MMA
インタビュー

【RIZIN】初回一本勝ちの神龍誠「本当に面白かったですか? みんな」×山本アーセン「また同じクソなことしちまった」=9.28 フライ級GP準決勝

2025/07/30 20:07

アーセン「これ時間の問題で自分行けるな、って思ってたけど──」

──神龍選手との試合を終えた、率直な感想をお聞かせいただけますか。

「今回、自分のなかですげえ調子良くて、多分過去で一番寝技も切れてて打撃でも、目がすげえ良くて、試合前もすごい落ち着いてて、本当に勝てるイメージしか持ってなかったんですけど、まあ自分が見せたかったものも何も見せられず終わって、こうやっていいチャンスをモノにできなかった自分が情けないっていうのと、まだ正直、何が起きたか、自分であんまり受け入れきれていない自分がいるっスね」

──試合映像は見返しましたか?

「見てないです! 見てないし多分今日は見ないと思います」

──神龍選手と実際に戦って大会前にイメージしていたものと違ったところはありますか。

「本当に練習通り、想像通りで、“これ時間の問題で自分行けるな”って思ってたんですけど。やっぱ絞めがすげー強かったですね。ヘッドロック来てハンドファイトしようと思ったら自分のグローブで動脈潰されて、そこでもうパニクっちゃって、冷静な判断ができてなかったですね」

──今後の展望・目標を教えてください。

「ちょっと1回、考え直します。自分を見つめ直して、今は焦らず、仲間の試合も続くのでサポートしながら、ちょっと一回自分は、考えます」

──戦前にはご自身と「相性がいい」と、神龍選手のことを見ていたと思いますがその点はいかがですか。

「いや相性はばっちしで、相手の動きも、まあ1回オーバーハンドが、バン! っと入ったけど全然効いてなくて、想像していた通りに全部動いてて。で、コーナーに持ってって、で、ヘッドロック来ることも全部想定内だったんですけど、ね。ああ、もうちょっとやりたかったですね。疲れてないで、ノーダメージで試合終わるのが一番辛いんで。うーんななか、本当に相性はいまだにいいと思うけど、それを自分のモノにできなかった自分が悪いんで。言うことは何もないっす、今は」

──MMAのキャリアでは神龍選手のほうが優っているなかで、今回アーセン選手に対しては前戦や、今回の公開練習での仕上がりも受けて、期待の声が多かったと思います。

「いや、本当にもう今回負けるイメージが一切なくて。自分はよく試合前に想像したりイメトレしたりすると、やっぱり勝ちパターン負けパターン両方とも想像するような人間だったんですけど、今回は勝ちパターンしか想像できないくらい仕上がってて。これ来たらこれ、これ来たらこれ、これ来たらこれ……っていうのも全部、理解できてたんですけど。

 それでもね、極めてくる神龍くんは本当にすごいと思うし。うーん。今は特に何も言えることはないですね。うーんもう、なんか今、頭の中が正直、喜怒哀楽でぐちゃぐちゃだし、まともな考えが今できない状態なんで。1回時間を置いて、自分と向き合ってから、いろいろ出てくると思うので、正直、今……いろいろ聞かれても、何も今は出てこないですね(苦笑)」

──試合があまりに早い段階で終わってしまったので、ご自身のスキルやパフォーマンスを見せる機会があまりなかったと思います。とはいえ今は怪我もないように見えますし、また次の試合を、9月や11月、もしくは12月の大会に向けて進んでいくつもりですか?

「(英語で)正直言うと、試合後って格闘家としてのキャリアというものが一度の敗戦で、ほんの一瞬で、すべてを失ったように感じる。コンディションも、技術も、メンタルも、その時はすごいハイな状態にあった。でも素晴らしくすごいチャンスが目の前にあって、それを手にできなかった自分がいて、試合後“ああ、クソが。また同じクソなことしちまったよ”って。“これは自分のものじゃなかったのかもしれない”、みたいなね。それまでのことだった、というのかな。

 でも、スポンサーの人とも話したし、マネージャーとも、コーチやチームメート、家族とも話して、彼らは“ほらほら、顔を上げて。まだ終わってない、ここが終わりじゃない、次へ行こう”って言ってくれた。ただ自分としては正直、まだ頭がショック状態で、まだ信じられない、自分に何が起こったのか。まだ理解できていないんだ、起きたことを。ただ、今は時間が必要。なぜなら今回の試合は、自分にとって完璧だったから。本当にすごく高いレベルに仕上がってたし、自信もあって。でもチャンスをまた逃した。疲れてないし、怪我もなかったし、そうやってあっさりと試合が決してしまったことが……、ああもうなんか、頭がぐちゃぐちゃでごめん」

──(英語で)最後に、多分ご覧になっていないかもしれないですが、試合前の煽り映像で、お墓参りをされていました。

「ああ、叔父(山本KID徳郁)のね」

──あれはとても特別な瞬間のようで感動的でした。お墓を訪ねたことで何かインスピレーションを感じましたか?

「(英語で)もちろん。いつだって彼を感じてる。彼が僕をファイトライフに導いてくれたし、彼がすべての始まりだった。最初の数年間は、“彼みたいになりたい”って思ってたんだけど、そのうちに“何言ってんだ、彼は彼、僕は僕だ。自分は山本アーセンだ”って思うようになった。自分は自分らしくある必要がある。とにかく叔父さんはいつだって自分に影響を与える存在。自分のなかにいる。毎日、決して忘れたことはない。すごく感傷的になるね、とても恋しいんだ、ハハハ」

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