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レポート

【PANCRASE】タジキスタンのサルドロフが平田を肩から落としてパウンド、カーライルが村山の払い腰切り返してTKO、岡田が石田にリベンジ、平が新鋭・畑を組み伏せる、グレコ全日本準優勝・松井がチェルバエフを完封、張が斎藤に判定勝ち、宮城、嶺がTKO勝ち

2025/09/23 17:09
 2025年9月23日(火/祝)東京・ニューピアホールにて、昼夜大会『PANCRASE 356』に続き『PANCRASE 357』(U-NEXT配信)が開催された。昼のオタベク・ラジャボフに続き、夜のメインでもタジキスタンのコジム・サルドルフがスラムからのパウンドで初回TKO勝ち。中央アジア旋風を巻き起こした。 タジキスタンのサルドルフが、ネオブラ優勝の平田をTDからパウンドでTKO ▼ミドル級 5分3R×平田 旭(move)1位/2025年NBT同級優勝 2勝2敗 83.7kg[1R 1分59秒 TKO] ※パウンド〇コシム・サルドロフ(Dorob Fight/タジキスタン)5勝 84.05kg  25年2月、破壊力抜群のパンチで岡村寿紀を1R マットに沈め、NBT王者に輝いた平田。続く6月のNPH大会では、パンチとパウンドの猛ラッシュでタフファイター・長岡弘樹を2Rに粉砕し、勢いは加速する一方。  そんな平田の前に立ちはだかるのは、タジキスタンから来日を果たす無敗の刺客・サンドロフ。レスリング仕込みの圧倒的フィジカルを武器に4戦無敗。  ロシア、ベラルーシ、中国で戦い、7月のJCK Fight Night 101では、カザフスタン戦士をスコティッシュ・ツイスターに極めている。王座空位のミドル級に、中央アジア旋風が吹き荒れるか? 平田「準備はばっちりでやることもわかっているので、必ず勝ちます」 サルドロフ「もう話す時間は終わりました。ぜひ見に来てください」  1R、ともにオーソドックス構え。先に右を突いていく平田。左右ローも。右前蹴りから前に出るサルドルフ、左ジャブも。左インローを当てる平田は左ミドル、右カーフも。  サルドルフは右ストレートを返すと、組んでボディロックテイクダウン!  右肩口から落としたサルドルフは、ニーオンから平田の対角の手を掴んで動きを止めるとサイドからそのまま鉄槌を浴びせ続けてレフェリーが間に入った。  序盤は打撃を試していた感もあるサルドルフは、「ありがとうございます。日本はとてもいい国で人も良くてここで戦えて嬉しいです。チームは家族だと思っています。日本のみんなとも家族になりたいです」と語った。 ◆サルドルフ「1Rでフィニッシュしなければいけない」(試合前インタビュー) サルドルフ「プロでは4戦して4勝しているんですけれども、あの、この戦績は5カの間に4試合しての戦績ですで、今もとてもコンディションが良くて、毎回技術も上がっていると思っています。なので、年内にはまだ試合をして、全部で7試合したいなと思っています。 (25年5月21日のop Fight Globalでの2試合は)ワンデートーナメントで、1回戦がウズベキスタン選手と、2回戦がロシアの選手を相手に両方とも1R TKOでした。 (前戦のスコティッシュツイスターについて)この間の試合で使ったスコティッシュツイスタ-は、もちろん練習の中でたくさん使ってきて、試合の準備のためのトレーニングでもたくさん練習をしてきたものです。それがあの試合で出せたことにすごく自信が持てました。そうした経験から、今まで見せていなかった技術をどんどんプロフェッショナルの試合の中で見せられるんだ、という自信がついてきた。これからも、もっともっとそういった技を見せられるんじゃないかなと思っています。 (前回の試合のスコティッシュツイスターでは相手の頭を脇に抱えて、組んだ自分の足を持って絞め上げてた。あの形は?)PFLでほかの選手(ジェイク・ハードリー)がやってるのを見て、いつも真似をして練習をしていました。