(C)Eternal MMA/Kawahara Namiki/A1 Combat/JCK
2025年10月10日米国『Urijah Faber's A1 Combat 31』、11日中国『JCK Fight Night 107』、11日豪州『Eternal MMA 99』にて、日本人3選手のフライ級マッチが行われた。
A1 CombatにはA1 Combatストロー級&元DEEPストロー級王者の川原波輝(チームアルファメール)がフライ級で出場。JCKにはGRACHANフライ級王者の小田魁斗(CARPE DIEM福岡)が出場。Eternal MMAには同団体のフライ級王者として谷口武(修斗GYM神戸/CMBT)が初防衛戦に臨んだ。
川原がフライ級でも大熱戦。打撃を効かせるもテイクダウンのガルシアにスプリット判定負け
2025年10月10日、米国カリフォルニア州ロングビーチのサンダー・スタジオにて『Urijah Faber's A1 Combat 31』(UFC Fight Pass 配信)が開催された。
▼フライ級 5分3R
〇エリアス・ガルシア(米国)10勝2敗
[判定2-1]※29-28×2,28-29
×川原波輝(日本)9勝6敗2分
川原は、A1 Combatストロー級王者。24年3月の『A1 Combat 19』でのストロー級王王座決定戦でアンソニー・ドゥに判定勝ちで戴冠。UFCにストロー級王座の創設を呼び掛けた。
24年5月の『DEEP TOKYO』では越智晴雄を相手にDEEPストロー級王座統一戦に臨み、1R ギロチンチョークで一本負けを喫したが、24年10月の英国『Cage Warriors Academy South East 36』同ストロー級王座決定戦でチャーリー・ファルコに判定勝ちでCWSEストロー級王座についている。今回は1年ぶりの試合が、フライ級戦となった。36歳。
対するガルシアは10勝1敗の現OKTAGONフライ級王者。2018年3月にアダム・アントリンに1R KO勝ちでプロデビューから6戦無敗で同7月にUFCデビュー。マーク・デ・ラ・ロサに一本負け後、カイ・カラフランスに判定負けで連敗。UFCフライ級縮小に伴いリリース。その後はCOMBATEで3連勝後、23年11月の前戦『OKTAGON 48』でアーロン・エビイにTKO勝ちでフライ級王座についた。1年11カ月ぶりの試合となる。33歳。
1R、サウスポー構えのガルシアにオーソの川原は左ジャブから右ミドル。同じタイミングでガルシアも左ミドルで交錯。ガルシアはそのまま左足にシングルレッグでテイクダウン。首を抱えてケージまで移動する川原にガルシアは両足を束ねてサイドに。
細かくヒザを突き、川原の左足を自身の左腿に乗せて足を着かせず。上体をケージに立てた川原は左で脇差し手首を掴みに。バック狙い。しかしサイドに出ているガルシアは横に寝かせようとする。
川原はケージに背中を着けたまま。足首を掴むガルシアの頭を押さえて足を抜きたいが、サイドから腰を押さえて右ヒジのガルシア。川原の立ち上がりの動きに右で肩を押さえて阻止。ボディロックで右に倒して背中を着かせると、ケージウォークの川原を押さえ込んでサイドからマウントで右脇に頭を突っ込み肩固め狙い。川原は右手を側頭部に当てて防御する。
外れてマウントに戻るガルシアはバックマウントから左ヒジも落とす。川原は正対して下に。亀からヒザを立てると、ガルシアはバックからリアネイキドチョーク狙いもゴング。川原はダメージは無いとばかりにコーナーに小走りで戻る。ガルシアのラウンドに。
2R、ガルシアはワンツーから左ハイで前に。かわす川原に左インロー、右前蹴り。さらに右ローを当てるも後ろ廻し蹴りはすかされる。詰める川原は左ジャブから右ストレートで前に。右ミドルハイを上腕に当てる。
回るガルシアは右ボディストレートを腹に突くと、右前蹴りから左ミドル。そこにカウンターの右を伸ばす川原。ガルシアは左右ロー。その打ち終わりに川原は強い右ローを当てる。
ジャブから右アッパーで前に出てガルシアをケージに詰める川原。ガルシアはケージを蹴って左のスーパーマンパンチも、そこに右を内側から合わせに行く川原。さらにワンツー。ガードのガルシアは右前蹴りを腹に。
川原は右から左、右と繋いで前に。バックステップで回るガルシアは右前足をジャブがわりにこつこつ突くと、右から左ストレートの飛び込み。さばく川原は胸を払う仕草から大きく踏み込んで右ミドルをガード上に。さらに右ボディから左右フックに繋ぐ。
ガルシアの右ローの打ち終わりに右ストレートを当てた川原! 後退して両ヒザを一瞬マットに着いたガルシアはすぐに立ち上がり左を返すと、ダメージを感じさせない左フックの飛び込みも。さらに左前蹴り2発。左ストレートから右で前進。さばく川原は、再びガルシアの右ローに左をかぶせる。
左ストレートの飛び込みのガルシア。左ジャブの前手を残したまま左ハイをヒット! さらに左前手を突くコンビネーションで反撃。さらにワンツーの左をヒット! 被弾した川原は2、3歩後退も構え直す。そこに左ミドルを当てるガルシア。川原も右ミドルを返す。左ボディを届かせて右を突くガルシア。
さらに左ローも、そこを狙っていた川原は右をスイング! ガルシアは下がりながらも右を狙うが、一気に詰めた川原は左跳びヒザ。さらに右ヒザでケージに詰めると、左ジャブ。
ガルシアは鼻血。川原の左ジャブの打ち終わりに右のバックフィストを届かせる。ガルシアの右ローに右ストレートで踏み込む川原、ここは読んでいたガルシアもすぐに右を打ち込む。
左右前蹴りのガルシア。右を振る川原をかわすガルシア。川原の左にガルシア高い左前蹴り。さらに歩いてワンツーは左に回って避けた川原。右ローのガルシアに右ストレートを狙う川原。ガルシアは左ミドルをヒット。川原も右ミドルを蹴り返し。右の前蹴りから左フックで飛び込むガルシアにカウンターの左を突く川原。
さばくガルシアは左前蹴り。足数を止めない。左ハイはスウェイでかわす川原だが、すぐに右前蹴りに繋ぐガルシア。川原の詰めに頭を下げて左オーバーハンド。バックステップでかわした川原は大きく踏み込んで左から右ストレート!
