MMA
レポート

【RIZIN】サトシが堀江に100秒防衛! シェイドゥラエフが33秒王座防衛、扇久保がガジャマトフに完勝。元谷が神龍との大スクランブル戦を制し大晦日決勝へ、アーセンが伊藤をドミネート。ソルダトキンがヘビー級GP優勝、サバテロが佐藤の打撃を被弾も組み勝ち井上指名、梅野が芦澤に判定勝ち。矢地が芳賀に一本勝ち

2025/09/28 11:09
 2025年9月28日(日)に愛知・IGアリーナにて『RIZIN.51』(U-NEXT配信)が開催された。 2大タイトルマッチ、フライ級GP準決勝、ヘビー級GP決勝戦など全18試合の今大会、メインイベント(第14試合)は王者ホベルト・サトシ・ソウザ(ボンサイ柔術)vs.挑戦者・堀江圭功(ALLIANCE)のRIZINライト級タイトルマッチ(71.0kg)5分3Rが組まれた。  2021年6月にトフィック・ムサエフを破って初代王座に就いて以来、矢地祐介、ジョニー・ケース、ルイス・グスタボ、ヴガール・ケラモフを相手に4度の防衛に成功しているサトシ。5月には韓国大会でキ・ウォンビンからダウンを奪う一本勝ちで4試合連続フィニッシュ勝利中。6月に西川大和にTKO勝ちして勢いに乗る堀江を挑戦者に迎え、5度目の防衛戦に臨んだ。  試合は100秒、サトシがダブルレッグテイクダウンから立つ堀江のスタンドバックに乗り、リアネイキドチョークを極めて完勝、防衛に成功している。  セミファイナル(第13試合)はRIZINフェザー級(66kg)タイトルマッチ5分3Rの王者ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)vs.挑戦者ビクター・コレスニック(ロシア)。  5月の『RIZIN男祭り』でクレベル・コイケにKO勝ちし、MMA15勝無敗で新王者となったシェイドゥラエフが初防衛戦。RIZINで4連勝中、MMA9連勝中のストライカー、コレスニックを迎え撃った。試合はシェイドゥラエフが打撃での圧力から右ストレートで崩して組みながらのパウンドで33秒TKO勝ち。初防衛に成功した。 [nextpage] RIZIN 51 全試合リポート 11:00開場/13:00開始 ※オープニングファイトは11:30開始予定 ▼第14試合 RIZINライト級タイトルマッチ(71.0kg)5分3R ※選手名から前戦・インタビュー〇ホベルト・サトシ・ソウザ(ボンサイ柔術)※サトシインタビュー 71.00kg[1R 1分40秒 TKO]×堀江圭功(ALLIANCE)※堀江インタビュー 70.95kg※サトシが5度目の王座防衛  サトシは、RIZINライト級王者。2024年3月に中村K太郎を右ハイからの猛攻で1R TKOに下すと、9月にはルイス・グスタボを1R 21秒でTKO。大晦日に階級を上げて挑戦してきた前フェザー級王者ヴガール・ケラモフを1R 得意の三角絞めでタップを奪い、ベルトの移動が激しいRIZIN戦線のなかでただ一人、4度目の防衛を果たしている。5月には日韓二冠王者のキ・ウォンビンを1R僅か50秒、リアネイキドチョークで失神TKO勝利。  堀江は剛柔流空手と極真空手を学び、16年10月、PANCRASEでプロデビュー。17年ネオブラッド・トーナメントで3試合連続KO勝利により優勝、MVP獲得。19年7月、緊急参戦でUFCデビュー。ハキーム・ダオドゥからダウンを奪うも3RKO負けを喫した。RIZINには21年3月から参戦して3連勝。怪我での長期戦線離脱から1年半ぶりの復帰戦となった23年4月、ケラモフに敗れ連勝がストップ。ライト級転向初戦となった9月、スパイク・カーライルに判定勝利。24年2月にはルイス・グスタボと大激闘を繰り広げ、判定負け。25年6月、西川大和に初回TKO勝ちを収めた。 サトシ「絶対に明日のいい試合、いい大会をみんなに見せたいから、その後にもまたライト級盛り上げるからね。絶対にいい試合を見せたい」 堀江「今の自分が心身ともにここで、自分自身強いんで、それを明日、サトシ選手にぶつけて自分が勝ちます。チャンピオンになります」  ライト級タイトルマッチ、ともに日本国歌斉唱。  1R、ともにオーソドックス構え。さきに中央を取る堀江は右を突く。サトシも右ミドルを返す。  続く堀江の右の動きにダブルレッグテイクダウンから背中を見せた堀江のバックを奪ったサトシは、立つ堀江の背中に乗り、左足をかけて右足はかからずも、左足を水平に胴に巻いてボディトライアングル、さらにおたつロック! のどもとに右手を回して後ろ頭で組んで絞めてタップを奪った。 ◆サトシのリング上のコメント 「私、今日5回目のこのベルトディフェンスが出来たから嬉しい。誰でもこのベルト獲りたいなら大丈夫。でもライバルがこれくらいちゃんと練習してないから、絶対に簡単にはこのベルト獲れない。また出来るまではずっとこのベルトは日本にそのまま。日本の力をみんなに見せたい。去年3回試合して3回極めが出来て、今年はまだ2回だけど、まだ時間あるかな。まだ出来るからまた今年試合したい。またこのベルト(懸けて)勝負したい。みんないつも応援してくれて本当にありがとう。ちょっと試合速いけれど面白い試合をみんなに見せたい。ありがとう。またよろしくね」 [nextpage] ▼第13試合 RIZINフェザー級(66kg)タイトルマッチ 5分3R〇ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)王者 ※シェイドゥラエフインタビュー 65.90kg[1R 0分33秒 TKO]×ビクター・コレスニック(ロシア)挑戦者 ※コレスニックインタビュー 65.85kg※シェイドゥラエフが王座初防衛  25年5月にクレベル・コイケをKOに下し、新王者となったシェイドゥラエフは、当初、6月14日の『RIZIN LANDMARK 11 in SAPPORO』メインで木村柊也(BRAVE)に判定勝ちしたヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)と、7月27日の『超RIZIN.4』で対戦予定も、ケラモフが木村の打撃で負傷。対戦相手がみつからず、『超RIZIN.4』での試合が延期に決まっていた。  新たに挑戦者に決定したのは、6月北海道大会で修斗世界王者のSASUKEを左ボディでKOしたコレスニック。