シュートボクシング
レポート

【シュートボクシング】山田彪太朗が接戦を制して初防衛に成功、魁斗はヤクミスに完勝、笠原弘希が執念の投げで勝利をもぎ取る、笠原直希が佐野佑馬を初回KO!風間大輝と竜也が「これぞSB!」な熱戦演じる、植山征紀のジャーマン爆発、野村勇人が初回KO勝ち、片山魁が小林大樹と激闘で場内沸かせる

2025/04/12 17:04
SHOOT BOXING 2025 act.22025年4月12日(土)東京・後楽園ホール※U-NEXTでLIVE配信 ▼第12試合 SB日本フェザー級タイトルマッチ 57.5kg契約 エキスパートクラスルール 3分5R延長無制限R〇山田彪太朗(シーザージム/王者)判定2-0 ※50-48、49-49、49-48×川上 叶(龍生塾/挑戦者・同級1位)※山田が初防衛に成功。  山田ツインズの兄・彪太朗は2019年8月にプロデビューすると4連勝(無効試合を挟む)を飾ったが、2021年4月に翔に初黒星を付けられた。2022年11月の次期挑戦者決定トーナメントで優勝。12月のRISEとの対抗戦で門口佳佑戦に逆転負けを喫したが、2023年4月に川上叶に勝利してSB日本フェザー級王者となった。  その後はムエタイを相手に3連勝。2024年4月にKNOCK OUTからの刺客・栗秋祥梧に判定勝ち。6月のKNOCK OUTでの龍聖戦前に指を切断しかけるほどの重傷を負って欠場したが、10月に一仁を初回KOして再起。12月はカオムーカイに判定勝ち、2025年2月にルエル・カタランをKOして戦績を19勝(7KO)3敗1無効試合とした。  川上は2016年8月にデビュー。2019年11月に初代SB日本バンタム級王座決定戦を制して王座に就くと、2022年4月には同フェザー級王座決定戦にも勝利して2階級制覇を達成。RISEにも参戦して安本晴翔、京谷祐希に勝利し、2023年4月に山田彪太朗に敗れ王座を失うも、12月にはK-1で斗麗からも勝利して実力を証明した。2025年2月には彪太朗の弟・虎矢太から勝利を奪って戦績を14勝(5KO)8敗とした。  両者はこれまで2度戦い、2021年12月に川上が延長戦の末に判定勝ち、2023年4月は山田が5R判定でリベンジしている。今回が決着戦。  1R、サウスポーの川上が右ローで先制、山田は右インロー。川上が左インローからの左ボディストレート、山田は徹底して右インローを蹴っていく。山田が右で入ってくるところに、同時に入って右フックを打つ川上。これを徹底して川上は行う。終盤にはそこから左フックも返す川上。オープンスコアは10-10×3。  2Rも右インローを蹴っていく山田。その山田の右のパンチには必ず右フックを合わせに行く川上。川上はしきりに右フックを打つが、山田の左手のガードは堅い。右ボディストレートを打つ山田は右インローにつなげる。  3R、川上の左ハイが山田のガードの上から強く当たる。続く左ヒジで山田は右目上をカットして大流血。チャンスと見た川上はパンチで攻める。ここでドクターチェック。再開後、山田は右手のガードを上げ、右ストレートからのパンチで猛攻を見せる。川上は左ストレート、山田の左右へ回り込んでバックを奪うような動きを見せる。山田の右ストレートに川上は左フック、回り込んでまた左フック。山田はパンチで攻め込んでいくが、川上は山田の脇を潜るようにして回り込んでいく。OPスコアは10-9×2が川上。  4R、川上は回り込みながらの左右フック、山田はワンツーを打って前へ出る。蹴りは当たる山田だが、なかなかパンチを当てることが出来ない。前へ出て攻める山田に川上は右フックを打って回り込む。山田は突進を空回りさせられている状態だが、攻める姿勢がどう評価されるか。  5Rも前に出てパンチを打ちに行く山田。川上はかわしてバックへ回るとスリーパーを狙ったがこれはかわされた。山田が左フック、左ボディ、ジャブ。山田の左ボディが当たり始める。さらに右ストレートも。