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【UFC】ドバリシビリ「王者になっていちばん楽しんでいるのは練習だ」「打撃の応酬が多くなる」×サンドヘイゲン「ウマルと戦ったから今回は自分のレスリングが通用するのか疑問を持たずに臨める」=10.5『UFC 320』

2025/10/04 21:10

コーリー・ サンドヘイゲン(バンタム級4位)「組みでも今はトップと渡り合えるという確かな材料を持ってこの試合に臨む」

──以前にショートノーティスで暫定王座戦を戦ったことがありますが、今回ついに正規タイトルマッチを戦うことになりました。今、目標に手が届く位置にいる心境はいかがですか?

「もちろん。気持ちは上がってるよ。ここまで長く努力してきたけど、これで急に何かが変わったり楽になったりはしないと思ってる。試合でベルトを獲ってからも、やるべきことはたくさんある。浮かれすぎずに、王者になってからもさらに先を目指していくつもりだ」

──あなたは特定の相手に合わせて準備するのを楽しむタイプだと感じています。今回はメラブ・ドバリシビリ(バンタム級王者)への準備はいかがでしたか? あなたは「俺のグラップリング・ディフェンスは最高で、相手に削られて疲弊させられることはない」とも話していました。メラブは、多くの人が史上最高峰と評価するファイターです。

「“タイトルマッチに向けた準備”ってだけで、いつも以上に集中できた。コーチたちにもこれまでで一番プッシュしてもらったし、自分でもしっかり追い込んだ。そのおかげで、自分の中の新しい領域を引き出せた感覚がある。そういう大きな試合じゃなければ到達できなかったと思う。相手も一流だし、キャンプは本当に上手くいった。自信は十分だよ」

──あなたはウマル・ ヌルマゴメドフ(バンタム級2位)戦のあと、相手のグラップリングや大きな見せ場を作ることを意識しすぎて、自分のやるべきことから外れたと話していました(※ヌルマゴメドフ戦=2024年8月『UFCファイトナイト・アブダビ』で判定負け)。今回はその点をどう修正しましたか?

「俺は一つのことに極端に集中しすぎるクセがあって、ウマルのときは相手の動きばかり見てしまった。だから今回は同じミスはしない。キャンプの大部分は“自分の強みを磨くこと”に使って、プラスアルファでメラブへの対策を積んだ。前のデイヴソン・フィゲイレード(バンタム級6位)戦では、相手のスタイルもあって往復の攻防を十分に見せられなかった(※フィゲイレード戦=2025年5月『UFCファイトナイト・デモイン』で相手の負傷によるTKO勝ち)。俺はああいう展開で輝けるタイプだから、今回はそこをしっかり出したい」

──メラブは「この試合は打撃が90%になる」と話しています。あなたの全スキルを見せられる展開になると思いますか?

「誰だって顔に一発もらうまではプランがあるものさ。2R、3Rと打撃中心で進んだときに、彼がなお打ち合いを続けるか、そこで答えが出ると思う」

──メラブは「150歳まで戦う」とも言っていました。あなたはどれくらい長く戦い続けたいですか?

「技術が進めば、みんな長く戦える時代が来るかもしれないね。冗談はさておき、俺は“他にやることが何もない”と感じなくなるまで続けるつもり。ジムで“もうできないな”と思ったら、それがやめ時だと思う」

──漫画の執筆の進捗はいかがですか?

「順調。今は自分で描いていて、すごく楽しんでる。過度に宣伝はせず、期待値も上げすぎないようにしてるけど、手応えはあるよ」

──タイトルは何という作品でしょう?

「“THIRDS(サーズ)”だ。しばらくは内容は伏せておくよ。しっかり仕上がるまで、1年くらいは“謎”を楽しんでほしい」

──発売はいつ頃になりそうですか?

「たぶん8、9カ月後。制作に時間がかかるし、ボリュームもあるからね」

──ベルトの価値について、ファイターごとに温度差があります。あなたにとって“UFC王者になること”は、この旅路の先でどれくらい重要ですか?

