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【修斗】9月7日(日)『BORDER2025:The2nd』、バンタム級でガッツ・takatoが奇天烈に判定勝ち。ムテカツ引退“試合”で息子の中島陸に一本負け

2025/09/10 15:09
 2025年9月7日(日)、大阪市平野区コミュニティプラザ平野にて、T.K.プロモーション主催のプロ修斗公式戦『BORDER2025:The2nd』(ツイキャス配信)が開催された。  メインイベントのバンタム級(5分3R)では、ガッツ・takato(パラエストラ綾瀬)が、奇天烈(修斗GYMS直心会)に判定勝ち。24年7月のTORAOでの神田T800周一戦の判定負けから再起を遂げた。  また、第7試合では須貝 THE YAMANBAの負傷欠場により、ムテカツ(総合格闘技ゴンズジム)と、同門の息子の中島陸による「ムテカツ引退スペシャルエキシビションマッチ」が組まれた。ムテカツ本人から「本当の試合のスタイルで、修斗グローブでやりたい」との意向を受けて、修斗伝承の引退“試合”が行われた。 ▼メインイベント バンタム級 5分3R×奇天烈(修斗GYMS直心会)61.0㎏[判定 0-3]〇ガッツ・takato(パラエストラ綾瀬)60.7㎏[レフェリー]片岡 誠人[ジャッジ]豊島 孝尚 27-30(1R 9-10/2R 9-10/3R 9-10)安芸 佳孝 28-29(1R 10-9/2R 9-10/3R 9-10)加納 学  27-30(1R 9-10/2R 9-10/3R 9-10) (C)BORDER  1R、奇天烈のセコンドには夜叉坊。サウスポー構えの奇天烈、オーソのガッツは右ミドルから、さらに左ロー。奇天烈は右前手を振る。右ミドルをかわした奇天烈。しかしガッツはなおも右ミドルを届かせると、奇天烈の右のボディストレートにバランスを崩す。すぐに戻すガッツに右から左で追う奇天烈。  ガッツは右ミドルで押し戻す。奇天烈は右フックの飛び込み。それをかわしてダブルレッグのガッツに差し上げる奇天烈が離れ際に右! 尻餅をついたガッツにパウンド。ガッツも立ち上がる。  ワンツーの右ミドルを見せるガッツ。回る奇天烈にインロー。奇天烈は右のニータップから右を突く。さらにノーモーションの左。ガッツはシングルレッグからバックに回る。片ヒザ立ちで足をかけさせない奇天烈に背後からヒザ。  コーナーに頭つけて立つ奇天烈は向き直り。体を入れ替えてゴング。序盤は奇天烈の打撃も後半はガッツの時間に。  2R、中央を取るガッツ。喧嘩四つでともに前手を突き。両手を広げる奇天烈は左ロー、そこにシングルレッグで飛び込んだガッツは殴りながら立つ奇天烈のバックに。引き込み足がかからないと見るやトップからサイドに。ここで背中を着いてしまう奇天烈。  左枕で押さえ込むガッツに、下の奇天烈は足を差し入れフルガードに戻して下からヒジ。足を腰骨に当てる奇天烈は蹴り上げから立ち上がり。追うガッツに左から右を強振。しかしそれを潜ったガッツが懐にダブルレッグテイクダウン。  すぐにコーナーまで這い座る奇天烈。腰を抱きアゴ下に頭をつけるガッツ座る奇天烈もこつこつパンチ。ガッツも押し込みながら細かいパンチを顔面に。立つ奇天烈に右ヒザ。 奇天烈は右カーフ。ガッツの右ハイをつかんだ奇天烈はまたも右をフルスイング。かわすガッツはダブルレッグテイクダウン。ここも奇天烈がコーナーまで動いて座りゴング。  3R、左ローのガッツ。右ミドルもガード上に。さらにジャブがわりの左右の蹴りからローシングルへ。後ろ向いて足を抜こうとする奇天烈に足首をとらえるガッツ。足を抜いたオーソに構える奇天烈に左の蹴りはガッツ。 奇天烈は右が大きい。ガッツは右ミドルハイも遠い。サウスポーに構えた奇天烈はガッツのシングルレッグを頭を押さえて潰し、クラッチ際に走って抜く。  前手争いからみたびシングルレッグのガッツを切る奇天烈だが、手数、有効打が欲しい。前に詰める奇天烈に右ミドルのガッツ。奇天烈の左ボディの打ち終わりにシングルレッグのガッツは立ち際にシングルバックに。ガッツもスタミナ厳しいか。  右足でシングルバックを4の字に組むガッツに左を向きたい奇天烈だが戻される。バックから踵を足に突くガッツ。奇天烈は腰をずらして亀になって立ち上がり。そこにサイドバックでパウンドをまとめるガッツ。立つ奇天烈を追いかけ背後から細かい右を連打し、ゴング。ガッツが右手を挙げた。  判定は3-0(30-27×2, 29-28)でガッツが勝利。  試合後、ガッツは「去年、広島大会で世界ランカー(神田 T800 周一)とやらせてもらったのに、俺が不甲斐ない結果で負けてしまって。