蹴りも含めた危険なMMAストライカーであるコレスニックを相手に、14戦無敗のシェイドゥラエフは無敗記録を更新して、初防衛に成功するか。 シェイドゥラエフ「ファンの皆さん、本当にサポートいつもありがとうございます。私はとてもファンの皆さんに感謝してます。今、本当に完全ないい状態で明日の試合を迎えることができます。皆さん、私を支援し続けてください。お願いいたします」 コレスニック「皆さん、いつも私の応援してくださってどうもありがとうございます。明日は相手が誰であろうと必ず勝ちます。ぜひ応援よろしくお願いいたします」  1R、オーソから先に小さく左ロー、左ジャブのトリプルから右で前に出るシェイドゥラエフ。ガードしバックステップのコレスニックは右カーフ、圧力をかけるシェイドゥラエフにコーナーに詰まり右ローを打つコレスニックに、かわすシェイドゥラエフ。コーナーを出てサイドステップもロープに詰まるコレスニックに、シェイドゥラエフコは左フックから右ストレートをヒット!  右ストレートからそのままボディロックテイクダウンに崩れたコレスニックに、ニアマウントで右のパンチのまま右で差したシェイドゥラエフ。左で小手に巻いてバツクを防ぎ、片ヒザ立ちで立とうとするコレスニックに、シェイドゥラエフは右で差したまま左のヒジ、パウンドを連打!  左小手が外れず右手は立とうとして防御できないコレスニックは被弾し続け、レフェリーが間に入った。 ◆シェイドゥラエフのリング上のコメント「こんにちは、名古屋。日本のファンの皆さん、名古屋のファンの皆さんありがとうございました。キルギスの皆さん、パートナーの皆さんにありがとうと言いたいです。キルギスのスポンサーの皆さん、サポートありがとうございます。いつもスパーリングしているパートナーの皆さん、ありがとうございます。キルギスの兄弟の皆さんに感謝します」 [nextpage] ▼第12試合 RIZIN WORLD GP 2025 フライ級(57.0kg)トーナメント準決勝 5分3R〇扇久保博正(THE BLACKBELT JAPAN) ※扇久保インタビュー 56.80kg[判定3-0]×アリベク・ガジャマトフ(ダゲスタン) ※ガジャマトフ インタビュー57.00kg  扇久保は07年プロデビュー。史上2人目の修斗世界王座2階級制覇を達成。RIZINバンタム級戦線を牽引し、21年のGPでは準決勝で優勝候補の井上直樹に総合力の高さを見せつけると、決勝では一度王座決定戦で敗れた朝倉海に根性でリベンジし優勝。その後22年9月にキム・スーチョルに判定で敗れてからは適正階級のフライ級に転向。現RIZINフライ級王者堀口恭司とは13年に一本負けによる修斗王座陥落以来、RIZIN初参戦の 18年7月、5年越しの再戦で判定負けを喫し、トリロジーとなった22年大晦日の対抗戦でもカーフキックを効かされ苦杯を舐めた。  23年7月の超RIZIN.2では朝倉海の欠場に伴い急遽アーチュレッタと対戦。フルラウンド闘い抜くも判定負けでバンタム級王座の国外流出を許した。大晦日にはUFCフライ級王座挑戦を経験したジョン・ドッドソンを完封して連敗を脱出した。24年7月、神龍の指名に応じ因縁の師弟対決が実現すると、接戦を制し己の矜持を示した。7月の1回戦ではホセ・トーレスに判定勝ち。  ガジャマトフは8歳から始めたウーシュー散打でロシア王者に輝く。そのほか、カンフーロシア王者に2度、ハンド・トゥ・ハンド・コンバットでダゲスタンの数々のチャンピオンに、アーミー・ハンド・トゥ・ハンド・コンバットでは北コーカサス王者に2度輝いているほかMMAでも様々なトーナメントで優勝を果たす。10年間取り組んだ散打で120試合以上を経験するなか、ヴォルク・ハンや、その弟子としてRINGSの舞台でも知られ、近年PFLに参戦しているMMAファイターのバジギット・“ヴォルク”・アターエフ、UFCファイターのルスタム・ハビロフらを見て憧れMMAに転向。  プロデビュー戦以来ACA Young Eaglesで4戦し、いずれもパンチ、グラウンドでのパウンド、前蹴りでの3つのKOとRNCでの一本勝ちで全てフィニッシュ勝利。24年11月に北方大地と対戦し、1R 3分20秒、グラウンドパンチによるTKO勝利でRIZINデビュー戦を白星で飾った。7月の1回戦では征矢貴にTKO勝ち。  1R、中央を取るガジャマトフは右の前蹴り。扇久保はダブルレッグから蹴りも、ガジャマトフは切る。右を突いて右の蹴りのガジャマトフ。かわす扇久保はシングルレッグで押し込み、ボディロックテイクダウン!  フルガードのガジャマトフは下からヒジ。扇久保はパス狙い。左で差して右足をパス。右で枕で背中を着かせて細かいパウンド。ヒジ。しかし、足を戻すガジャマトフはインサイドガードの扇久保に蹴り上げから立つ。そのガジャマトフにがぶりから右で差す扇久保。  左小手のガジャマトフ。クラッチした扇久保は引き出すが、ここは残したガジャマトフ。扇久保はレベルチェンジから下狙いから上でクラッチ。ボディロックで回してヒザを着かせるが、すぐに戻すガジャマトフ。ついに突き放す。  2R、左ジャブで前に出るガジャマトフ。扇久保のシングルレッグをスプロールで切って前に。左から右の打ち終わりに組む扇久保。は2度、3度目4度目、5度目のシングルレッグで上に組む。体を入れ替えて突き放すガジャマトフに扇久保は尻餅も立ち上がる。  扇久保はシングルレッグのフェイント。右前蹴りのガジャマトフ。扇久保は左ジャブ。ガジャマトフの右をわして左ミドルを蹴り返す。ガジャマトフの強打も力がどこまで続くか、右で差して組んだ扇久保だが、ガジャマトフの右アッパーを潜ってシングルレッグテイクダウン狙う扇久保。なおもボディロックテイクダウンを回してハーフからサイド、マウントでパウンド! 決定的な場面を作った。  3R、序盤から詰めてシングルレッグから上でクラッチした扇久保。ロープ背に凌ぐガジャマトフにボディロックで崩す扇久保、残すガジャマトフに右で差してダブルレッグに移行する扇久保。クラッチを組んで前に崩してテイクダウン! ハーフから右で枕にして寝かせると、いったん腰を切って足を戻したガジャマトフに扇久保は、サイド! 左で差してマウント狙い。ハーフに入ってからマウント! 残り50秒、肩固め! 極まらず、パウンドの扇久保は上体を離してフットスタンプ! ゴング。  38歳・扇久保が、25歳無敗のガジャマトフに完勝し、元谷が待つ大晦日の決勝に駒を進めた。