投げをうつ山田だがこれは不発。前へ出てガムシャラに右ストレートを打ちに行く山田に川上は回り込むが山田の3連打がヒット。川上のパンチをダッキングでかわしてヒットを奪う山田。最後は山田のパンチのヒットが目立った。  判定は2-0で山田が接戦を制して初防衛に成功。川上にも拍手が送られ、シーザー武志会長はリングを降りた川上を呼び戻すと両者の手を挙げた。  山田はマイクを持つと「川上選手と3度目の対決ということで、自分は川上選手に勝ってから8連勝してこのベルトの価値を高めてきたつもりでしたが、やっぱり川上選手は強くて、ハイキックで切れた時はヤバい、負けるかもと思ったんですが、皆さんのおかげで戦い抜くことが出来ました。ありがとうございました。KOで勝つために練習してきましたが、ギリギリの判定になってしまって反省が残る選手ですが、世界一になるために頑張っています。11月にフェザー級で世界トーナメントが決定しました。自分はもちろん日本代表で出るだろうし、本当の世界一を証明する戦いをしたいと思います。そのために全力で走り抜けます。山田ツインズが世界一になるため頑張ってきたので、その夢を諦めていません。山田ツインズに注目してもらえたら嬉しいです」と一気に語った。 [nextpage] ▼第11試合 57.5kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R〇魁斗(立志會館/SB日本フェザー級2位、HOOST CUP日本フェザー級王者)判定3-0 ※30-27×3×アンゲロス・ヤクミス(ギリシャ/LWC Super Champスーパーフェザー級王者)  魁斗は立志會館・坂口立起館長の実子で“西の天才”と評されているシュートボクシングのテクニシャン。2020年2月に笠原友希に惜敗するまでは負けなしの8連勝を記録していた。同年11月には兼田将暉にRKSスーパーフェザー級タイトルマッチで勝利、2021年7月にはRISEの門口佳佑からも勝利を奪った。  同年10月にHOOST CUP日本フェザー級王座を獲得すると、RISEで梅井泰成、安本晴翔をも破り2023年10月に門口とRISEフェザー級タイトルマッチで再戦したが判定で敗れた。元Krush王者の新美貴士とはドロー。2024年6月に『ONE Friday Fights』に初参戦するとラン・シャンテンに完勝を収め、2024年8月のSBではRISEフェザー級4位の平野凌我に大差の判定勝ち。戦績は16勝(1KO)4敗1分。  ヤクミスはキックボクシングやムエタイで50勝(18KO)5敗という驚異的な戦績を持つ、現在はタイに活動の拠点を置く超攻撃型ファイター。ルンピニースタジアムで開催されているLWC Super Champスーパーフェザー級王者で、ONE Friday Fights、RWS、Fairtex Fightなど様々なリングで試合を行ってきた。SBには今回が初参戦。  1R、魁斗は序盤からヤクミスにカウンターを狙いに行き、ヤクミスの打ち終わりも左右フックで狙う。ヤクミスのパンチをよく見てかわし、右ストレート、左フックを当てていく魁斗。ジャブの打ち合い、右ストレートから左フックを返すヤクミス。バックハンドブローも繰り出すが、海人はかわしてワンツーを打ち込んで当てていく。さらにジャブを連続で突き刺す魁斗のパンチの正確さが目立った。オープンスコアは10-9×3で海人。  2R、魁斗は飛びヒザ蹴りを空振りすると、即座にヤクミスを突き飛ばして攻撃させない。ヤクミスは右カーフ、魁斗はコンビネーションを回転させてさらにヒザをボディへ突き刺す。サウスポーになる魁斗は左ヒザを突き刺していき、左ストレート、右フック。快調に攻めていた魁斗だったが、ヤクミスのローブローで試合は中断。再開後、ジャブ、右ストレート、右カーフとコンビネーションを決めた魁斗。OPスコアは10-9×3。  3R、左右ミドルから左右フックの打ち合いに持ち込むヤクミスだが、魁斗はよく見てヤクミスのパンチをかわすと自分は日ジャブ、右ストレートを当てていく。