2025年10月19日(日)東京・後楽園ホール『RISE 192』にて、「フェザー級(-57.5kg)王座次期挑戦者決定トーナメント」3分3R延長1Rで、同級15位・吉田晄成(TEAM TEPPENと対戦する同級3位・梅井泰成(Mouton)のインタビューが主催者を通じて届いた。
梅井は、柔道とレスリングをバックボーンに持ち、2022年3月に平野凌我との王座決定戦を制して第4代フェザー級王座に就いた。同年8月の防衛戦で門口佳佑に敗れて以降は、ノーコンテストを挟み3連敗と約2年勝利から遠ざかっていたが、2024年6月の翔戦で判定勝ち。9月の國枝悠太戦で判定負けも、2025年4月に有井渚海からダウンを奪って勝利。戦績は15勝(3KO)10敗1無効試合。
上手いし綺麗だけど、強さは感じない
――最近黒髪にしたんですね?
「最近黒髪になりました」
――今までは金髪でしたけど、心境の変化があったんですか?
「髪型を決める時に、美容師さんに何個か色を選んでもらってその中でルーレットをするんですけど、その中で良い色ばかりだと面白くないからハズレの色を作ってもらったんですよ。それが黒だったんですけど、それが今回当たってしまいました」
――ではハズレの黒なんですね。
「ハズレの黒なんですけど、8年ぶりに黒髪にしたんですよ。そしたら案外自分的には良いんじゃないかなって思ってます(笑)」
――志朗選手たちと鴨川に合宿に行かれていたみたいでしたが、合宿はいかがでしたか?
「自分との戦いみたいな感じでキツかったですね」
――メニュー的にはランニングとかフィジカル系がメインだったんですか?
「階段でのトレーニングとかフィジカルをやって、夜にキックボクシングをやってという感じでした。“全部詰め込んで1日やり切る”っていうのが2泊3日続いたって感じでした」
――それはトレーナーのニックさんや志朗さんが中心になってやっているんですか?
「そうですね」
――今回はRISEの選手で原口健飛選手や實方拓海選手などの珍しいメンツも参加していたようですが、普段練習しない選手と練習するのはどうでしたか?
「普段やり慣れているメンバーと違う感覚とか考えとか持ったりしているから、話を聞いていて『そういう考えとか、こういう技があるんや』って気付かされる部分がありましたね。原口選手と初めて手合わせさせてもらったんですけど、攻守がしっかりしていて何の攻撃が来るか本当に分からなかったです」
――次戦の吉田選手との対戦というところでも、対策や練習になりましたか?
「そうですね。試合に向けて『この対策を』みたいな感じではないですけど、良い感覚が掴めてきています。あとはもう体の疲労が抜ければ完璧ですね」
――先日、対戦相手の吉田選手がONEに出場していましたが、試合はご覧になられていましたか?
「僕U-NEXTの会員じゃないので、次の日に志朗さんに見せてもらいました(笑)」
――どんな印象でしたか?
「上手いですよね。上手いし綺麗だけど、強さは感じないなって感じです。相手が微妙だったので、その試合は参考にならなかったです」
――吉田選手は元々所属していたチームの選手ですけど、その辺りにやりにくさとかはないですか?
「彼は大阪のTEPPENの選手ですけど、僕がいた時は大阪のTEPPENはなかったので、関わりが全然ないんですよね。だからやりにくさとかはないですね。後は色々な想定はしています。那須川会長がセコンドにおられるので、僕のことを知っているし教えてもらったし先生でもあるので。だから自分のメンタルがどう動くのかとか、そこに対しての状況とかも想定しながら練習しています」
――その辺りは対策をされていたとしても、元々所属していた時よりも、自身も成長しているという自信があったりするんですか?
「それは試合を見ていたら分かってもらえると思うんですけど、TEPPENにいた時よりも1つ2つ成長できていると思うので、そこは以前と違う所だと思っています」
――発表会見の時に「厳しい試合になる」というような事も仰っていたのが印象に残っているのですが、そこからしばらく時間が経って練習を積んで、試合が近くなった現時点では今回の試合をどう分析していますか?