「これが僕の生きざまです。必ず優勝します」と語った。 ◆扇久保リング上のコメント「応援ありがとうございました。必ず優勝します。そしてこれが僕の生き様です。これからも応援してください。ありがとうございました」 [nextpage] ▼第11試合 RIZIN WORLD GP 2025 フライ級(57.0kg)トーナメント準決勝 5分3R〇元谷友貴(アメリカントップチーム) ※元谷インタビュー 57.00kg[判定3-0]×神龍 誠(神龍ワールドジム) ※神龍インタビュー 57.00kg  神龍はレスリングをベースとし、チョーク系の強い極め力を誇る。16年4月のPANCRASEでプロデビュー。その後DEEPを主戦場とし、19年6月には暫定王座戦を勝利しDEEP史上最年少の18歳で王座戴冠。正規王者として迎えた22年5月、暫定王者の藤田大和をニンジャチョークで極め王座統一・初防衛成功。22年11月、米国CFFCフライ級のベルトを獲得、さらにUFCファイトパスアワードで日本人初のサブミッションオブザイヤーに選出。  破竹の10連勝後の23年大晦日、RIZINフライ級王座決定戦で堀口恭司に一本負け。24年4月、イ・ジョンヒョンに一本勝利で再起。かつての師・扇久保博正を指名し7月に因縁対決が実現すると、接戦の末に判定負けを喫した。11月、2年半ぶりのDEEPでKENTAと大激闘の末、判定で辛勝。大晦日、Brave CF、Titan FC王者のホセ・トーレスと対戦も、際で競り負け判定1-2で惜敗。  25年2月、Breakthrough Combatで"Progressルールに初挑戦し、柔術黒帯のメネギンにポイント勝ち。GP日本人出場枠を賭けようと3月大会に勝利した伊藤に対戦要求すると、舌戦では上回られたものの、試合ではグラウンドで制圧し判定で完勝を遂げた。1回戦では山本アーセンを1Rでギロチンチョークに仕留めた。  元谷は15年末の旗揚げからRIZINに参戦し、国内外の名だたる強豪と名勝負を繰り広げてきた歴戦の勇士。18年10月、DEEP二階級制覇を達成するとその大晦日ジャスティン・スコッギンスに一本勝ちで5連勝。19年7月、扇久保博正との死闘に僅差で敗れると、大晦日にはBellatorとの対抗戦でパッチー・ミックスのフロントチョークに沈んだ。  21年のバンタム級GPは、2回戦で瀧澤謙太にTKO負けで敗退。22年は大晦日にホジェリオ・ボントリンにTKO勝利を収めるなど5連勝をマーク。しかし23年5月、朝倉海との待望の一戦で無念のKO負けを喫すると、大晦日にはヴィンス・モラレスと激闘の末に判定負け。24年5月、再起戦のDEEPで、負傷欠場の福田龍彌の代打で参戦した平松翔に一本勝利で復活した。大晦日の次期挑戦者決定戦で躍進中の秋元強真に完勝を挙げると、25年3月に井上直樹のベルトに挑戦したが惜敗。フライ級に転向し、1回戦ではヒロヤに判定勝ちした。  1R、いきなり詰めて跳びヒザからシングルレッグの神龍。コーナー背に座る元谷に、神龍は足首を引き寄せ腰を抱き寝かせに。しかし元谷はコーナーを背に立ち上がり。そこにバックから踵、ふくらはぎを蹴る神龍。  正対し突き放す元谷は、右インロー。サウスポー構えから左を大きく振って組む神龍は左で差して足を踏む。離れる元谷に神龍は左ストレートからダブルレッグ。元谷の立ち際にサッカーキックを当てる。  立ち上がる元谷は右インロー。そこに左ストレートを合わせる神龍。元谷は前に圧力をかけて自分から組むと左で差してコーナーに押し込みヒザ。神龍は体を入れ替え左フック! さらにバックフィストをガード上に当ててゴング。神龍がアグレッシブに動いた初回。  2R、右ジャブの神龍に元谷は左右を振って前に。そこにシングルレッグの神龍。ノーアームのギロチンチョークを合わせる元谷はかなりタイトに極めるが、ギロチンのディフェンスが巧みな神龍は、中腰で肩を突っ込んでしのぎ、元谷の右足を挟んで作らせず。首を抜いてボディロックからバック狙い。仰向けになる元谷にトップの取り合いも抑え込もうとする神龍から足首を抜いて立つ元谷が前に。  関節蹴りの神龍に、元谷は圧力をかけてボディロックテイクダウンからバック狙い。トップを狙う神龍のバックに回り、4の字ロック! 座る神龍の首を狙い、リアネイキドチョーク狙いから再び座ってずらそうとする神龍のバックからパウンド!  しかし4の字をずらした神龍は正対、立つ元谷はのしのしと歩いて圧力をかけてゴング。ギロチンを仕掛け、バックを奪った元谷が取り戻したラウンドに。  3R、右ローの元谷。さらに右ロー。神龍のシングルレッグを切って横三角絞めから座る神龍にドンキーガードに。足をずらす神龍の向き直りに、シングルレッグの神龍。元谷はカウンターのギロチンも、極めさせない神龍が首を抜きトップに。腰を抱く神龍に再びギロチン狙う元谷。対角に足を飛ばす神龍はパウンドからパス狙い、元谷も下からこつこつ叩き、神龍の前進にサイドを取られながらギロチンを合わせていく。  首を抜いた神龍のシングルレッグに元谷は足を抜き、立ち上がり。神龍はボディロックテイクダウン。すぐに立つ元谷。右足をかける神龍は引き込み。スクランブルする元谷を抑え込み、トップは神龍。元谷の蹴り上げにフットスタンプで飛び込み、トップのままゴングを聞いた。  判定は元谷が3-0で勝利。 ◆元谷リング上のコメント「皆さん応援ありがとうございました。いつも会場にいる皆さんと、応援してくれている人たちのおかげで僕も頑張れています。やっぱり神龍選手強くて、自分の課題が見えて。勝ったので、次、アメリカに行ってもっとレベルアップしたいと思います。ありがとう。僕が優勝します。応援ありがとうございます」 [nextpage] ▼第10試合 RIZIN WORLD GP 2025 フライ級(57.0kg)トーナメントリザーブマッチ 5分3R×伊藤裕樹(ネックス)56.95kg[判定0-3]〇山本アーセン(KRAZY BEE/NAUGHTY HOUSE)56.85kg  伊藤は小学4年から中学3年までボクシングを学び第2回全日本幼年ボクシング大会優勝経験を持つ。高校時代よりMMAに興味を持ち、16年に憧れのTHE OUTSIDERデビュー、ボクシングで培った打撃を武器に初代50-55王者に輝く。19年5月からDEEPで3連勝し、デビュー以来破竹の12連勝を飾る。しかしその12月、鮎田直人に判定負けでプロ初黒星を喫した。