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インタビュー

【UFC】一本勝ちで復活の平良達郎「敗戦後チームは誰一人、僕がUFCのチャンピオンになることを疑ってなかったから、強くなれた」「パントージャvs.ヴァンの王座戦と同じ日に試合をしたい」

2025/08/03 15:08
 2025年8月2日(日本時間3日)、米国ネバダ州ラスベガスのUFC APEXにて『UFC Fight Night: Taira vs. Park』(UFC Fight Pass/U-NEXT配信)が開催され、メインイベントで同級6位の平良達郎(THE BLACKBELT JAPAN)が、MMA10勝無敗・UFC3連勝中のパク・ヒャンソン(韓国)と対戦。  5つのKO・TKO勝ちかを記録する強打者のパクを相手に、平良は、1Rに右ストレートでダウンを奪うと、背中に乗って引き込んでバックコントロール。2Rには、ワンツーを見せてからのダブルレッグテイクダウンでパクの立ち際にバックを奪うと、4の字ロックからフェイスクランクでタップを奪い、一本勝ちを決めた。  24年10月に当時1位のブランドン・ロイヴァルにスプリット判定で敗れ、キャリア初の敗北を喫していた平良は、今回は当初、4位のアミール・アルバジを相手に再起戦に臨む予定だったが、試合直前にメディカルの問題で、アルバジが欠場。試合5日前の対戦変更で、無敗の韓国人プロスペクトとの対戦に臨んでいた。  前戦のロイバルとの5R戦を経て、5Rを戦うスタミナがより強化され、さらに打撃の進化もあり、スタンドに戻っても自信を持っていた平良は2Rに、得意のリアネイキドチョーク(ネッククランク)をUFCでは初めて極めている。  デビュー戦以外はすべてフィニッシュ勝利の29歳と急遽対戦となった平良だが、「自分とチームを信じて」メインイベントを務め、一本勝ち後「アイム・ハッピー、サンキュー!」と勝利のコール。  ケージ内でのインタビューでは、「試合は打撃とグラップリングを混ぜる展開をイメージしてたんで、まあ想像通りです」と語り、インタビュアーのマイケル・ビスピンから「この勝利で改めてまたフライ級コンテンダーに帰ってきた。今後は?」と問われ、「この前のブランドン・ロイバル戦から10カ月空いてここに戻ってきました。だから自分のスキルを見せる必要があったし、チャンピオンのパントージャ、ジョシュア・ヴァン、ぜひ戦いたいです」と、年内にも王座戦が予定されている両者の勝者と戦いたいと語った。  また、試合後の会見では、ロイバル戦からの復活を「前回負けて自分の弱さを知ったけど、チームは誰一人、僕がUFCのチャンピオンになるっていうことを疑ってなかったので、そこから強くなることができました」と語り、「自分のスキルは、チャンピオンよりも確実に上回ってる。それは100%です」と王座挑戦に自信をのぞかせた。  もし年内にパントージャvs.ヴァンの王座戦が行われる場合、平良は「同じ大会で試合をしたい」と、フライ級王座戦のビッグマッチで、コンテンダーバウトを戦いたい意向を示している。実は、試合後はブランドン・モレノか、マネル・ケイプの名前をコールアウトするつもりだったという平良。試合後の記者会見での一問一答は以下の通りだ。 [nextpage] 日本でもフライ級がすごく盛り上がっていて興奮している ──前回の試合を受けて、この勝利がどれだけ大きな価値を持つものなのか、ぜひ教えてください。 「前回の負けから、ほんとうに復活できて嬉しいです」──今回、急遽、対戦相手が変わって準備面だったり、いろんな面で難しかったところとか、影響があったことは? 「直前の対戦相手の変更があって、パク選手が選ばれて、彼が『ROAD TO UFC』で素晴らしい選手っていうのを知ってました。ただ、この階級のベストは自分であるってことが分かっていたので、何の問題もなかったです」──圧倒的な展開だったと思います。