その後、1年間ちょっといろいろあって試合できてなくて、やっとこの思い出のあるBODERで試合できました。本当、BORDER関係者の皆さん、奇天烈選手、そして直心会の皆さん、本当にありがとうございました。一点、自分から報告したいことがあります。今年の7月7日に結婚しました。嫁さんをリングに上げたいんですけど、いいですか?(リングサイドの奥方がNOと返事)こういうところもガッツらしいということでご愛敬で(苦笑)。  次、BORDER、いつか分からないですけど、1人、やっぱ倒しとかないといけないでしょう。去年、広島大会で神田選手の際にちょっとXの方で一人、すごく、関西の世界ランカー人に喧嘩売られたんで。次はBORDERで、その世界ランカーの選手とぐちゃぐちゃな泥試合をしたいと思います。青柳(洸志)選手、アンサーお願いします。最後に一言(カメラ目線になり)、ガッツtakato、this is ポジションゼロ! 以上」と、世界バンタム級9位の青柳洸志(修斗GYM神戸)との対戦をアピールした。 ▼第9試合 フライ級 5分2R△山本壮馬(パラエストラ和泉)56.7㎏[判定0-1 ドロー]△井口翔太(修斗ジム神戸)56.6㎏[レフェリー]片岡 誠人[ジャッジ]豊島 孝尚 19-19(1R 10-9/2R 9-10)安芸 佳孝 18-20(1R 9-10/2R 9-10)加納 学  19-19(1R 10-9/2R 9-10) ▼第8試合 フェザー級 5分2R×後藤陽駆(修斗ジム大阪)65.3㎏[1R 4分09秒 TKO] ※レフェリーストップ/パウンド〇ISODA(直心会生野道場TK68)65.0㎏[レフェリー]片岡 誠人 [nextpage] ムテカツの引退エキシビションは涙の「親子ガチ試合」に ▼第7試合 ムテカツ引退スペシャルエキシビションマッチ 3分2R×ムテカツ(総合格闘技ゴンズジム)[1R 2分19秒 リアネイキドチョーク]〇中島 陸(総合格闘技ゴンズジム)[レフェリー]片岡 誠人  ムテカツこと中島英昭は2017年9月23日の全日本アマチュア修斗選手権大会フェザー級に中国地区代表として出場。2回戦敗退も試合内容・過去の実績等が考慮され、37歳にしてプロ昇格。同期のプロ昇格に当時17歳の平良達郎(※現UFC世界フライ級5位)がいた。  2017年12月に38歳でプロ修斗『BORDER』デビューで判定勝ち。MMA4勝10敗1分と白星に恵まれなかったが、23年には小林孝秀に4年ぶりリベンジを果たすなど粘り強い戦いを見せた。今回、19年に新人王決定トーナメントで敗れた須貝 THE YAMANBAとのリベンジ戦が組まれていたが、須貝の負傷欠場により、中島陸との対戦を決めた。46歳。  ムテカツがプロデビューした時、10歳だった息子の中島陸は、2023年アマチュア修斗EXトーナメント準優勝でプロ昇格。24年3月に高校生でプロ修斗デビュー。森貴史を1R TKOに下して白星発進すると、9月に岩佐和哉を1R 三角絞めに極め、12月に強豪・青井心二とドロー。25年5月に松岡琉之介を1R リアネイキドチョークに極めている。MMA3勝1分、18歳。  24年9月の『BORDER2024:The1st』には同じ大会に親子で出場。メインでムテカツが老翁と対戦、第1試合で中島陸が岩佐と対戦し、ともに勝利している。  今回は、3分2Rのエキシビションながら、ムテカツの希望により、修斗グローブをつけて防具をつけない引退“試合”に。試合に向けて、両者ジムでは手を合わせなかったという。  1R、グローブタッチ。先に右ローのムテカツに中島も右ロー。中島は鋭いジャブから右に、ムテカツも右を合わせに行く。さらに右オーバーハンドがかすめる。  右カーフを返す中島に、ムテカツはワンツーの右。それを潜りダブルレッグの中島を差し上げるムテカツはロープまで押し込み。がぶる中島に頭を抜くムテカツを、体を入れいかえコーナーに押し込む中島。  ボディロックから右足を足で挟んで引き出そうとするが、戻すムテカツ。細かい鉄槌をボディに突くと、ボディロックの中島に前転から足関節狙い。はがす中島がトップに。ハーフから顔面にパウンド。すぐにスクランブルするムテカツをがぶる中島は右のアッパー。  その際で立つムテカツが突き放す。中島は右ハイ、かわすムテカツ。ムテカツの右に合わせてダブルレッグの中島がテイクダウン。フルガードから左で脇差し立とうとするムテカツをがぶる中島はバックに。右足を差し込みながら引き込み、すぐさま足を入れ替え、4の字ロックに。  左腕をのどもとに巻いた中島は、リアネイキドチョークへ。後ろ手をはがそうとしたムテカツだが、掴めず。中島の右腿をタップした。  腕を解き、ポンとムテカツの肩を叩いた中島は、ムテカツを抱き起し、勝ち名乗りを受けると、父を向き合い、初めて笑顔。