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【RIZIN】朝倉未来がクレベルにスプリット判定勝ちでリベンジ、野村がパトリッキーに判定勝ちで9月名古屋でサトシに挑戦、YA-MANがTKO勝ちで金原が引退。井上が福田下し王座防衛。安藤が一本勝ち、上田がTKO負けで準決勝敗退。フライ級GPで元谷がヒロヤに完勝、扇久保がトーレスに競り勝つ、伊藤がズールーに打ち勝ち、ガジャマトフが征矢をTKO、神龍がギロチン極める

2025/07/27 11:07
 2025年7月27日(日)さいたまスーパーアリーナにて『超RIZIN.4 真夏の喧嘩祭り』が開催された。メインイベントの第15試合は、フェザー級前王者のクレベル・コイケ(ボンサイ柔術)と、前戦で鈴木千裕に3R TKO勝ちした朝倉未来(ジャパントップチーム)が対戦。 【写真】『超RIZIN.4』スタジアムバージョンのさいたまスーパーアリーナ会場  セミのライト級では、元Bellatorライト級王者のパトリッキー・ピットブル(ブラジル)と、4連勝中の野村駿太(BRAVE)が激突。さらに、井上直樹vs.福田龍彌のバンタム級タイトルマッチ、RIZINヘビー級GP準決勝&フライ級GP1回戦5試合などが行われた。 ▼第15試合 RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R×クレベル・コイケ(ボンサイ柔術)[判定1-2]〇朝倉未来(JAPAN TOP TEAM) レフェリー:長瀬達郎 ジャッジ: 豊永 稔/青・朝倉 [D 0-0/ A 0-0/ G 0-20] 松宮智生/赤・クレベル [D 0-0/ A 0-0/ G 20-0] 石川喬也/青・朝倉 [D 0-0/ A 0-0/ G 0-20]  クレベルは大晦日、鈴木千裕との再戦で判定勝ちで1年半ぶりにベルトを奪還。25年5月、無敗のシェイドゥラエフを挑戦者に迎えるも1R、初のTKO負けで王座陥落した。早くも再起戦となる今回、勢いを取り戻した朝倉を再び返り討ちにし、ベルト奪還へ突き進むか。 朝倉は、24年7月に平本蓮に1R KOされいったん引退を宣言。平本との再戦で復帰が発表されるも、平本の怪我を受け、5月『男祭り』で鈴木千裕と対戦し判定勝ち。復活を遂げた。2021年6月の初対決から4年を経て前王者のクレベルに寝技の進化も見せつけてリベンジし、王座挑戦へ駒を進めるか。  1R、サウスポー構えの朝倉が圧力をかけて左ロー。オーソのクレベルは中央で押し戻して、朝倉の左前手フックをかわしてダブルレッグ。右足を外に出す朝倉にボディロックテイクダウンのクレベル右小手でスイープして上下を入れ替える朝倉に、左差しで立ち上がるクレベル。右ローで前に出るクレベルは朝倉の右に合わせて組み。コーナー背にする朝倉にボディロックからヒザ蹴りのクレベルの、崩しにトップを奪う朝倉。パウンドも立ち上がる。  クレベルの右ロー。朝倉は左ハイからワンツーの左ボディストレート。右ローで圧力をかけるクレベルに左ボディの朝倉。朝倉は左インロー。右の関節蹴りから跳びヒザも。ゴングに笑顔の朝倉。  2R、左右の蹴りで前に出るクレベルにヒザを合わせる朝倉。左で差してボディロックから潜りで足にからむクレベル。左で差して崩すクレベルに鉄槌で離れる朝倉。右ボディストレートの朝倉。  左ストレート、左ミドルの朝倉。クレベルも右インロー。左で差して崩して引き込むクレベル。正対した朝倉にクローズドガードのクレベル。インサイドから右を打つ朝倉。右ヒジも。頭をアゴ下に起き、中央にステイする朝倉に、クレベルは左オーバーフックでクローズドガードからラバーガードも狙うが、朝倉は中央でステイ。左目尻を腫らすクレベル。  3R、朝倉の右に合わせて組んだクレベル。シングルレッグから尻を着かせるが、コーナー背に立ち上がる朝倉、右の小手が生命線の朝倉はバック回らせず。正対して左ヒザの朝倉、クレベルはボディロックから崩すが引き込み下に。右足を手繰るクレベルは蹴り上げも離れる朝倉。  スタンド、なおも右を振って組むクレベル。左で差して煽ってバックを狙うが、右の小手を死守する朝倉に引き込み下に。潜りもトップからパウンドの朝倉は離れてフットスタンプでゴング。  判定は2-1で朝倉が勝利。4年ごしのリベンジを果たした。試合後、朝倉は「やったぞ。格闘技、最近勝ったり負けたりだったけど、諦めないで続けていればいいことあるね。クレベル、もう1回やろうぜ、1対1。あとは注射の仮病ニキはどこで何やってんスか? 列に並び直せ。年末、ケラモフやろうぜ」と語った。 [nextpage] ▼第14試合 RIZINライト級(71.0kg)5分3R×パトリッキー・ピットブル・フレイレ(ブラジル)[判定0-3]〇野村駿太(BRAVE) レフェリー:福田正人ジャッジ: 豊永 稔/青・野村 [D 0-0/ A 0-30/ G 0-20] 松宮智生/青・野村 [D 0-0/ A 0-30/ G 0-20] 石川喬也/青・野村 [D 0-50/ A 0-30/ G 0-20]  パトリッキーは、23年7月の『超RIZIN.2』BELLATORライト級GP1回戦で、欠場したAJ・マッキーの代わりに緊急参戦したRIZIN王者サトシにTKO勝利を収め2回戦進出。同大会でクレベルと喧嘩騒ぎを起こした。11月の2回戦ではアレクサンドル・シャブリーに完封負け。24年4月からPFLライト級参戦も2連敗で敗退し、現在MMA3連敗中。今回、野村に経験の差を見せつけ、日本で復活を遂げるか。 野村は、24年9月に江藤公洋に挑戦し、判定勝ちでDEEP王座戴冠。2025年3月に、地元・四国開催のRIZIN香川大会に参戦。いきなりライト級コンテンダーのルイス・グスタボと対戦。3R テクニカル判定で勝利、戦前の予想を覆すアップセットを起こした。伝統派空手出身のスピードと、BRAVE仕込みのレスリング力でパトリッキーを撃破し、一気に王者サトシの射程圏内へと飛び込むか。  1R、ともにオーソドックス構え。近い距離での入り。右ローの野村は空振り。じりじりと圧力をかける野村に、パトリッキーはコーナー背にする。野村は左のフェイントで動きを見て、右の飛び込み! 被弾したパトリッキーは右回りで左右で押し戻し。  右ローを返したパトリッキー。野村は左ボディを打つ仕草を見せる。前手を押さえてワンツーの野村。細かいステップ。パトリッキーは右のバックフィストもかわす野村。右のフェイント。左から右! パトリッキーも右を振る。左前足での前蹴りの野村、パトリッキーは後ろ蹴りを見せてから跳びヒザから左右を届かせる。  2R、圧力をかける野村。飛び込みから組んだ野村は深追いせず。右を突く野村に、詰めたパトリッキーは跳びヒザ! さばく野村は間合いを取り、右前蹴り。ワンツーの右が交錯。顔を赤くさせているパトリッキーに野村は右カーフ、パトリッキーの右の飛び込みをかわす野村。左から右の突き。かわした野村にパトリッキーは後ろ廻し蹴り。  右で飛び込む野村の打ち終わりにパトリッキーも左右を打ち込み、右ローを当てる。互いにフェイントのかけあいから、パトリッキーは右ローを当てる。  3R、左の前手で突く野村を、さらに右で飛び込むがダックでかわすパトリッキー。野村も右跳びヒザで入るとパトリッキーもワンツーで返す。野村の左の縦拳が当たると、野村は左を当てて右に繋ぐ。  パトリッキーは顔面から出血。さらに右を当てると、野村は前に。右から左アッパーにパトリッキーはガードを固めてクリンチ。コーナーに押し込むと、レフェリーがドクターチェックを支持。左目の下をカットしているパトリッキー。再開。  残り1分53秒。中央に出るパトリッキーは右ロー。互いの右が交錯。ワンツーで間に出るパトリッキーに野村は右! しかし前に出るパトリッキー。カウンターの右を被弾しても前に出ると野村の入りにシングルレッグ、ダブルレッグで尻を着かせてサッカーキック! かわした野村ががぶりから鉄槌を突いてゴング。  判定は3-0で野村が勝利。咆哮した野村。セコンドのパトリシオが野村を祝福した。  試合後、野村は、「毎日パトリッキー選手のことを考えて、正直、ちょっと怖かったです。もうRIZINに相手いないんじゃないですか」とマイク。  そこに榊原信行CEOがリングイン。ホベルト・サトシ・ソウザを呼び込み、9月28日名古屋大会でのライト級タイトルマッチを宣言。野村は「余裕ス」と答えた。 [nextpage] ▼第13試合 RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R×金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA)[3R 2分51秒 TKO]〇YA-MAN(TARGET SHIBUYA)  金原は、2023年9月に元王者クレベル・コイケに判定勝ちでRIZINで破竹の4連勝をマーク。24年4月、満を持してRIZINフェザー級王者・鈴木千裕に挑戦も、鈴木の左ボディからの猛攻に1R TKO負けを喫し戴冠ならず。