被弾したガルシアがケージに詰まると、右跳びヒザから左右フック。ガルシアも左右で応戦。打ち合いのなか残り10秒の拍子木。詰める川原は右ミドル。左フックのガルシアに首相撲ヒザ。さらにノーガードで近づきワンツー。左に回って左で飛び込んできたガルシアにカウンターの右! ガルシアも左右を振るが川原がかわしてゴング。両者手をタッチ。川原は笑みを浮かべてコーナーに戻り、ダンスを見せる。
両者ともに効かせる打撃の打ち合い、手数はガルシアも、ダウン相当の有効打は川原。ガルシアは鼻血にカットマンが綿棒を突っ込む。
最終3R、自陣コーナーから笑みを浮かべる両者。中央にグローブタッチ。右から左の二段蹴りを当てるガルシア。そのままダブルレッグに入るが、差し上げる川原。詰めて左ハイのガルシアは、川原の右の蹴りに合わせて左ストレート! もらった川原はバランスを崩す。
右ミドルを打って左右を強震する川原に、ガルシアは左オーバーハンドをヒット。さらにワンツーから回転して右バックフィストの前腕を首筋に。効いていないと両手を振って詰める川原。
左頬のカットが開くガルシア。詰める川原はガルシアの右をかわして左から右。ガルシアは右ロー。左インローをこつこつ当てる。川原は右ミドルの蹴り返し。スイッチしながら歩いてワンツーのガルシア。回る川原に右関節蹴り。右ローと足数が多い。
前足に左右ローを蹴るガルシアは、左ボディを突いて右をタッチするように当てる。左の蹴りを上下のガルシアを追う川原。そこに右前蹴りのガルシア。
左足へのシングルレッグで川原をケージに押し込む。左手で差し上げようとする川原にガルシアは左足を股に入れて、右足首を引いて川原に尻餅を着かせる。両足を束ねると、川原はフックガードで跳ね上げて足を引いて立ち上がりに。その際でバックに回るガルシア。左足をかけて引き込むが、川原は右に回って胸を合わせてトップに。蹴り上げるガルシアは立ち上がり際の川原の顔面に左足を届かせる。
ブレーク。立ち上がるガルシア。ワンツーの左ストレートを伸ばすガルシア。詰める川原は右ミドルハイ。ガルシアも左ハイを返すと、川原のジャブに合わせてシングルレッグへ。ここでも尻餅を着かせたガルシア。ケージまで動いて上半身を立てて座る川原は、頭にパンチ。立ち上がりの川原にバック狙いもここも反転して上を取り返す川原は鉄槌からバックに。
両足を差し込みボディトライアングル。川原はリアネイキドチョークを狙うが、ガルシアはケージウォークで頭の位置をずらす。背後からパウンドの川原。首を守るガルシアも背後に鉄槌。残り45秒。時間を見て背後からパンチし、残り10秒で腕十字に入った川原だが、ガルシアは両腕を組んで防御。ゴングが鳴らされた。両者は座って笑顔でハグ。
最終回は左ストレートを当てたガルシアがテイクダウン。終盤に川原がバックを奪い、細かいパンチを当てたが──。
判定は2-1のスプリットに割れ、29-28×2, 28-29でガルシアの勝利に。ガルシアは歓喜の雄たけびでひざまずき、川原とハグ。
ケージインタビューでガルシアは、「まず第一に、私は神に感謝したいと思います。ここに戻って手を挙げてもらうまでには、とても長い道のりがありました。そして、これ以上の相手は望めませんでした。彼に敬意を払います。私は彼の幸運を祈るばかりです。そして、私は彼のために拍手したいです。彼はファッ〇ンウォリアーでした。私が本当に言わなければならないのは、再び勝てて気分がいいということだけです(涙を流しながら)チケットを買ってくださった皆様、ありがとうございました。私の生徒の皆さん、クライアントの皆さん、ありがとうございました。チーム・オオヤマの友人全員。オーヤマさんに電話してくれたことに本当に感謝していることを強調したいと思います。神が彼を私の人生に置いたのには理由があることを私は知っています。彼に感謝してもしきれません。キャンプ全体を通して、彼が私に言ったのは、あなたはクソ壊れない存在でなければならないということです。私はあなたを愛しています。コーチ・オオヤマ、心を込めて」と語った。
これでガルシアは5連勝。ガルシアより綺麗な顔のままケージを降りた川原は今後、自身の階級のストロー級で王座を防衛するか。