前回の試合では1回目にかけた時は成功しなくて、2回目でフィニッシュすることができました。 (対戦相手の平田はパンチャーだが?)自分のアドバンテージはレスリングにある。フリースタイルレスリングで国内で86kgで5度王者になっています。しかし、これからプロのキャリアを、戦績を作っていくためには打撃にもしっかり取り組んでいくし、今までのアマチュアの試合の中ででも、過去、何戦かしてきたプロの試合でも、ストライカーの相手と試合をすることはありましたので、今回の平田選手が打撃が非常に強いというのは知っていますけれども、特にそんなに大きなチャレンジではないと思っています。 (試合のカギは)自分は打撃でも寝技でも自信を持って戦えるとは思っていますが、1Rでフィニッシュするのが、鍵になるんじゃないかなと思っています。平田選手の過去の試合を見て、まあ1Rでフィニッシュできるだろうな、しなければいけないなというような印象ですね。 (PANCRASEのミドル級は現在王座が空位だが)いまはもう今回の試合、平田選手にしか集中していません。とりあえずこの試合をしっかり終えてから、先のことを考えたいなと思っています。  自分は子供の頃にPRIDEなどの格闘技を見てきて、日本のMMAにすごく憧れを持っていました。なので、まず日本に来れたことで一つ夢が叶ったと思っています。非常に嬉しいです。この暑さとかコンディションに関しては大きな影響はないです。今日もそこまで暑く感じないですし、非常に良い感じで過ごせています。  PANCRASEの皆さん、呼んでいただいてありがとうございます。来日できて本当に嬉しいです。日本は美しい国で素晴らしいと思っています。ファンの皆さん、9月23日、ぜひニューピアホールに試合を見に来てください」 [nextpage] ウェルター級のスパイク・カーライルが村山暁洋の払い腰を切り返してパウンドアウト ▼ウェルター級 5分3R×村山暁洋(暁道場)3位/第9代KING OF PANCRASIST 25勝15敗9分 ※村山インタビュー 77.4kg[1R 2分07秒 TKO] ※パウンド〇スパイク・カーライル(米国/Kings MMA Anaheim/Treigning Lab)16勝7敗 ※カーライル インタビュー 77.35kg  UFC、Bellatorで活躍し、2022年からはRIZINを主戦場にしてきたスパイク・カーライルが、PANCRASEに電撃参戦。  RIZINでは、武田光司、キム・ギョンピョをチョークで絞め、ホベルト・サトシ・ソウザ 、AJ・マッキーにも極めさせないグラップリング力を持つ。15勝のうち8つのサブミッション、6つのKO、実に14フィニッシュという決定力を誇る紛れもない強豪だ。  2025年3月の前戦『RIZIN.50』では、泉武志を相手にライト級の71kg契約戦で体重超過。レッドカードによる減点(判定50%減)のペナルティを受けた状態で判定負けとなっている。今回は、ウェルター級に階級を上げてPANCRASEに参戦する。  そのカーライルをウェルター級で迎え撃つのは、20年以上に渡り闘い続ける、日本MMA界の歴史を紡いできたベテラン・村山暁洋。今年3月横浜大会では、不屈の闘志で長岡弘樹との“45歳対決”を制し、その存在感を示した。  高専柔道の指導も受けた村山には、柔道由来の足技、モダングラップリングとは一味異なる極めも持つ。  キャリア集大成ともいえるビッグネームとの対戦に挑む村山が、どのような戦いぶりを見せるのか。48戦を重ねながら一度も極めを許していない鉄壁のディフェンスを誇る村山に、カーライルのチョークが炸裂するのか。 村山「打倒極。すべて出して勝ちたいと思います。勝ちます」 カーライル「皆さんこんにちは。PANCRASEに来れて本当に嬉しいです。明日はエキサイティングな試合をするので、楽しみにしていてください」  1R、スイッチするカーライルはサウスポー構えから。