1年3カ月ぶりの復帰戦となる今回、鈴木千裕戦に続く、対20代、対MMAストライカーとの対戦に、42歳の“裏番長”健在ぶりをアピールできるか。 YA-MANは、23年5月のMMAデビュー戦で三浦孝太を1R TKO。11月のFIGHT CLUBではOFGキックで朝倉未来を1R 右ストレートでKO。大晦日のMMA2戦目で平本蓮に判定負け。負傷欠場を経て24年7月、鈴木博昭を1R KOし復活。大晦日にはカルシャガ・ダウトベックとのハードパンチャー対決で“石の拳”をグラつかせる場面を見せたが、判定負け。25年3月のRISEではミゲール・トリンダーデにOFGで3R TKO負けを喫した。今回、ベテランの金原正徳を相手に組技の進化も見せ、自身の“殴らせて殴り勝つ”土俵に持ち込み、大金星を挙げられるか。  1R、ともにオーソドックス構え。腰が低めのYA-MANに金原は右ロー。右ローから右フックを打ち込んだYA-MAN。金原も右を返してシングルレッグテイクダウン。奥足もアンクルピックの金原に、ロープづたいにコーナーで立つYA-MAN。  ダブルレッグからシングルレッグの金原。外に足を出してテイクダウンを防ぐYA-MANに、引き込み足関節からバックを狙う金原。コーナー背に立つYA-MANに、右足を挟んだ金原はボディロックでテイクダウン狙い。右差しと左小手のYA-MANが残すが、ついていく金原がダブルレッグテイクダウン。頭抱えるYA-MANに首を抜き、ハーフから細かいパウンドの金原、ゴング。  2R、左の蹴りの金原に、YA-MANも右ローで金原のバランスを崩す。頭を下げた右を振るYA-MANに右の跳びヒザを当てる金原。しかしタフなYA-MANは右を振って前に。それを潜ってダブルレッグからバッククリンチの金原は崩して足をかけようとするが、コーナー際で立つYA-MANを引き出す金原、コーナー際で座るYA-MANにバックを狙う金原、首を狙うが仰向けになって外すYA-MAN。  その立ち上がりにダブルレッグの金原は腰を引き出して斜めからマウント! ヒジを落とすもゴング。  3R、詰めるYA-MANは左から右フック。低いガードで立ち合いさばく金原に左を当てたYA-MAN! コーナーに詰めて左右を振るがコーナーを出る金原はダブルレッグも切るYA-MAN。互いに疲弊するなか、金原のシングルに引き込む形になる金原。そこに入っていったYA-MANに、クローズドガードの金原は足を解くとブレーク。  すでに体力が切れている金原。YA-MANは金原のシングルレッグに金原は右アッパー! 崩れた金原に左右パウンドで勝負を決めた。  試合後、YA-MANは「めちゃくちゃ疲れた。勝ったけど負けた気分。おい平本、いつまで休んでんだ。相手いなくなっちゃうよ。早く復帰しろよ。年末、鈴木千裕、お前俺と殴り合って勝てるのか? みんなお前が失神してるところみたいだろう」と平本蓮と鈴木千裕に戦線布告。  その後、金原にもマイクが渡され、「YA-MANツエえよ。指名してよかった」と語ると「まあ、引退します。デビューして20年、昨年千裕くんに負けて辞めようかと思ったけど、最後男として大好きなYA-MANと戦おうと。一番怖かったのは長南さんです。全部知っているし。それでも超えていきたかった。負けてマイクを持つのは、よくないけど、今回、自分のなかで納得していないところと、心残りもあって好きな相手を指名しました。格闘技デビューして20数年。これををもって格闘家。金原正徳、引退したいと思います。仲間である八隅孝平、所英男、このメンバーで戦えたことを誇りに思った。RIIZNに戻ってタイトルマッチも出来て、YA-MANと戦えてほんとうに良かったです。あとは、この2人に届くように」と子供たちを抱き寄せた金原は、これが最後の試合になると語った。 [nextpage] ▼第12試合 RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R〇秋元強真(JAPAN TOP TEAM)[1R 2分57秒 リアネイキドチョーク]×赤田功輝(KTT)カルシャガ・ダウトベック(カザフスタン)  秋元は2024年9月、18歳にしてプロ5戦全勝でRIZIN初参戦。バンタム級で金太郎を1R TKOに下すと、11月の連戦でフェザー級契約で鈴木博昭に判定勝ち。大晦日、元谷友貴とのバンタム級王座次期挑戦者決定戦で判定0-3で敗れ、初黒星を喫した。再びフェザー級で参戦した5月の東京ドーム大会では高木凌との新世代対決で、寝技の進化を見せての判定勝ちで再起。 椎間板ヘルニアを発症し「約6週間の絶対安静と治療が必要」なダウトベックの代わりは、剛毅會を離脱しBreakingDownに参戦、西谷大成を2R KOに下したばかりの赤田功輝に決定した。RIZINデビュー戦となった大晦日の雷神番外地で五明宏人を相手に接戦、最終Rには右でダウンを奪うもスプリット判定負け。25年3月にはMMA44戦のベテラン魚井フルスイングと対戦。1Rにダウン喫し、接戦の末にスプリット判定負け、RIZIN2連敗に。  1R、ともにサウスポー構え。先に左を振る赤田に、秋元からシングルレッグからボディロック。両差しの秋元はヒザを突いてスタンドで離れる。赤田のワンツーをかわした秋元は左を打ち下ろしてヒザを落とさせるとシングルレッグテイクダウン! 背中を見せて立とうとする赤田のバッククリンチで持ち上げて再びテイクダウン。両手を着かせてバックからボディトライアングル。右手でリアネイキドチョークを極めた。  試合後、秋元は「太田はまったく興味ないんで。次、ダウトベック選手が間に合わなければ、未来選手にまとわりつくこのザコを相手にするんで、萩原」と指名。  萩原がリング上に上がると、「今やっても勝てるぞ。逃げてるんだろう?」とマイク。萩原の言い返しに「早く降りろ」と言い放った。 [nextpage] ▼第11試合 RIZINバンタム級(61.0kg)タイトルマッチ 5分3R〇井上直樹(Kill Cliff FC)[判定3-0]×福田龍彌(MIBURO)※井上がバンタム級王座2度目の防衛に成功 レフェリー:福田正人ジャッジ: 豊永 稔/赤・井上 [D 0-0/ A 0-0/ G 20-0] 松宮智生/赤・井上 [D 0-0/ A 30-0/ G 20-0] 石川喬也/赤・井上 [D 0-0/ A 30-0/ G 20-0]  井上は、朝倉海が返上した王座をかけ、24年9月にキム・スーチョルと対戦。1R TKO勝ちでバンタム級王者に。25年3月、元谷友貴と再戦し、スプリット判定勝ち。史上初めてRIZINバンタム級王座の防衛に成功した。今回、DEEP同級王者の福田龍彌が持つハンターの本能を、王者としての殺しの才能で凌駕し、V2を果たすか。 福田は、24年3月にフライ級からバンタム級に上げて、DEEPで雅駿介を1RKO。9月には瀧澤謙太を失神KOに下し、DEEP同級暫定王座を獲得、二階級制覇を達成した。大晦日のRIZINでは芦澤竜誠を1Rわずか54秒、左フックでKO。25年5月の前戦はDEEPバンタム級王座戦で挑戦者・牛久絢太郎からダウンを奪う5R判定勝利で初防衛を果たしている。井上との戦いで2団体ベルト獲得なるか。  コールにメドゥーサのポーズの福田に対し、コールに十字を切った井上。  1R、オーソの井上に、サウスポー構えの福田。左ジャブで圧力をかける井上。前手争いから右ジャブを内側に見せた福田。井上は右インローをヒット。福田は頭」を振ってステップインのフェイント。井上の入りに前手右フックを狙う。井上は左ジャブのダブルを刺すと、右ローも。  福田の左アッパーをかわした井上。井上の右をかわして左ストレートをつくが、井上もかわす。左ジャブの長い井上、すらしている福田はステップするが、井上は右の三日月蹴り。  左ジャブの井上に福田も左を狙うが、井上は右ハイ。ブロッキングの福田は左のダブルを肩口に届かせる。  2R、右ジャブの福田、井上は右ハイをガード上に突く。ワンツの左を突く福田に下がりながらも左を当てた井上! しかし福田も左を返すといったん離れる井上。  左ジャブを内側から突く井上。福田の左の踏み込みに井上がバランスを崩すが、立て直して右インローをヒット。ガードをいったん下げて構え直した福田は、井上の飛び込みに右を狙う。  右三日月蹴りを突く井上!さらに左ジャブをインサイドで抜いて、福田の左の飛び込みを左回りでかわして右を突いてすぐに右ハイも。ブロッキングの福田。  3R、左ジャブで詰める井上。押し戻す福田は前手をはたいて詰めるが、井上はノーモーションの右を当てて、福田の後ろ手に右ミドルハイを突く。前足に関節蹴りの井上。右から入った福田。追う福田に井上は左ジャブから右フック! さらに蹴りのフェイントから左ジャブ。アゴが上がる福田。  左から右を届かせる福田だが、まだ浅い。「来い」という福田に右インローの井上。詰める福田に左周りで左ジャブを突く井上は、左ジャブ、距離を保ってジャブ、入りに右、福田は左アッパーもさばく井上は右ストレート。福田の左ストレートをかわして、福田の前手からの詰めもさばく。  細かいステップから井上の左ジャブの打ち終わりに左を当てる福田! しかし井上も右の後ろ手を突いて前に。被弾する福田にさらに右を当ててゴング。  