左フック、右ストレート、さらに打ち抜く右ストレートと圧倒的な攻撃の正確さを見せる魁斗。魁斗が飛びヒザから左右フック、ジャブで距離を取り、右ストレートを当てる。ヤクミスも必死にパンチを繰り出していくが、回転力でも魁斗が上回る。  判定はフルマークで魁斗の完勝となった。 [nextpage] ▼第10試合 65.0kg契約 オープンフィンガーグローブマッチ エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R ※ヒジあり〇笠原弘希(シーザージム/SB日本ライト級王者)延長R 判定3-0 ※10-9×3×ジャック・ラーチャーノン(タイ)※本戦の判定は30-30、29-30、29-29。  笠原は強打を武器に2018年9月にSB日本フェザー級王座、2019年9月に同スーパーフェザー級王座、2022年4月に同ライト級王座とSB史上初の三階級制覇を達成。海外強豪勢を相手に連続KOでSBチャンピオンの強さを証明してきたが、2024年2月にONEでのワラポン・ソー.デッチャパン戦で判定負け。10月の復帰第一戦では長谷川祐也を1Rわずか55秒でKOしたが、12月にジャックに延長戦の末に判定負け。2025年2月の再起戦ではコムキョウを1RでKOした。戦績は35勝(16KO)7敗。 ジャックは2023年6月の『ONE Friday Fights 21』に初参戦するとマンダンレックに初回KO勝ち、8月はペントーに判定負け、11月のダーキー戦ではまた初回KO勝ちを飾っている。前述の通り、2024年12月に笠原を破ったサウスポー(前回のリングネームはジャック・ジャックムエタイ)。前回の試合では左ミドル、首相撲、ヒジで接戦を制した。  1R、両者リング中央見合う。笠原は右インローを蹴ってじりじりと前へ出ていき、サウスポーのジャックも左インローを蹴る。互いにジャブを伸ばし、まずは笠原が左フック。左フックから右フックのジャックはジャブを打つ。左ミドルをキャッチした笠原はパンチを打ちに行くが、ジャックはヒットを許さない。つよ老い右ミドルを蹴って観客をどよめかせるジャックに笠原はインローを蹴りながら前へ出ていく。  2Rも笠原は左インローと右ローを蹴って前へ。オーソドックスになったジャックへ笠原は右ロー。弱は右ミドル。ジャックのワンツーに笠原は右フックから左ボディ、さらに左ローを決定。右ボディから右フックを打つジャックに笠原は右を打って行き、ジャックはガードの上から右ヒジを叩きつける。笠原は“もっと来い”と両手を広げた。  3R、ジャブを突いて右ストレートにつなげるジャック。笠原は左ハイを当てて前へ詰めるがジャックのジャブで鼻から流血。右ミドルを蹴るジャックは近付いてくる笠原にワンツー。笠原のパンチはジャックにブロックされる。笠原は組み付いて投げを放つが不発。ジャックの左ミドルをキャッチしてパンチに行く笠原だがジャックはヒットを許さない。右ミドルを蹴るジャック。ジャックの右ミドルが快音を発して決まり、笠原の投げは不発に。  本戦の判定はジャッジ1名がジャックを支持したがドロー。延長戦へ。ジャックは右ミドルからの右フック、さらに右ミドルを強打。笠原は打ちに行くタイミングを測っている様子だが、ジャックが先にジャブや右ミドルを当てていく。左ミドルから組み付いた笠原がここでついに首投げを決めてシュートポイント獲得。ジャックは首相撲からのヒザ、ヒジで、右ミドルで逆転を狙うが笠原が左フック、左ミドル。笠原の左ミドルに回転ヒジを合わせにいったジャックは、さらに右フックで笠原を一瞬グラつかせた。  判定は3-0で笠原。執念の投げで勝利をもぎ取った。 [nextpage] ▼第9試合 55.0kg契約 エキスパートクラスルール3分3R延長無制限R ※ヒジあり〇笠原直希(シーザージム/SB日本スーパーバンタム級1位)KO 1R 1分50秒 ※右フック×佐野佑馬(創心會/初代WKBA日本バンタム級王者/第5代WMC JAPANスーパーバンタム級王者) 笠原三兄弟の三男・直希は昨年12月の庄司理玖斗戦、2月の内藤啓人戦と格上との試合をいずれもクリアーし、三兄弟イチの上り調子といえるだろう。今回もWKBA日本バンタム級王座、WMC JAPANスーパーバンタム級王座を獲得している二冠王・佐野との一戦となり、格上狩りなるか。  1R、笠原が右インローを蹴りながら前へ出ていくとサウスポーの佐野はジャブと左ロー。いきなり右ハイを蹴る内藤。内藤の左フックに大きく下がり、コーナーに詰まった佐野へ、内藤は右ボディからの右フックを決めて仕留めた。 鮮やかな速攻KO劇を見せた笠原は、「自分の階級は王者が空位になっているので、近々タイトルマッチをお願いします。これから僕がSBを盛り上げていきます」とアピールした。 [nextpage] ▼第8試合 70.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R〇風間大輝(橋本道場/SB日本スーパーウェルター級4位)判定3-0 ※27-24、27-27、26-25×竜也(CRISS-CROSS/SB日本ウェルター級1位)  風間はSB初参戦となった2023年2月の竹山和貴戦では大腰で2度のシュートポイントを奪うだけでなく、最後にスタンディングのフロントチョークでKO勝ちを収める衝撃デビュー。2024年2月には小原俊之をなんと6度も投げて大差の判定勝ちを収めたが、4月にロクク・ダリにダウンとシュートポイントを奪われ判定で敗れ、10月に都木航佑にTKO負けと連敗。2025年2月、初のOFGマッチで今村滉をKOした。戦績は9勝(4KO)5敗。  竜也は2022年11月のプロデビュー以降、7戦6勝(5KO)1無効試合の無敗記録を更新していたが、2024年10月のRYOTARO戦で初黒星。再起戦で一階級上のランカーである風間とキャッチウェイト戦で対戦する。  1R、サウスポーの風間に竜也は右ミドル、左ロー、右ハイ。風間はジャブを突いていく。右ボディを連打していった竜也はいきなりの右ストレート。さらに左右フック。これに笑みを浮かべた風間は左ストレートを打ち、竜也は組んでのヒザ蹴り。左ボディから右フックをクリーンヒットさせる竜也は首投げも見舞うが惜しくもポイントにはならず。  逆に風間も投げを狙うが不発。ならばと左ストレートで前へ出る風間。竜也が右を連続ヒットして追いつめたかと思ったその時、風間の右ショートがカウンターでヒットしてダウンを奪う。  2R、風間が左ストレートで前へ出たところに、今度は竜也が右ストレートをカウンターで合わせてダウンを奪う。竜也は右インローから右の強打、風間はガードを固めるが、右フックを打ち返してグラつかせると右フックで追撃してダウンを奪い返す。両者強打で打ち合い、どちらが倒れてもおかしくない展開。ヒザも蹴り合う。  3R、竜也は右ボディからの右ストレート。組みに来た竜也を風間が投げようとしたが、竜也が足を持って持ち上げて後ろに投げ、シュートポイント2点。さらにフロントチョークで締めあげてあわやの場面となったが、風間はこのピンチを逃れる。  消耗した竜也に風間が右ストレート、そして首投げでシュートポイントを奪うとお返しのフロントチョークに。これは崩れたが、立ち上がると竜也は右ハイキック。両者ともかなりの疲労が見える中、試合終了となった。「This is SHOOTBOXING」というべき試合が繰り広げられ、判定は2-0で風間が勝利をもぎ取った。 [nextpage] ▼第7試合 57.5kg契約 エキスパートクラスルール3分3R延長無制限R〇植山征紀(ONE LIFE)判定3-0 ※30-27、29-28、30-28×土井涼雅(グラップリングシュートボクサーズ多治見/SB日本フェザー級4位) 植山は27勝のうち14のKO勝ちを誇るSB屈指のハードパンチャー。