詰める村山は払い腰狙いも、それを切り返して後方に投げたカーライルがトップに。  パウンド、ヒジの連打に村山はハーフから左腕をオーバーフックで引き寄せるが、右のパウンドのカーライルは連打! 頭がケージに詰まった村山は動けず。レフェリーが間に入った。 [nextpage] フェザー級サバイバルマッチは岡田拓真が石田陸也にリベンジ ▼フェザー級 5分3R×石田陸也(DOBUITA)8位 7勝11敗 66.05kg[1R 3分43秒 TKO] ※パウンド〇岡田拓真(リバーサルジム横浜グランドスラム)10位 5勝1敗 65.7kg  石田は、24年3月、遠藤来生を下してランカー入りを果たすも、その後は三宅輝砂、24年11月に中田大貴に連敗を喫し、試練の渦中にある。  対する岡田は、24年12月に敢流に敗れキャリア初黒星を喫したが、6月のNPH大会では柔道仕込みの組みとキレのある打撃を武器に、中村晃司をパウンドで3R TKOで撃破。復活の狼煙を上げた。  強豪がひしめくフェザー級上位ランカー激戦区に割って入るためにも、どちらも譲れない。意地と意地がぶつかり合う、サバイバルマッチ。 石田「明日は応援してくれる人、全員のために頑張りたいと思います。応援よろしくお願いします」 岡田「ペイバックシリーズ1回目ということでリベンジします。よろしくお願いします」  1R、詰める岡田が左を当てて右で差して組みに。ケージ背にする石田は左小手。岡田は肩パンチ。石田は首相撲ヒザ。しかし、岡田も近距離から左ヒジ! さらに右ストレート、石田を崩すが、すぐに立つ石田に左右ヒザから右。グラつく石田が出血。ドクターチェック。  再開。石田は左瞼をカット。跳びヒザの石田をとらえて崩した岡田はパウンド連打! レフェリーが間に入った。試合後、岡田は「石田選手にはアマチュアのとき負けてて、最後下からの仕掛けがちょっと怖かったんですけど、何とか勝てて良かったです。年内もう1試合、行こう」と語った。 [nextpage] 平が組んで倒してスクランブルの畑を抑え込みパウンド判定勝ち ▼ライト級 5分3R〇平 信一(綱島柔術/ZST)24勝18敗10分 70.5kg[判定3-0] ※29-28×2, 30-27×畑 大晴(ロータス世田谷)1勝1敗 70.1kg  25年8月PANCRASE品川大会でのプロデビュー戦で、原田直人を右突きでKOした空手黒帯の畑。  国士舘大学空手部出身で、大卒後にロータス世田谷でMMAを始めてキャリア1年半でベストKO賞を獲得した。その勢いのままに連続参戦となる今大会では、早くもランカーとの対戦が用意された。  迎え撃つのは“暴走柔術家”としてライト級でも異彩を放つベテランファイター・平。丸山数馬、神谷大智、鈴木悠斗ら実力者相手に敗れたが、24年12月NPH大会では、張豊をパウンドで仕留め、連敗をストップしている。  前戦で一撃必殺の秒殺劇を見せつけた畑と、「いつ何時でも投げる」「始めから行く」を信条に掲げる平との、試合開始から目が離せない一戦。 畑「冷静、冷酷に戦って必ずフィニッシュします」 平「秒殺される前に秒で暴れる」  1R、伝統派空手の畑に、一気に飛び込む平が組んで左脇差し。左小外がけでテイクダウンの平。フルガードの畑にボディをこつこつ打つ平に、下の畑はヒジ。ニーシールドでヒザを入れて鉄槌も。蹴り上げの畑! ついていく平。下の畑は鉄槌連打。蹴り上げもすかした平がかつぎパス。亀から立つ畑に小内刈で崩して立ち際にジャーマンも狙う平。下の畑の蹴り上げを片足パスしてパウンド。1者10-9で平も、2者は畑を支持。  2R、ホーンと同時に詰めた平は四つから小外がけテイクダウン。サイドを奪うとニーオン。パウンド。そのスペースで立つ畑を背後から崩して再びテイクダウンする平。サイドを奪い、ヒザを突き、亀になる畑にパウンド。右腕を巻きながらボディロックで引き込み、互いに上の取り合いでトップは、平。腰を蹴って立とうとする畑をなおもダブルレッグの平。