判定は3-0で井上が勝利。第7代バンタム級王座2度目の防衛に成功した。長い距離の真っ直ぐを武器に、細かいステップで間合いを支配。外側に立って、踏み込むときはインサイドをストレートで打ち込む井上は、右の蹴りでも福田の左を完封した。  試合後、井上は、「ベルトを防衛しました。喧嘩祭りということで打撃で倒したかったんですけど、福田選手が強かったです。オブリガード」と福田の合言葉で締めた。 [nextpage] ▼第10試合 スーパーアトム級(49.0kg)王座戦→52kg契約→キャッチウェイト 5分3R〇伊澤星花(JAPAN TOP TEAM)51.45kg[1R 2分24秒 肩固め]×シン・ユジン(韓国/Bon Jiujitsu Songtan)52.85kg ※850gオーバー※体重超過のユジンにレッドカード1枚(減点50%)からの試合開始、伊澤が勝った場合のみ公式記録となりそれ以外は無効試合。  伊澤は、24年3月にDEEP JEWELSアトム級王者パク・シユンのベルトに挑戦し、2R ニンジャチョークで一本勝ちで3冠達成。9月、浅倉カンナの引退試合で判定勝ち後、大晦日、ルシア・アプデルガリムを1R腕十字で極めた。今回、ROAD FCタイトルコンテンダーのシン・ユジンを相手に防衛を果たし、16戦無敗とするか。 シン・ユジンは、24年12月のROAD FCでアトム級暫定王者パク・ジョンウンと対戦予定も中止に。緊急参戦のパク・ソヨンとアトム級暫定王座戦も、前日計量で大幅体重超過。51.25kg契約戦で2Rにソヨンをリアネイキドチョークで極めたものの、ノーコンテストに終わった。今回、無敗の絶対王者をボクシング仕込みの打撃で凌駕し、RIZIN女王の座を掴むか。  スーパーアトム級(49.0kg)王座戦から、ユジン側の体重問題で52kg契約試合に。さらに体重超過でキャッチウェイト戦となった今回の試合。体重超過のユジンにはレッドカード1枚(減点50%)からの試合開始、伊澤が勝った場合のみ公式記録となりそれ以外は無効試合となる。  1R、先に詰める伊澤がシングルレッグテイクダウン! ユジンのサイドから鉄槌を強打。そこからハーフネルソン、ダースチョークに。仰向けになって逃れるユジンは亀に。サイドバックからのパウンドに仰向けになったユジンにサイドから右脇の下に頭を突っ込み、左サイドに出て肩固め! タップを奪った。  試合後、伊澤は韓国から来たユジンに感謝の言葉を述べると、「もう体重超過の件は試合で」済んだこととし、Roys GYM北2号店が北松戸に出来ることを報告。 「伊澤チャレンジ」として、「くすぶっている人たち、私と一緒に女子格闘技を盛り上げましょう」と語った。 [nextpage] ▼第9試合 RIZINバンタム級(61.0kg)5分3R×ヤン・ジヨン(韓国)[2R 3分52秒 リアネイキドチョーク]〇安藤達也(日本)  安藤は、24年の『ROAD TO UFC』で階級上のフェザー級で参戦し敗れた後、25年6月、のRIZINでマゲラム・ガサンザデ(アゼルバイジャン)に1R、左ストレートでダウンを奪うと連打で再度ダウンさせてリアネイキドチョークで一本勝ち。 対するジヨンは、ROAD FC 63kgトーナメント決勝でキム・スーチョルを1R TKOに下すもバッティングが判明し無効試合に。25年3月にモンゴルのムングントシューズ ナンディン エルデンに1R TKO負けを喫したが、5月のRIZIN韓国大会で金太郎に左ストレートを効かせて、3R TKO勝ちで再起を果たしている。 ともにサウスポー構えながら、ジヨンはキックベースで、安藤はレスリングベースの右足前構え。RIZINバンタム級上位戦線へ進むのは?  1R、ともにサウスポー構え。先に右ハイのジヨン。さらに右に右を合わせる安藤。コーナーに詰めたジヨンの安藤は左! しかしジヨンも左を合わせて相打ちでダブルノックダウン!  下のジヨンを持ち上げて腕十字狙いを腕を抜く安藤はシングルレッグのジヨンにギロチンでコーナーに押し込む。首を抜くジヨンに四つから小外がけで崩しを狙う安藤。そこにジヨンは大内刈を合わせてテイクダウン!  ハーフの安藤に、ジヨンは右で差して安藤に背中を着かせて押さえ込み。安藤の右足を超えるが、安藤はフルガードに戻す。  2R、レベルチェンジする安藤に、ジヨンも前後のステップ。左を突く安藤に、ジヨンもワンツーの左で飛び込み。かわす安藤はノーガードで、ジヨンの左フックをダックでかわす。  ジヨンのシングルレッグを切る安藤。さらに左もかわして右前手フック。ワンツーの左をかわした安藤は左の飛び込み! 被弾したジヨンはボディロックで組むが、安藤を首投げで投げてそのままマウント! パウンドにスクランブルで背中を向けたジヨンに、仕掛けの速いパームトゥパームでリアネイキドチョークを極めた。  ジヨンはタップも鼻血を流したまま失神した。  安藤は試合後、「負けると思ったっしょ、出だし悪くて。でも最後に勝ったのは俺なんだ! 弱気なところもあったけど、どうにかこの試合に間に合わせて、ギリギリのところ潜り抜けてきたから勝てた。俺、もっとやるから、みんな俺のことタイトル推してよ。今日の2人(井上vs.福田)とやりたいんだ。俺いい試合するから、応援してください」と、バンタム級タイトル挑戦をアピールした。 [nextpage] ▼第8試合 RIZIN女子スーパーアトム級(49.0kg)5分3R〇須田萌里(SCORPION GYM)[2R 3分02秒 腕十字]×NOEL(DELIGHTWORKS)  須田は、柔術ベースのグラップラー。22年7月、RIZIN沖縄大会でにっせーに腕十字で一本勝ちでRIZIN白星デビュー。23年9月のDEEP JEWELSでケイト・ロータスに判定勝ち、11月に彩綺に一本勝ちで2連勝。24年1月には韓国のBLACK COMBATでグローブ掴みをしてきたパク・シユンに判定負けを喫し、アウェーの辛酸を舐めたが、その後は2連続一本勝ち。25年3月、浜崎朱加を相手に大方の予想を覆す、1R一本勝ちでレジェンド超えを果たした。17歳のNOELとの新世代グラップラー対決を制してRIZINのベルトを見据えるとともに、華やかに21歳の誕生日を迎えるか。 NOELは、ムエタイベースながら寝技も得意とするグラップラー。修斗で活躍し、2024年10月にはJMAEXPOでQUINTETルールに挑戦。柔術家の城戸ユカリに1分48秒、マルセロチンで一本勝ち。前戦の12月は、修斗で藤井惠の愛弟子である平田彩音に1R リアネイキドチョークで一本勝ちを収め、現在プロMMA戦績3勝1敗。25年5月の『RIZIN男祭り』でRIZIN参戦が発表された。憧れのファイターである浜崎朱加を極めた須田を、今回自らの手でタップアウトしRIZINの新世代グラップラーとして大舞台でアピールできるか。  1R、先に右ローからワンツーの須田はコーナーに詰めて小外がけテイクダウンの須田。NOELの立ちに三角絞め! 一度リフトして落としたNOELは右に角度をずらして首もとに足をずらす。須田は腕十字も狙いながら下から鉄槌。正面に戻るNOELは頭を引き付けるが、3分以上を凌ぐNOEL。  2R、ワンツーのNOELに、須田も打ち返して右で差してコーナーにNOELを押し込み。突き放そうとするNOELはワンツーの右を放つが、そこに蹴りから組んだ須田はボディロックテイクダウン! サイドを奪う須田に下から頭を両足で挟むNOELだが、頭を抜いたNOELにパウンドからバックマウント、パウンド。NOELの足を伸ばしてうつ伏せにさせると、右手を伸ばした亀のままのNOELを腕十字にとらえ、極めた。  試合後、須田は「DEEP JEWELSの須田です。応援、ありがとうございます。ちょっとあんまりいいフィニュシュ──、1Rで極められたところもあったので、また練習頑張ります。女子格闘技を盛り上げたいんで、皆さん応援してください」と語った。 [nextpage] ▼第7試合 RIZIN WORLD GP 2025 ヘビー級(120kg)トーナメント準決勝 5分3R×上田幹雄(BRAVE)極真会館全世界空手道選手権2019優勝[2R 3分05秒 TKO] ※鉄槌〇アレクサンダー・ソルダトキン(ドイツ/ロシア)スピットファイヤージム・ベルリン/クロアチアFNC推薦  上田は5歳から約20年間、極真空手の厳しい修練を積み、強さを希求する飽くなき姿勢、美しい組手、華麗なステップワークと心技体を兼ね備えた「極真で一番強い男」。13歳から2年間は部活動で柔道と相撲も経験。19年11月、第12回オープントーナメント全世界空手道選手権大会で16年ぶりの日本人王者に。21年4月には極真最大の荒行・百人組手に挑戦した。22年4月、初参戦のRIZINで髙阪剛にTKO負けを喫しMMAの洗礼を受ける。12月のGRACHANでMMA初勝利を収めると、23年6月に関根“シュレック”秀樹を1RTKOし、RIZIN初白星を挙げる。大晦日にはスダリオ剛を2RにグラウンドパンチでTKOし、2連勝。 しかし、その勢いで迎えた24年6月、ポーランドの新鋭コバルチェクから1R早々に腕十字を極められ、無念のタップアウト。