『BreakingDown 17』を総括した朝倉未来CEO
2025年9月27日(土)東京・立川立飛アリーナにて開催された『BreakingDown 17』の大会総括を、朝倉未来BreakingDown CEOが行った。

「総括としましては、大会前、今回はあまり面白くないって言ったんですけれど。というのも、いつも見ているファンからすると、めっちゃ有名どころのどっちが強いかみたいな試合があまりなかったので、そこは視聴者的には面白くないかなと思って言ったんですけれど。今回はニュースターを作るような大会とか、喧嘩自慢で初めての地区だったりとか、結構バランス良かったなって思いましたし、試合自体はめっちゃ面白かったので、対戦カードが良ければめっちゃ満足度が高い試合になるのかっていうのは、よく分かんないなって思いましたね」と、蓋を開けてみればいい大会になったとする。

【写真】兄弟で朝倉兄弟に続く存在になるとアピールした賢民
ベストバウトには第19試合で行われたフェザー級ワンマッチ・ベアナックルMMAルールのメカ君vs.虎之介(メカ君が1RでKO勝ち)の一戦と第3試合のウェルター級ワンマッチ・MMAルールの賢民vs.太陽(賢民が2RでKO勝ち)の2試合をあげた。

【写真】初代フライ級王者となった元K-1&Krushの野田蒼
タイトルマッチで新チャンピオンとなった、バンタム級王者の大野篤貴とフライ級王者の野田蒼については、「まず野田選手に関しては、どんどん強くなっているなって思いましたね。特にBreakingDownのルールに対応してきているし、凄いスピードだなっていう。ここから狙われる立場だと思うし、さっきも言ったんですけれど、団体対抗戦みたいなのを今後やっていきたいので、そういう時には間違いなくチャンピオンとして出ないと他の団体のチャンピオンに負けないような強さになってもらいたいなと思います。

【写真】井原良太郎を破り、新バンタム級王者となった大野
あと、大野選手に関しては、本当に井原くんに対する研究をずっとし続けたなっていうのと、この試合に関しては2人のモチベーションの差が凄いあったなっていうのがあって、今1勝1敗なのでもう一回見たいなという気持ちはありますね」と評した。
今大会では、試合前の煽りVでも試合後のマイクでも「RIZINに出たい」との声がいつもよりかなり多かった。今後、RIZINへの道を作り、BreakingDownの選手を次々とRIZINへ送り込む予定はあるのかと聞かれると「それは別に全然ない」と意外な答え。
「正直、BreakingDownって凄い数字を持ってるんですけれど、RIZINに行ったら勝てる選手ってそんなに多くないと思ってるんですよ。1分ルールでRIZINの選手と戦ったら勝つかもしれないけれど、やっぱりMMAのルールで5分3Rですから。僕と5分3Rでやって勝てる選手は絶対いないと思いますし、せっかく有名になっても、RIZINにちょっと出て、注目度だけ集めてやられるっていうのは一番避けたい。ちゃんと育ててから出していきたいなっていうのが僕の気持ちではあります」と、RIZINに出場しても負けたら意味がないとする。

【写真】試合後のマイクでRIZIN再出陣をアピールした細川
現BreakingDownライト級王者で、赤田功輝をKOした細川一颯も大晦日RIZINへの出場をマイクアピールした。そのことには「逆に僕は賢民とかとね、細川くんとMMAルールで戦ってもらいたいなと思いました。ああいう華のある選手とかとやったら面白いと思います。細川くんもMMAを始めてまだ間もないので、またRIZINに出てやられたりすると、チャンピオンなのにもったいないと思うんですよね。もうちょっと育てていきたいなと思っています。僕、JTTで細川くんと一緒に練習しているので強さは分かってますけれど、打撃レベルも上がってきていて、テイクダウンディフェンスも結構強いんだけれど、RIZINが出してくる相手って潰しにかかってくるので、もうちょっと育てたいなというふうに思います」と、もっと実力を上げてから送り込みたいという。
続けて「選手としてはああいう大きい舞台でやっていきたい気持ちはあると思うんだけれど、その辺は僕が新団体を作るとか、いろいろ考えていることがあるので。その辺はまた考えていきたいなと思います。(新団体は)来年やりたいなと思っていますね」と、以前にも話した新団体で大きい舞台を用意するかもしれないとした。

【写真】初参戦でほっそんをKOした元Krush王者の加藤
BreakingDownで6戦無敗、今大会ではDEEPで活躍するプロMMAファイターのSAINTに完勝したシモミシュランと、初参戦で元OPBF東洋太平洋スーパーウェルター級王者のほっそんをKOした元Krushウェルター級王者の加藤虎於奈が、共に対戦表明したことについては「面白いじゃないですか。ぜひ組みたいですね、次に。シモミシュラン選手はあそこまで行ったら、もうあの戦い方でずっと勝ち続けてほしいですね。いいですよね、徹底ぶりが。一周回って好きになってきました」と、実現させたいとする。
新バンタム級王者の大野は冨澤大智とのリベンジマッチをアピールしたが、こちらはどうかと問われると「方向性が全然違うんじゃないですか、お互いの。冨澤くんはBreakingDownっていうより、もっとプライドが高いところがあって。自分はもっと凄い選手だっていう考えだと思います。だからRIZINで平本選手に勝ったらBreakingDownなんて戻るわけねえじゃねーかみたいな感じだと思う」と、冨澤がまたBreakingDownに出場するか分からないとした。

【写真】芦澤戦をアピールしたメカ君
メカ君も芦澤竜誠とのベアナックルファイトをアピールしたが「芦澤竜誠も冨澤くんと似ていて、結構プライドが高いと思うので、こういう団体には出てこないんじゃないですかね。メカ君がもっと成績を残して、上に行かない限り試合は組まれないと思いますけれど。正直、実際戦ったらどっちが強いか分からないよね、っていうレベルではあると思いますね」と、戦ったらどうなるか分からない実力はあるが、BreakingDownで実現する可能性は低いという見解。
高額のファイトマネーを用意すれば、芦澤選手が来る可能性もあるのでは、と問われると「芦澤選手のためにお金を? いや、全然いいです」と笑って否定した。

【写真】完全決着ルールで行われたが決着がつかなった南野vs.アンディ
また、第15試合のミドル級ワンマッチ・ベアナックルMMA特別ルールで行われた松井健vs.アンディ南野は“完全決着ルール”と謡われて行われたが、5R戦って決着がつかずドローという結末に。
この試合については「結構ドロドロの試合になってたんでね。僕があの時に解説にいたらもうちょっと手前で止めておくんですけれど。よく皆さん、あれを見てくれたなっていう(笑)。やっぱり練習しない人の無制限Rみたいなのは見るに耐えないので、今後はそういうのはなくしちゃおうかなと思いました」と、自分だったらもっと早く止めていたとし、今後はなくしたいとの見解。
乱闘騒ぎについては「乱闘ってケージの中ですよね。オーディションの延長みたいな感じで楽しんでもらえたらと思いますよ。観客に危害が加わることがないので。オーディションを生で見ている感じで観客の方に見てもらえたらなと思います」と、観客に危害が加わらないなら容認するとした。



