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レポート

【Krush】デング・シルバがブハリ亜輝留を圧倒して王座奪取「次はK-1」、村田健悟がダウン奪い8戦全勝に、目黒翔大が稲垣澪との接戦を制す、齋藤紘也が大石昌輝を大流血葬、佐野天馬と永澤サムエル聖光が果てしない殴り合い、山本陸の豪快失神KOでスタート!

2025/07/26 17:07
Krush.1782025年7月26日(土)東京・後楽園ホール ▼メインイベント(第9試合)Krushミドル級タイトルマッチ 3分3R延長1R×ブハリ亜輝留(WSRフェアテックス幕張/王者)判定0-3 ※26-30×3〇デング・シルバ(ブラジル/Squadron Thai Brasil/挑戦者)※シルバ新王座に就く。ブハリは初防衛に失敗。  ブハリは中学でボクシング、高校でキックボクシングを始め、グローブ空手の試合でキャリアを積んだ。大学卒業後に渡米し、現地ではガソリンスタンドの経営者としても活躍。帰国後にプロデビューし、K-1 GROUPには2021年2月から参戦。2023年6月の「K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント」のリザーブファイトでは吉野友規をKOし、9月には大石昌輝に初黒星を付けた。  2024年の「初代Krushミドル級王座決定トーナメント」では谷川聖哉、神保克哉を破り王座に就いた。9月にオーストラリア遠征でのIKBF世界ミドル級(-75kg)王座決定戦でナサール・カッサブに判定負け。戦績は9勝(5KO)3敗1分。  シルバはブラジルMMA団体『SFT』のSFT COMBAT-70kg王者。キックとMMAの二刀流ファイターでもある。身長190cmとこの階級では高くリーチがあり、蹴りとパンチのバランスに長けている。2024年3月の「-70㎏世界最強決定トーナメント」開幕戦に初来日し、璃久に初回TKO勝ち。 7月の準々決勝ではダリル・フェルドンクに判定勝ち、準決勝でストーヤン・コプリヴレンスキーに判定で敗れ3位となった。10月はジョーダン・ピケオーに延長戦で判定負けも2025年2月には小田尋久に判定勝ち。戦績は46勝(25KO)6敗。  1R、サウスポーのシルバは左ミドルと左ミドルハイ、ブハリは右インカーフを蹴っていく。シルバは長いストレートが一発ヒットすると一気にパンチをまとめ打ちして最後は突き上げるヒザにつなげる。この攻撃にブハリは防戦一方になり、シルバが圧倒したラウンドとなった。  2R、右カーフを蹴ったシルバは飛びヒザ蹴りからのワンツーでダウンを奪う。その後もシルバは巨体を舞い上がらせての飛びヒザ、飛び蹴りを多用。左ボディも打つ。ブハリは右カーフを蹴り、右ストレートを打つが、シルバのパワフルなパンチと蹴りが連続した攻撃に後手に回る。  3R、右フック、右ストレートで勝負をかけるブハリだが、シルバのジャブ、テンカオに翻弄される。要所で左ボディ、左右フックの強打も打つシルバ。ブハリは逆転の糸口を見つけることが出来ず、試合終了。  大差の判定3-0でシルバがタイトルを奪取した。シルバは「嬉しくして仕方ないです。はるばる日本へきてベルトを獲ることが出来て本当に嬉しいです。練習をちゃんとしてきたからこそベルトを獲れた。僕のひとつひとつのパンチがこうして成果を出せたので本当に嬉しく思っています。今日Krushの王者になりました。去年K-1で戦ってベルトを獲ってないので70kgか75kgでK-1で王者になりたいです。なのでチャンスをください」と、次はK-1でタイトルを狙うと宣言した。シルバのコメント「KOが理想でしたがブハリがちゃんと戦ってくれたので3Rになった。挑発して乗ってくれればKO出来たんですが相手は乗ってこなかった。でも一番は勝ててよかったです。Krush王者は入り口であって始まったばかりで、最終目標はK-1のベルトを獲ることが一番の目標なので、Krushで王者になれたのはK-1王者への第一歩かなと思います」ブハリのコメント「完敗ですね。練習していたことややりたいことが何もできずに終わってしまいました。試合前のイメージ通りの選手でしたが自分が機能しませんでした。自分が入って行けなかった。相手の攻撃を警戒しすぎてしまいましたね。タッチしてのヒザを思い切り鼻にもらってそれで気にしすぎてしまいました。自分のタイムリミットも考えて、ここまでかなという感じです。自分が弱かったです」 [nextpage] ▼セミファイナル(第8試合)Krushスーパー・バンタム級 3分3R延長1R×内田 晶(チーム・タイガーホーク)判定0-3 ※28-30×3〇村田健悟(ALONZA ABLAZE)  村田は3歳で空手を始め、全国・国際大会で優勝。K-1アマチュアでも結果を残して2023年6月にデビューすると、7戦全勝(4KO)の快進撃。