロムイーサンに龍聖がボディ攻めからの右ストレートでダウンを奪う。  大歓声に包まれる場内。龍聖はさらにギアを上げてパンチの連打でロムイーサンをコーナーへ追いつめる。ロムイーサンも反撃するが、龍聖の上下の打ち分けがさえる。  判定は3-0で龍聖が勝利。マイクを持った龍聖は「僕は魔裟斗さんみたいに絶対に日本人に負けなくて、負けた相手にリベンジするわけでなく、武尊さんみたいに勝ち続けているわけじゃないんですけれど、今日の試合ではまだまだまカリスマとはいかないですが、必ず魔裟斗、武尊、次は龍聖になります。またGOATでお会いましょう」と語った。 [nextpage] ▼第4試合 越水法律事務所 presents NEXT GOAT KNOCK-OUT BLACKルール 51.5kg契約 3分3R延長1R×片山 魁(TEAM FOREST)KO 2R 0分53秒 ※左ストレート〇渡部 蕾(KNOCK OUT クロスポイント大泉)  片山はアマチュアSB2023年-50kg全日本王者で優勝するなど、各アマチュア大会のタイトルを総ナメ。スピードと超アグレッシブなスタイルで立ち技だけでなく、柔術、MMAでもタイトルを獲得していることから、付いたキャッチコピーは“天才”。2024年10月にSBでプロデビューし、小林大樹と大激闘で場内を沸かせるなど5連勝を飾ったが、6戦目でRISEの長谷川海翔に判定負け。  再起戦となった10月11日のSBではワン・アミンと対戦し、ラウンド終了直前に左ストレートをもらったアミンが、ゴング後にコーナーへ戻ろうとしたところで倒れる“時間差KO”で話題を呼んだ。  渡部は2024年9月にKNOCK OUTでプロデビューし、5勝(3KO)無敗の快進撃を続けていたが、2025年8月の「第5代Krushフライ級王座決定トーナメント」1回戦で優勝候補の安尾瑠輝と対戦し、3RにKO負けを喫した。トリッキーかつ派手な戦いぶりが印象に残る選手。  1R、両者ともサウスポーで前蹴りを多用。パンチが交錯すると一発の渡部に対して片山は2発目をフォローする。渡部はトリッキーな蹴り技を使うが片山は見切る。  2R、片山が前蹴りからの左ストレートでリズムに乗ってきたと思われた次の瞬間、コーナーへ追いつめた片山が行こうとしたところへ渡部が左ストレートのカウンター。この一発が見事に決まり、片山はダウン。立ち上がろうとしてもフラフラでレフェリーが試合を止めた。  渡部の鮮やかなKO勝ちとなった。 [nextpage] ▼第3試合 越水法律事務所 presents NEXT GOAT RISEルール 55kg契約 3分3R延長1R×内藤啓人(GSB大須MACS)判定0-3 ※27-30×3〇堀本祐惺(TRY HARD GYM)  内藤は凌太(シュートボクシングを中心に活躍中)・大樹(ONEで活躍中)の弟。兄たちの後を追って2017年10月にSBでプロデビュー。RISE、DEEP☆KICK、スックワンキントーンなど様々なリングに上がり、2021年10月には片島聡志を破っている。また、2022年4月には吉成名高にも挑んだ。2025年10月11日のSBで野村勇人から勝利を収めたばかり。戦績は9勝(1KO)12敗。  堀本は2024年1月にRISEでプロデビュー。2025年8月に、トーナメントを制してSTRIKE NEXUS初代スーパーバンタム級王座に就いた。戦績は4勝(1KO)2敗。  1R、堀本はどんどん前へ出て手数を多く出していく。左の蹴りと右ストレート、左ボディ。内藤は後退を余儀なくされ、右ミドルを放つが堀本の圧倒的な手数が目立った。  2Rもジャブを中心にどんどん前へ出ていく堀本に、内藤は1Rほど下がらず右ストレートからの左フック、左ミドルで応戦。堀本は1Rほど前へ出てないものの、手数は多く出してヒットを奪う。  3R、両者ボディを打ち合い、カーフの蹴り合い、ヒザを突き刺し合う。消耗戦となる中、堀本の右ハイが浅くヒットし、さらにボディに内藤が下がる。しかし、内藤もショートの左フック&右アッパーで応戦するが、堀本が最後まで攻めの姿勢を貫いた。  フルマークの判定で堀本が勝利を収めた。 [nextpage] ▼第2試合 NEXT GOAT RISEルール 53kg契約 3分3R延長1R×龍太郎(VALIENTE)判定0-3 ※26-30×2、27-30〇相沢 晟(TARGET)  龍太郎は第44回拳正会全国空手道選手権大会高校生の部優勝の実績を持つ空手出身選手で、キックボクシングの戦績は7勝(2KO)10敗2分。2023年9月に安尾瑠輝、同年12月に那須川龍心との対戦経験があるが共に敗れている。  相沢はプロ戦績5勝(2KO)3敗2分。2023年6月に那須川龍心に敗れているが、2025年は4月に紀空、8月に井上蓮治に勝利して2連勝中。  1R、ジャブのボディを多用する龍太郎に、相沢は出鼻を挫く前蹴り。出入りを繰り返す龍太郎に相沢は圧をかけていき左フックを強振する。  2R、よく動く機動力のある龍太郎に相沢は追い詰めていきながらワンツー・左フック、さらにいきなり突き上げるヒザを織り交ぜる。相沢の圧に追われるようになった龍太郎だが、飛び込んでの左右フックを打つ。  3R、リングを大きく回り込む龍太郎は左右フックを狙っていくが、相沢のパンチコンビネーションから突き上げるヒザをもらう。終了直前に相沢が右バックハンドブローでダウンを奪った。  判定3-0で相沢が最大4ポイント差をつける圧勝となった。 [nextpage] ▼第1試合 NEXT GOAT RISEルール 58kg契約 3分3R延長1R×SAIGO(TARGET SHIBUYA)KO 3R 2分50秒 ※レフェリーストップ〇歩希(team VASILEUS)  SAIGOは、平成29年度日本拳法全日本体重別選手権大会軽量級優勝、第63回全日本学生拳法選手権大会優勝(7連覇)/最優秀選手賞と日本拳法で輝かしい実績を残し、2022年11月にプロデビュー。Stand up、KROSS×OVER、STRIKE NEXUSなど様々な大会に出場し、5月にベトナムで開催された『HEAT56 in VIETNAM』ではベトナム人選手に勝利している。また、2023年11月には『BreakingDown 10』に出場して山本隆寛を降した。プロ戦績は6勝(2KO)3敗1分。  歩希は武尊率いるteam VASILEUSの新鋭で、2023年9月にプロデビュー。JAPAN CUP 2023 -60kg優勝。プロ戦績は2勝1敗。  1R、両者ローの蹴り合いからのスタート。サウスポーのSAIGOはパンチ&ローで上下に揺さぶり、左フックをヒットさせて歩希をのけ反らせる。歩希は右ストレートを狙う。  2R開始と同時に打ち合いに。歩希はパンチに右ミドル、ヒザ蹴りも織り交ぜていき、右ストレートを狙い撃ち。この右ストレートの被弾が目立つSAIGO。  3R、歩希の右ストレートに左フックを返していくSAIGOだが、次第に動きが鈍くなり、歩希の右ミドル、ヒザ蹴りをもらう。右ストレートでダウンを喫し、何とか立ち上がるもフラフラで歩希の連打をもらってレフェリーストップ。歩希がGOATの記念すべき初勝利者となった。
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