24年大晦日の再起戦ではROAD FC二階級王者キム・テインを2Rスタンドヒザで鮮烈KOし、ヘビー級ストライカーとしての面目躍如を果たした。満を持して迎えたGP初戦では、1R 僅か1分3秒、左インローで練習仲間のシビサイ頌真のヒザを破壊し、衝撃のKO勝ちを収めた。トーナメント唯一の日本人選手として、また極真の誇りをかけ、強打に加え多彩な蹴り技を得意とするソルダトキンをKOに沈め、優勝まで突き進む。 ソルダトキンはクロアチアを中心にイベントを開催するFNC推薦選手。幼少期ジャッキー・チェンやジャン=クロード・ヴァン・ダムの映画が好きで、その影響から格闘技に興味を持つ。父を5歳で亡くすと、母の勧めでボクシングを始め、8歳の頃からは、徒手格闘技、グラップリング、フリースタイルレスリングなど多彩な格闘技を経験。そのなかで11歳の頃よりMMAの練習も始めた。とくに徒手格闘技では輝かしい戦績を誇り、ロシア国内王者をはじめW杯2度優勝、世界選手権でも2度優勝。また、軍隊で潜水なども経験。15年8月、ロシアのTaiwaz Productionでプロデビュー。Battle PromotionやOFCといったロシアの団体で破竹の11連勝。 23年9月、UFC契約をかけて出場したDWCSでは反則の膝蹴りで失格に。その後キックボクシング戦を挟み、24年9月、ジョージアのGFCでは1R僅か19秒でTKO勝利。回転系の打撃を得意とし、爆発力を持ち、その体格から繰り出すサイドキックで逆コーナーまで相手を吹き飛ばす。プロMMA16勝中10KO、一本で2勝している戦慄のフィニッシャー。6月のGP1回戦ではヘキサゴンMMA王者アウンアラーを開始早々、怒涛の打撃で追い詰め、後半スタミナを切らすも判定勝利。極真王者の上田にMMAでの武器の多さを見せつけ、ヘビー級ならではの迫力あるKOで決勝進出をもぎ取るつもりだ。  1R、前蹴りから先に組んだのはソルダトキン。上田は右で差して四つで押し戻す。ヒザ蹴りの両者。ブレーク。サウスポー構えの上田は左ミドル。ソルダトキンは後ろ蹴りで蹴り返してバッククリンチ。コーナーに向かって頭をつけて耐える上田。しかし後方に引き出そうとするソルダトキン。  その都度コーナーに戻る上田。ソルダトキンは背後からクラッチして投げ! 亀から立とうとする上田。ソルダトキンは左手首をコントロールして仰向けにさせるが、手首を外して立ち上がる上田!  立ち上がり左の蹴りで前に出る上田。ここもソルダトキンは組む。  2R、ずれたコンタクトレンズをはめる上田。後ろ蹴り、後ろ廻し蹴りから入るソルダトキンは右で前に。ブロックする上田だがロープを背に。四つの上田に右ヒザのソルダトキン。さらに足を踏みつけるソルダトキン。ブレーク。ワンツーの右で飛び込むソルダトキン。そのまま頭をアゴ下につけるソルダトキンの右ヒザがローブローに。再開。  右下段から、右内廻し蹴りの上田! かすめるも詰めたソルダトキンは両脇を差してバッククリンチ。前転した上田が亀に右足を刈ったソルダトキンは、上田の頭をマットに着けさせると、鉄槌連打! 腕を抜いて内側を向いた上田だが、頭を抱えたまま連打を浴びる上田にレフェリーが間に入った。  決勝でのマレク・サモチュク戦を決めたソルダトキンは、「皆さんありがとう。ほんとうに光栄です。また次の試合を楽しみにしてください。東京、ありがとう」と語った。 [nextpage] ▼第6試合 RIZIN WORLD GP 2025 ヘビー級(120kg)トーナメント準決勝 5分3R×ジョゼ・アウグスト(ブラジル)ピットブル・ブラザーズ/米国LFA推薦[判定0-3]〇マレク・サモチュク(ポーランド)ユニーク・ファイトクラブ/ポーランドKSW推薦 レフェリー:長瀬達郎 ジャッジ: 豊永青・サモチェク [D 0-0/ A 0-0/ G 0-20] 松宮/青・サモチェク [D 0-0/ A 0-0/ G 0-20] 石川/青・サモチェク [D 0-0/ A 0-0/ G 0-20]  アウグストは米国LFA推薦選手で、気迫漲るストライカー。幼少期よりジャン=クロード・ヴァン・ダムやジャッキー・チェンの映画をよく見ていたほか『ドラゴンボール』や『幽☆遊☆白書』等のアニメを通じて格闘技に興味を持つと、その後PRIDEやUFCの影響で自身もファイターを志す。15歳でムエタイを始め、キックボクシングも経験。18歳頃よりブラジリアン柔術を始め、同時期にMMAも練習開始。12年8月、ブラジルのローカル団体Extreme FightでプロデビューしKO勝利。19年9月、同じくブラジルのローカル団体Centro Oeste Fight で1R TKO勝利を挙げヘビー級王座を獲得。その後ライトヘビー級に転向。 21年4月、ピットブル軍団の一員として自身初の国際戦となったBellatorデビュー戦では、ジョナサン・ウィルソンに1R肩固めを極めて勝利。その翌月に緊急代打出場のアンソニー・ジョンソン戦では試合中に拳の怪我を負いながら相手をKO寸前まで追い込む根性ファイトで会場を沸かせた。再びヘビー級に戻し、23年11月よりLFAに参戦し2戦2勝。今年5月のGP1回戦では、スダリオ剛からダウンを奪う完封勝利で、現在通算4連勝中だ。根性ではひけを取らないサモチュクを派手にKOして決勝進出を掴み取る。 サモチュクはポーランドKSW推薦選手。8歳の時にPRIDEを観てヒョードルに憧れを抱く。他競技のバックボーンを持たないネイティブMMAファイターであり、20歳頃からアマチュアで戦績を積みALMMAライトヘビー級で金メダル獲得。19年、Thunderstrike Fight Leagueにて、ミドル級でプロデビュー。20年1月、Wotore 1 にてベアナックルルール、1R無制限勝負のトーナメントに出場すると、決勝戦をTKO勝利で飾り優勝した。根性溢れるアグレッシブなストライカーで、21年4月のEFM Showでは、ヘビー級で初のフルラウンドを戦い抜き判定勝利を収めた。 その同月、KSWに緊急代打参戦。大激闘から僅か2週間後のデビュー戦で、1Rは元ボクサーのイズー・ウーゴノーの打撃に苦しむも2R逆転TKO勝利を収めている。のちの再戦では1Rで返り討ちにした。5戦目でフィリップ・スタヴォヴィに敗れたことを機にワルシャワに移住しUniq Fight Clubへと練習環境を変えると、24年1月からは怒涛の3連勝中(うち2勝はパンチによるKO)で、25年3月にはスタヴォヴィにリベンジを果たした。ポーランド国外で初めて試合をした今年5月の1回戦では、体重超過でレッドカード減点50%のダニエル・ジェームスを相手に冷静な試合運びで判定3-0勝利を収めた。アウグストをあらゆる局面で圧倒し、フィニッシュ勝利で決勝の舞台へと駒を進めたい。  1R、先に右ローのサモチュクがアウグストのバランスを崩す。さらに右カーフ。アウグストの左前足が赤くなる。アウグストは右の縦ヒジで飛び込む。しかし右カーフを突くサモチュクに足が流れ始めたアウグストはサウスポー構えにして前足を変える。  右ボディから左フックに繋ぐサモチュク。アウグストも左ストレートで前に出る。右インローを前足に突くサモチュク。さらに右ボディストレート。  2R、サウスポー構えで入るアウグスト。サモチュクは右ストレート。圧力をかけるアウグストにサモチュクは前足にシングルレッグで回す。倒れないアウグストはスタンドで圧力をかけると、サモチュクは右インロー。アウグストは詰めてヒザを突く。  右ボディストレートのサモチュクに、左を当てるアウグストが前に! コーナーを出るサモチュクに左ストレート、右フックをかすめるアウグスト。詰めるアウグストの右に左に回って避けて右のショートを当てたサモチュク! 崩れるも立ち上がったアウグストに、サモチュクはここでスタンドではなくシングルレッグへ。耐えたアウグスト。ゴング。  3R、右フックから左ボディ打ちのサモチュク。アウグストも右から左を当てる。右ロングフックから右ローのサモチュク。そこにワンツーのアウグストもカウンターを警戒か、足を効かされているか踏み込めず。サモチュクはワンツー。判定はサモチュクが3-0で勝利。決勝進出を先に決めた。 [nextpage] ▼第5試合 RIZIN WORLD GP 2025 フライ級トーナメント 1回戦 5分3R〇神龍 誠(神龍ワールドジム)20勝4敗1分1NC・24歳 ※伊藤に判定勝ち、扇久保に判定負け[1R 2分55秒 ギロチンチョーク]×山本アーセン(KRAZY BEE/NAUGHTY HOUSE)5勝8敗・28歳 ※伊藤に判定勝ち  神龍はレスリングをベースとし、チョーク系の強い極め力を誇る。16年4月のPANCRASEでプロデビュー。その後DEEPを主戦場とし、19年6月には暫定王座戦を勝利しDEEP史上最年少の18歳で王座戴冠。正規王者として迎えた22年5月、暫定王者の藤田大和をニンジャチョークで極め王座統一・初防衛成功。22年11月、米国CFFCフライ級のベルトを獲得、さらにUFCファイトパスアワードで日本人初のサブミッションオブザイヤーに選出。  破竹の10連勝後の23年大晦日、RIZINフライ級王座決定戦で堀口恭司に一本負け。24年4月、イ・ジョンヒョンに一本勝利で再起。