いま最も注目されるホープの一人だ。  内田は2014年12月からKrushに参戦。2021年に「第7代Krushスーパー・バンタム級王座決定トーナメント」、2022年には「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」に出場している。2024年9月にはBigbangスーパーバンタム級王座決定戦に臨んだが良星に惜敗。戦績は5勝(2KO)12敗1分。  1R、内田は得意の左右ミドルを蹴っていき、村田が圧をかけて前へ出てくるとパンチの距離に入る前にミドルを蹴って組む。村田は組みの離れ際に上手く左右フックを入れ、左ボディも打つ。  2R、村田は前蹴り、左ミドル、右ローを蹴って近付いていき、パンチの距離に入ると左フックを放つが組まれる。右ローを多く蹴る村田。内田にミドルを蹴られると必ずローを蹴り返す。内田は後半、これを嫌がったかワンツー。村田は左フックを強振。  3Rも徹底して内田のミドルにローを返す村田。内田がワンツーを打ってくると左右フックで迎え撃つが、内田のバッティングとなる。村田は徹底した右ロー連打で内田を追い詰めていき、要所で左ボディを打つ。そして、村田が左ミドルからの左ヒザでダウンを奪う。  最後は村田が左ボディと左右フックでラッシュをかけてダメ押し。判定3-0で苦しい試合をものにした。 [nextpage] ▼第7試合 Krushバンタム級 3分3R延長1R×藤田和希(K-1ジム目黒TEAM TIGER)判定0-3 ※28-30×3〇井上海山(POWER OF DREAM)  藤田は2018年11月にKrushでプロデビューし、2021年2月に大石和希にKO勝ちも11月に池田幸司にKO負け。2022年3月に豊田優輝からKO勝ちを収め、8月のK-1で初参戦の石井一成を迎え撃ったが、KO負けを喫した。その後は1年1試合のペースで2023年に鵜澤悠也にKO勝ち、2024年に坂本寿希に判定勝ち、そして2025年3月に白幡太陽にKO勝ちで今年2戦目に臨む。戦績は8勝(4KO)6敗。  井上は2021年11月からKrushに参戦し、2025年5月の大輝戦まで3勝(1KO)1敗。通算戦績は6勝(3KO)2敗。  1R、井上は左右にスイッチしてフェイントを多用していくが、ローやミドルを当てるのは藤田。井上は前蹴り。両者様子見のラウンドとなった。  2R、藤田はジャブ、左ミドル、左フック、左ボディと左の攻撃を当てていく。完全に藤田ペースかと思われたが、ラウンド終了間際、井上がワンツーを綺麗に当ててダウンを奪った。  3R、前に出て手数を出すのは藤田だが、打ち終わりを井上がワンツーで狙い撃ち。井上は藤田の右ローに合わせたバックハンドブローも放つ。藤田は攻め込むことが出来ず、井上も逆転の一打を許さずに試合終了  ダウンを奪った井上の判定勝ちとなった。 [nextpage] ▼第6試合 Krushスーパー・フェザー級 3分3R延長1R〇目黒翔大(優弥道場)延長R 判定2-1 ※9-10、10-9×2×稲垣 澪(K-1ジム大宮チームレオン)※本戦の判定は30-30×3。  1R、カーフの蹴り合いから潜り込むようにして距離を詰めて左右フックを打つ目黒。稲垣は左右フックを巧みに当てていくが、頭を動かす目黒に空振りも目立つ。  2Rも潜り込んで密着する目黒はヒザを蹴る。稲垣は目黒がダッキングするところを狙ってヒザを突き上げる。稲垣のカーフからの左右フック、左ボディ。目黒はヒザで応戦。  3R、目黒は低い体勢から入って左右ボディを打つ。稲垣は強い右ローで目黒に足を上げさせる。密着した距離からショートのフック&アッパーを打つ目黒に、稲垣は右ローと左右フック、左ボディで応戦。  両者譲らず、本戦の判定はドロー。延長戦へ突入する。密着した状態でのヒザ蹴りは目黒、稲垣は右ローを蹴る。至近距離で小さいフックとアッパーを当てる目黒に、稲垣はヒザで対抗するが目黒はしつこい。密着した状態でボディを打ち合う両者。  判定は2-1と割れ、目黒が接戦を制した。 [nextpage] ▼第5試合 Krushウェルター級 3分3R延長1R〇齋藤紘也(K-1ジム川口ブルードラゴン) TKO 2R 0分42秒 ※ドクターストップ×大石昌輝(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)  1R、大石は序盤から徹底した右カーフと左右ロー、齋藤はそこにワンツーを合わせに行く。ワンツーとジャブで切り込む齋藤だが大石の強い右カーフを浴び、いきなりの内廻し蹴りでダウンを奪われる。  2R、いきなりパンチでラッシュをかける齋藤。左ストレート、左フックの連打で大石は右目上から大流血。血が噴き出し、大石の上半身は真っ赤に染まる。ドクターチェック。  再開後、大石は蹴りを連発するが齋藤もパンチを連打。すぐに大石が大流血し、再度のドクターチェック。