「とても大事だよ。キャリアを振り返って“王者じゃなかった”となれば、きっと自分に悔いが残る。ただ、それだけが全てではない。俺にとって一番大事なのは最強の相手を倒すこと。だから今回勝って王者になっても、過去の負けは取り返しに行くつもりだし、メラブ・ドバリシビリは“史上最高”と見る声もある相手だから、勝てば評価は一気に上がる。UFCで何度か負けている俺でも、最強として名を残すという夢は、メラブに勝てば現実的に手の届く位置にあると感じられる」

──あなたにとってアメリカ人であることも大切だと思います。唯一のアメリカ人男子王者になる、という点は重視しますか?

「うん、それも大事だ。唯一のアメリカ人男子世界王者は自分だと言えるのは誇らしい。愛国的と言われても構わないよ」

──人はウマル・ヌルマゴメドフ戦から多くを学んだとあなたが語るのをよく引き合いに出します。メラブ戦の前にその試合を経験しておいて良かったと思いますか?

「良かったと思う。レスリングの攻めに関しては、ウマルはメラブと同等か、それ以上かもしれない。だから今回は自分のレスリングが通用するのかという疑問を持たずに臨める。当時はダゲスタン勢は異次元という空気が強くて、正直、気持ちに影響した部分もあった。でも今はトップと渡り合えるという確かな材料を持ってこの試合に臨む。あとは自分のやるべきことをやるだけだ」

──今はあなたのVlogが一番面白いのではと評判です。「バンタム級トップファイターと相部屋」という企画も面白かったです。もしUFCから「誰か一人と相部屋になれ」と言われたら、一番嫌なのは誰ですか?

「メラブ・ドバリシビリ、ピョートル・ヤン(バンタム級3位)、ショーン・オマリー(バンタム級1位)、ソン・ヤドン(バンタム級5位)あたりの中なら……たぶんメラブかな。メラブのことは嫌いじゃないんだけど、とにかくよく話すタイプっぽいし、俺は静かなほうだからね。加えて、友人をたくさん連れてきそうで、落ち着いて休めなさそうなんだ」

──ここ1年でSNSの攻め方が一段ギア上がった印象です。狙いは何だったのでしょう?

「“自分のやり方”でやりたかった。いかにも、という見せ方にはしたくなくてね。その結果が今の形。ただ、俺の完全オリジナルかというと、ネットで似た企画を見かけて“声やフィルターが面白いな”と思って参考にしたところもあるよ」

──ショーン・ オマリーはホワイトハウスであなたと戦いたいとも話しています。どう受け止めていますか?

「歓迎だよ。ただ、俺は試合数を重ねたいタイプで、優先順位で言えばウマル・ヌルマゴメドフとピョートル・ヤンが先かな。彼らには一度負けているからね(※ヌルマゴメドフ戦=2024年8月『UFCファイトナイト・アブダビ』で判定負け、ヤン戦=2021年10月『UFC 267』で判定負け)。でも、ファンが俺とオマリーの試合を見たがっているのは分かってる。実現するなら、ホワイトハウスのような大舞台で、しかもベルトをかけてできたら最高だ」

──テレンス・クロフォードが母校ネブラスカの試合でベルトを掲げました。あなたもコロラド大のOBとして、“コーチ・プライム” ディオン・サンダースと一緒にベルトを掲げる――そんなシーンは思い描けますか?

「とてもクールだと思うよ。自分は熱心な他競技ファンというわけではないけど、そういう場面は胸が躍るね」

──ヤンやウマルとの“再戦”は、王座奪取とは別腹でどれくらいワクワクしますか?

「正直、Aサイドに回れること自体にかなりワクワクしている。これまでは、ずっと自分から手を挙げる側だった気がするから。これからは追いかけてもらう番になる。オマリーが今、俺の名前を出しているのもその変化の表れだろう。胸を張って“次は君たちだ”と言えるのが楽しみだ」

──来月、マリオ・バティスタ(バンタム級8位)対ウマルの試合があります。どう見ていますか?

「どちらも手強い。マリオは実力者で、侮れない。予想としてはウマルにやや分があると思うけど、マリオが勝っても不思議ではないね」

──“王者になったら年間3度の防衛”のようなハイペースも視野ですか?

「理想だね。例えば10月に戦って、年始・年の半ば・年末で3試合。自分は試合を重ねたいタイプだし、そういうスケジュールは大歓迎だよ」

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