「結局は厳しい試合にはなると思うので、楽にポーンと勝てるみたいなのはないですね。それぐらい上手い選手なので、前戦も見ましたけど寺山遼冴が手を焼いていたので、あのタイプは1ポイントの取り合いになるんじゃないかなと思っています」
――接戦になる事を想定しているんですね。
「距離も結構上手いので、そういう所で差が出るのかなと思います」
――まだ吉田選手はキャリア6戦の選手で、それぐらいの選手とやる事も最近はないと思うのですが、勢いに乗っている部分など警戒はしていますか?
「勢いとかは波に乗っていると思うんですけど、でも戦い方は勢い系のファイターでもないかなって感じですよね。一応警戒はしています。TEPPEN大阪自体が今波に乗っていると思うんですけど、そこの流れって結構大事だったりするじゃないですか。でもそれで言うと僕らも別に悪いわけではないので、あんまり関係ないんじゃないですかね(笑)」
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強い選手に勝って認められてベルトを巻きたい
――今回は『フェザー級王座次期挑戦者決定トーナメント』と銘打たれていますが、フェザー級のベルトに対しての思いは誰にも負けない自信がありますか?
「ベルトが云々っていう感覚ではないんですけど、フェザー級のベルトって僕が門口君に奪られて、門口君から安本君に移って、他団体にも勝負しに行ったりしてかなり価値が上がったと思うんですよね。その価値の上がったベルトを取りたいというのはもちろんですし、強い選手に勝って認められてベルトを巻きたいっていう思いが1番なんですよ。こんなに3年半もしつこく追っかけ続けているやつもいないと思うんですけど、そこはこだわっています」
――この階級でやってきたという自負があるという事ですか?
「そうですね」
――負けてしまったり苦しい時期もあったとは思うのですが、それを乗り越えてベルトに挑戦できる手前まで近づいてきた、その気持ちやメンタルの保ち方はどのようにしてこられたのですか?
「もちろん今回は次が見えやすい形のカードではあるんですけど、今まで落としていい試合はなかったし、どの試合も“この試合が全て大切”という気持ちでやってきました。この試合をきっちりクリアした上で先が出てくると思うので、この試合の話が来た時は純粋に嬉しかったんですけど、まずはこの1戦に向き合って、ここだけに全力を注ぐっていう感覚でやっています」
――志朗選手のパンの購買意欲は最近どうですか?
「最近はおさまっているんですけど、京都に用事がある時とかは『このパン買いに行ってきて』みたいなのはあります」
――「京都のこのパン買ってきて」みたいな指令が出されるんですね。
「毎回送ってくるんですよ。個数が可愛かったら良いじゃないですか。最低何個で何種類欲しいっていう連絡が来るんですけど、『最低30個欲しい』って連絡が来るんですよ。毎回“誰が食うねん”と思うんですよね」
――それは実際に30個買っていくんですか?
「買っていきます。ちゃんと食べているみたいで、多少はお裾分けもしているみたいなんですけど、3日で20個くらい食べたって話も聞いたんですよね」
――食べる量が異次元ですね。
「やっぱりパンが好きみたいですね(笑)」
――その志朗選手から今回の試合に向けてアドバイスなどはいただいていますか?
「『メンタル面とか厳しい試合になるから、焦らないようにね』とかメンタル面のアドバイスをいただいています」
――当日はセコンドに付いてくれるんですか?
「はい」
――では盤石な状態で挑める形ですね。
「そうですね」
――体のコンディションはいかがですか?
「いま体の疲労がすごくて、早く1週間前になってほしいです。でも、僕は試合までギリギリの期間でも1日でも強くなったりとか、きっかけを得たりする事は絶対にできると思っているので、この残り3週間弱で“一歩でも成長してやろう”って常に思いながら練習しています」
――前回の有井戦からだいぶ期間が経ちましたけど、さらに進化した梅井泰成が見れそうですか?
「そう思ってもらいたいですね。僕もそのためにやっているので。僕もこんなに間隔が空く予定ではなかったので、寝ていたわけではないっていうのを見せたいです」
――最後にファンへのメッセージをお願いします。
「いつも僕の応援をしてくれている方々、本当にありがとうございます。10月19日は自分が元所属していたTEAM TEPPENの選手との対決なんですけど、しっかり成長した姿を見せて、僕は自分の道を信じて突き進みたいと思います。一緒に勝ちましょう」