Eternal MMA王者・谷口武がドリリッチの押し込みを打開できず判定負けで王座陥落
2025年10月11日、豪州西オーストラリア州パースのパースHPCにて、『Eternal MMA 99』(UFC Fight Pass 配信)が開催され、メインイベントのEternal MMAフライ級選手権試合で、王者・谷口武(修斗GYM神戸/CMBT)が、アンソニー・ドリリッチ(豪州)を相手に初防衛戦に臨んだ。
▼Eternal MMAフライ級選手権試合 5分5R
〇アンソニー・ドリリッチ(豪州)10勝2敗
[判定3-0]※50-45,49-46,48-47
谷口 武(日本)5勝2敗
谷口は、GLADIATORで今村豊に一本勝ちするなど3勝1敗、修斗で松ともあきに2R TKO勝ち後、豪州に渡り、ゴールドコーストのCMBT Training Centreで練習。24年11月の『Eternal MMA 91』で地元の王者フランク・ヤンコフスキーに挑戦するチャンスを得て、左右フックを効かせてグラウンド状態でのヒザ蹴りの減点がありながらも、判定2-0でベルトを巻いている。27歳。
対するドリリッチは元同級王者。23年8月にヤンコフスキーを4R リアネイキドチョークを極めてベルトを巻くと、2024年3月には元PANCRASEフライ級王者の猿飛流を2R TKO、6月にはマックス・リアリを1R TKOに下し、2度の王座防衛に成功している。その後、『Contender Series 2024』で同じ豪州のHEX Fight王者のショーン・ガウチに判定負けでUFCとの契約ならず。25年2月の前戦でスコットランドのブライアン・ハイスロップを相手に2R リアネイキドチョークで一本勝ち。再起を遂げている。31歳。
1R、サウスポー構えのドリリッチは遠間から右ジャブを見せると、オーソの谷口は右ミドルを放つ。左ローを当てた谷口。互いに慎重な出だし。スイッチして飛び込みを見せる谷口に、ドリリッチは右回りで右ジャブ、谷口は右で飛び込み、右ミドルも。
ドリリッチは飛び込んでの左ストレートを当てるとダーティボクシングで左ヒジを連打。さらに首相撲ヒザ。ケージに押し込み、左足にシングルレッグを仕掛ける。ケージ背に左小手巻き差し上げる谷口は右のヒジを突くとドリリッチは離れる。
ワンツーで前に出るドリリッチをダーティボクシングで右を連打し返す谷口。密着したドリリッチは、右で差して頭をアゴにつけてケージに押し込みホーン。ドリリッチのラウンドに。
2R、左フックを突く谷口は、右ミドルを当てると、ドリリッチは右から左フックで近づきまたも首を掴んでダーティボクシングかと思いきや、組んで脇潜りバッククリンチに。背後からヒザを突くドリリッチに、頭をケージにつけて引き出されないように残す谷口はクラッチをはがそうとする。
ドリリッチはハイクロッチに移行して持ち上げてテイクダウン。すぐにパウンド。片ヒザ立ちから立とうとする谷口を後方に崩すが谷口は立ち上がり、正対して突き放す。
ドリリッチの左のダブルのステップインをかわした谷口は右フックは空振り。右前蹴りを突く。両手のガードを上げて頭の前に置いて構える谷口。右ボディで飛び込んで左から右フック!