2018年11月のSB日本スーパーバンタム級王座決定戦では当時無敗だった笠原友希を3RTKOで葬りベルトを獲得し、長らくトップ戦線で活躍してきた。2023年2月にSB日本スーパーバンタム級タイトル2度目の防衛戦で挑戦者・山田虎矢太KO負けを喫し王座陥落して以降、戦線から離れていたが、練習環境を変え、階級を上げて2月の手塚翔太戦で復帰(判定負け)を果たした。  復帰第二戦となる植山の相手として抜擢された土井はSB中部地区期待のホープ。176㎝の長身から繰り出されるパンチと蹴りのコンビネーションを武器に、内藤凌太、手塚翔太といったSBの上位ランカーと鎬を削ってきた。  当初、このカードは昨年10月に決定したカードだが、今回仕切り直しの一戦となる。11月のSB創設40周年記念大会では、フェザー級のS-cup世界トーナメント開催も発表されており、今大会では同階級でのタイトルマッチや国際戦がある中で2人はインパクトを残せるか。  1R、植山は右ローと左インロー、土井はジャブ、前蹴り。植山は左フックからの右フックを繰り出すが、再びローを蹴っていく。土井はジャブを多用して左右フック。植山は攻撃を散らしていくが、土井の長い右ストレートをもらってのけ反る。  2R、両者ギアを上げてパンチを打ちに行く。接近して右ストレート、左フックを打つ植山に土井はジャブと左右フック、植山の左ボディにはジャブを返す。土井はさらにヒザ。右ローを蹴っていく植山は投げも狙うが失敗。打ち合いになると植山が右ストレートからの左フックを連続ヒットさせるが、土井はダメージを見せない。  3R、ここで植山が首投げの体勢になった土井のバックを奪い、ジャーマンスープレックスを決めて2Pを奪い俄然有利に。植山のパンチに右ストレート、左フック、ヒザを合わせに行く土井。植山は左右フックで応戦してヒザからバックへ回りスリーパーを狙った。ジャブを突く土井に植山が右フック、組み付くと投げを狙う。  植山が試合巧者ぶりを見せて判定3-0で勝利した。 [nextpage] ▼第6試合 65.0kg契約 オープンフィンガーグローブマッチ エキスパートクラスルール3分3R延長無制限R ※ヒジあり〇樋沼朝光(RIKI GYM)判定3-0 ※30-23、29-23、30-24×伊藤 要(シーザージム新小岩)  1R開始時、両者がクラウチングスタイルでコーナーを飛び出す構えに。試合が始まると左右フックで前に出るのは樋沼で、左フックでダウンを奪う。その後も樋沼が打ち合いに行き、今度は伊藤が左フックをクリーンヒットさせて樋沼をグラつかせる。伊藤はテーピングでぐるぐる巻きとなっている樋沼の右足へ左ロー。樋沼は左右フックで前へ出て、ラウンド終了間際に右フックでダウンを追加した。  2R、樋沼が飛び込んでの左フックをヒットさせ、すかさず首投げにいったがこれは不発。樋沼は左右フックを振り回し、空振りした勢いでフラつくほど。右フックから左フックを振り抜き、この試合3度目のダウンを奪う樋沼。左右フックの連打でコーナーへ詰め、伊藤も打ち合うが樋沼の左右フック、ヒザを被弾する。  3Rも左右フックで打ち合う両者。アタックを仕掛ける樋沼に打ち返す伊東。樋沼は右ハイキックも。最後まで両者フックを振り回して打ち合い、試合終了。  大差の判定で樋沼の判定勝ちとなった。 [nextpage] ▼第5試合 56.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R〇野村勇人(GONG-GYM坂戸)TKO 1R 2分19秒 ※レフェリーストップ×カン・ドンヒョン(韓国)  1R、サウスポーの野村は開始と同時に打ち合いに行き、右フックを決めてダウンを奪う。さらにコーナーへ詰めての左右連打、顔面前蹴りで2度目のダウンを追加。  さらに左ストレート、右フックを浴びせて連打でコーナーへ詰める。右フックをもらってグラつくドンヒョンはガードを固めて防戦一方に。レフェリーがここで試合をストップした。