1Rの相手のサミッションディフェンスの強さに少し驚くみたいな瞬間もあったんでしょうか。 「サブミッションディフェンスは、パク選手もたぶん僕のことを警戒して力が強いなと、そういったのは感じました。だけどまあ、いつでも仕留められる力を持っていると、自分で自分のこと分かってたので。まあ、そんなに急いではなかったです」 ──ボディトライアングル(4の字ロック)でそろそろ達郎選手の方が疲れてきたんじゃないかなってぐらい背中に乗り続けて、その展開から、相手が背中を倒す形で仕掛けてきましたけど、あそこに痛みはあったでしょうか? 「痛みはなかったですが、自分が倒そうと思って(後方に引き込んだ)倒したので、イメージ通りにグランドの状態に持っていけたかなと思います。バックに乗ってる時は、自分のコーナーが『お腹を出して相手を倒せ』という指示も聞こえてたので、それを実行した感じです」 ──2Rであのフィニッシュが来たわけですけど、何が鍵となったのでしょうか。相手のミスなのか、自分が上手くテイクダウンできたからなのか。 「2Rでフィニッシュでしたけど、そのタイミングでフィニッシュできなくても、またスタンドに戻ったら、自分のストライキングを見せて、ただ、それを5R繰り返すだけだと思ってました」 ──フライ級タイトルへの挑戦を求めている発言がありましたけどもその理由を。自分こそがふさわしいというのを言っていただけると嬉しいです。 「自分のスキルは、チャンピオンよりも確実に上回ってる。それは100%です」 ──フェイスクランクとコールされましたが、今までもフェイスクランクでの一本勝ちはありますか。 「うーん、たぶん試合では初めての形。フェイスクランクっていうよりも、バックチョークで極まっていたような手応えはありました」 ──TAPOLOGYが「フェイスクランク」という表記をしてたので、そう言いましたが、実際どのぐらいどこに力がかかって、このアゴを絞められることがどれほど辛いものなでしょうか。 「まあ、もうほんとに痛いし。痛いと苦しいの両方を相手は感じたと思います。絞めている時はもう、自分がチマエフになっているつもりで絞めてました(※ハムザト・チマエフは24年10月の『UFC 308』でロバート・ウィテカーをネッククランクで極めている。25年8月16日にドリカス・デュ・プレシのミドル級王座に挑戦)」 ──試合前にパク選手は「KOする」と大口を叩いていた感じでしたけども、それが余計に刺激になったりということもありましたか? 「ファイターだったら、みんな自分が勝つって、自分が倒してやるって思うのは当たり前だし。それと同じことを僕も思ってたので、それを試合でできて嬉しいですね。はい」 ──(日本語で)コンバンハ、平良さん。おめでとうございます。前回の敗戦からどうやって立ち直ったのでしょうか。 「前回負けて、自分の弱さを知って。ほんとうにそれを受け入れて、自分の弱さを知ったけど、僕の周り、チームは誰一人、僕がUFCのチャンピオンになるっていうことを、誰一人疑ってなかったので。そこから、強くなることができました」 ──パントージャとジョシュア・ヴァンという名前と戦いたいという発言もありましたけど、実際におそらく11月、12月ぐらいでパントージャvs.ヴァンが組まれるとなると、その次のタイトル戦となると、来春ぐらいになってしまうと思うんですけども、その間、試合無しで、もうそこに臨む気持ちもあるんでしょうか。 「本当、僕が望むのは、同じ日に僕もそのアンダーカードで戦いたいです」 ──UFCフライ級に人気が出てきてるんじゃないかなと思います。その中で戦っている達郎選手としてはどう感じていますか。 「フライ級の盛り上がりっていうのは自分も感じていて。それは本当にUFCでもそうだし、今、日本でもすごいフライ級って盛り上がっていて、そういう状況にすごい自分は興奮しています」
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