バランスを崩したドリリッチが後退。しかしすぐに構え直すと、谷口は首相撲も下にダブルレッグで入るドリリッチ。ケージに押し込む。その頭にヒジを突いた谷口に、顔を上げて押し込むドリリッチ。谷口はボディにヒザ。押し込むドリリッチも細かい右ヒザ。ケージ背にする谷口も細かいヒザを返す。ドリリッチが離れた瞬間ホーン。拮抗もドリリッチのラウンドか。
3R、ドリリッチは右ジャブ。谷口は右ミドルをガード上からヒット。さらに右インローを当てて、ドリリッチは遠間から右ジャブでけん制。右足を外にワンツー飛び込んで左アッパーを突いて離れる。
右ジャブ、右フックと軌道を変えるドリリッチは、右で入って首を押さえてダーティボクシングかと思いきや、ダブルレッグで押し込み。左で差し上げる谷口に右で差して細かい右ヒザ。左小手でケージを背負う谷口は右ヒザ、右ボディ。ドリリッチはアゴ下に頭をつけて押し込み続けて細かい左右のヒザ。それをなかなか打開できない谷口は、押し込まれながら、右をこつこつ突き上げる。
右足をかけて崩しのドリリッチに戻す谷口。ドリリッチは押し込みながら左の細かいパンチ。ダブルレッグに移行すると谷口は腰を落として両足を開いて右で小手に。左で差して右で顔面を突くドリリッチはついにクラッチを組むと、持ち上げ崩しも、足を着いて残す谷口にボディロックで対面のケージまでドライブ。そのまま押し込み続けてホーン。ドリリッチも消耗しているがラウンドは取ったか。
4R、右ジャブ、左ストレートで中央を取るドリリッチに、谷口はサウスポー構えからオーソに戻して左ジャブをヒット。左インローで押し戻すドリリッチに、左手前に圧力をかけ直す谷口。そこに右外に出ながら左ストレートを突くドリリッチ。
谷口も右ストレートから右アッパー、左フックのコンビネーションも、バックステップから巧みにサークリングでかわすドリリッチをとらえきれず。ドリリッチは首を押さえて止める。ワンツーの右で入る谷口。右に回り外足を取るドリリッチは左インロー。谷口は思い切ってステップインも、ドリリッチのダーティボクシングにつかまり右で首を押さえての左アッパーに後退。そのままケージまで押し込み、ダブルレッグに移行。コーナーからの「ウィザー」の声に左で小手に巻く谷口は差し上げ。
ブーイングも出始めた地元のドリリッチだが、押し込みは変えず。ハイクロッチ狙いから胴を押さえてヒザ。谷口も右ヒザ、右ヒジを落とすが、頭の位置を変えるドリリッチは押し込みヒザ。残り40秒で突き放した谷口。ドリリッチの左右の打ち終わりに右アッパーの連打で前進も、頭を振ってかわすドリリッチが再び圧力をかけ直してホーン。このラウンドもドリリッチ。
最終5R、ドリリッチは右ジャブ連打から。谷口は右で入って間合いを詰めて左右のフックも、互いにダーティボクシングでアッパーの打ち合い! しかしその刹那、ドリリッチがダブルレッグからケージまで押し込み。観客のブーイングを受けながらも右で差してヒザ、左パンチを顔面に。右インサイドニーのドリリッチ。押し込むが頭を下げると、そこに谷口がヒジを打ち込む。頭をアゴ下に変えるドリリッチは左のクリンチボクシングを顔面に。
組み手をダブルレッグに移行して下に入るドリリッチは、シングルレッグからハイキロッチに変えて、再びダブルレッグへ。左小手の谷口はケージ背にする。体を入れ替えたい谷口だが、細かい打撃のドリリッチは下から頭を突き上げ、右足でこつこつヒザ。谷口は身体を伸ばされて反撃の糸口がつかめない。
残り2分、ドリリッチのヒジのスペースでサークリングが出来た谷口は突き放し。ジャブのドリリッチに右ミドルを突く谷口だが距離が遠い。左右のショートで前に出ると、ドリリッチも左ストレートをヒット! そのまま連打でダブルレッグでみたび谷口をケージに押し込み。ブーイングを受けるドリリッチだが、構わず、アゴ下から谷口の頭を上げさせて右で差して左のダーティボクシング。
受け続ける谷口も右ヒザを連打し、右ボディも、ドリリッチは首相撲に変化。それを突き放して谷口は右フックも、そこに連打で打ち返すドリリッチが前に出てホーン。
互いにハグしてから、先に両手を挙げた谷口はケージに駆け上がって勝利をアピール。ドリリッチも両手を挙げる。ドリリッチはケージへの押し込みから細かい打撃、凌いだ谷口だが、決定打は無かった。
判定は3-0(48-47, 49-46, 50-45)の3-0でドリリッチが勝利。ベルトを腰に取り戻した。
ドリリッチは「気分は最高です。ご存知のとおり、私が望んでいた戦いではありませんでしたが、もちろんここに来て素晴らしいショーを披露し、それ(ベルト)を手に入れたいと思っていました。これは戦いです。彼は対サウスポーの準備を整えて来たけど、今夜は私のジムが勝ったと思います。
(次の対戦相手は“ビッグ・セクシー”ジョセフ・ラチャニシになるだろう)そうです。トレーニングに戻って、それに備えたいです。ご存知のとおり、私たちは戦うために来ました。私たちは戦いに来て、お互いをケージから追い出します。それが現実です。
まず、今夜来てくださったファンの皆さんに感謝申し上げます。私のコーナー、家族、私のコーチ、ベン・ブレナンとジョシュ、他のコーチたちが常に背後にいて、トレーニングで常に私を後押ししてくれました。ありがとうございました」と語った。








