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インタビュー

【K-1】須藤元気・新プロデューサーの“K-1改革”とは?(中編)「一般層にも届かせるためには、飛び道具的なマッチメイクは必要。逆にニッチなカードを狙っていくことも重要」[特別掲載]

2025/09/23 12:09

あまり選手の個性が伝わってこない


──アンチも含めて、声をあげるコアなファンの声もたしかに重要ですね。

「バランスですよね。どちらかに偏ってはいけないし、目標を見失わないことが成功するためには大切なことです。あと今はスマホ格闘技の時代なので、もっとショート動画を活用した方がいいと思っています。ショート動画のアルゴリズムに出てくるのは、UFC、ブレイキングダウン、RIZINとかなんです。K-1が出てこない。スマホで見る時代なのに、特化された動画に出てこないのはもったいないと思います」

──たしかに長い動画は見なくても、ショート動画での訴求は効果ありそうです。

「あと感じるのは、あまり選手の個性が伝わってこないことですね」

──K-1を離れた選手が個性を発揮することも多いので、不思議な現象です。

「それは単純に試合数が多いからだと思います。K-1の解説をした時に思ったのは、20試合くらいあって40人の選手が出ていて、誰が推しなのか分からないことでした。試合を見て、いい選手だなと思っても、その後の試合に上書きされてしまい、結局記憶に残らなくなってしまうという現象を体験しました。せっかくいい選手が多いのに、もったいないなと思いました」

──試合数が多い影響で没個性のデメリットが発生していると。

「そう思います。7時間興行で、なおかつ格闘技の宿命ともいえる塩試合も必ず出てしまうわけですから、人間の集中力には限界があります。そうした弊害が個性を消しているように思います」


【写真】須藤Pが「華があるので可能性を感じた」という大久保琉唯

──ここまでは、その中で生き残った選手がスターという手法のように思いますが、運に頼る感じでした。

「先日、大久保琉唯選手と直接会って話をしましたが、彼はダイヤモンドの原石だなと感じました。スター性はあるし、K-1だけではない活動で認知してもらうこともできる。練習をしっかりやれる環境さえ担保できれば、彼のような選手をもっとスターに推すべきだなと思いました」

──大久保選手をK-1のエースに?

「彼は華があるので可能性を感じました。でも同じ階級の選手、また違う階級の選手でも『なにくそ!』と腹を立ててくれたら、それによって全体が活性化してくるので、とてもいい流れになると思っています」

(次回に続く)

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