ここでドクターストップがかかり、齋藤のTKO勝ちとなった。  齊藤はマイクを持つと「自分、Krushのウェルター級で大石選手が一番強いと思っていました。そこに勝ったのでウェルター級の王座決定戦お願いします。トーナメントじゃなくてダイレクトで。外国人になると思うのでよろしくお願いします」とタイトルマッチをアピールした。 [nextpage] ▼第4試合 Krushライト級 3分3R延長1R〇佐野天馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)判定2-0 ※30-29×2、29-29×永澤サムエル聖光(林商店)  1R、互いに被弾し合う距離でパンチを打ち合い、序盤は永澤が左右ボディと右フックで押していたが、佐野が右を連続ヒットさせて逆襲。佐野は左フック、左ボディも。永澤は左右ボディで応戦。  2R、お互いに被弾を繰り返し、打たれては打ち返す展開。佐野の左右フックでグラつく永澤だが、しつこく左ローを蹴り、打ち返す。両者かなりの被弾。  3R、ミドルとローの蹴り合いから、再び両者打ち合い。ガードのことなど考えてないかのように打たれ、打ち合う。果てしない殴り合いは最後まで続き、ビッグヒットを奪った佐野が判定2-0で勝利した。 [nextpage] ▼第3試合 Krushスーパー・ウェルター級 3分3R延長1R×小鉄(K-1ジム蒲田チームアスラ)判定0-3 ※28-30、27-30×2〇杉若 怜(WIZARDキックボクシングジム)  1R、両者相手の攻撃も当たる距離で右カーフ&ローを蹴り合い、ジャブを打ち合う。左フックをヒットさせた杉若が続く右フックもヒット。小鉄はクリンチでこのピンチを逃れた。  2R、徹底して右ローと右カーフを蹴る小鉄に、杉若は左ボディに右フック。パンチを当てるのは杉若だが、小鉄は右カーフを蹴り返してくる。  3Rは小鉄が身体を押し付けるようにしての超接近戦からショートの右を打って行くが、杉若の右ストレート、左フックを浴びる。押し合いの展開が続く中でも杉若がパンチのヒットを奪っていき、杉若の判定勝ちとなった。 [nextpage] ▼第2試合 女子-46kg契約 3分3R延長1R×坂上りま(岡澤道場サイクロンジム大船)判定0-3 ※9-10×3〇世愛(TEAM KAZE)※本戦の判定は30-29、29-29、30-30。  1R、サウスポーの世愛は右へ回り込み、坂上はじりじりと前へ詰めていく。プレッシャーを与える坂上だが狙いすぎか手が出ず、逆に世愛の蹴りを受ける。世愛は左のパンチ、前蹴りを当ててはすぐに回り込む。  2Rより手数を増やす世愛は、当てては回り込むを徹底。坂上は距離を詰めると右ストレートの大砲を打つが、世愛はパンチから蹴りと手数を出す。  3R、右の大砲を打つ坂上だが、世愛はパンチと蹴りを何発も連打で繰り出す。さらに手数を上げる世愛に坂上は前蹴りを連打。最後に世愛が左ストレートをクリーンヒットさせたが、判定はドロー。  延長戦、ジャブから右ストレートを狙う坂上に世愛は左ストレートを伸ばして当てていく。両者とも手数は少なく、終盤になって世愛が打ち合いに行き左をヒットさせた。  世愛が判定勝ち。 [nextpage] ▼第1試合 Krushスーパー・フェザー級 3分3R延長1R〇山本 陸(K-1ジム総本部チームペガサス)KO 2R 1分22秒 ※右フック×夏気(VRK GYM)  1R、山本は多彩な蹴り技から右オーバーハンド、左ボディなどのパンチにつなげていく。内廻し蹴り、ヒザ蹴り、三日月と多彩な蹴りの山本。夏気は左ミドルから入っていってパンチを繰り出すが山本の距離で試合は進み、残り10秒で山本が左フックをクリーンヒット。  2R、山本の蹴りに右ストレートを合わせにいく夏気。左ミドルから入っていく夏気が、ロープを背負った山本に右フックを打ちに行ったところで、山本が右オーバーハンドを振り抜き見事なカウンターの一撃に。  夏気は担架で運ばれ、KO勝ちした山本は「1試合目からインパクト強すぎましたか。これからスーパー・フェザー級トップに食い込んでいく選手になるので注目してください」とアピールした。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第2試合 Krushスーパー・ライト級 3分3R〇浜名颯斗(K-1ジム大宮チームレオン)KO 1R 2分06秒×木下勝利(BEST GYM) [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第1試合 Krush女子アトム級 2分3R△原田ゆうな(SHINE沖縄)ドロー 判定1-1 ※29-30、30-29、30-30△藤井杏朱(Ωmega KICKBOXING GYM)
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