21年3月のRIZINデビュー以来、得意の打撃で全フィニッシュの3連勝。その勢いに乗り、8月からはDEEPフライ級GPに参戦、2戦を勝ち上がるも23年2月の準決勝で本田良介に判定負けを喫しGP敗退。  5月、10カ月ぶりのRIZINで山本アーセンに判定負けを喫し自身初の連敗を経験。その後はRIZINで全て判定による3連勝を挙げた。24年10月には自身も参戦経験のあるROAD FCで活躍するイ・ジョンヒョンをグラウンド肘でTKOし、久々のフィニッシュ勝利。25年3月、自身初の北米選手との国際戦で、タイトルホルダーでもあるララミーを相手に強烈な打撃戦を展開し、判定勝利でRIZIN5連勝。連続参戦となった5月の男祭りでは、組技・寝技で上回る神龍にドミネートされ惜敗を喫した。1回戦ではエンカジムーロ・ズールーに勝利したが、フライ級GP総選挙で無念のリザーバーに。  アーセンは4歳よりレスリングを学ぶ。数々のジュニア大会で優勝を収めた後ハンガリーへレスリング留学。リオオリンピックをケガで断念すると、15年末にRIZIN電撃参戦が決定、デビュー戦でヒクソン・グレイシーの息子クロンと対戦、三角絞めで敗れたものの度胸を見せ観衆の心を掴んだ。16年9月、MMAデビューを果たす母・美憂とともに叔父の山本“KID”徳郁の指導のもと臨んだ才賀紀左衛門戦でスプリット判定勝利。その後2連敗を経て18年大晦日、他界したKIDへの思いを胸に宮田和幸の引退試合の相手を務め、一本負け。  19年6月、ティム・エスクトゥルースを肘でKOし再スタートを切った矢先に怪我で長期離脱。20年8月の復帰戦で加藤ケンジに1R KO負けを喫すると、再び療養へ。23年5月の復帰戦より階級を下げ、フライ級戦線で頭角を現すストライカーの伊藤裕樹を相手に得意のレスリングで終始攻め続け勝ち星をもぎ取った。その後9月の福田龍彌戦でドクターストップTKO、24年3月の柴田“MONKEY”有哉戦で一本負けを喫し2連敗に。1年2カ月ぶりとなる25年5月、ストライカーの冨澤大智に2R、リアイキドチョークを極めた。1回戦では神龍誠のギロチンチョークに敗れた。  1R、伊藤の右にいきなり詰めたアーセンが、ダブルレッグも差し上げる伊藤に首相撲ヒザ。突き放す伊藤になおもダブルレッグのアーセンはパウンド。伊藤のバックを奪いシングルバック。抜けて立つ伊藤にサイドバックからヒザ。伊藤はコーナーまで歩いて、バッククリンチのアーセンを外して正対し、スタンドに戻すと、アーセンの入りにヒザ! しかし、その蹴り足もt間でテイクダウンするアーセン。伊藤は鼻血。  2R、圧力をかけるアーセンに伊藤はアッパーを狙うが、なおも詰めて左で差して組んでやぐら投げを狙う。残す伊藤に左で差したまま右! なおもクラッチを組んでボディロックテイクダウン! 上四方から立ち上がりの伊藤は、シングルレッグからバックへ! しかし、中腰で足をかけさせないアーセンがダブルアンダーの伊藤えお前に落としてパウンド。両脇をバックから差して崩そうとするが、抜ける伊藤。  ボディから左ストレートの伊藤。さらに左でアーセンのアゴを浮かせるが、前のめりの打ち終わりに組むアーセンがシングルレッグの伊藤に腹固め。さらに寝かせて背中を着かせて押さえ込んで細かいパウンド。  3R、左ストレート、左アッパーの伊藤にそれでも組んで四つでクラッチするアーセン。伊藤は体を入れ替えコーナーに押し込んでブレーク。打撃で詰める伊藤に左ヒザで入るアーセン。さらにそこを潜ってダブルレッグのアーセンが持ち上げてテイクダウン。立ち上がる伊藤のバッククリンチで、正対際にシングルレッグテイクダウン。  三角絞めを狙う伊藤だが、中腰で押し込むアーセン。左右パウンドを入れると、そこで立ち上がる伊藤になおもシングルレッグ。それをネルソンで差し上げる伊藤に、反転してトップを奪うのはアーセン。サイドバックからクラッチをし続けるアーセン。なおもリフトするとギロチン狙う伊藤にテイクダウン! 立つ伊藤をがぶり倒してノースサウスを狙ってゴング。  判定3-0でコントロールし、パウンドしたアーセンが勝利、GPリザーバーとなった。 [nextpage] ▼第9試合 RIZIN WORLD GP 2025 ヘビー級(120kg)トーナメント決勝 5分3R×マレク・サモチュク(ポーランド)Uniq Fight Club/ポーランドKSW推薦 119.65kg[判定0-3]〇アレクサンダー・ソルダトキン(ドイツ/ロシア)SPITFIREGYM in Berlin/クロアチアFNC推薦 111.50kg ソルダトキン「ファンの皆さん、本当にご声援ありがとうございます。そして、このような試合をすることができる機会を与えてくださったRIZINの榊原社長、そしてその他関係者の皆さんに心から感謝します。このような機会があることをとても嬉しく思っています。明日、私の素晴らしい試合をぜひ見てください」 サモチュク「ポーランドの代表として、また日本に来て、RIZINの試合に出場できることを非常に嬉しく思っています。また日本でヘビー級を盛り上げたいと思っています。明日の試合を楽しみにしてください。応援よろしくお願いします」  1R、ともにオーソドックス構え。右ローを突くサモチュク。さらに右オーバーハンドも。ソルダトキンはジャブの刺し合い。サモチュクは右ローを当てる。  左ジャブを突くソルダトキン。サモチュクは右ストレート、右ロー。さらに前足に左右ロー。左ジャブを返すソルダトキンは右関節蹴り。そこに右オーバーハンドを狙うサモチュク。  右関節蹴りを飛ばすソルダトキン。ローを返すサモチュクに左右ボディを突くソルダトキン、左ジャブで押し崩すソルダトキン。サモチュクも立ち上がり左フック!  2R、右ローのサモチュク。さらに左フックを届かせる。右カーフを効かせるサモチュクにソルダトキンは後ろ蹴りを腹に。ジャブの刺し合い。左の上下の蹴りはサモチュク。ソルダトキンは後ろ蹴りに。  ここまで両者組まずスタンドだが、ソルダトキンの後ろ廻し蹴りに合わせてテイクダウンのサモチュクはハーフガードから細かくパウンド。フルガードのソルダトキンは背中を着いて下からヒジ。ゴングにサモチュクは咆哮する。  3R、左ボディから右ストレートのサモチュクに、右カーフ2発のソルダトキン。ぐらついたサモチュクも右ロー。左ジャブ、右ストレートをヒット! ジャブを伸ばすソルダトキンはシングルレッグで詰めるが、足を抜くサモチュク。