かつての師・扇久保博正を指名し7月に因縁対決が実現すると、接戦の末に判定負けを喫した。11月、2年半ぶりのDEEPでKENTAと大激闘の末、判定で辛勝。大晦日、Brave CF、Titan FC王者のホセ・トーレスと対戦も、際で競り負け判定1-2で惜敗。  25年2月、Breakthrough Combatで"Progressルールに初挑戦し、柔術黒帯のメネギンにポイント勝ち。GP日本人出場枠を賭けようと3月大会に勝利した伊藤に対戦要求すると、舌戦では上回られたものの、試合ではグラウンドで制圧し判定で完勝を遂げた。扇久保も参戦するGPで圧勝を続けて優勝し、フライ級国内最強の実力を公然と示したい。  アーセンは4歳よりレスリングを学ぶ。数々のジュニア大会で優勝を収めた後ハンガリーへレスリング留学。リオオリンピックをケガで断念すると、15年末にRIZIN電撃参戦が決定、デビュー戦でヒクソン・グレイシーの息子クロンと対戦、三角絞めで敗れたものの度胸を見せ観衆の心を掴んだ。16年9月、MMAデビューを果たす母・美憂とともに叔父の山本“KID”徳郁の指導のもと臨んだ才賀紀左衛門戦でスプリット判定勝利。その後2連敗を経て18年大晦日、他界したKIDへの思いを胸に宮田和幸の引退試合の相手を務め、一本負け。  19年6月、ティム・エスクトゥルースを肘でKOし再スタートを切った矢先に怪我で長期離脱。20年8月の復帰戦で加藤ケンジに1R KO負けを喫すると、再び療養へ。23年5月の復帰戦より階級を下げ、フライ級戦線で頭角を現すストライカーの伊藤裕樹を相手に得意のレスリングで終始攻め続け勝ち星をもぎ取った。その後9月の福田龍彌戦でドクターストップTKO、24年3月の柴田“MONKEY”有哉戦で一本負けを喫し2連敗に。1年2カ月ぶりとなる25年5月、ストライカーの冨澤大智に2R、リアイキッドチョークを極め、再起。ここで実力を示した新たなチームのもと成長を続ける総合力を武器にGP主役の座を狙う。  1R、ともにサウスポー構え。中央の取り合いから、右ローは神龍。左から右フックを見せる。アーセンは左オーバーハンド。かわす神龍に、アーセンは左インロー。神龍は右ジャブから左ストレートをガード上に。さらに右から左にアーセンのアゴが上がる。  左で詰めてコーナーに押し込む神龍は、離れキワに右ヒジ。アーセンの両差しにジャンピングガードの神龍。アーセンは自陣コーナーに持ち運ぶと、コーナーに頭が詰まる神龍は、右に頭をズラして右手でアームインギロチンチョーク! クローズドガードで組み直して絞ると、アーセンがタップ!  試合後、神龍は「これくらいの勝ち方でどうですかね。準決勝行けますかね。自分、生意気で実力のわりに人気ないので、今日から僕のファンになってください」と語った。 [nextpage] ▼第4試合 RIZIN WORLD GP 2025 フライ級トーナメント 1回戦 5分3R〇アリベク・ガジャマトフ(ダゲスタン)6勝0敗・23歳 ※北方にKO勝ち[3R 2分39秒 TKO] ※左フック→鉄槌×征矢 貴(THE BLACKBELT JAPAN)13勝7敗1分・30歳 ※ドッドソンに判定勝ち  ガジャマトフは8歳から始めたウーシュー散打でロシア王者に輝く。そのほか、カンフーロシア王者に2度、ハンド・トゥ・ハンド・コンバットでダゲスタンの数々のチャンピオンに、アーミー・ハンド・トゥ・ハンド・コンバットでは北コーカサス王者に2度輝いているほかMMAでも様々なトーナメントで優勝を果たす。10年間取り組んだ散打で120試合以上を経験するなか、ヴォルク・ハンや、その弟子としてRINGSの舞台でも知られ、近年PFLに参戦しているMMAファイターのバジギット・“ヴォルク”・アターエフ、UFCファイターのルスタム・ハビロフらを見て憧れMMAに転向。  プロデビュー戦以来ACA Young Eaglesで4戦し、いずれもパンチ、グラウンドでのパウンド、前蹴りでの3つのKOとRNCでの一本勝ちで全てフィニッシュ勝利。24年11月に北方大地と対戦し、1R 3分20秒、グラウンドパンチによるTKO勝利でRIZINデビュー戦を白星で飾った。タイ修行でムエタイのエキシビションマッチも経験するなどさらに武器を増やして臨む今回、8カ月ぶり2戦目のRIZINで、まだまだその強さの引き出しが底知れぬまま優勝候補の筆頭としてGP参戦。最強のダゲスタン人の一人として、相手を問わず全て1Rで仕留め、圧倒的に優勝を遂げるつもりだ。  征矢は扇久保博正の練習姿を偶然見かけ格闘技の世界を知る。アマチュア修斗で好成績を残し、12年7月のDEEPで伊藤貴昭を僅か46秒でKOし鮮烈なプロデビュー。主戦場を修斗に移してからもアグレッシブなスタイルで3連続1RKOを挙げ、13年修斗バンタム級新人王とMVPを獲得。  17年5月の修斗を最後に体調不良により実戦から離脱すると、指定難病のクローン病の治療に専念。19年6月、約2年振りの復帰戦にしてRIZINデビュー戦で川原波輝を衝撃的なカウンターで倒すと、8月には村元友太郎をTKOし健在ぶりをアピール。しかし、再び体調不良で試合から遠ざかる。22年4月、約2年半ぶりの復帰戦でWARDOG王者の中務修良にTKO勝利を収め完全復活を果たした。  23年9月、現在UFCランカーのラマザン・テミロフを相手に宣言通りの激しい打撃戦を展開するもKOで散り2連敗。24年7月の再起戦ではベアナックルルール初挑戦で、BKFC王者ドッドソンからダウンを奪われる判定負けを喫したが、25年5月、MMAルールで再戦し、組みを混ぜた戦いを完遂して判定勝利でリベンジを果たした。  1R、立ち合いからいきなりダブルレッグに入る征矢。右で小手のガジャマトフは受け止めて征矢の崩しに、逆に四つから左で差してテイクダウン! 立つ征矢に離れ際に背後から左の蹴り。  スタンド、右のバックキックのガジャマトフ。征矢はシングルレッグのフェイント。すぐにスプロールするガジャマトフは右アッパーから左。ブロッキングの征矢は右から左フック。受け止めたガジャマトフは右から左アッパー、後ろ蹴りを突く。  圧力をかける征矢は右で差して押し込み。そしてクラッチへ。顔を剥がすガジャマトフは離れる。右ハイでスリップもすぐに立つ。左ジャブをかわした征矢。  ニータップの征矢をさばいて左でダウンを奪うガジャマトフ! パウンドを被弾しながら背中を見せて立つ征矢に右前蹴り。バッククリンチを離して左右ラッシュのガジャマトフ。しかし征矢もガードを固めて左右の打ち返して押し戻してゴング。  2R、互いのスタミナはいかに。ガジャマトフの右フックをかわした征矢。ガジャマトフは左右の高い蹴り。かわす征矢に左フックを当てるガジャマトフ。左フックをを振る征矢。右ストレートをかわしたガジャマトフ。征矢は左ジャブを突き、左フックで飛び込み。互いに左の刺し合いも、征矢がじりじりと前に。  そして左フックを当てる征矢。ガジャマトフも左を返すと、ジャブの刺し合いでガジャマトフが徐々に有利に。さらに右アッパーも。しかしパンチの間合いになり、左フックで前に出る征矢。そこに右フックを返すガジャマトフ。ジャブからガード上に左ミドルハイを突いてゴング。  3R、右ストレートの征矢。ガジャマトフも右ストレートを当て返すが前に出るのは征矢。ガジャマトフの左右フックをかわした征矢。その前進にダブルレッグテイクダウンのガジャマトフ。コーナーで立つ征矢を崩すガジャマトフだが、立つ征矢はアームロックの動きから正対して離れる。  征矢の右に右の打ち下ろしのガジャマトフ。右跳びヒザを突くと、強いジャブ。征矢の右アッパーの打ち終わりに征矢の足が揃ったところに、右から左フック! 後方に倒れた征矢にガジャマトフは鉄槌連打! レフェリーが間に入った。左瞼をカットしている征矢。  試合後、綺麗な顔のままのガジャマトフは「これまで私のトレーニングを支えてくれたコーチ、故郷に感謝。GPの機会、ありがとうございます。ぜひすぐにでも次の試合を戦いたいと思います」と語った。 [nextpage] ▼第3試合 RIZIN WORLD GP 2025 フライ級トーナメント 1回戦 5分3R〇伊藤裕樹(ネックス)19勝6敗・28歳 ※神龍に判定負け、ヒロヤにスプリット判定勝ち、アーセンに判定負け[判定3-0]×エンカジムーロ・ズールー(南アフリカ)16勝8敗1分・36歳 ※堀口に判定負け レフェリー:福田正人ジャッジ: 豊永 稔/赤・伊藤 [D 0-0/ A 30-0/ G 20-0] 松宮智生/赤・伊藤 [D 50-0/ A 30-0/ G 20-0] 石川喬也/赤・伊藤 [D 50-0/ A 30-0/ G 20-0]  伊藤は小学4年から中学3年までボクシングを学び第2回全日本幼年ボクシング大会優勝経験を持つ。高校時代よりMMAに興味を持ち、16年に憧れのTHE OUTSIDERデビュー、ボクシングで培った打撃を武器に初代50-55王者に輝く。19年5月からDEEPで3連勝し、デビュー以来破竹の12連勝を飾る。しかしその12月、鮎田直人に判定負けでプロ初黒星を喫した。21年3月のRIZINデビュー以来、得意の打撃で全フィニッシュの3連勝。