勝利メダルを受け取った中島は、撮影中にこらえきれず涙。泣きじゃくる中島をムテカツが軽く抱き寄せた。  試合後、ムテカツはBORDER田中寛之代表からの目録、公式カメラマンの長尾迪氏からの試合写真を受け取った。  最後の相手となった中島陸にマイクが渡されると、「総合格闘技ゴンズジムの中島陸です。最後、お父さんの引退試合の相手ができて良かったです。いち家族としてはすごい安心するというか。格闘技を終えて怪我をすることもないのでホッとはしてるんですけど……」と語り、言葉に詰まると、「いち格闘家として、格闘家仲間としてはすごい、ちょっと寂しい。寂しいです。寂しい気持ちでいっぱいです。本当、お父さんのおかげで僕はプロにもなれたし、お父さんの背中を見て育ってきたんで、尊敬できる人間だと、僕は思ってます。本当にありがとうございました。以上です」と泣きながら送り出す言葉。  関西でキッズ修斗の大会も手掛けてきた北川純(ゴンズイ)代表から花束を贈られたムテカツは、最後に「総合格闘技ゴンズジムのムテカツです。まずは、本日対戦予定だった須貝選手の一刻も早い怪我の回復を祈ります。私は35歳でゴンズジムの門を叩き、38歳でこのBORDERでプロデビューさせていただきました。そこから約8年間、プロシューターとして活動して参りました。去年はこのBORDERで息子とプロで同時に出場し、共に勝利をすることができ、本当に幸せでした。そこで現役を終わることもできたんですけども、やはりやり残したことが一つあって。それが新人王トーナメントの決勝で須貝選手と対戦し、力を出せなかったっていうことがすごい悔いに残って、今回、対戦を希望しました。  ただ、その夢は叶わなかったんですけども、こうして息子と引退試合をすることができて本当に幸せです。これも、やはりジム代表の北川先生の格闘技に対する一途な思い、そして選手をいかに輝かせることができるかっていうことだけを考えている先生を見て、ここまでやってこれました。あと家族、そしてジムの仲間、そしていつも試合会場に来てくれる友人、本当にありがとうございます。何者でもない私をこんな最後にセレモニーをしていただき、本当にありがとうございました。私を10年間、夢中にしていただいたこの修斗が、長く続くことを願って、ご来場いただいた皆様のご健康とご多幸を祈って、引退の挨拶とかえさせていただきます。ご清聴、ありがとうございました」と引退の挨拶。  修斗グローブを外してマットに置き、10カウントゴングを聞いた。 ▼第6試合 フェザー級 5分2R〇大西佑磨(総合格闘技ゴンズジム)65.6㎏[判定 3-0]×加藤裕彦(SAI-GYM)65.8㎏[レフェリー]片岡 誠人[ジャッジ]豊島 孝尚 20-18(1R 10-9/2R 10-9)安芸 佳孝 20-18(1R 10-9/2R 10-9)加納 学  20-17(1R 10-9/2R 10-8) ▼第5試合 ストロー級 5分2R×谷中たいち(吉田道場)51.9㎏[1R 4分53秒 TKO] レフェリーストップ/パウンド〇友利幸汰(パラエストラ小岩)51.8㎏[レフェリー]片岡 誠人 ▼第4試合 バンタム級 5分2R〇岩佐和哉(MMA&BJJ BLOWS)60.6㎏[判定 3-0]×小川隼人(修斗ジム神戸)61.0㎏[レフェリー]片岡 誠人[ジャッジ]豊島 孝尚 20-17(1R 10-8/2R 10-9)安芸 佳孝 19-18(1R 10-8/2R 9-10)加納 学  20-18(1R 10-9/2R 10-9) ▼第3試合 フライ級 5分2R×岡本一志(修斗GYMS直心会)56.3㎏[判定 0-3]〇三浦颯太(修斗ジム神戸)56.1㎏[レフェリー]片岡 誠人[ジャッジ]豊島 孝尚 18-20(1R 9-10/2R 9-10)安芸 佳孝 18-20(1R 9-10/2R 9-10)加納 学  18-20(1R 9-10/2R 9-10) ▼第2試合 フライ級 5分2R◯田中和広(SISU)56.5㎏[2R 2分59秒 腕十字]×於久孝充(G-FREE)56.5㎏[レフェリー]片岡 誠人[ジャッジ]豊島 孝尚 10-9安芸 佳孝 10-9加納 学  10-9 ▼第1試合 2025年新人王トーナメント1回戦 ライト級 5分2R×山口裕也(柔術兄弟)68.8㎏判定 0-2〇石原海渡(C.K. STYLES MMA)70.2㎏[レフェリー]片岡 誠人[ジャッジ]豊島 孝尚 18-20(1R 9-10/2R 9-10)安芸 佳孝 19-19(1R 9-10/2R 10-9)加納 学  18-20(1R 9-10/2R 9-10)
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