▼メインイベント(第12試合)ONEバンタム級キックボクシング 3分3R
―イリアス・エナッシ(オランダ/モロッコ/キックボクシング同級2位)
3R 無効試合
―ナビル・アナン(アルジェリア/タイ/同級ムエタイ世界王者)

ついに、ONEバンタム級(-65.8kg)ムエタイ世界王者のナビル・アナンがキックボクシングルールに挑む。元ONEフライ級キックボクシング世界王者で現バンタム級キックボクシング2位イリアス・エナッシとバンタム級キックボクシング3分3Rで対戦する。

アナンはテコンドー、空手(いずれも黒帯)を経てムエタイを始め、パタヤの地方スタジアムで経験を積んで2017年からルンピニーとラジャダムナンのメジャースタジアムに進出。2022年5月にはWBCムエタイ世界フェザー級王座に就いた。RWS出場を経て、2023年6月にONE初出場にしてスーパーレックと対戦したが初回KOで敗れている。

しかし、9月にはナックロップを右クロスでKO、12月には元ルンピニースタジアム認定ライトフライ級王者の“エルボーゾンビ”ことムアンタイを判定で破り、2024年7月にはクラップダムをヒザ蹴りでKOしてみせるなど5連勝を飾り、2025年1月にはニコ・カリロに初回TKO勝ちで暫定バンタム級ムエタイ世界王座を獲得。

3月の日本大会で正規王者のスーパーレックと王座統一戦を行うはずだったが、スーパーレックが体重超過で王座はく奪、ノンタイトル戦でアナンがリベンジを果たした(その後、アナンが正規王者に昇格)。ONEバンタム級で195㎝という規格外の長身で、戦績は38勝5敗1分。21歳。

エナッシは11歳でキックボクシングを始め、ジュニアからプロへ。2014年11月に18歳で来日し、森井洋介と対戦するも1RでKO負け。2016年5月にEnfusion -60kg世界王者となり、同年11月の再来日では町田光から2度のダウンを奪って勝利し、BLADE 61kg世界王者となっている。2018年にはWFL -63kgトーナメント優勝。
2019年8月にONEへ初参戦を果たすと、ペッダム・ペッティンディーアカデミーを3RでKOし、ONEキックボクシング世界フライ級王者となった。2021年2月にはスーパーレックの挑戦を退けて3度目の防衛に成功したが、2023年1月に体重超過で王座ははく奪。2023年2月、約2年ぶりの試合でバンタム級に階級を上げてアリアスガーにKO勝ち。

2024年9月には秋元皓貴に判定勝ちでONEでの戦績を5戦全勝とした。しかし2025年2月、再び体重超過で体調不良となり、ペッタノン戦が中止となっていた。29歳。

1R、右ローの蹴り合い。アナンは飛び込んでの右ストレートを繰り出し、エナッシはアッパーを繰り出す。アナンのワンツーの右ストレートがガードを突き破ってヒットし、エナッシが仰向けに倒れてダウン。エナッシの右カーフに右ストレートを合わせるアナン。

エナッシは距離を詰めて左右ボディを連打する。エナッシは素早い踏み込みで左フックから左ロー、右カーフも蹴る。アナンはテンカオを突き上げる。ジャブを突くアナンの懐にエナッシが入り込むとヒザが突き上がる。さらに顔面前蹴り。

2R、アナンは素早いフットワークから左ミドルを連打、エナッシは右カーフを蹴る。右ローの蹴り合い、アナンは右ミドルとジャブ。ジャンプしての右ミドルをヒットさせるアナンは続けて右ハイ、左ミドル。

アナンは2回転してのフェイントからの右ミドルで場内を沸かせる。エナッシに右ストレートを当て、軽快でスピーディーなフットワークでエナッシの攻撃をかわす。

3R、アナンがジャブから強烈な右ミドルを蹴るが、スネブロックしようとして左足を上げたエナッシの股間を直撃。悶絶して倒れるエナッシ。3分間のインターバルが与えられたが、エナッシは回復せず試合終了。無効試合となった。