その勢いに乗り、8月からはDEEPフライ級GPに参戦、2戦を勝ち上がるも23年2月の準決勝で本田良介に判定負けを喫しGP敗退。 5月、10カ月ぶりのRIZINで山本アーセンに判定負けを喫し自身初の連敗を経験。その後はRIZINで全て判定による3連勝を挙げた。24年10月には自身も参戦経験のあるROAD FCで活躍するイ・ジョンヒョンをグラウンド肘でTKOし、久々のフィニッシュ勝利。25年3月、自身初の北米選手との国際戦で、タイトルホルダーでもあるララミーを相手に強烈な打撃戦を展開し、判定勝利でRIZIN5連勝。連続参戦となった5月の男祭りでは、組技・寝技で上回る神龍にドミネートされ惜敗を喫した。再起のかかるGP初戦からその拳を炸裂させ、一気に頂点へと駆け上がるつもりだ。  ズールーは喧嘩に明け暮れ、母親の勧めで6歳から極真空手を始める。17歳頃から、ムエタイやキックボクシングを始め、12年から本格的にMMAに転向。UFCミドル級王者ドリカス・デュプレシらと鎬を削る。13年3月、カンボジアのCTNプロモーションでプロデビュー。自動車整備士をしながらEFCを主戦場に戦績を重ねる。14年2月、バンタム級世界王座決定戦に1RKO勝利で王座獲得。初防衛戦で王座陥落後は階級を下げ、15年8月にフライ級王者に輝いた。  16年、南アフリカ出身選手として初めて『The Ultimate Fighter(TUF) 24』に出場。7月の初戦で扇久保博正に2R一本負けを喫した。23年7月、EFCバンタム級王座を獲得し二階級同時王者に。直近では24年3月にフライ級王座を防衛。24年9月のRIZINデビュー戦で、修斗二階級同時王者の新井丈と対戦し、1R終盤ヒザや後ろ回し蹴りなど打撃を次々にヒットさせ、スタンドパンチでTKO勝利。 大晦日、自身が果たせなかったUFC王座戦も経験した堀口恭司に挑戦するチャンスを得ると、打撃で堀口をグラつかせる場面も見せたものの終始試合の主導権を握られ判定負けを喫した。その堀口が返上したRIZIN王座を手にするべく、鋭い打撃を武器に、再起戦となるGP初戦から全開で臨み、W王座戴冠を果たしたい。  1R、サウスポー構えの伊藤に、オーソのズールー。右ミドルのズールーに、踏み込み速く左ストレートを刺す伊藤。ズールーは前蹴り。ワンツーで詰める伊藤はボディストレートも。  組んで右ヒザのズールー。伊藤の左右を距離で外したズールーはサウスポー構えになりカーフをヒット。オーソに戻すと左インローの伊藤。ワンツーの左も、その打ち終わりに右を狙うズールー。  スイッチするズールーの左の蹴りに、ワンツーを合わせに行く伊藤。左の蹴り合い。ジャブダブルから左ストレートに繋ぐ伊藤。ズールーは鋭い左ハイ。ダックしてかわす伊藤にバックフィストも。かわした伊藤のローシングルをかわしたズールーがダブルレッグから左ミドル。さらにズールーがダブルレッグテイクダウンでゴング。  2R、伊藤の右フックの飛び込みをさばいてダブルレッグのズールー。バッククリンチから左足をかけると伊藤はキムラクラッチで突き放す。しかしなおも伊藤の打撃に組むズールーはバッククリンチも、体を入れ替えた伊藤。ブレーク。ズールーは初回からの組みで消耗し始めたか。  右前手フックの伊藤に、左ストレートを突くズールーはなおも詰めてダブルレッグからボディロック、正対際に右ヒジ。伊藤の離れ際の左をブロックして右ハイ。  ブロックした伊藤は、ズールーの打ち終わりに右ヒジ! ワンツー。シングルを切ってがぶり。ズールーのフックをダックでかわす伊藤。  3R、大きく息をするズールーは左ミドル! 伊藤の回転速いパンチからフェイントに動くズールー。左ストレートを突く伊藤。圧力をかけるズールーに、右ボディストレートの伊藤。ズールーに左右から左をヒットさせて、ズールーのダブルレッグを切ってがぶり。  離れて右ヒザのズールーだが、動きが落ちた。伊藤は左ボディストレート。さらにボディ打ちから顔面へと散らす。そこに右を打つズールーだが、空振り。  スピードで上回られ、組みも切られたズールーは手詰まりに。左から右、後ろ廻し蹴りも突く伊藤は、左ボディから右! そこにシングルレッグに入るズールーを見切って潰して鉄槌の伊藤! 片足を手繰ろうとするズールーにパウンドを連打し続けてゴング。  組みを使うも力も使い、伊藤に削られ中盤からスタミナ切れしたズールー。判定は3-0で伊藤が勝利。 [nextpage] ▼第2試合 RIZIN WORLD GP 2025 フライ級トーナメント 1回戦 5分3R×ホセ・トーレス(米国)13勝5敗1分・32歳 ※神龍にスプリット判定勝ち[判定0-3]〇扇久保博正(THE BLACKBELT JAPAN)28勝8敗2分・38歳 ※神龍、ズールー、元谷に勝利 レフェリー:植松直哉ジャッジ:豊永 稔/青・扇久保 [D 0-0/ A 0-0/ G 0-20] 松宮智生/青・扇久保 [D 0-0/ A 0-0/ G 0-20] 石川喬也/青・扇久保 [D 0-0/ A 0-0/ G 0-20]  扇久保は07年プロデビュー。史上2人目の修斗世界王座2階級制覇を達成。RIZINバンタム級戦線を牽引し、21年のGPでは準決勝で優勝候補の井上直樹に総合力の高さを見せつけると、決勝では一度王座決定戦で敗れた朝倉海に根性でリベンジし優勝。その後22年9月にキム・スーチョルに判定で敗れてからは適正階級のフライ級に転向。現RIZINフライ級王者堀口恭司とは13年に一本負けによる修斗王座陥落以来、RIZIN初参戦の 18年7月、5年越しの再戦で判定負けを喫し、トリロジーとなった22年大晦日の対抗戦でもカーフキックを効かされ苦杯を舐めた。  23年7月の超RIZIN.2では朝倉海の欠場に伴い急遽アーチュレッタと対戦。フルラウンド闘い抜くも判定負けでバンタム級王座の国外流出を許した。大晦日にはUFCフライ級王座挑戦を経験したジョン・ドッドソンを完封して連敗を脱出した。24年7月、神龍の指名に応じ因縁の師弟対決が実現すると、接戦を制し己の矜持を示した。再び堀口の首が射程圏内に入ったものの、その堀口はUFCとの再契約を果たし王座を返上。1年ぶりの試合となる今回、打投極+根性を信条とする自身のMMAでグランプリを圧倒的に優勝し、RIZINフライ級の絶対王者をめざす。  トーレスはシカゴでメキシコ系とプエルトリコ系の両親のもとに生まれる。4歳で松濤館空手に入門し黒帯に。16歳よりMMAを始めCombat Doでボブ・シルマーに師事、様々な格闘技を学ぶ。アマチュア戦績25勝1敗。14、15年にIMMAF世界選手権史上初の二冠達成、またレスリングNCAA D2のマッケンドリー大学を卒業。その後KHKチーム・バーレーンに招かれる。  16年3月、Titan FCでプロデビュー。2連勝後の8月、フライ級暫定王座戦でTKO勝利、続く17年1月の王座統一戦で1R TKO勝利、5月にはバンタム級王座を獲得し2階級制覇。18年6月、UFC代打参戦のチャンスを掴み、ジャレッド・ブルックス相手にTKO勝利を収める。  しかし18年8月にアレックス・ペレスに判定負けでプロ初黒星。19年4月、初参戦のBrave FCでアミル・アルバジに判定勝利。23年8月のバンタム級王座決定戦ではンコシ・ンデベレに判定勝利でベルトを獲得した。しかし12月のダイレクトリマッチでは棄権TKOにより王座陥落、24年5月にはラバーマッチで判定負けを喫し奪還に失敗した。大晦日、初参戦のRIZINでは59.0kg契約で神龍誠を相手に手数で上回り、ポジションでも上を取る形でフルラウンドを終え、判定2-1勝利で世界の壁の高さを知らしめた。2025年5月の『BRAVE CF 95』では、2023年12月に福田龍彌に判定勝ちしているディアス・イェレンガイポフと対戦。25年5月の前戦では、ショーン・サンテラ戦以来(ドロー)5年ぶりにフライ級に落としての試合は、初回のカザフスタンパワーの洗礼を受けて惜しい判定負けを喫しており、RIZINフライ級GPで復活なるか。  1R、ともにオーソドックス構え。先に左ミドルを突く扇久保。トーレス。トーレスの左フック、ローをステップバックする扇久保。右ロー、左ミドルを当てて左ボディストレート、シングルレッグからボディロックも、テイクダウンされずに残すトーレスはコーナーを背に。  押し込み左右のヒザの扇久保に、トーレスは左ボディも、扇久保は右ボディから左顔面。さらに左の蹴りをジャブがわりに。左前蹴りも。トーレスは右ローも、その打ち終わりにダブルレッグの扇久保、トーレスはロープを掴み残して右ロー。  扇久保は右を突いてからシングルレッグ、さらにボディロックから小外がけテイクダウン! サイド奪う扇久保にハーフに戻すトーレス。マウントの際で立とうとするトーレスにバックからリアネイキドチョークを狙う扇久保だが、トーレスは手首を掴んで組ませない。すぐに着地する扇久保は詰めて細かい左右でゴング。  2R、左右から詰めてボディロックテイクダウンの扇久保に立つトーレス。なおもバッククリンチの扇久保に内股で投げるトーレスだが、すぐに立つ両者。押し込むのは扇久保。両差しで回すが、クラッチを切るトーレス。