前に出て、左ジャブのサモチュク。ソルダトキンもジャブを返すと、サモチュクの左ローがローブローに。中断。  再開。左ジャブを突くソルダトキン。サモチュクも顔面を赤く染める。試合中にソルダトキンのマウスピースが外れ、互いに額を突き合わせて、ソルダトキンがはめなおして再開。右ローのソルダトキン。サモチュクのシングルレッグを切ってゴング。  判定3-0でカウンターの打撃を当てたソルダトキンが勝利。ヘビー級GP優勝賞金2千万円を獲得し、ライアン・ベイダー戦へと駒を進めた。 ◆ソルダトキンのリング上のコメント「皆さんを愛しています。まず最初に、榊原CEOに心から感謝しています。私には大きな心があるとCEOがおっしゃいました。今日のためにトレーニングをしてきました。私のチーム全員に心から感謝しています。このチームは本当に並々ならぬ努力を私と共にやってくれ、妻もチームの一員なんですが本当に感謝しています。準備すること、トレーニングすることは本人だけでなくチームにとっても大変なことです。榊原CEOが今日の試合前に会った時に、お前はチャンピオンになるだろう、本当に広い心を持っていると言ってくれました。戦う機会を与えてくれたことを心から感謝しています。私をサポートし、この試合をこの会場ではなくロシアで見ている私の仲間たちにも心からの声援に感謝します。ママ、僕は息子、勝ちました、ありがとう」 [nextpage] ▼第8試合 バンタム級 5分3R×佐藤将光(坂口道場一族/FightBase都立大)※佐藤インタビュー 60.90kg[判定1-2]〇ダニー・サバテロ(米国/アメリカントップチーム)※サバテロインタビュー 60.90kg  1R、ともにオーソドックス構え。左ジャブを突くサバテロの右の蹴り足を掴んでテイクダウンの佐藤。その立ち際に右を当てる。  右カーフの佐藤。左の前手を振ってローシングルからバック狙い。シングルバックから肩固めはセットさせず立ち上がる佐藤。  ジャブの刺し合いは佐藤、サバテロの前進からのローシングルをさばいてサッカーキック! 一瞬、動きが止まったサバテロだが、クリンチからトップに。フルガードの佐藤に、インサイドからパウンドを狙うサバテロに。二重がらみの佐藤はサバテロの両足を伸ばして凌ぐ。  2R、右カーフの佐藤。サバテロは左前手を振ってボディロックテイクダウン。すぐに立つ佐藤は正対。そこにすぐについていくサバテロはバッククリンチ。ここも正対して離れる佐藤だが、サバテロはスタンドでの立ち合いを避けて距離をつぶして組みに。  脱力して組みを切る佐藤は右カーフ。左ジャブ。左ボディから右も、サバテロも前に詰めて足が揃ったところにダブルレッグも尻まで着いて立つ佐藤。  ワンツーの打ち終わりにダブルレッグのサバテロ。アームロック狙いの佐藤に、離れるサバテロ。すぐに詰める佐藤にダブルレッグテイクダウンのサバテロ。尻を着く佐藤を横に回してテイクダウン。フルガードの佐藤はガードで防ぎ、サバテロの消耗を誘う。  3R、すぐに詰めてダブルレッグテイクダウンのサバテロ。ここも立つ佐藤に右ハイのサバテロ。かわした佐藤を詰めて、ダブルレッグテイクダウンのサバテロ。  再三立つ佐藤に間合いを与えず組んでいくサバテロ。ブレークも、すぐに低いダブルレッグで尻を着かせて背中も着かせようとするが、佐藤はコーナーで立つ。しかし、スタミナ切らさず粘り強く組むサバテロ。正対して佐藤に休まずダブルレッグで尻まで着かせるサバテロ。コーナー使い立つ佐藤は向き合うと離れるサバテロはワンツーからダブルレッグで尻を着かせて、佐藤が立ち上がったところでゴング。  トータルジャッジの判定は2-1に割れて、2Rから組みに徹底したサバテロがドミネートして勝利。リングサイドのバンタム級王者・井上直樹に「首を洗って待っておけ」と中指を立ててロックオン、駆け寄る太田忍とも目を合わせて花道を跳ねながら退場した。 ◆サバテロのリング上のコメント「相手は大変な相手でベテランの素晴らしい選手でした。それよりも自分はもう一人の相手に目をつけています。それは井上直樹。俺は大晦日にベルトを巻くことをやりたい。みんな、自分のベルトを巻くことに協力してください。井上の顔をボコボコにして自分のベルトを手に入れます。(最後は日本語で)首を洗って待っておけ!」 [nextpage] ▼第7試合 バンタム級 5分3R〇梅野源治(PHOENIX)61.00kg[判定3-0]×芦澤竜誠(フリー)60.90kg  1R、先に組み付いて行ったのは芦澤だったが、梅野が逆にテイクダウン。芦澤の上体を固めながらパスしてサイドポジションへ。芦澤はブリッジで返して上になると、梅野はすかさず三角絞めへ。中腰の芦澤は梅野の顔を押し、尻にヒザを打ってディフェンス。芦澤は強引に首を引き抜くと、両手を広げて舌を出す。  スタンド。左右フックの芦澤に梅野が組み、芦澤は首投げを狙うが梅野がバックをとる。芦澤がクラッチを切りにきたところで梅野はヒジを強打。芦澤は左右フックで反撃し、梅野はヒジで迎え撃つ。さらに組んでパンチを見舞おうとする芦澤。ラウンド終了後に梅野にパンチを見舞ってしまい「注意」が与えられた。  2R、前傾ながらムエタイの構えに近くなる梅野。左ローを2度。サウスポー構えの芦澤も左ミドルを返す。スイッチしながら蹴る梅野は左ロー。ボディロックする芦澤を左小手の梅野はヒザ。右差しで押し込む芦澤もヒザも、首相撲ヒザの梅野は、芦澤の入りに右縦ヒジ! ジャブの刺し合いも芦澤の左目が晴れる。左ミドル、前蹴りの梅野。  芦澤の前進にこかしを合わせる梅野。その立ちの前進にアームインギロチンチョーク! 首を抜いた芦澤にラバーガードから左足で蹴り上げて立ち上がる梅野。梅野の首相撲に左右フックの芦澤。梅野は左ミドルを返す。芦澤にサミングでまたも「注意」。  3R、ワンツーで飛び込んだ芦澤だが、梅野が右フックを当てて組んで首相撲に捕らえる梅野が、スリップ。下の梅野に、芦澤は反則のロープを掴んでの踏みつけ。右瞼をカットした梅野。芦澤に「イエローカード」。再開。  サウスポー構えから左ミドルの梅野に左フックの芦澤に、尻餅を着いた梅野! 上から飛び込む芦澤に、下から蹴り上げで崩して、立ち上がり。前進する芦澤にギロチンチョーク。さらに、センタク挟みから三角絞め、腕十字狙い。かわしてかつぎパスの芦澤は鉄槌も。梅野は飛び込んできた芦澤を蹴り上げでスピンさせて、立ち上がり。