ヒロヤ「ビリーから『1、2R取られていたら、ガムシャラに殺しに行け』と言われていた」
──元谷選手との試合を終えた、率直な感想をお聞かせいただけますか。
「いやあ。悔しい気持ちで今はいっぱいですね」
──負けた要因、原因はご自身のなかで分析されていますか。
「そうですね、やっぱり相手の得意なところを途中、2Rから取られてしまって。そのなかで、元谷選手の戦い方になってしまったのかな、っていう。自分の求めているものと元谷選手のやりたい戦いっていうのがぶつかりあって、それが元谷選手のほうが上だったなというふうには、今回の試合で感じた部分でした」
──大会前にイメージしていたものと、実際に戦って違ったところはありますか。
「本当に自分が警戒していた部分だったので、やっぱり本当に負ける展開、いちばん最悪な展開で負けてしまったなっていう。それは本当にビリー（ビゲロウ コーチ）や、セコンドの（朝倉）海さん、（島田）龍樹さんと話し合っていて、負けるとすればこういう展開で負けるから、ここはしっかり、そういうところを徹底して戦おうという風にやったつもりだったんですけど、想像通りのポジションでやっぱり強かったなって、それでラウンドが取られたという印象ですね」
──元谷選手のヒザのフェイントや、テイクダウンであったりと、元谷選手がより選択権を持って試合に臨めている印象でした。ヒロヤ選手は自分からテイクダウンに行く選択肢はなく打撃勝負のつもりだったのか、選択肢を狭められたような感じだったのか。いかがでしたか。
「ああ、今回は元谷選手はどちらかといえば組みの選手で、その中でもやっぱりレスリングっていうよりは、テイクダウンの中で四つが強い選手で、やっぱりそこはすごく警戒してたんで、プレッシャーをかけて、その四つを潰していく。やっぱり自分がプレッシャーをかけられていると四つは取られやすいのかなと思ったんで、プレッシャーをどんどんかけていて、その中で引いたところで、腹とかそういうところで削っていくという戦い方をしようと思っていました」
──ヒザのフェイントは意識してテイクダウンは選択肢から外れていきましたか。
「いや、相手はグラップラーだったので。選択肢というか、ヒザのフェイントがあったからテイクダウンに行かなかったというよりは、自分のプランとして打撃で倒す。で、あのプレッシャーをかけて削っていくっていうものでした」
──元谷選手のキャリアや、ベテランファイターの懐の大きさも感じましたか。
「やっぱり、細かいことで僕が上手いと思った部分は、打撃とテイクダウンのフェイント。やっぱりテイクダウンは“あ、多分取れないな”って途中から思ってたと思うんで。だからそこで散らしながら、アッパーとフックで組み立てた部分は、やっぱりそういうつなぎの部分で、僕が翻弄されたなという部分は、その点に関して“上手いな”と思いました。やっぱりUFCファイターとかでも結構レスラーとかに多い技なんですけど、ああいうテクニックは、ああすごいなと思いました。でもなんか自分としては正直“もっと戦えるな”と自分の自信になった部分も正直ありますね」
──3R最後の方で打ち合いの展開もありました。勝機はあると感じていましたか。
「勝機は、試合前からこう決めてたことというか、1R目は賢く戦って、2R目は本当にガンガン攻めて、1、2Rしっかり取られている可能性があるかもしれない、相手はそういう可能性がある選手なので、だから『もし1、2R取られていたら、ガムシャラに行け、殺しに行け』とビリーに言われていたので。で、自分としても3R“あ、もうこのままいったら負けるんだったら、どうせなら思いっきり勝負してやろう”っていうふうに思って、最後打ち合いました」
──そこに対しても元谷選手がしっかり向き合ってきたところにも、相手の強さを感じましたか。
「そうですね。元谷選手は絶対にそこで打ち合う選手だろうなっていう風に思っていましたね。いつもそうですよね。太田（忍）選手であったりとか、まあ他の選手とも最後になったら打ち合い、絶対してたんで。まあそこで打ち合うのは分かっていましたね」
──先ほど「人の2倍、3倍やらないといけない」と。これからもっとさらにやっていく覚悟ですか。
「その覚悟がないと追い越せない試合だったので。やっぱりあの人を越えるには、自分がなりたいチャンピオン、RIZINの舞台でのチャンピオンになるためには、自分みたいな人間はもっと、自分の限界を自分で決めないで、ビリーに託して、自分はガムシャラにやるだけかなと思っています」
──今後の展望・目標を教えてください。
「1回戦から優勝候補の元谷選手に、しっかりこの一戦だけを僕は考えて、やっぱり男祭りが終わってから2カ月。死ぬ気でやってきたのですけど、やっぱその甘いもんじゃないなっていうふうには思いましたし、自分みたいな凡人は2倍、3倍……10倍ってやっていかないと、やっぱり生き残れない世界だと思うんで。そんな甘い世界じゃないとは自分も分かっているので。もう、また頑張るしかないなっていう感じですね」
──オープニングセレモニーでの全選手の紹介でヒロヤ選手への声援が大きかったと思います。ファンに一言メッセージを。
「本当に、『超RIZIN』で僕としては2年前の借りを返したかったし、去年一発もらった分も返したかったけど、3年連続で負けているので、本当にめちゃくちゃこの『超RIZIN』でファンを笑顔で返せてないな、っていう思いが心のなかにはあるので……。でもやっぱり自分が下を向いてたらファンがいつまでたっても笑顔で帰ったり、前向きになれないと思うので、自分がもっと頑張って絶対に諦めなければ、自分の求めているものであったり、なりたい自分になれるっていうのを証明するためにも、またイチから来年に向けしっかり頑張っていきたいなと思いますね。本当にいつも応援してくれて、ありがとうございます」