そこにギロチンチョークの畑を後方に投げた平だが、畑もギロチンのまま。平は中腰でしのぐ。3者10-9で平のラウンドに。  3R、平の組みに畑は跳びヒザも。平はキャッチしてテイクダウン、サイドにパスする平。背中をつかせる平は上四方からサイドバック、パウンド。さらにギロチンから後方に投げて立つ畑をなおもボディロックテイクダウン!  畑のスクランブルをつぶしてトップに。背中を着かせてヒジ・ヒザ。下の畑の三角狙いをかつぐ平はサイドに。暴れる畑は立ち上がり。しかしバッククリンチで振り回す平は崩して上に。  ハーフから腰を抱いて頭をつけて右のパウンドを打つ平。ホーン。判定3-0(29-28×2, 30-27)で40歳のランカー8位の平が勝利。いつもの見栄を切って見せた。 ◆畑「気合いで、倒せる。どんな相手であれフィニッシュする」(試合前) 畑「初めまして、ロータス世田谷の畑大晴です。相手がどんな相手であれ、この間と一緒でフィニッシュします。よろしくお願いします。(前回の)試合が終わって2日か3日くらいでオファーをいただいて、対戦相手が8位の平信一選手と聞いた瞬間に、めっちゃ楽しみだなと。ずっと待ちきれない状態です。 (空手は)国士舘大学では、それほど結果という結果は残せなかったんですけど、高校の頃に流派の全国大会があって、そこで日本一を獲れたという感じです。 (『暴走柔術』について)逆に冷静に見てやろうという感じ。グラップリングは、ロータスでいつもやっている人たちの方が断然強いと思うんで、そこは寝技でも自信を持ってやれると思います。 (前回の原田直人戦の29秒 KOは)行けると思った時に行ったら当たったという感じです。課題は、打撃の面もそうですし、組み技の面ももっとレベルアップしていけたらなと思います。 (キャリア1年半での本戦出場は)当たり前じゃないなっていう感じで。(東京選手権Sクラスルールトーナメントウェルター級優勝について)本当は出る予定はなかったんですけど、6月に試合がもうこれしかない! ってなって、優勝できて、そこから流れがいい感じになってきたっていう感じです。 (PANCRASEのライト級は、KOPの雑賀ヤン坊をはじめ、1位にラファエル・バルボーザ、2位に天弥、3位に粕谷優介、4位に葛西和希、5位が後藤亮、6位が丸山数馬、7位で鈴木悠斗など猛者揃いだが)どんな相手であれ“フィニッシュする”っていう意識で、気合いで、倒せると思います。目が離せないくらい速いパンチと、パンチだけじゃなくて組み技でも得意なところを見せられればと思います」 [nextpage] グレコ全日本選手権準優勝・松井涼がONE FF1勝1敗のチェルバエフを完封し、4連勝 ▼バンタム級 5分3R〇松井 涼(EXFIGHT×FIGHTFARM)4勝 61.45kg[判定3-0] ※29-27×3×アンドレイ・チェルバエフ(Team Tiger Muaythai/ロシア)4勝3敗 61.2kg  松井は、専修大学レスリング部出身、2017年天皇杯全日本選手権グレコ63キロ級準優勝。プロデビューから3連勝中で、24年8月に佐々木健吾に判定勝ち後、25年3月の横浜大会では、千種純平を驚異的なフィジカルとレスリング力で圧倒し、判定勝ちした。  6月にはPOUNDOUTに参戦し、武田勇輝を2R 肩固めに極めている。その松井が、プロ4戦目にして早くも国際戦に挑む。  対するは、ONEで1勝1敗の戦績を持つロシアのチェルバエフ。名門・タイガームエタイから送り込まれる実力者であり、ボクサーとしての一面も持つ強豪。タイでのSpartacus MMA、Fairtex Fightでの3連勝を経て、23年5月のONE Friday Fights 18でインドのマンサン・レインに判定勝ち。同年8月のONE Friday Fights 29でモンゴルのチャヤン・オールジャクに2R TKO負け。その後、バリ開催のHW Sport Nightでボクシングで1勝1敗となっている。  デジタルアーティストという異色の顔も持つ多才な松井が、この刺客をどう迎え撃つのか。