野村の圧倒的なTKO勝ちとなった。 [nextpage] ▼第4試合 51.0kg契約 エキスパートクラスルール3分3R延長無制限R×小林大樹(龍生塾/SB日本バンタム級2位)判定0-2 ※28-30、29-29、29-30〇片山 魁(TEAM FOREST)  1R、両者サウスポー。片山が右ローを蹴ると小林は右フックを合わせに行く。右ミドルを蹴る片山には左フック。回り込む片山を追いかけて打ち合いに持ち込もうとする小林に片山が先手をとってワンツーをヒット、しかし小林は下がること無く打ち合いに行き、両者のパンチが交錯する。打って当てて離れる上手さを見せるのは片山。ワンツーをクリーンヒットさせるが、小林は下がらずに打ち合いを挑んでいく。  2Rも前に出て打ち合おうとする小林に片山は右ストレートからの左フック。左カーフを蹴って回り込む片山に小林は左右フック、片山も左ストレートを返す。どんどん距離を詰める小林だが、距離が近いと片山は組んでしまい小林にパンチを打たせない。左右フックを振り回す小林に、片山はワンツーを綺麗に当てていく。さらにヒザを顔面へ突き上げた。  3Rも前に出る小林が左右フックを強振、片山はワンツーを放つ。距離を作って綺麗に当てるのが片山、距離を詰めて豪快に左右フックを振っていくのが小林。何度も危険な場面がありながらも、片山はダッキングやクリンチでそれを逃れる。さらに小林は組み付いての投げも繰り出す。打ち合いに来る小林に片山は飛びヒザ蹴り。  両者倒しに行った試合はフルラウンドとなったが、大きな拍手が沸き起こった。判定は2-0で片山が好試合を制した。 [nextpage] ▼第3試合 44.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R〇風羽(龍生塾ファントム道場/SB日本女子アトム級1位)判定3-0 ※30-28×2、30-29×Uver∞miyU(T-KIXGYM/ミネルヴァペーパー級4位) 風羽は2022年5月の『RISE』でプロデビュー。西原朱花に敗れたがその後はシュートボクシングで3連勝。『ホーストカップ』や『BOUT』、香港の『I-1』にも出場するなど様々なリングで戦ってなかなか白星を得られなかったが、2024年7月のRISEでは女子ホープでランカーの小林穂夏に延長戦の末勝利を収めた。 11月には『ONE Friday Fights 86』に初出場を果たしたが、イスライ・エリカ・ポモガオに判定負けで勝利ならず。戦績は6勝4敗。身長148cm、大阪府出身の20歳だ。今回はONE FFからの再起戦となるが、実は風羽、ホームリングのシュートボクシングでは5戦全勝と負け無しの強さを誇っている。今回の相手、ミネルヴァランカーのmiyUを破って6戦全勝とするか。  1R、miyUは左右に動いての連打、風羽は右ローとワンツー、右ストレート。風羽は足を払っての見事な崩しでmiyUの頭部をマットに叩きつける。ワンツーと右ローのmiyUに風羽もワンツーで応戦。  2R、ワンツー連打で前へ出る風羽にmiyUは右ロー、右ローを蹴る風羽にmiyUはパンチで距離を詰めてのヒザ蹴り。風羽は右ローに感触をつかんだか連打していく。パンチで前へ出て右ミドルを蹴るmiyUに風羽は前蹴り2発。風羽は投げを狙うが失敗。  3R、右ストレートを連打して前へ出る風羽にmiyUもワンツー、右ミドルで応戦。組んできたmiyUに風羽がフロントチョークを仕掛けるがこれは逃げられる。パンチと左右ミドルで前に出るmiyUに、風羽は右ストレート。右ハイを浅くヒットさせるもmiyUの右をもらう。 しかし、その直後に首相撲で組んできたmiyUを首投げでシュートポイント。俄然有利となった風羽は右ストレートと左ボディで打ち合いに行き、miyUも左右フックで応戦。最後は打ち合いとなって試合終了。  判定は3-0で風羽がSBでの無敗を守った。 [nextpage] ▼第2試合 62.