SB日本フェザー級王者としてS-cup出場は譲れない山田彪太朗
2025年8月9日(土)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2025 act.4』(U-NEXT配信)にて、SB日本スーパーライト級タイトルマッチ59.0kg契約エキスパートクラスルール3分3R延長無制限Rでプロムエタイ協会フェザー級王者デウン・ジットムアンノン(タイ)と対戦するSB日本フェザー級王者・山田彪太朗(シーザージム)のインタビューが主催者を通じて届いた。
山田ツインズの兄・彪太朗は2019年8月にプロデビューすると4連勝(無効試合を挟む)を飾ったが、2021年4月に翔に初黒星を付けられた。2022年11月の次期挑戦者決定トーナメントで優勝。12月のRISEとの対抗戦で門口佳佑戦に逆転負けを喫したが、2023年4月に川上叶に勝利してSB日本フェザー級王者となった。
その後はムエタイを相手に3連勝。2024年4月にKNOCK OUTからの刺客・栗秋祥梧に判定勝ち。6月のKNOCK OUTでの龍聖戦前に指を切断しかけるほどの重傷を負って欠場したが、10月に一仁を初回KOして再起。12月はカオムーカイに判定勝ち、2025年2月にルエル・カタランをKO。4月には川上叶の挑戦を受けての初防衛戦で勝利した。戦績は20勝(7KO)3敗1無効試合。
デウンはPROムエタイ協会フェザー級王者で、ロッタンと同じジットムアンノンジム所属。
兄の存在感をアピールしないといけない

――前回タイトル初防衛で川上選手から判定勝ちでした。今、あの試合を振り返ってどうですか。
「防衛できたことは嬉しいですけど、試合内容的にはもうちょっとチャンピオンとして圧勝したかったなと。あと、2Rにまぶたを斬られて、正直、試合を止められてもおかしくないぐらい深い傷だったので反省点は残る試合になりました」
――3度目の川上選手との対戦でしたが、変わらず川上選手はやりづらかったですか。
「そうですね(苦笑)。フルラウンド通して作戦通りに動けたんですけど、もうちょっと自分が早い展開を仕掛けて自分のペースに持っていけると思っていたことができず、川上選手はやっぱりポジション取りが巧くて攻撃を交わされたりして封じられてしまいました」
――川上選手とは4度目の対戦もありそうですか?
「川上選手は7月27日に内藤凌太選手との試合が決まっていて、川上選手が勝てばS-cup世界トーナメントに出場することもありえると思います。川上選手がトーナメントで勝ち上がってくれば、そこで4度目の対戦もありますよね」

――川上選手はフェザー級戦線で一番意識している選手になりますか?
「そうですね。やっぱりどうしても避けられない相手なので。でも僕は川上選手と3戦して2勝してるので気持ち的に余裕はあります(笑)」
――弟の虎矢太選手は前回6月大会で難敵の魁斗選手を1RKOしたことでフェザー級トップ戦線に食い込んできました。
「正直、フェザー級に上げて川上選手と対戦して負けた虎矢太と仮に戦っても全然問題ないと感じていたんですけど、前回の魁斗戦の虎矢太を見ると強いなと改めて思いました。それくらいいい試合だったと思います」
――あそこまで短期決着に終わるとは思っていなかったですか?
「思ってなかったですね。作戦では全体を通して相手の動きを潰していって、できれば3R目に倒せたら倒しにいき、何なら判定でもいいからガムシャラに勝ちに行く作戦だったんですけど、まさか1Rでああいう勝ち方するとは予想外でした」
「正直、僕も相性は良くないと思っていたので、魁斗選手のテクニックにもしかしたらそのまま翻弄されてズルズルいっちゃう可能性もあるかなと。虎矢太の負けパターンにハマっちゃった場合、魁斗選手の巧さの前に試合中に挽回できないんじゃないかなと思っていたんですけど、魁斗選手の巧さを出させずに虎矢太が強引に自分のペースに持っていく、いい勝ちパターンでした」
――虎矢太選手はベストアート賞に選出され、100万円も獲得しましたけど、彪太朗選手は間違いなく貢献したと思いますか?
「僕がいなかったらベストアート賞の獲得はないです(笑)。ちょうど昨日、虎矢太から『サポートしてくれてありがとう!』と1万円をもらったんですけど、安いよぉぉ!(笑)」
――ご自身としておいくらぐらいの価値があったと思いますか。
「双子なので50万はもらってもいいかなと(笑)。僕は自分の時間を割いてまで毎日虎矢太に付き合ってあげたり、試合直前のアップ時にはあまりお腹の調子が良くない中でもボディプロテクターを付けてボディブローを受けたりと、身を削ってサポートしてましたから。魁斗選手はオーソドックスなのでオーソドックス対策してたんですけど、試合ではまさかサウスポーで来るという(苦笑)。セコンドの僕も『あれ!?』と思わされる、まさかの展開ではありましたけど」