バンタム級戦線に新たな旋風を巻き起こす可能性を秘めた両者による一戦。 松井「明日は楽しみです。見に来てください。よろしくお願いします」 チェルバエフ「皆さん、こんにちは。大きな試合で、私が何ができるか見せる」  1R、ダブルレッグ1発でテイクダウンの松井。ハーフから亀になって立とうとするチェルバエフ。サイドバックから後方に崩してパウンド連打!  左で片ヒザ立ちのチェルバエフに片足を束ねて右の細かいパウンド。正対して下になるチェルバエフの腰を左で抱いて、右のパウンド。そのまま抑え込んでパウンドでゴング。3者10-9で松井支持。  2R、チェルバエフのパンチに合わせてシングルレッグテイクダウンの松井。片ヒザ立ちのチェルバエフに松井が反則のヒザを頭部に打ち、中断。再開。  頭部へのダメージ回復時間ながら、正座し腕を伸ばしストレッチしながら回復を待つチェルバエフ。松井にイエローカード。減点1。  再開。中央を獲り細かいステップの松井は左ジャブ。さらに走り込んでダブルレッグテイクダウン。ハーフからニーシールドのチェルバエフに、松井は足をさばき肩固め、内側を向くチェルバエフは腹にパンチ。肩固めを解いた松井はハーフからトップをキープし、右で腰を抱いて左でパウンド。左ヒジ連打。減点1があり、3者9-9。  3R、インカーフのチェルバエフ。右ローに合わせて松井はダブルレッグテイクダウン! 右で腰を抱き、左でケージに頭を押し込み左ヒジ。  サイドから左ヒジを押し込み、チェルバエフのケージウォークをさせずにしっかり抑え込みながらパウンド。マウントにハーフに戻すチェルバエフのだが、右ヒジを被弾。ホーン。  判定3-0(29-27×3)で松井が危なげなくテイクダウンからパウンドで判定勝ちした。 ◆松井涼「足を取ったらテイクダウンやり切る。相手に打つ隙を作らせない」(試合前) 松井(会見コメント)「チェルバエフとの試合がすごい楽しみです。“ついに来たな、待ってました”という感じです。(国際戦は)もっと先になるのかなと思ってたら意外と早く来て、しかもすごく強そうというか、打撃を武器にフィジカルも強いですし、すごく良い選手が来たなと。僕のレスリング力とテイクダウン能力と相手の打撃、どっちが強いか、面白い試合になるんじゃないかなと思ってます。僕自身、楽しみです。 (ランク外の選手との対戦相手だが)僕は、ランキングがどうとかはあんまり思わなかったです。ただただ、チャンスがもらえたなという風に思っていて、勝てばしっかりランキングに食い込めるものだと思っているので、今回の試合はシンプルにチャンスがもらえたなんじゃないかと考えています。僕は世界で戦っていくことしか考えていないので、そのための一戦だと思っています。今どれだけ実力が通用するのか、どんな展開で勝っていけるのかというのを見るいい機会なんじゃないかなと。なので、ビビってもいないし、もちろん勝つつもりですし。その中で、僕の強みのレスリングがどれだけ生きてくるのかなっていうのを測る機会なんじゃないかって考えています。 (3戦3勝で)一戦一戦、やれることが増えてるというのは自分の中で感じていて、1戦目でできなかったことが2戦目で使えるようになってたり、同じように2戦目で使えるようになっていたり……着実というか、ちゃんと練習して来たことが試合の中で出てる、出せるようになっていると感じています。  今回の試合も『やるべきことをやり続けること』。もちろん相手の流れに乗っちゃダメだし、自分の流れを常に作って、やるべきこと、練習して来たことだけを考えて5分3Rやり続ける。その中に極めだったりKOだったりっていうのがついてくるものだと思ってるんで、ただただ淡々とやり続ける、それだけを意識しています。 (勝負のキーは)僕のレスリングの技術だったりテイクダウンの能力だったりが、どれだけ相手のフィジカルに通用するのか。最初にうまくいっても後半でうまくいかなくなっちゃったりとかしたらダメですし。