シングルレッグを再三仕掛ける扇久保に、離れ際に左を当てるトーレス!  すぐに組む扇久保。コーナーに詰めて左を振ってダブルレッグ。差し上げるトーレスに今度はヒザ着きのダブルレッグも、トーレスは右ヒザ! さらに左フック。  離れた扇久保だが右から左ミドルに繋ぐ扇久保。トーレスの詰めに左ハイをガード上に突いてゴング。トーレスが扇久保の組みを見切り始めたラウンド。  3R、右で詰める扇久保にコーナーで突き放すトーレス。左インローを当てる扇久保にトーレスも右を振るが、そこにシングルレッグの扇久保も取れず。扇久保は上段内回し蹴り。さらにシングルレッグも、顔をはがして差し上げるトーレス。  扇久保は左ロー。トーレスも右蹴り返し、互いに右ストレートををヒット! 扇久保はシングルレッグも差し上げるトーレス。しかし扇久保の組みに小手投げのトーレス。扇久保はなおもシングルレッグへ。ジャブの刺し合い。右ボディを当てる扇久保に、長い距離はトーレス。扇久保のシングルに跳びヒザを突くと、ワンツーから左ボディ、左ミドル、最後に扇久保が右を突いてゴング。トーレスが扇久保の手を挙げたが……。  判定は3-0で扇久保が勝利。打倒極・根性のシングルレッグテイクダウンからの組みも続けた扇久保は試合後「一言だけ。絶対に優勝するんで応援してください!」と力強く語った。 [nextpage] ▼第1試合 RIZIN WORLD GP 2025 フライ級トーナメント 1回戦 5分3R〇元谷友貴(アメリカントップチーム)38勝12敗1NC・35歳 ※バンタム級で扇久保にスプリット判定負け[判定3-0]×ヒロヤ(ジャパントップチーム)11勝14敗1分1NC・27歳 ※伊藤にスプリット判定負け レフェリー:福田正人ジャッジ:豊永 稔/赤・元谷 [D 0-0/ A 0-0/ G 20-0] 松宮智生/赤・元谷 [D 0-0/ A 30-0/ G 20-0] 石川喬也/赤・元谷 [D 50-0/ A 30-0/ G 20-0]  元谷は15年末の旗揚げからRIZINに参戦し、国内外の名だたる強豪と名勝負を繰り広げてきた歴戦の勇士。18年10月、DEEP二階級制覇を達成するとその大晦日ジャスティン・スコッギンスに一本勝ちで5連勝。19年7月、扇久保博正との死闘に僅差で敗れると、大晦日にはBellatorとの対抗戦でパッチー・ミックスのフロントチョークに沈んだ。  21年のバンタム級GPは、2回戦で瀧澤謙太にTKO負けで敗退。22年は大晦日にホジェリオ・ボントリンにTKO勝利を収めるなど5連勝をマーク。しかし23年5月、朝倉海との待望の一戦で無念のKO負けを喫すると、大晦日にはヴィンス・モラレスと激闘の末に判定負け。24年5月、再起戦のDEEPで、負傷欠場の福田龍彌の代打で参戦した平松翔に一本勝利で復活した。大晦日の次期挑戦者決定戦で躍進中の秋元強真に完勝を挙げると、25年3月に井上直樹のベルトに挑戦。  フルラウンド拮抗した試合を展開し、打撃で押されるも自身はグラウンドで上回ったがスプリット判定負けを喫しベルト獲得ならず、4年3カ月越しの井上直樹へのリベンジも果たせなかった。DEEP二階級制覇王者として満を持して参戦するフライ級GPで、高度な技術と豊富な経験を武器に、悲願のRIZIN王座戴冠を果たしたい。  ヒロヤは17年より関西のWARDOGを主戦場に活躍。20年「朝倉未来1年チャレンジ」のオーディションに合格し上京、朝倉兄弟らとの鍛錬に励み、20年8月よりDEEP参戦。実力者たちを相手に3連敗を喫すると、後のない状態から粘り強いテイクダウンと打撃を武器に2連勝の波に乗る。23年6月、朝倉未来を通じてRIZINで敗れた西谷大成の敵討ちを榊原CEOに直談判し超RIZIN.2出場を果たしたが伊藤裕樹に判定負け。しかし最後まで諦めない気持ちの強さを見せ、会場を沸かせた。  10月は中村優作に判定負けで2連敗。背水の陣で臨んだ大晦日、新井丈をTKOし、RIZIN初勝利とともに修斗2階級王者を破るという大金星を挙げた。24年7月、「負けたら引退」を掲げたレジェンドの所英男にカウンターの右ストレートを合わせられパウンドヒジでTKO負けを喫し、再びチャンスを掴み損ねる。11月、追い上げる柴田“MONKEY”有哉を振り切り3R 判定で再起戦に勝利。 25年5月の男祭りではかねてより挑発に遭っていた、MMAデビュー戦となる篠塚辰樹を1R開始早々にテイクダウンし、グラウンドヒジ、鉄槌を振り下ろし圧巻のTKO勝利を収めた。この勢いのまま迎える7月、米国修行でさらなる進化を遂げているMMAで、持ち前のスタミナも活かし、階級転向の元谷を相手に後半勝負で上回れるか。  1R、ともにオーソドックス構え。中央を取るヒロヤ、元谷は左ローでけん制。左ジャブを見せる元谷。ヒロヤも右を強振する。かわす元谷に、ヒロヤも左ジャブ。そこからの入りに元谷は前手の左フックを狙う。  右カーフを当てるヒロヤ。さらに左ミドルを届かせる。ワンツーは遠いが、左ミドルを突くヒロヤ。元谷は左ジャブ。右ローは空ぶり。詰めるヒロヤに元谷は右。そこに右を返すヒロヤ。左を上下に突いてアッパーで入るヒロヤ。右オーバーハンドをかわす元谷は、ノーモーションの右。さらにその場跳びのヒザ蹴り!  互いに右フックをかわすもヒロヤの頭が当たり中断、再開。コーナーに詰めるヒロヤの入りに元谷が跳びヒザを合わせてゴング。  2R、先に詰めるヒロヤは左ハイ。コーナーに詰めて右も、元谷は左右を叩いてテイクダウンの動きで頭の位置を合わせたところにがぶりヒザの元谷! さらに入って左ヒザを突く。  右ヒジで前に出るヒロヤの組みを首相撲でコントロールする元谷。離れるヒロヤに前後のステップの元谷。ヒロヤの頭を下げた入りを切ってバックに!  ボディトライアングルでバックを奪うとリアネイキドチョーク狙いながらヒロヤの正対際におたツイスターも狙う! 戻るヒロヤにバックマウントから鉄槌、パウンド。リアネイキドチョークを狙うが、ヒロヤも後ろ手を掴んで極めさせず、ゴング。  3R、階級落とした元谷にとってスタミナが問われる最終R。ヒロヤにとってはこの後半で盛り返せるか。先に前に出るのは後が無いヒロヤ。左ミドルを当ててコーナーに詰めるが、元谷は左ジャブ、しかし元谷も左右をまとめてヒザ。ヒロヤは左を突いて連打もコーナーで首相撲の元谷! 離れるヒロヤを追って左フック、ダブルレッグへ。  ここは残してコーナー背にするヒロヤ。元谷は細かい蹴りも離れる。  左ジャブの元谷は、前蹴り! 下がらされるヒロヤに右前蹴りから右! ヒロヤの前進をいなして体を入れ替え、シングルレッグ。ここは切るヒロヤはサッカーキックもかわす元谷。ヒロヤは左フックもかわす元谷。コーナー背にする元谷に跳びヒザのヒロヤに、体を入れ替える元谷も右から左のヒザ!  左から右にヒロヤに打ち合いに応じた元谷が右から右アッパーを当ててダブルレッグテイクダウン! そのまま引き出しマウントを奪い、パウンド、チョーク狙いでゴング。  判定は3-0で元谷が勝利。実力差を見せつけての1回戦突破で準決勝進出を決めた。試合後、元谷は「ヒロヤ選手と試合をしてすごい気持ちがあって、若くて今からだと思うんでこれからも頑張ってほしい、僕がヒロヤくんの分も背負って頑張って優勝するので応援、よろしくお願いします」と語った。 [nextpage] 【喧嘩三番勝負】(※オープニングファイト) ▼喧嘩三番勝負 第3試合 RIZIN MMAルール 68.0kg 5分3R〇芦田崇宏(BRAVE)[判定3-0]×直樹(FIGHTER'S FLOW) レフェリー:松宮智生ジャッジ:豊永 稔/赤・芦田 [D 0-0/ A 30-0/ G 20-0] 植松直哉/赤・芦田 [D 0-0/ A 30-0/ G 20-0] 長瀬達郎/赤・芦田 [D 0-0/ A 30-0/ G 20-0]  中学生の時にPRIDEを見て総合格闘家を目指す。柔道、ボクシングとレスリングを経験、ボクシングでは国体、インターハイ出場。10年10月、DEEPでプロデビューすると7連勝を挙げる活躍を見せる。PXCライト級王座戦を含めて様々な団体を経験し、17年5月に3年ぶりにDEEPに凱旋すると12月にはDEEPフェザー級王座奪取。近年は勝ち星に恵まれず迎えた25年3月のDEEPフェザー級GP1回戦ではダークホースの水野新太と対戦。飛び膝、右フックをもらいダウンすると鉄槌を浴び無念の初戦敗退、5連敗となる。崖っぷちの今回、MMA2戦目の直樹を相手に再起戦を勝利し、またRIZINの大舞台でその厳しさを教える。 剛柔流空手を12歳まで経験、全日本大会優勝。2014年4月にRISEでプロデビュー。空手仕込みの間合いと瞬発力を武器に活躍し、19年11月 初代スックワンキントーンスーパーライト級王者に。20年10月の-63kgトーナメントでは優勝候補の白鳥大珠に下馬票を覆すTKO勝利を挙げ、準優勝。 21年 1月、秀樹に5R判定勝利で第7代RISEライト級王者に。2025年5月のDEEPでMMAデビュー。SB王者で柔道のバックボーンを持つ奥山貴大を相手に1R ジャブを効かせ、たたみかけると最後は右ストレートを突き刺し僅か1分48秒でのKO勝利を挙げている。