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R〇長谷川平蔵(シーザージム/SB日本ライト級5位)判定3-0 ※30-28×3×久留拓磨(ZERO ONE GYM/アマチュアSB 2024-65kg全日本王者)※デビュー戦  1R、サウスポーの長谷川は左ロー、久留は右ローを返す蹴り合いが続く。左ミドルをヒットさせていく長谷川は、距離を取った状態からいきなりヒザで飛び込む。左ミドルから左ハイも狙う長谷川。  2R、右ローを蹴る久留に長谷川はジャブを突いてからの左ストレートを打ち抜いてダウンを奪う。長谷川は倒し急ぐことはなくジャブと左三日月。久留は左ローを蹴り続けるが、長谷川が蹴りでも主導権を握る。  3R、長谷川は左インローと左ストレート、左ミドルもしっかり当てていく。ワンツーを狙う長谷川は久留の蹴り足をキャッチするとそのまま浴びせ倒してマットに叩きつける。  ダウンを奪った長谷川が判定3-0で勝利した。 [nextpage] ▼第1試合 66.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R×有馬伶弍(龍生塾)延長R 判定3-0 ※8-10×3〇庄司啓馬(TEAM TEPPEN/M-1日本ライト級王者)※本戦の判定は28-28×2、29-28。  1R始まってすぐ、サウスポーの有馬が左フックからの右フックでダウンを奪う。庄司が右を打ちながら前に出てくると左フックを合わせる有馬。庄司は右ミドル、右ロー。  2R、ジャブを突きながら蹴りで攻めていく庄司。有馬は潜り込んでのフックに行こうとするが庄司は首相撲に捕まえてのヒザ蹴り。この首相撲がハマる。首相撲からのヒザ蹴りで庄司が完全にペースを握った。  3R、左フックを狙う有馬に庄司は右ミドル、そして首相撲からのヒザ。組み際には庄司が右フックを当てる。有馬もヒザを2発返したが、首相撲になると庄司の独壇場だ。すると庄司は首相撲から大腰を決めてシュートボクサーからシュートポイントを見事に奪う。  庄司が巻き返して判定はドロー。延長戦へ突入する。ここでなんと庄司は首相撲からの大腰と首投げで2回連続シュートポイント。3度目は失敗したが、パンチから組み付いての投げを狙っていく。有馬もヒザを蹴り返すが首相撲で完全にコントロールされる。左右フックで前に出る有馬だが試合終了。  シュートボクサーのお株を奪う見事な連続投げで、庄司が判定3-0で勝利した。 [nextpage] ▼オープニングファイト 55.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R〇根木哲也(TEAM FORES)※プロデビュー戦判定3-0 ※30-27×2、30-26×アン・ジョンホ(韓国)  1R、根木は右ミドルからワンツー、ジョンホも左右フックで応戦し、打ち合いを繰り広げる。根木は組み合うと大腰で投げてシュートポイント。根木は左ボディブロー、右ローを蹴るジョンホに右ストレートを浴びせていく。  2Rも右ストレートでどんどん雨へ出る根木にジョンホは右カーフを蹴っていくが、再び根木が大腰でシュートポイント。ジョンホは左三日月から左右フック、それを右ストレートからの左フックで迎え撃つ根木。根木は左ボディからの右ミドル、すかさずワンツーで攻め込み組むとヒザ。  3R、パンチのコンビネーションで上下を打ち分ける根木に、ジョンホはしつこく右カーフ。これに根木が反応を示し始める。ここぞとばかりに右カーフを連打するジョンホ。根木は足を上げ、パンチを打ってこのピンチを凌ぐ。それでも終盤には根木がフロントチョークでキャッチポイントを奪い、ジョンホの右カーフに耐えて時間切れ。  打って投げて極めに行った根木が大差の判定勝ちでデビュー戦を白星で飾った。
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