とにかく最後までやり切る、本当にこれに尽きると思います。足を取ったらテイクダウンやり切るっていう。相手は打撃なので、パンチを打たせない、打つ隙を作らせない。動き続ける。もうそれだけだと思ってます」 ◆チェルバエフ「早い段階でフィニッシュしたい」 チェルバエフ「ここまで4勝2敗っていうのはプロのMMAファイターになってからの戦績で、自分はプロになったのがちょっと遅くて27歳でした。でも、それまではアマチュアでずっと戦っていたので、そこでの経験がたくさんあるので、特にこのプロ戦績に関しては気にはしていません。 (ボクサーとしての戦績もあるが)ボクシングで戦うことも多いですけれども、子供の頃からパンクラチオンや散打などの様々な格闘技をやってきていますし、今も技術がいろんな面で向上していると思います。なので、新しいファイティングスタイルを常に開拓している感じです。 (松井のレスリングについて)今までに様々なスタイルの相手と戦ってきているし、松井のスタイルを見ても、自分の方がどの局面でも上だと思っているので、しっかりオールラウンドで戦っていけたらいいのかなと思っています。 (タイガームエタイにはコロナ禍の)2021年頃に、どこかでファイトキャンプができればいいなと思ってタイに移住した。その後、タイガームエタイの方から『ぜひジムに所属して、ジムの代表として選手になりませんか』ということだったので所属をしました。  21年あたりにタイに移住して、今もう3年ぐらいタイガームエンタイで練習しています。(山口怜臣は)とてもよくしてくれています。すごくいいやつだなと思っています。一緒にスパーリングをしたりもしています。彼ともスパーリングするし、もちろんほかのタイガームエタイのピョートル・ヤンなどのレベルの高い選手ともスパーもしています。  タイガームエータイで練習を始めてから、非常に速いスピードで技術が向上したと思います。それは様々なスタイルの選手と練習ができたから。そしていろんな技術をミックスさせて、MMAの形を作っていけていける。自分はストライカーとして、打撃を軸として戦っていきたいというのがあって。特に観客の方が喜んでくれるようなスタイルで戦っていけるように、自己を持っていたいと思っています。 (どう松井をフィニッシュしたい?)早い段階でフィニッシュするというのが自分の目標です。  皆さんこんにちは。日本に来れて非常に嬉しいです。日本、東京という場所が非常に美しくて素晴らしいと思います。9月23日は皆さんを絶対楽しませるので、試合を見に来てください。よろしくお願いします」 [nextpage] ネオブラ優勝のジャンユタ、プロデビューの斎藤主己に判定勝ち ▼ライト級 5分3R〇張豊(Tri.H.Studio/頂柔術)9位/2025年NBT同級優勝 2勝1敗 70.75kg[判定3-0] ※29-28×2, 30-27×斎藤主己(Naughty House)1敗 70.45kg  EXFIGHTなどで経験を積んだ張豊(ジャン ユタ)は柔道、レスリング、柔術がバックボーン。  24年12月のプロデビュー戦で平信一に2R TKO負けしたが、5月の品川大会ではアンディサカイをテイクダウンと巧みなポジショニングで圧倒し、NBT王者の座を掴んだ。  その張に挑むのは、柔道で培った実力を武器にアマチュア戦績を重ね、ついにプロデビューを迎える斎藤。斎藤にとっては、デビュー戦にしてランカーとの対戦という、またとない大舞台が用意された。  1R、斎藤の蹴り終わりに合わせて張豊はテイクダウン。立つ斎藤は張豊の投げにバック狙いも、張豊も外して前に。ボディロックテイクダウンを再三繰り返す張豊に、再三立ち上がる斎藤は右ハイをヒット。張豊は左右で前に。ダブルレッグに立つ斎藤は首投げ払い腰テイクダウン。張豊も立つ。ジャッジ3者は張豊を10-9で支持。  2R、右ローから入る斎藤。ワンツーアッパーで詰める張豊はボディロックテイクダウンも抑え込めず。立つ斎藤にボディロックする張豊。