首相撲ヒザは梅野。芦澤は左ハイでスリップ。トップからパウンドの梅野だが、体を入れ替えた芦澤がパウンドに。互いにスクランブルでゴング。  粗削りながらも気持ちを見せた両者の熱闘の判定は、3-0で右目を大きく腫らしながらも組み技で差をつけた梅野が勝利。 ◆梅野リング上コメント「みなさん、ヤバいだろ! 芦澤選手との試合前から言いましたが、芦澤選手もそうだし、立ち技の選手はRIZINのMMAの母体の中でMMAを必死に頑張っています。芦澤選手も頑張っています。僕もムエタイのテクニックを使ってムエタイの認知度を上げるために頑張ります。最後に、芦澤選手、ベビ梅確定!」 [nextpage] ▼第6試合 フェザー級(66.0kg)5分3R〇高木 凌(パラエストラ八王子)65.95kg[判定3-0]×三宅輝砂(ZOOMER)65.95kg  1R、ともにオーソドックス構え。先に右カーフは高木。さらに右カーフから右で前に出る高木に三宅はボディロックテイクダウン。すぐに立つ高木にバック狙う三宅は背中に乗って首を狙うが足を組めず。落とした高木。すぐに立つ三宅は右で差して押し込み。  コーナ背にヒザを突く高木。三宅もヒザを突き、右で差してやぐら投げで崩すが、コーナーに戻す高木のバッククリンチも正対する高木がワンツーの右、カーフで前に。  三宅も右カーフ。右フックは空振り。高木は左ジャブ、三宅は右カーフ。高木の右カーフを三宅はチェック。左ジャブの飛び込みの高木は左のダブルで前に。初回は組みで先制した三宅に、高木が打撃で圧力をかける展開に。  2R、組む三宅を突き放す高木に、右カーフの三宅、高木は左ジャブからダブルレッグも切る三宅。ワンツーの高木。三宅は右前蹴り。右カーフ。右ボディからヒザ、さらに左ジャブのダブルで手数多く前に。  三宅は右カーフ。高木はワンツーを当てるとロープ背にさせてダブルレッグテイクダウン! 亀から立つ三宅。左ジャブ。高木は左ジャブ。右カーフも。さらにワンツーが当たり始める。  右カーフを先に当てる高木。三宅もカーフを返して圧力をかけ直す。跳びヒザの高木、前傾の左ジャブを突く。三宅がワンツーで押し戻してゴング。  3R、先に右カーフの三宅。後ろ蹴りはかわす高木が右ストレートから左、右カーフがヒット。ジャブの高木に、三宅も打ち返してバッティングに。高木が右瞼をカット。  再開。左ジャブを伸ばす高木。右フックから組んだ三宅に足払いの高木。しかしスクランブルでバック狙いの三宅。正対して離れる高木はスイッチしてからジャブ。そこに右をかぶせに行く三宅はシングルレッグに。スプロールする高木は立ち上がり。ワンツーの高木に、三宅は左。  左ジャブを突く高木。さらに右カーフ。三宅の入りにカウンターの左ミドルも。右カーフの高木、三宅の踏み込みが欠ける。カウンターの左ヒザを突く高木は前に。右ストレートを当ててゴングに、三宅は両ヒザをマットに着く。圧力をかけ続けた高木は咆哮。  判定は3-0でジャブ&ローを効かせた高木が後半に落ちた三宅を制して勝利。パラエストラ八王子を高木が離れながらもセコンドについた塩田GOZO歩代表を肩車した。 [nextpage] ▼第5試合 RIIZNライト級(71.0kg)5分3R〇矢地祐介(フリー)71.00kg[2R 2分10秒 リアネイキドチョーク]×芳賀ビラル海(MASTER JAPAN TOKYO)70.90kg  1R、グローブタッチ無し。サウスポー構えの矢地はいきなり左ミドルから。オーソの芳賀は、左前手を突いて近づくが、さばく矢地は左で差して四つに。しかし芳賀も左で差して崩し。ここは残した矢地はコーナーを背に。そこにヒザを突く矢地だが、芳賀は左で差して払い腰テイクダウン!  サイドに出ている芳賀に、矢地はコーナーまで動いて背に座り、立ち上がり。体を入れ替え左ヒザ。しかし小外がけテイクダウンは矢地! ここは芳賀がコーナーに戻り戻り立ち上がり。  インローの芳賀。矢地も右の前手を突いて圧力、そこに関節蹴りの芳賀。左を振る矢地に、ダッキングの芳賀は組みに。ここで差してコーナーに押し込むのは矢地。ゴング。  2R、中央を取る芳賀が右で前に。さらに左で差して組む芳賀に、差された側を下げて体を入れ替える矢地は左ヒザ。小外がけテイクダウンの矢地! 立ち上がる芳賀のバックを奪い、スタンドバックでボディトライアングル。  この際で左腕も左足で縛って4の字で組んだ矢地は、グラウンドに引きずり込み、片手でディフェンスする芳賀にリアネイキドチョーク! 頸動脈には完全には組めずも、最後はパームトゥパームで絞めてタップを奪った。 ◆矢地リング上コメント「周りもみんな矢地引退か、崖っぷちとか、うるせえぞ、黙れ、お前ら、まだまだやれるぞ!」 [nextpage] ▼第4試合 RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R〇鈴木博昭(BELLWOOD FIGHT TEAM)65.95kg[判定2-1]×ファン・イェーロウ(恩波格斗クラブ)65.35kg  1R、対峙すると身長差がある鈴木とファン、いきなり跳びヒザのファンは右を伸ばす。さばく鈴木もサウスポー構えから左の蹴り。しかし、ファンは圧力をかけて右ストレート、右ミドルで前に。  回る鈴木は、その右をかわして左もファンも左。さらに右テンカオに繋ぐ! 凌ぐ鈴木は右ジャブから左ミドル、さらに左オーバーハンド! さらに左ミドルで押し戻す。  長い左ジャブを突くファンは右ストレートも、しかし、カウンターの左を当てた鈴木! 前に出るとテイクダウンのファンだが、すぐに立つ鈴木。  ミドルから左ハイをガード上に突く。徐々に圧力をかける鈴木。左ミドル。左インロー。ファンは右ストレートで鈴木を後退させるが、鈴木はボディ打ちを返す。  2R、ファンのローブローにイエローカード。サウスポー構えから右ミドル、さらに左ミドルをリズム良く突く鈴木。左右ローを前足に突くが、打ち返しのファンに鈴木は左フックを合わせる。  右カーフの鈴木。左右ローを前足に突くと、左! 一瞬動きが止まったファンは右ハイもガードする鈴木。右のボディストレートのファンは飛び込んでの右も単発。後ろ廻し蹴りの鈴木。ダブルレッグのファンを切ると、なおも鈴木は右カーフ! ファンの右をかわして左。さらに左ミドルハイ。ファンもインローからハイを狙うが、ブロックする鈴木が左を振る。 