――山田ツインズをもってしても魁斗選手に裏をかかれてしまったと。虎矢太選手が勝ったことでS-cupに向けて大きくアピールされたと思いますが、焦りはありますか。
「仮にあそこで魁斗選手に仮に負けちゃった場合、まずS-cupには出れなくなったと思いますし、微妙な判定で勝ったとしても、S-cupは山田ツインズを揃って出させたい大会なのかなと周りから思われてしまいます。前回の勝ち方なら自信を持ってS-cupに日本代表として出場できる内容だと思います。いい勝ち方をされて悔しいというよりも、やっぱり虎矢太と一緒にS-cupに出たいので安心しました。でも、なぜか前回は僕は試合しなくてセコンドに勤めたのですが、虎矢太がああいう勝ち方をして、なぜか僕の評価が下がっている感じがするんで、8月の試合でもう一回兄の存在感をアピールしないといけないなと思っています」
――S-cupは山田ツインズを出させるための大会とファンや関係者に思わせないようにしないといけないと。他の選手にはない意識を持っているわけですね。
「実力でS-cupに出るのではなく、山田ツインズを揃ってS-cupに出て決勝戦で2人が戦ったら盛り上がるから出させようと思われたくないですし、実力でフェザー級のS-cupを開催させることを自分たちは証明しないといけないし、常にそういう試合をしなきゃいけないという意識はありますね」
――そういう中で今回タイ人選手が用意されました。ロッタン選手が所属しているジムの選手ということですが、相手に関してはどういう情報を入手してますか。
「ちょっとだけ試合映像を見ましたけど、ロッタン選手のスタイルとは全然違って首相撲が多めのタイ人という印象を受けました。身長は僕が168cmで、相手選手が176cmくらいあり、長身の選手に首相撲で捕まっちゃうと結構面倒くさいなと。見ているお客さんも首相撲の展開が続くと正直、面白くないんで、そんな試合は僕はしたくないですし、もうすでに首相撲に付き合わない練習をしてますね。ここでつまらない試合をして勝ったとしても、S-cupに向けて火が付かないし、今回、安本晴翔選手、虎矢太、僕のフェザー級みんなでタイ人相手に面白い試合して勝てば、よりS-cupが盛り上がると思うので試合内容でも勝負したいですね」
――以前、門口佳佑選手がRISEフェザー級チャンピオンになった時は対抗戦を意識していましたが、今のRISEチャンピオンである安本選手とは一緒に練習することもあり、安本選手に対してはどういう感情がありますか。
「安本選手のことを全然意識してないと言えば、嘘になります。一緒に練習もしてますし、仲良くさせてもらっていて、SBのフェザー級チャンピオンとして最強を証明しなきゃいけないと思っていますし、各団体のフェザー級チャンピオンを倒すことが僕の目標なんで、全ての団体のフェザー級のチャンピオンは常に意識しています」
――安本選手と一緒に練習する時は、スパーリングもするんですか?
「ガチガチのスパーリングはしたことないですけど、マスは何回かやっていて、『今の攻撃はもし試合だったら危なかったな』とかどうしても考えたりしています」
――S-cupでは安本選手と対戦する可能性もあると思います。
「手強い相手ですが、勝つ自信はあります。ちなみに小学生のアマチュア時代に安本選手とは2回くらいやっていて、ボコボコにされました(苦笑)。言い訳になっちゃいますけど、アマチュア時代の僕ってマジで弱いんですよ。7連敗ぐらいして、7連敗後に1回勝ったことによって、やる気が出て真面目に試合に勝ちたいという気持ちになってからの後半が強かったんです。安本選手とはその前の時期にやっているので、過去のデータはあてにならないと思います(笑)」
――今回、ベストアート賞も狙いますか。
「当然、狙います! ベストアート賞が授賞されるようになってから、こんなに一番近いやつが取ると思っていませんでした。最近の虎矢太は日常生活でデカいサングラスを付けてベストアーティスト感を出してきて、俺も負けてらんないなと。僕も次に取って虎矢太以上にデカいサングラスを付けないといけないなと思ってます。そして、もちろん虎矢太には御礼として1万しか渡さないです(笑)」
――試合を楽しみにしています。
「S-cupに向けて最高の試合をお見せしますので、ぜひ楽しみにしてください」