斎藤は払い腰狙いから突き放す。  詰める張豊の右を気にした斎藤は右小手で払い腰テイクダウン! そのままバックに回るが両足は効かず。正対した張豊に下から三角絞め狙い。外れると立つ斎藤。張豊はなおも押し込みテイクダウン。ハーフの斎藤に肩固め狙いつつ鉄槌も、立つ斎藤も疲弊。  右ハイの斎藤をブロッキングの張豊はワンツーで前に。斎藤の組みをはがしてホーン。ジャッジ3者10-9で張豊。  3R、早々にダブルレッグテイクダウンの張豊。立つ斎藤は首相撲ヒザも張豊はテイクダウン。立つ斎藤は右ヒジ! ヒザで崩して効かせてサイドから腕十字、三角絞めに。ずらして頭を抜いた張豊が上に。ハーフからフルガードに戻した斎藤は腕十字狙いもかついだ張豊に、斎藤は後転してホーン。  判定は3-0(29-28×2, 30-27)で張豊が勝利。デビュー戦の斎藤は苦い判定負け。 [nextpage] 寝技の梅原を切った宮城がパウンドTKO勝ち ▼バンタム級 5分3R×梅原規祥(リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)5勝6敗 61.55kg[1R 2分10秒 TKO] ※パウンド〇宮城成歩滝(ストライプル新百合ヶ丘)6勝2敗 61.6kg  師匠・所英男ゆずりのファンタジスタぶりで頭角を現してきた梅原。24年8月に上野惇平に判定勝ちすると、11月に坂本瑞氣を3R 腕十字に極めて2連勝。25年3月横浜大会では、自ら熱望した前田浩平戦を実現させるも判定負けに終わり、今回再起を懸けた一戦となる。  対する宮城は強靭な身体から繰り出される破壊力抜群の打撃で5勝中4KOを記録するハードパンチャー。24年のNBTで牧瀬武蔵を1R TKO、寺本雄輝を2R TKO。準決勝で山口怜臣に判定負け後、11月に山木麻弥に1R TKO負けを喫した。しかし、25年2月に渡邉泰斗を3R TKOに下すと、5月に千種純平に判定勝ちで2連勝中。  寝技で勝負する梅原、打撃で仕留める宮城。両者ともにフィニッシュできる武器を持つだけに、一瞬たりとも目が離せない、緊張感あふれる攻防が予想される。  1R、サウスポー構えの梅原は左の蹴りから。オーソの宮城は右前蹴り。今成ロールの梅原を切って足を蹴る宮城。さらにスタンドから下の梅原にパンチも。ブレーク。  右のスーパーマンパンチで飛び込む宮城に回る梅原。左を振って組みに行くが、差し返して上は宮城。そのままパウンド連打でレフェリーが間に入った。  3連勝、27歳の宮城は「もし出来るなら年内にランキングをかけて試合をしたい。娘3人にかっこいいパパを見せたい」と語った。 [nextpage] フライ級に落とした小原を嶺が最終回にパウンドアウト ▼フライ級 5分3R×小原統哉(THE BLACKBELT JAPAN)5勝3敗 57.05kg[3R 3分58秒 TKO]〇嶺 大基(KRAZY BEE/NAUGHTY HOUSE)2勝3敗 57.0kg  1R、ともにサウスポー構え。フライ級に落として小原が詰める。嶺はジャブ。小原はミドルを打つと飛び込んでシングルレッグ。切ってパウンドを入れる嶺。バックにつくが小原はアームロック狙いからバックを取り四の字ロック。嶺は背後にパンチ。小原下から肩固め狙いもホーン。ジャッジは3者10-9で嶺。  2R、ともにサウスポー構え。小原の低いシングルを切る嶺。関節蹴りを見せる。嶺は左ボディストレート。小原は左ロー。嶺はなおも右ボディ、ワンツーで前に。小原は左を返すが、ジャッジは3者10-9で嶺。  3R、小原はワンツーで前に。嶺も左で飛び込み。小原はシングルレッグもさばく嶺が鉄槌で離れる。追う小原は左で飛びこみシングルレッグ。切る嶺は左の突き上げ。かわす小原は足を使う嶺を追うとシングルレッグからバック狙いも正対してトップの嶺がパウンドをまとめると小原は動けず。レフェリーが間に入った。
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