プレッシャーをかけ続ける鈴木は、ファンのシングルレッグを切ってコーナーに押し込み左ボディ! 左ヒザ、さらに右ボディ、顔面と上下に散らせて左ミドルで前に出てゴング。  3R、ともにローの打ち合い。鈴木は出鼻をくじくようにインロー。さらに左ロングフックをヒット。ファンの右をかわして右ロー。鈴木はファンジャブには右をかぶせる。右ハイをふいに打ったファンにすぐに左ハイを蹴り返す鈴木。  右を当てたファンが前に。しかし鈴木も打ち合い。ファンの右ハイをブロッキングすると、左インロー。左オーバーハンド! 右ヒザのファン。右インローも。鈴木は左インロー。ファンの右をスウェイでかわして左。さらに左ミドル。再び左ミドルをガード上に当てる。右ミドルも見せる鈴木は、ファンの前進に左を合わせてゴングに笑顔。  判定は2-1に割れたが、テイクダウンを切ってスタンドで左を上下に打ち分けコントロールした鈴木が勝利。マルキーニョスが鈴木の腰に紫帯を巻いた。 [nextpage] ▼第3試合 フライ級(57.0kg) 5分3R〇冨澤大智(フリー)56.90kg[判定2-1]×平本 丈(剛毅會)56.90kg  1R、両者サウスポー。圧をかけていくのは冨澤だが、平本が飛び込んでの右フックで先制。続いての飛び込みではシングルレッグに行き、脇を潜ってバッククリンチでコーナーへ。バックから冨澤の足をヒザで蹴る平本。後ろに崩した後、平本がバックに飛び乗っての4の字ロック。冨澤が立ったままリアネイキドチョーク、そのまま崩れ落ちてグラウンドへ。  ボディトライアングルからリアネイキドチョーク狙いに、後ろ手を再三はがす冨澤。平本はパームトゥパームに組みを変えて絞めるが、組み手を剥がす冨澤。腰をずらして外して立ち上がった冨澤だが、平本はバックに着いたまま。シングルレッグでテイクダウンに行く平本に冨澤がヒザ蹴り、そして右ストレートを打つが、ヒザが急所に入っていたため試合は中断。  再開後、ジャブを打つ冨澤に平本は右ハイから右の三日月蹴り。冨澤は圧をかけながらワンツー、平本はジャブから右フック。冨澤がジャブ、左インローと打撃でペースを取り戻す。  2R、1Rの攻防で力を使ったのはどちらか。右ジャブで前に出る冨澤。平本は左右ローバックフィストからハイも遠い。冨澤は右ジャブをこつこつ当てると、平本も左ハイ。ガードの冨澤は詰めて右ジャブ、左ロー。オーソでワンツーの平本は右。しかし冨澤は右ジャブをインサイドで。喧嘩四つの前手争いから冨澤が左ロー。左フックが平本をかすめる。平本がサウスポー構えに戻すと、冨澤は左ローで平本のバランスを崩し、平本のローブローには続行、平本も右ストレートを返す。続く右をかわした冨澤はワンツーの左、平本の蹴り足を掴んで崩す。  3R、ともにサウスポー構え。立ち合い左ストレートの平本に、冨澤は右ジャブ。左ロー。平本は右に回って右フック。さらに右を突いてボディロックから自陣まで持ち込んでテイクダウン。しかし足を手繰り立つ冨澤は左!  平本も右を返すが、鼻血。平本のシングルレッグのドライブをスプロールして切った冨澤は左! 平本の右ハイを右回りでかわして右ジャブの刺し合い。冨澤のジャブのトリプルがヒット。平本は疲弊したか。右アッパーで入るが単発。冨澤のジャブにアゴが上がる平本だが、相打ちから右を返し、左。しかし冨澤も笑顔を浮かべながらボディへ左ヒザ、平本の右ローの打ち終わりに左! 足を止めての打ち合いは冨澤の左に平本が後退してゴング。  判定はスプリットに割れ、2-1で冨澤が勝利。◆冨澤リング上コメント 「名古屋、やったぞ! ちょっと本当はKOで倒したかったのでデカいこと言えないんですけれど、試合前にさんざん抜かしていた自称・格闘技有識者の皆さん、見る目ないからやめた方がいいんじゃないですか。大晦日にリベンジしたいヤツがいるんですけれど。篠塚! MMAフライ級でやっているならもう逃げられないだろ。大晦日、待っているので榊原さん、オファーお願いします」 [nextpage] ▼第2試合 RIZINヘビー級(100.0kg)5分3R×金田一孝介(フリー)98.00kg[判定0-3]〇チャートゥー・バンビロール(ROOTS GYM)99.45kg  1R、サウスポー構えの金田一に、オーソのバンビロール。金田一は前手争いからワンツーを振る。右オーバーハンドに肩でブロックするバンビロールは、バッククリンチでシングルレッグから股間に腕を差し込み、ボディスラム的に頭から落とすが、すぐに立つ金田一。バッククリンチから叩くバンビロールはボディロックテイクダウン! ハーフからパウンド。鉄槌。ヒジ打ち。  クローズドガードの金田一にバンビロールは頭突き。中断。ストップ。バンビロールに「口頭注意」。スタンド再開。両者見合ったままゴング。  2R、前手争いからワンツーの左の金田一。まだ遠い。バンビロールの右の蹴りを掴もうとした金田一に、バンビロールは両上手から長いリーチでクラッチしてテイクダウン。ハーフからクローズドガードにする金田一に、バンビロールは上から細かいパウンドも膠着ブレーク。  スタンド再開。右を伸ばして組んで首相撲ヒザのバンビロールは、ダブルレッグテイクダウン、パウンド。  3R、バンビロールがボディロックテイクダウン。金田一はクローズドガード。インサイドのバンビロールは脇腹にヒジ、ブレーク。スタンド再開も、すぐにボディロックテイクダウンのバンビロール。立つ金田一を右を突いてすぐに組んで押し込みゴング。バンビロールはゴングにコーナーまで歩いて座り込み。エドポロキングから叱咤されて起き上がった。  判定3-0でバンビロールが勝利。 [nextpage] ▼第1試合 フェザー級(66kg)5分3R×大和哲也(大和ジム)65.90kg[1R 4分10秒 腕十字]〇奥山貴大(NEX)65.75kg  1R、ともにオーソドックス構え。左ジャブ、右ローの奥山に、大和は右カーフ。ともに右ローの打ち合いから、大和は右カーフ。そこに左ジャブを狙う奥山が、ダブルレッグテイクダウン。  頭を抱えた大和に、ハーフの奥山は右で差して左枕にアメリカーナも狙いつつパウンド。その際でパスしてマウントの奥山は脇を開けさせて腕十字を狙いつつ、右ヒジ! 下の大和はシザーズから潜り、ストレートフットロックから立とうとするが、トップを奪う奥山は頭を両足で挟んでのキムラロック狙いからうつぶせで腕十字に。柔道ベースの奥山が大和をタップさせた。