レスリングと打撃をMMAに落とし込んだベテランの芦田を早期フィニッシュし、RIZINのMMAストライカーの中で一気に名前を上げるつもりだ。  1R、オーソの直樹に、サウスポー構えの芦田。遠間に立つ芦田に、左関節蹴りを見せる直樹は右インローをヒット。さらに左関越蹴り。芦田も左インローを返して左右フックからダブルレッグ。スプロールする直樹は両足を最下段のロープ下外に伸ばす。左で差して崩して右を顔面に連打する芦田。  ボディロックして後方にテイクダウン。ハーフの直樹を寝かせて右で差して左で細かいパウンド。下の直樹は三角絞めを狙うが、肩をずらした芦田はかつぎパス! サイドを奪い、右のパウンド。  リングサイドにいる練習仲間の平本蓮から芦田にアドバイスの声も。腰を切る直樹は腰を切りフルガードに戻すと、芦田は首を引き寄せ右のパウンド。  2R、左インローを先に打つ芦田。ローから右を強振する直樹にダブルレッグテイクダウンの芦田に、直樹はフルガードも背中を着かされる。中腰からインサイドガードからパウンドの芦田はハーフからマウント! 半身から後ろを向いた直樹にバックから4の字ロック=ボディトライアングルの芦田は背後から手首をコントロールしてパンチ。マウント、バックマウントからパウンドを連打する芦田は連打。そこからリアネイキドチョークを狙うが、粘り強く首を守る直樹。正対して下になり、足を戻すと、芦田はインサイドガードからもパウンドを落とす。直樹は下からかかとを腰に突く。  3R、左ジャブを伸ばして右の直樹だが、芦田のテイクダウンプレッシャーに踏み込めず。シングルレッグテイクダウンの芦田は足を手繰りトップに。下の直樹はクローズドガード。削る芦田。宮田代表からの「枕いらない」の声に。パウンドから右足を超えて左で差してパス狙い。  直樹は足を跳ね上げフルガードに戻すが、今度は左足をまたいだ芦田はハーフから左のパウンド。上体を立てて右の強打! 直樹も下からヒジを突くが、芦田も背中を着かせて右鉄槌を細かく突いてゴング。  芦田は直樹の手を取り引き起こした。判定は3R通してテイクダウンからパウンドで削り続けた芦田が勝利した。 [nextpage] ▼喧嘩三番勝負 第2試合 RIZIN MMAルール ヘビー級(120.0kg)5分3R〇貴賢神(フリー)[2R 2分28秒 TKO] ※グラウンド右ヒジ×稲田 将(KING CONNECTION)  スダリオ剛の双子の弟。少年時代より空手やキックボクシングを習い空手では県大会2位の成績を残す。中学時代はバスケットボール部に所属。中学卒業と同時に貴乃花部屋に兄とともに入門。13年3月に初土俵を踏むと、17年の5月場所で新十両に昇進。18年3月には史上初の双子の関取誕生と話題になる。  しかし21年7月に不祥事を起こし相撲界を引退。大晦日のリングで、総合格闘家転身を発表するもRIZINデビュー以来3連敗に。24年3月、背水の陣で臨んだコーディー・ジェラベック戦で2分58秒、TKOで念願の初勝利を果たした。大晦日にエドポロキングと対戦。テイクダウンを狙うも顔面ヒザを効かされ、連打を浴び1R TKO負けを喫した。 柔道で培った技術をベースとして、常にKO、一本を狙いに行くアグレッシブファイター。9歳より柔道を始めMMAを始める32歳まで経験。高校で全国ベスト8、大学では東海大会優勝、全国ベスト16、実業団時代には愛知県優勝、全国ベスト8の成績を残した。  2022年5月、DEEPでプロデビュー。25年6月のDEEPではステファン“スマッシュ”を極め、2試合連続1Rアームバーでフィニッシュ勝利を挙げている。現在プロ7戦中5勝は2つのKOと3つの一本勝利で2敗はTKO負けと、勝っても負けてもフィニッシュ決着となっている。貴賢神を相手に豪快なフィニッシュ勝利を挙げ、RIZINのヘビー級戦線にアピールしたい。  1R、ともにオーソドックス構え。ジャブ突く稲田にコーナー背にする貴賢神。稲田は四つから足技でテイクダウン。貴賢神は下から外がけで足関節狙いも、潰してトップの稲田は左小手から差しに、ハーフから右前腕でヒジを押し付け、アームロック狙いからパスしで腕十字に! その際で上体起こしてヒジを抜いた貴賢神が上に。中腰からパウンドで飛び込み、鉄槌。  2R、右を突いてヒザを触りに行く稲田に、貴賢神は左から右、さらに左アッパーで飛び込み! 崩れた稲田の足をさばいてハーフに。稲田のもぐりを剥がして右ヒジを連打! 左右パウンドから重い右ヒジを連続で落とすと、レフェリーが間に入った。 なお、喧嘩三番勝負で唯一のフィニュシュ勝利を挙げた貴賢神は、試合後会見で副賞の「ペルー喧嘩祭り」招待の可能性について、「行きません」と苦笑して固辞した。 [nextpage] ▼喧嘩三番勝負 第1試合 RIZIN MMAルール 62.0kg契約 5分3R×大雅(TRY HARD GYM/リバーサル横浜グランドスラム)[判定0-3]〇栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺) レフェリー:柴田 旭ジャッジ: 豊永 稔/青・栗秋 [D 0-0/ A 0-30/ G 20-0] 植松直哉/青・栗秋 [D 0-50/ A 0-30/ G 20-0] 長瀬達郎/青・栗秋 [D 0-0/ A 0-30/ G 0-20]  大雅は2017年2月、卜部弘嵩に判定勝利でK-1 WORLD GPスーパー・フェザー級第3代王者に輝く。18年9月よりRIZIN参戦。その後、RISEに参戦して4連勝でRISEスーパー・フェザー級王者に輝き、K-1との2団体制覇を達成。24年大晦日、キックボクシングで6連勝中の最中にMMAデビューを果たすと、同じくMMAデビュー戦の梅野源治を相手に判定負けを喫した。2戦目で再び立技からの刺客を迎える今回、栗秋をマットに沈めMMA初白星を飾りたい。 栗秋は天性の格闘技センスを生かした左の攻撃を武器とし、ここ一番で決める飛び膝蹴りは、一撃必倒の切れと破壊力を秘めている。2024年6月、グラウンドの打撃が許される"究極打撃格闘技"KNOCK OUT-UNLIMITEDルールで中村優作を1R KO。10月にはチュームーシーフーを延長戦で破りKNOCK OUT-BLACKフェザー級王座獲得。今年6月に倉本一真とのUNLIMITEDスーパーフェザー級王座決定戦に臨んだ。しかし”投神”のグラウンド能力に屈し、初代王座獲得とはならなかった。再起戦となる今回、キックからの転向2戦目となる大雅をKOし、MMAの世界で新たなスタートを切るつもりだ。  栗秋入場後、大雅がなかなかリングインせず。マウスピースをセコンドが忘れた様子で、長い時間が経過。栗秋は椅子に座って待つ。  1R、サウスポーの大雅がジャブ、左インロー。栗秋もジャブ。左フックから飛び込んだ栗秋に大雅が組み付き、そのままテイクダウン。ガードの栗秋に大雅がパスを狙い、大雅はヒジを見舞って立ち上がるとパウンドを見舞う。栗秋も立つ。  大雅がボディへのワンツー、栗秋の左ストレートに大雅がダブルレッグでテイクダウン。ガードの栗秋に大雅が肩固めを狙うが栗秋は阻止。ブレイクとなる。大雅は左フックを打ち、胴タックルでまたもテイクダウンを奪う。栗秋は三角を狙うが大雅が立ち上がり、踏み付けに。かわした栗秋は立ち上がる。大雅が左右フックで攻め込み、栗秋はかわしていく。  2R、大雅が左インロー、栗秋が右フックを放つと大雅が組み付きテイクダウン。栗秋がリバーサルを仕掛けると大雅は腕十字に。これは栗秋が腕を抜き、パウンドとヒザを見舞う。大雅は冷静にシングルレッグからバックに回る。栗秋が正対することに成功し、立ち上がる。  互いにフックを振り合うが空振り、大雅が低いタックルに入ったところで栗秋がガブってのヒザ蹴り。一度離れると大雅が胴タックルでテイクダウンを奪い、大雅が抑え込む。右目上を切った大雅の血が栗秋の上半身を赤く染める。立ち上がった栗秋に大雅がすぐにテイクダウンに行くが、かわした栗秋がパウンド。大雅は栗秋の首を抱え、解除した栗秋がマウントからバックに回り、リアネイキドチョークの体勢になったところでゴング。  3Rが始まる前に大雅にドクターチェック。右目は大きく腫れあがっている。試合再開。大雅のテイクダウンを切った栗秋がパウンド、バックからのパンチ。サッカーキックを空振りして転倒し、大雅が上に乗ろうとすると栗秋が三角を狙う。これを解除した大雅。栗秋はバックを奪うとパンチを見舞い、大雅を放り投げるとサッカーキックから再びパウンド。大雅はダブルレッグで組み付いてロープまで押し込んでいき、バックを奪う。顔面へパンチを打つ大雅だが体力の消耗が激しく数は多くない。  大雅は腕十字を仕掛けるも栗秋が脱出して立ち上がる。すぐに大雅がダブルレッグも栗秋がガブってバックへ回る。リアネイキドチョーク狙いの栗秋は左腕をのどに食い込ませるが、大雅は正対することに成功。最後の力をふり絞ってパウンド、ヒジを打つ大雅。最後に大雅が左右フックのパウンドを打って試合終了。  判定は3-0で栗秋が勝利。MMAデビュー戦を白星で飾った。
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