◆リング上コメント「すいません、喋ろうと思ったこと全部飛んじゃったんですけれど、久しぶりに名古屋RIZIN戻ってくることが出来て嬉しく思います。1Rで勝ったので良かったです。これからまたもっと強くなってRIZINに戻ってこれるように頑張るのでまた応援お願いします」 [nextpage] 【オープニングファイト】 ▼OP4 RIZINライト級(71kg)5分3R×太田将吾(NEX-SPORTS)70.75kg[判定0-3]〇ストリートBOB♡洸助(BOND GYM)70.85kg   1R、洸助が組んでコーナー際でテイクダウン、バックに。ボディロトライアングルからリアネイキドチョーク狙い。腰をずらして立ち上がり殴り合う太田に、洸助も右を返してゴング。  2R、先にシングルレッグでロープまでドライブする洸助。コーナーに押し込むと、シングルレッグからバック狙い。太田は左小手で防ぎ、突き放す。なおも洸助はシングルレッグも体を入れ替えて右ストレート! しかし洸助はシングルレッグテイクダウン。  コーナー背に上体立てる太田は立ち上がり離れる。ワンツーヒザの太田は右アッパー、しかし洸助はダブルレッグでコーナーに押し込み、組んで引き出しテイクダウン。左足を右ヒザを上に乗せて左手でパウンド。さらにヒザを突いてゴング。  判定は3-0でドミネートした洸助が勝利した。 [nextpage] ▼OP3 RIZINバンタム級(61kg)5分3R×山木麻弥(総合格闘技道場ALIVE)60.95kg[判定0-3]〇石坂空志(BRAVE GYM)60.95kg  1R、ともにオーソドックス構え山木は右のカーフからハイキック。右回りの石坂は右オーバーハンド。それをかわした山木がコーナーに詰めて組んでやぐら投げでテイクダウン!  石坂の立ち際にノーアームギロチン、首抜く石坂に小外がけテイクダウン。バックから腕十字! 伸ばしかけるが、またいでヒジを抜いた石坂がトップに。脇差し立ち上がる山木。アグレッシブに攻める石坂をさばく山木。  2R、ダブルレッグ、シングルレッグの石坂にロープ際で防ぐ山木は、バック狙いから腕十字も作らせずトップの石坂。鉄槌になおも十字にこだわる山木に回って作らせない石坂。トップから山木の立ち際にアナコンダチョークも外した山木が立ち上がり。  すぐに組む石坂が払い腰テイクダウンから腕十字へ。ここも山木はずらしてトップに。スクランブルでは石坂が上に。パウンドからバック。両足をかけてリアネイキドチョーク狙い。抜いて離れ際にサッカーキックを打ってゴング。  久保優太門下生の石坂が、判定3-0でALIVEの山木を下した。 [nextpage] ▼OP2 RIZINフライ級(57kg)5分3R×佐藤執斗(グラップリングシュートボクサーズ名古屋)56.25kg[判定0-3]〇小林大介(ALIVE)56.75kg  シュートボクシング日本バンタム級(-52.5kg)王者の佐藤がMMAデビュー。小林はMMA5勝2敗。  1R、両者軽快なフットワークから佐藤は横蹴り、小林はダブルレッグに行く。リフトアップされた佐藤はフロントチョークの体勢に。そのままテイクダウンした小林だが佐藤は首を離さない。ニンジャチョークに移行した佐藤だがこれは極まらず。サイドについた小林の首を脇に抱える。  立ち上がる佐藤を離さない小林に佐藤はヘッドロック。そのままグラウンドとなり、小林がバックをとる。佐藤は背後にヒジを打って腕関節を狙ったが、小林が上になる。それをブリッジで返した佐藤、小林は立ち上がる。スタンドに戻ると小林が左ハイ、その蹴り足を受け止めた佐藤は組み付いてバックをとり、グラウンドになったところで初回終了。  2R、小林がシングルレッグからリフトアップ。佐藤は首を脇に抱える。首を抜いてバックを奪う小林がヒザ蹴り、後ろに引き込んでテイクダウンするとパウンドを打ち込む。佐藤も下からヒジを打つ。佐藤は小林の右足に両足を絡めて防御。ブレイクとなる。  再び小林がダブルレッグからバックに回り、テイクダウンすると亀になった佐藤へヒザを見舞っていく。佐藤はアームロックを取りに行くが、小林はカカトで佐藤を蹴り続ける。最後は小林がバックからヒザを蹴って試合終了。  小林が判定勝ちで3連勝を飾った。 [nextpage] ▼OP1 RIZINフェザー級(66kg)5分3R〇YUHEI(ONE LINK)65.85kg[判定3-0]×脇田 仁(COMRADE)65.55kg  脇田は地下格闘技出身で芦澤竜誠の推薦を受けての出場。YUHEIはスックワンキントーン認定ウェルター級王者で今回がMMAデビュー戦。  1R、サウスポーに構えるYUHEIの周りを回り込む脇田が組みに来ると、YUHEIはしっかり切ってロープを背に。脇田は首投げでテイクダウンするもすぐにYUHEIが立ち上がって脇を差す。脇田は強引に首投げに行くがバックを奪われる。しかし、脇田が起き上がって逆にバックを奪い腕十字に。これは解除したYUHEIがサイドから抑え込み、立ち上がる。  スタンドに戻ると脇田のタックルにヒザを合わせるYUHEIだが、そのまま脇田がダブルレッグでテイクダウン。YUHEIにはロープをつかんだ行為で注意が与えられた。  2R、突進してきた脇田をボディロックするYUHEIは、身体を回しながらテイクダウン。サイドからヒザで頭部を蹴る。回転して立ち上がった脇田にYUHEIは首相撲からのヒザ。離れる両者。YUHEIは左三日月、YUHEIの左ローに脇田がダブルレッグを合わせてコーナーへ押し込む。YUHEIは右脇を差して脇田を回し、首相撲からヒザを蹴って離れる。  YUHEIは左ストレート、左三日月の連打からワンツー、さらに左ハイ。打撃で圧倒された脇田だが、左右フックを振り回して組み付く。四つの体勢からテイクダウンを狙うが、YUHEIは左腕で小手を巻き、投げで逆にテイクダウン。試合終了間際にヒジを落とした。  判定3-0でYUHEIがデビュー戦を勝利で飾った。
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.341
2025年12月21日発売
大晦日決戦に臨むシェイドゥラエフと朝倉未来ほか「特集◎大晦日を読む」では、5大タイトルマッチのインタビューと川尻達也らが試合解説。UFC平良達郎、40周年記念・水垣偉弥インタビューも
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント