ONE 173: Superbon vs. Noiri2025年11月16日(日)東京・有明アリーナ※U-NEXTにてPPV LIVE配信▼第17試合 メインイベント ONEフェザー級(※70.3kg)キックボクシング世界王座統一戦 3分5R〇スーパーボン(タイ)正規王者 154.2 lbs, 1.0124判定3-0×野杁正明(team VASILEUS)暫定王者 154 lbs, 1.0144※スーパーボンが王座を統一。
1R、互いにジャブを突く中、スーパーボンが左ミドル、右ロー。野杁はガードを高く上げて右カーフと左インカーフ。するとスーパーボンは前蹴りで野杁を何度も突き放す。入って来る野杁をプッシュして下がらせようとするスーパーボンだが、野杁は下がらない。
右カーフ、左ボディ、与座キックと前進しながら蹴っていく野杁。右ストレートもヒット。スーパーボンは前蹴り連打、プッシュして野杁が下がらないとヒザを蹴る。
2R、野杁は低く構えて右カーフ、ワンツー、どんどん前へ出ていく。スーパーボンは左ミドルハイを蹴るが、野杁が右インローを蹴る。野杁が左右フックもスーパーボンは前蹴り、テンカオ。両者とも下がらないでヒザを蹴る。右ストレート、左アッパーを当てるスーパーボン。
3R、スーパーボンがジャブ、前蹴り、右ローで先制。野杁は左ミドルを蹴るがスーパーボンも左ミドルを返す。前に出る野杁は与座キック。これにスーパーボンが大きな反応。野杁は与座キック、ヒザ蹴りでそこを狙う。出会い頭に与座キックを放つ野杁、スーパーボンは前蹴りとジャブで突き放す。
4R、野杁の三日月に右ストレートを返してくるスーパーボン。野杁の左右の内股蹴りにスーパーボンの足が跳ね上がる。スーパーボンはジャブと右ロー、スーパーボンは前蹴りをフェイントにしてのテンカオ。そして前蹴りで野杁を何度も突き放す。前に出る野杁が右ロー連打、前に出てくる野杁に左ハイを放つ。
5R、右カーフを蹴る野杁にスーパーボンが右ロー、ヒザから離れて右ミドル。スーパーボンの右アッパーには野杁が左フック。歩くように自然に入ってきて突き上げるヒザを何度も決めるスーパーボン。野杁がノーガードになったところでスーパーボンのパンチが軽くだが入る。野杁は左ボディ、左フックで前に出る。それを左ミドルハイで迎え撃つスーパーボン。前蹴りには野杁が右ストレートを合わせる。
試合終了のゴングが鳴ると、両者とも手を上げて勝利をアピール。
3Rからヒザ蹴りと左ミドルハイで流れを変えたスーパーボンが判定勝ち。「全てはプラン通りでしたが、唯一のミスはKO出来なかったこと」とスーパーボン。「彼の身体の強さは知っていたので驚きはなかったです。ムエタイでもキックでも誰にでも勝ちたいです。僕はあと5年、10年、試合をやり続けたい」と勝利者インタビューに答えた。
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▼第16試合 ONEフライ級(※61.2kg)MMA世界選手権試合 5分5R〇若松佑弥(日本/TRIBE TOKYO MMA)ONEフライ級王者 135 lbs, 1.0229TKO 2R 0分54秒 レフェリーストップ×ジョシュア・パシオ(フィリピン/Lions Nation MMA)挑戦者・ONEストロー級(※56.7kg)王者 135 lbs, 1.0229
1R、互いにパンチを繰り出したところで右フックをもらい腰が落ちる若松。パシオはそのまま組み付きケージへ押し込む。若松はヒジを見舞うがパシオに両脇を差される。パシオもヒジ。シングルレッグを仕掛けると若松がバックへ回る。すかさずバックからパンチを連打する若松。
バックコントロールしながらパシオの顔面にパンチ、ヒザを叩き込む若松。パシオはようやく立ち上がるも、若松がリフトアップして再びグラウンドへ。またも殴り続ける若松。残り30秒、立ち上がったパシオのバックに付き続ける若松。
2R、右カーフでパシオを転倒させる若松。じりじりと近付くと飛び込んでの左フックを見せてからの右ストレートをクリーンヒット、ダウンしたパシオにガブり、頭部へのヒザを連打する。パシオは身体が伸び、レフェリーがストップ。
「凄い強かったです。マジで効いて。自分も1Rで終わらせようと思ったんですけれど、パワーがあって思ったようにできなかったんですけれど、自分に打ち勝って入り込むことが出来ました。僕が勝ち続けてONEを世界一にしたいって想いもあるし、僕は本当に家族のために戦っているので嬉しいです」と勝利者インタビューに答える。
若松には5万ドルのボーナスが贈られ、若松は家族と一緒に記念撮影に収まった。
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▼第15試合 ONEアトム級(※52.2kg)ムエタイ初代世界王座決定戦 3分5R〇吉成名高(エイワスポーツジム)115 lbs, 1.0207判定3-0×ヌンスリン・チョー・ケットウィナー(タイ)114.8 lbs, 1.0226※名高が初代王座に就く。
名高は2023年7月にラジャダムナンスタジアム認定フライ級王座を獲得し、外国人として史上初のラジャダムナン2階級制覇王者に。その後も快進撃を続け、8月にはタイ『RWS』のメインイベントでフライ級タイトル初防衛戦を行い4RでKO勝ち、12月のRWSではラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級暫定王座決定戦で勝利し3階級制覇。 2024年2月には正規王者プレーオプラーオとの統一戦にも勝利し、正規王者に。7月のジョムホートとのタイトルマッチでも圧倒的な差を付けて勝利、2度目の防衛に成功した。9月のWBCムエタイ ダイヤモンド スーパーフライ級王者決定戦では、プレーオプラーオに勝利しているペットアヌワットを2RKOで葬り、10月にはクンクメールとの対抗戦で3RKO勝ち。12月1日のRWSではペットヌンに大差判定勝ちして3度目の防衛に成功。 12月、シュートボクシングの大会でオープンフィンガーグローブムエタイに初挑戦して初回TKO勝ちを収めると、2025年3月のONE日本大会に初参戦してOFGムエタイでラック・エラワンを左ストレートで3RにKOした。2025年5月11日には『SPACE ONE×BOM』でOFG第3戦に臨みチョークディーを1Rわずか1分59秒でKO。6月にはONE Friday Fightsに初参戦し、バンルーロックに圧勝。8月もハマダ・アズマニにTKO勝ちでONEで3連勝を飾った。現在驚異の39連勝を誇る。戦績は65勝(42KO)6敗1分。 1R、名高は右カーフからの左ミドル、ヌンスリンは右インローを蹴る。右カーフから強い左インロー、ヌンスリンは左ミドルを返す。名高は左インローから左ミドルを蹴り、ヌンスリンが右ミドルを返すとしっかりとブロック。
ヌンスリンの前足には強い前蹴りを見舞う。左ストレート、左インローを蹴り、ヌンスリンが前へ出てくると回り込んで離れる名高。
2R、前足への前蹴りを多用する名高。ヌンスリンが蹴ってくるとキャッチし、大きくコカす。ヌンスリンの右ストレートに左を被せる名高。ヌンスリンが前へ出てくると名高は攻撃を出しながら右へ回り込む。ヌンスリンの右フックがヒット。名高はジャブを突き、右ストレート。組み付くと名高を投げるようにする。しかし、もう一度組むと今度は名高が投げる。
ステップで動く名高は左ボディストレート、ヌンスリンは右ミドル。ステップで回り込む名高をどんどん追いかけるヌンスリンは右ミドル、名高は左ストレートを合わせる。名高はヌンスリンを動かす作戦か。
3R、名高は右カーフ、左ローからの左ミドル。左ストレートからの飛びヒザ。ヌンスリンが前へ出てくると右フック、左ミドルを蹴って回り込む。さらにスピードを上げた感のある名高は、ステップで動いて追ってくるところをかわしての攻撃。迎え撃つ攻撃が入り始める。
ヌンスリンは組むと名高を投げる。追いかけるヌンスリンに名高はヒザ、左ストレート、左インロー、顔面前蹴り。ヌンスリンの出鼻を挫いていく名高。
4Rも前に出るのはヌンスリンだが、先に攻撃を当てるのは名高だ。右フック、左ミドル、左ハイ、左インローと多彩な技を当てる。ヌンスリンの右フックは空振り。顔面前蹴りから左ハイ、ヌンスリンが組むとコカす。下がって誘ってのヒザも突き刺す。名高がほぼ攻撃を当て、ヌンスリンのパンチをかわすという展開に。
5Rも名高が攻撃を当てて離れる、ヌンスリンが追ってくるところに左ストレートなどで迎撃する戦い方を続ける。ヌンスリンは追ってはいるが、攻撃がほぼ当たらない。名高は左ハイ、左ボディストレート、右フック。ジャブから上中下に蹴り分ける蹴りの4連打。前蹴りからの左ボディを突き刺すとヌンスリンは身体を丸めた。名高が攻勢に出たところで試合終了。
判定3-0で名高が勝利、日本人初のONEムエタイ世界王者(初代)となった。ONEの大きなベルトを肩に掛けた名高は「応援してくださった皆様、ありがとうございます。ヌンスリン選手、7戦7勝で来ていて試合前は凄く練習しているって樹夫報も入っていて普段で怖い気持ちもあったんですが、中川会長、ジムの皆様、サポートしてくる皆様、そして応援してくれる皆様のおかげで自信をもってリングに立つことが出来ました。ありがとうございます」と勝利者インタビューに答える。
そして「本音を言うとKOしたかったんですけれど本当に強い選手で最後まで倒しに来る気持ちを感じましたし、敵地である日本まで来てくれて感謝しています」と語った。
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【中止】▼第14試合 ONEフライ級(※61.2kg)ムエタイ世界王座決定戦 3分5Rロッタン・ジットムアンノン(タイ)133.8lbs 1.0078ノンオー・ハマ(タイ)134.8 lbs(61.14kg), 1.0263 ※計量ミス
※ロッタンが計量後、体調不良をONEメディカルスタッフに申告し、本試合を欠場に。また、ノンオーも計量およびハイドレーションテストを通過することができず。ロッタン対ノンオーのONEフライ級ムエタイ世界タイトルマッチは、後日開催の大会へ延期に。
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▼第13試合 ONEライト級(※70.3kg)MMA世界選手権試合 5分5R〇クリスチャン・リー(シンガポール/米国)王者 170lbs 1.0244TKO 2R 2分32秒 ※レフェリーストップ×アリベック・ラスロフ(トルコ)挑戦者 169.4lbs 1.0124※リーが王座防衛に成功。
1R、ラスロフがファーストアタックでシングルレッグのテイクダウン。リーの両足を束ねる。ケージを背にして座り込む形となったリーはパンチ、ヒジ。立ち上がろうとしたが再び両足を束ねられる。立ち上がるリーにラスロフはヒザを突き上げるが、リーが離れた。
打撃の展開でリーはジャブ&右カーフ、ラスロフも右カーフを蹴り返す。左右フックからシングルレッグでテイクダウンもリーは立ち上がる。スタンドでリーが右フック、右カーフ。
2R、リーが右カーフ、ラスロフも右カーフを蹴り返す。リーの右フックをダッキングでかわしたラスロフが組み付くがリーは離れる。ジャブで距離をとるリーが右ストレートからヒザ。強い左ミドルも蹴る。ボディへの打撃に下がるラスロフにリーが右フック。右ロー、右フック、左ミドル連打。ラスロフは完全に嫌がって身体を丸める。
リーはアナコンダチョークに捕らえるとそのままグラウンドへ。チョークの体勢のまま頭部へヒザを連打し、レフェリーがストップ。リーのTKO勝ちとなった。
「日本、ありがとう。日本で試合出来て光栄です。私が凄いことが出来るのは妻と子供のおかげです。相手のスタートが早かったのは嬉しいことでした。僕は逆転勝ちするのが好きですから。復帰してとても気持ちいいです。この2つのベルトの階級は世界で最も活発な階級です。来年はもっと活発にしたいです」と勝利者インタビューに答えたリーにはボーナスが贈られた。
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▼第12試合 ONEフライ級(※61.2kg)キックボクシング 3分3R〇武尊(日本/team VASILEUS)134.2 lbs, 1.0120TKO 2R 2分49秒 ※レフェリーストップ×デニス・ピューリック(カナダ/ボスニア・ヘルツェゴビナ)134.2 lbs, 1.0164
1R、べた足でじりじりと前へ出て行く武尊に、ピューリックは遠い間合いからダッシュして入り込んでパンチを打つ。武尊が左フック、ピューリックはスーパーマンパンチ。武尊は三日月、右カーフを蹴る。武尊は距離を詰めるとジャブに右クロスからの左フックでダウンを奪う。
スピードのある右を3連打する武尊。右カーフを蹴る武尊は距離を詰めていき、左ハイ、右カーフ。ピューリックも左フックを返すが、武尊がどんどん距離を詰めてピューリックの左に右フックを被せてダウンを追加する。
2R、武尊は小さい歩幅で素早く近付き、右カーフを蹴る。ピューリックは右フックを打つが武尊のスピードが優る。そして右カーフでダウン。武尊は前蹴り。打ち合いに行くとピューリックが右フックをヒットさせたが、武尊はすぐに右を返す。
パンチを回転させるピューリックに武尊が右カーフを連発。大きくバランスを崩すピューリック。武尊はガードを意識しながら前へ出て右フックから右ハイをクリーンヒット! グラついたピューリックへ右フックの連打。ついにタフなピューリックが倒れ、武尊がKO勝利。
ケージの上からのバク宙を決めてみせた。勝ち名乗りを受ける前には嬉し涙を流す。
「前回ロッタン選手に速攻で負けちゃって応援してくれるファンの想いを裏切ったと思ったので、でも裏切ったままでは格闘技人生終われないので、死ぬ気で練習してきたので皆さんに少しでも返せたかと思います」と、勝利者インタビューでも声を震わせる武尊。
「その前に一個だけ。僕は次の試合で現役引退します。さっきも言ったんですけれど、武尊って絶対にみんなの期待を裏切らない戦いをやってきたと思うんですよ。みんなも見てくれていたと思うんですけれど、僕は現役最後までみんなの期待を絶対に裏切らないので、次の試合、ロッタン選手がもし受けてくれるなら最後の試合ロッタン選手と思い切り戦って、みんなの期待を裏切らない勝ち方で絶対に勝って、応援してくれていたみんなに『武尊を応援していて良かった』と思わせるので、最後の試合絶対見に来てください。お願いします。そしてロッタン選手、僕の現役最後の試合、相手お願います」と涙の訴え。
リングサイドで試合を見ていたロッタンがリングに上がり、武尊にグータッチからハグ。「おめでとう。あなたの最後の試合、私でよければぜひやります」と再戦を受諾した。
武尊には5万ドルのボーナスも贈られた。
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▼第11試合 フェザー級(※70.3kg)→155.4ポンド契約 キックボクシング 3分3R〇マラット・グレゴリアン(アルメニア)154.2 lbs, 1.0066判定3-0×安保瑠輝也(MFL team CLUB es)155.4→161.4lbs(73.20kg)1.0292→1.0248 ※計量失敗※安保瑠輝也が計量失敗となり、この試合は「155.4ポンド契約」に変更。安保は報酬の30%をマラット・グレゴリアンに渡す。
1R、いつものようにガードを固めて前へ出ていくグレゴリアンに、安保は左ミドルとパンチのコンビネーション。しかしグレゴリアンは前へ出る。そこへ安保はヒザ。安保は至近距離ではアッパー、近付くと左右ボディ、そして蹴りにつなぐ。
安保はグレゴリアンのガードの上からもお構いなしに攻撃を出す。しかし残り1分、一気に圧を強めたグレゴリアンは安保にケージを背負わせて左右フックとボディを見舞う。
2Rも前に出るグレゴリアンに安保は右ストレート、グレゴリアンは左右フックから左アッパーを突き上げる。前蹴りを出す安保は左ボディから左インロー、すぐに詰めるグレゴリアンが左ボディ、左アッパー。安保も右カーフと右ストレート、グレゴリアンが前蹴りで転倒させる。
安保も前へ出て距離を詰め、至近距離でボディを打ち合う。グレゴリアンの左ボディに動きが止まる安保は前蹴りを出すが、グレゴリアンが距離を詰めて左ボディ、右フック。安保はステップを使ってグレゴリアンのパンチをかわすがグレゴリアンの強力な右ボディからの左ボディが決まる。安保は右ストレート、左ミドルもグレゴリアンの左ボディ、右フックでケージを背負わされる。
3R、グレゴリアンが詰めて左右フックを打って来ると安保も打ち返す。前に出る安保はプッシングを多用。しかし、グレゴリアンはそこへ左ボディ。苦しそうな安保だが右ストレートをヒットさせる。グレゴリアンは左ロー、左ボディ、ジャブから右アッパー、さらにボディへの前蹴り。右ローももらう安保は動きが鈍い。
近距離でショートのフックとボディを回転させてローにつなぐグレゴリアン。安保もパンチを返すが力がなく、グレゴリアンのパンチでふらつく場面も。グレゴリアンのボディをもらい身体を丸める安保だが、最後まで耐えた。
判定は3-0でグレゴリアンの勝利となった。
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▼第10試合 ONEバンタム級(※65.8kg)キックボクシング 3分3R×スーパーレック・ギャットムー9(タイ)(73.20kg)144.6 lbs, 1.0132判定0-3〇与座優貴(team VASILEUS)144.6 lbs, 1.0070
与座は、2024年1月に武尊がスーパーレックに敗れた直後からスーパーレックとの対戦を熱望。ONE参戦が決まった時からもスーパーレックの名を出しており、「たぶん順番にどんどんやっていくと思うんですけれど、やっぱりスーパーレック選手とはやりたいですね。足の骨を折れる蹴りを持った同士の戦いかなっていう。足の折り合いができるのかなと思います」と、ローキック勝負をしたいと語っていた。
スーパーレックはキックボクシングではフライ級で戦っていたが、ONEムエタイ世界バンタム級王座を保持しており、バンタム級でも問題なく戦えそうだ。
1R、与座が右カーフを蹴るとスーパーレックは足を上げてカット。スーパーレックは前蹴りを多用するが、与座の前蹴りでケージまで後退させられる。与座の右カーフを脛でカットしたスーパーレックは右ハイキックから右ロー、右ストレート。スーパーレックが左ミドルを蹴ると、与座は左カーフを返すがスーパーレックはしっかりカット。
スーパーレックは前蹴り、三日月気味のミドル、そしてカカト落としのような蹴り方も見せる。ローの蹴り合いが続き、お互い一歩も譲らない。最後に仕掛けた与座が左フックを当てるが、スーパーレックは表情一つ変えなかった。
2R、与座は左三日月を蹴り、左フック。スーパーレックはヒザを突き刺すとすぐに飛びヒザ蹴り。与座のローにはすぐローを返し、ヒザにつなげる。与座の左ハイがかすめると場内から大歓声。
与座の左三日月から右ロー、スーパーレックはバランスを崩す。スーパーレックの右ミドルには軸足蹴り。右カーフを蹴った与座にスーパーレックがヒザを返そうとしたが、与座が左フックを当てた。
3R、スーパーレックが足を上げると、与座はその足に自分の足を絡めてスーパーレックを転倒させる。与座の左ローにスーパーレックは飛びヒザ蹴り、与座の左ローにスーパーレックが転倒。与座が入り込んでローを蹴るとスーパーレックは右ミドル。与座は抱えて倒してしまい、注意を受ける。
前に出る与座は左インロー、スーパーレックはヒザ。与座の右カーフにスーパーレックの足が流れる。スーパーレックの右ミドルはヒット。スーパーレックはヒザ、与座は左フックを打ち返す。与座の左ローでスーパーレックがこのラウンド3度目の転倒となり、場内が大きく沸く。
判定は3-0で与座が勝利。判定勝ちが告げられると与座は顔をくしゃくしゃにして感涙。ケージに登って勝利をアピールした。
「よっしゃーっ! リングに上がるまでは自分が一番弱いと思って練習して、リングに上がったら自分が最強だと思って試合して。スーパーレック選手はオーラがあったんですが、自分を信じて、チームを信じて戦いました」と勝利者インタビューに答えた与座。
必ず攻撃を返していた理由を聞かれると「勝ちたかったです。苦しい場面でもあと一歩、二歩、コツコツ子供のころからやってきたのでそれが染み付いていただけです。ボーナスが欲しかったので倒したかったです」と答える。
そして「ハガティ―とやりたいです。王者になりたいので。そして王者より強いと思っているのでやらせてください」とタイトルマッチを希望した。
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▼第9試合 フェザー級(-70.3kg)キックボクシング 3分3R〇ナビル・アナン(アルジェリア/タイ/王者)153.8 lbs, 1.0049判定3-0×和島大海(月心会チーム侍)153.4 lbs, 1.0087
和島は2021年12月に木村“フィリップ”ミノルに挑戦して左ミドルでKO勝ち、第4代K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級王座に就いた。2022年6月の『THE MATCH 2022』では“ブラックパンサー”ベイノアから3度のダウンを奪う圧勝を遂げ、2023年3月にはジョムトーンを延長戦でKOし、7月にはかつて敗れているジョーダン・ピケオーをもKOしてK-1では7連続KOを飾ったが、12月の3度目の防衛戦でオウヤン・フェンにKOで敗れて王座を失った。 2024年は3月の「K-1 WORLD MAX-70kg世界最強決定トーナメント」開幕戦でダリル・フェルドンクにKO負けを喫し、10月にキム・ジュンファをKOして再起。12月には-70kg世界最強決定トーナメントを制覇したストーヤン・コプリヴレンスキーからダウンを奪い勝利していた。戦績は22勝(18KO)6敗。2025年7月21日にK-1グループとの契約が満了したことを自身のSNSにて発表し、「これから次の戦いに向け準備していきます!」と綴っていた。
1R、アナンは右インカーフを蹴っていき、和島が左ローを蹴るとハイキック。右ストレートから一気前へ出るアナンが連打を繰り出すが、和島はステップワークで離れる。アナンはいきなり前へ出てくる。
和島は右ストレートに左ストレートを合わせた。アナンは飛び二段蹴り、右ミドル、ワンツー。和島は前に出てきたアナンに左ストレートをヒットさせた。
2R、アナンの右ストレートをかわして左インローを蹴る和島は、左ミドルにも左インローを返す。いきなり飛び込んでの右ミドルをヒットさせるアナンに和島は左インローを蹴っていく。
鋭い踏み込みからアナンは右ストレート、右ボディストレート。和島の左インローに足が上がるアナン。しかし、打ち合いでアナンが右ストレートをヒットさせた。
3R、アナンが入り込んでくるとショートアッパーを打つ和島。アナンは飛び込んでの右ミドルをまたもヒットさせる。和島は変わらず左インロー、左ミドルを蹴っていく和島。
アナンが右ハイキックを放つと場内からどよめきが起こる。和島が前へ出てくると右ストレートだ。最後に和島がワンツーから右フックを打ったところで試合終了。
判定は3-0で手数・ヒット数も多かったアナンの勝利となった。
「皆さん、本当にありがとうございます」と日本語で挨拶したアナン。「1Rは強い打撃を当てられると思って一発当てられました。でも、新しい階級でガス欠するかもと思ってちょっと引いていたけど、いい結果になってこれからフェザー級でやっていける自信になりました」と、フェザー級での試運転だったとする。
「ジョナサン・ハガティー選手、前にムエタイルールで試合が決まっていましたが、試合できませんでした。ぜひキックボクシングでやらせてください」と、ハガティ―とキックボクシングルールでもいいから試合がしたいと語った。
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▼第8試合 ONEアトム級(※52.2kg)キックボクシング 3分3R×スタンプ・フェアテックス(タイ)114.8lbs 1.0140判定0-3〇KANA(Team Aftermath)114.2lbs 1.0156
KANAは3月の日本大会で最強女王ペッディージャーに敗れており、2試合続けて厳しい相手との戦いとなる。
スタンプは、ONEでキックとムエタイの二冠を達成後、MMAに挑戦。22年9月に女子アトム級王座決定戦をハム・ソヒと争い、KO勝利で前人未到の3競技制覇を成し遂げた。
24年6月に元同門のデニス・ザンボアンガと対戦予定だったが、スタンプが半月板断裂で試合中止。手術リハビリを経て、暫定王者となったザンボアンガと、25年8月2日の米国デンバー大会で「女子アトム級MMA世界王座統一戦」に臨む予定だったが、大会が中止。試合は延期となっていた(※ザンボアンガは11月16日『ONE 173』東京大会で三浦彩佳の挑戦を受ける)。
1R、勢いよく飛び出してKANAが右カーフを蹴っていき、ワンツー打つ。スタンプが右ミドルを蹴るとKANAはバックハンドブロー。KANAは左右のローで前へ出るが、そこへスタンプは右ストレート、ジャブを合わせていく。KANAは左足を上げ下げしながら近付いて行き、右カーフと左インロー、スタンプは右ストレートとワンツーで迎え撃つが、KANAはもらっても構わず前足の右カーフを蹴っていく。
かなりの右カーフをもらっているスタンプだが、ワンツーの連打でKANAをのけ反らせる。それでもKANAは前へ出てしつこく右カーフを蹴り、左右フックにつなげた。
2Rも右カーフを集中的に蹴るKANA。スタンプはジャブとワンツー、KANAも左フックを返す。スイッチしたKANAは左ミドルを命中。スタンプは右ボディを強打し、右ボディを連打して前へ出るがKANAがジャブと右カーフで押し戻す。KANAも負けじと左ボディ。KANAのジャブが何度もスタンプの顔面を捉える。
ケージを背にしたスタンプは前足を上げ下げしてけん制。KANAは右カーフ、右インカーフ、左インロー、右クロスと攻め込み、スタンプも右ストレートと左ミドルを返すが明らかに動きが鈍い。右カーフの連打からパンチで攻め込むKANA。このラウンドは完全にKANAが取った。
3R、ワンツーから右カーフのKANAはケージを背にしたスタンプに連打を見舞う。スタンプは下がり、ケージを背にしての右ローを蹴る。KANAは右カーフを軸に、ハイキック、左右ボディ、ワンツーと攻撃を散らしていく。KANAの右カーフにバランスを崩すスタンプに、KANAが右ハイキック。スタンプは笑みを浮かべる。
KANAはパンチを連打し、バックハンドブローも。パンチを出すとKANAが右カーフを蹴り、下がると左ミドル。右ボディアッパー、ワンツー、左ハイとKANAが手数で攻め込む。スタンプも右ストレート、右ミドルを返すが、KANAの攻勢が際立った。
判定は3-0でKANAの勝利! ONEのトップスーパースターであるKANAを撃破した。
KANAは「対戦してくれたスタンプ選手、大怪我から2年ぶりにリングに帰って来たことは本当に大きなことなのでスタンプ選手に拍手をお願いします」とスタンプを称え、「今日は自分の強みを活かして最後まで倒しに行く姿勢だったんですけれど、タフで倒れなくて。でも自分のストロングポイントを出せて良かったです」と勝利者インタビューに答えた。
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▼第7試合 ONEライト級(※77.1kg)5分3R×磯嶋祥蔵(N☆TRUST)168.2lbs 1.0014 1R 2分26秒 リアネイキドチョーク〇タイ・ルオトロ(米国)169.8lbs 1.0148
1R始まってすぐ、ルオトロがテイクダウンを奪うが磯嶋が立ち上がって打ち合いを挑む。ルオトロもパンチで応戦し、ヒザ蹴りやハイキックを混ぜてルオトロの方が前へ出る。さらにクリンチアッパー。組むとヒザ蹴りをボディへ。打撃でも圧倒。
さらに豪快な投げでマウントを奪い、ヒジを一発。磯嶋は逃れようと動くが、ルオトロはリアネイキドチョーク。タップを奪った。
完勝を収めたルオトロにはボーナスが送られた。
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▼第6試合 ONEミドル級(※93.0kg)サブミッショングラップリング 10分1R×ジャンカルロ・ボドニ(米国)202 lbs, 1.0144判定0-3〇ラファエル・ロバト・ジュニア(米国)203.4 lbs, 1.0214
1R、ボドニがロバトをケージに押し込み、一度離れる。今度はロバトがケージに押し込み、プレッシャーをかけてボドニを投げでテイクダウン。ロバトはパスガードを仕掛けていくが、ボドニは起き上がってダブルレッグでテイクダウンする。
ロバトはオモプラッタで体勢を入れ替え、ボドニはクロスガード。ケージ際でボトムをキープしたままパスを仕掛けるロバト。ボドニが足関を狙う場面もあったが、終始ロバトがボトムをキープ。ボドニにほぼ何もさせず、ロバトが勝利した。
[nextpage]▼第5試合 ONEバンタム級(※65.8kg/145lbs)ムエタイ 3分3R×ジェイク・ピーコック(カナダ/英国)144lbs 1.0074TKO 3R 0分26秒 ※左フック〇スアキム・ソー・ジョー・トンプラジン(タイ/Sor Jor Thongprajin)144.2lbs 1.0214
スアキムはルンピニースタジアムのバンタム級、スーパーバンタム級、スーパーフェザー級の三階級制覇王者で、2018年2月の『KNOCK OUT』に初来日。那須川天心への最強の刺客として大きな話題を呼んだが、那須川に5R判定負け。2019年7月には『RISE』で那須川と再戦したが、胴廻し回転蹴りで目尻を切り裂かれて流血、3R1分25秒、TKOで敗れている。 2019年12月に日本の『BOM』でチャンヒョン・リーにTKO勝ちし、BOMスーパーライト級王者になった。しかし、2020年4月に突然の引退宣言。2023年7月、ONEで現役復帰を果たして2025年8月のザファー・シャイック戦まで6勝(4KO)2敗。現在5連勝中(3KO)と好調を保っている。 ピーコックは隻腕のキックボクサー。極真空手を学び、北米選手権で優勝すると世界大会にも出場した。キックボクシング転向後は北米スーパーウェルター級王座、1Xヨーロッパ同級王座、そして2022年7月にはWBCムエタイ カナダ ウェルター級王座も獲得。 2023年に1年間にわたって繰り広げられた「Road to ONE」トーナメントで優勝し、2024年4月の『ONE Friday Fights 58』に初出場すると新城絋平を相手に全くハンディを感じさせない見事な戦いぶりで判定勝ち。2025年2月の2戦目では鈴木真治にTKO勝ちと連勝。2016年6月には『Hard Knocks Fighting Championshiip』でMMAにも挑戦しているがTKO負け。
1R、スアキムはワンツー。最初は下がっていたピーコックだったが、左ハイをヒットさせると一気にラッシュ。ピーコックは前蹴りから近付くと左ヒジから右ヒジ。左右に構えをスイッチさせて圧をかけるピーコック。ヒット数、手数ともにピーコックが優った。
2R、左ミドルを蹴るスアキムだが、ピーコックは蹴り足をキャッチしての軸足払いでスアキムを頭部からマットにコカす。ピーコックは隻腕の右ヒジ、左ストレートを前へ出てくるスアキムへ叩き込む。スアキムも右フックで前進、ピーコックはそれをブロックして左ストレートの連打、左ハイ。
スアキムが前へ出てくるとピーコックは右カーフ。それでも下がらないスアキムが左フック、右ヒジ、ヒザとどんどん攻めていく。ピーコックも鋭い技を返して押し返す場面もあるが、スアキムの攻撃の圧に下がらされる。
3R、前蹴りから前へ歩いて行くスアキムが右ストレートからの左ストレートでダウンを奪う。立ち上がったピーコックだったが、レフェリーが様子を見てストップした。スアキムはボーナスを獲得。
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▼第4試合 ONEヘビー級(※120.2kg)5分3R×竹内龍吾(King Gym KOBE)238lbs 1.0164TKO 1R 2分20秒 ※レフェリーストップ〇シャミル・エルドアン(トルコ/Kremost Fight Club)242lbs 1.0097
柔道ベースの竹内龍吾は、MMA4勝1敗。1年前にMMAを始めて、24年にDEEPで怒涛の4連勝後、25年4月にONEデビュー。ポール・エリオットに3R TKO負けで初黒星を喫した。8月にはカン・ジウォンに初回TKO勝ち。 1R、エルドアンがテイクダウンを奪うとバック、マウントからパウンドとヒジ。。竹内は抜け出そうと動くが、エルドアンは竹内の片手を持ったまま鉄槌を連打。一方的な展開となり、レフェリーがストップをかけた。
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▼第3試合 ONEライト級(※77.1kg)5分3R×青木真也(日本)49勝11敗 166.2 lbs, 1.0005TKO 2R 0分28秒 ※レフェリーストップ〇手塚裕之(日本)14勝6敗 168.8 lbs, 1.0087
青木は、MMA49勝11敗。2019年10月のONE日本大会でホノリオ・バナリオに一本勝ち以降、江藤公洋、ジェームズ・ナカシマ、エドゥアルド・フォラヤンを相手に4連勝をマークも、22年3月に秋山成勲に2R TKO負けすると、同年11月にサイード・イザガクマエフに1R TKO負け。
2連敗を喫したが、24年1月28日のONE日本大会で、セージ・ノースカット欠場の代わりに緊急出場したジョン・リネカーを相手に1R 3分、リアネイキドチョークで一本勝ちで再起。25年3月大会でエドゥアルド・フォラヤンを1R 腕十字に極めて2連勝をマークした。約8カ月ぶりの試合となる。ONEライト級(※水抜き禁止の77.1kg)が主戦場。42歳。
“ジャパニーズ・ビースト”こと手塚裕之はMMA14勝6敗。2019年にPANCRASEウェルター級王座を獲得すると、同年10月にONEデビュー。ONEでは、ONEウェルター級(※83.9kg)を主戦場に8戦6勝2敗5フィニッシュの戦績を誇る。 2021年11月のアギラン・ターニ戦から、エドソン・マルケスをともに3R TKO後、ジン・テホとアブラーオ・アモリムの両者を1R 腕十字に極め、2024年4月にヴァミール・ダ・シウバを2R ノースサウスチョークに極めて5試合連続フィニュシュをマーク。しかし、24年9月にイシ・フィティケフに判定負け後、25年2月にジャン・リーポンと178.5ポンド(80.96kg)契約で対戦し、1R TKO負けで2連敗中。約9カ月ぶり再起戦を階級を下げて戦う。35歳。
1R、青木はファーストアタックでダブルレッグ、手塚は切って離れるがすぐに青木が2度目のダブルレッグ。これも手塚が切って立ち上がる。青木は首相撲から右ヒジ、2度目の組み際には手塚が右アッパーを打つが、組んだ青木が直後に後方にテイクダウン。トラックポジションに。ケージを蹴って背中を着ける手塚に、青木はシングルバッグからツイスターの体勢になり頭を引き寄せる。両手でフレームを作る手塚は顔を遠ざける。それでも青木が両手を首に掛ける。
解除した青木は上になりレッグドラッグに。手塚の両腕を抱えた状態でのボディロック。手塚はバタフライガードから青木を蹴り上げるが、青木もすぐに乗り直す。青木が上をキープし、ヒザを押してパスガード、マウントを取る。手塚は腰を押してバタフライフックに戻すと、上の青木が右ヒジ。青木優勢のまま初回が終了した。
2R、始まってすぐに詰める手塚はワンツーを見せておいて左足を青木の右足の外に踏み込んで右ボディを見舞うと、効かされた青木がケージまで下がり、そこへ手塚が右ボディの追撃。座り込んだ青木に右のパンチを連打し、顔面へヒザを2発見舞ったところでレフェリーがストップした。
歓喜する手塚は花道を逆走し、正座しての切腹ポーズ。以前に青木が行ったパフォーマンスのオマージュだ。切腹は「青木真也を終わらせた」という意味だったという。
手塚は英語で「これは俺の階級、俺のベルト、俺の時代だ」とクリスチャン・リーへの挑戦をアピール。「ツイスターでマジで脇腹いてぇ。めっちゃ効いた。さすがレジェンド青木真也ですよ。リスペクトしています。昨日フェイスオフで乱闘でぶん投げられた時にヒジもすり切れたし、Amazonで2000円で買ったネックレスも切れちゃったのでボーナス欲しいな」とアピールしたが、今回もボーナスは出なかった。
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▼第2試合 ONEアトム級(※52.2kg)5分3R〇澤田千優(TEAM AKATSUKI)114.6 lbs, 1.0061判定3-0×平田 樹(フリー)114.4 lbs, 1.0049
ONE女子アトム級MMA5位の澤田は、MMA9勝1敗1分。レスリングで2018年東日本学生選手権フリースタイル50kg級優勝、全日本社会人選手権優勝、全日本選手権5位などの実績を持つ。2021年5月に修斗でプロMMAデビュー。リーグ戦で優勝するなど3勝1分で初代女子アトム級王者に輝いた。 2023年2月にタイで行われた『ONE Friday Fights 5』でイランのサナーズ・ファイアズマネシュを相手に2R アメリカーナで一本勝ちすると、チーム・オーヤマでの北米修行も経て、5月に米国フロリダ州マイアミ開催の『Combat Global』でアナ・パラシオス(メキシコ)にテイクダウン&パウンドで判定勝ち。 2024年3月のONE2戦目でジヒン・ラズワンに120ポンド キャッチウェイトで判定勝ちすると、5月には柔道ベースのノエル・グランジャンにも判定勝ちでONE3連勝をマークし、女子アトム級MMA3位にまで駆け上がったが、2025年1月に中国のメン・ボーに判定負け。初黒星を喫したが、25年7月の前戦で柔道ベースのマカレナ・アラゴンを1R 腕 十字に極めて再起を飾っている。 対する平田は、ハム・ソヒ、三浦彩佳、ビクトリア・ソウザを相手に3連敗を喫していたが、25年8月に、1年2カ月ぶりの復帰戦でアーティ・カトリに判定勝ちで3年ぶりの白星を掴んでいた。MMA7勝(2KO・2一本)4敗、26歳。
1R、軽快なステップで動く澤田は低い構えから左インカーフを蹴っていく。同じ動きからシングルレッグでテイクダウン、すぐにバックを奪いパウンドを見舞うと平田は背負って立ち上がる。そこから同体で倒れて平田が上を奪うが、すぐに澤田がバックを奪って右足を平田の右足にかけてのパンチ。立ち上がろうとする平田に両足をかけてさらにパンチを見舞う澤田。立ち上がった平田に、すぐバックを奪う澤田。
抜け出した平田は組みに行くが澤田にガブられて寝技へ。バックから右足をかける澤田がパンチを打って行き、平田は回転して抜け出そうとするも澤田はバックから離れずパンチを打ち続ける。バックマウントからリアネイキドチョークを狙いながら殴る澤田。1Rを一方的な展開にした。
2R、ワンツーからダブルレッグでテイクダウンを奪う澤田。またもバックから左足をかけてコントロール。平田は立ち上がってバックの澤田にアームロックも澤田が解除してバックをキープし続ける。平田をもち上げてマットに落とすとすかさず殴る澤田。
平田は腰を上げて澤田を落としにかかるが、澤田はバックをキープ。バックマウントから殴り続ける。正対しようと動く平田に澤田はすぐに対応し、バックマウントから左のパンチを連打、さらにマウントからのパウンド、再びバックマウントからのパウンド連打。一方的に殴られ続ける平田は亀になって耐える。澤田はさらにヒザを打ち込む。腰を上げて澤田を落とそうとする平田にバックをキープする澤田。
3R、パンチからすぐにダブルレッグでテイクダウンし、バックを奪って殴る澤田。ここで澤田のパンチが後頭部に当たったことでブレイクとなり、イエローカードが提示される。再開後、平田が左ストレートをカウンターで打つが、澤田は組み付いてバックを奪う。澤田は一度離れて背後からの左ハイキック、すぐにバック奪って平田をグラウンドへ引きずり込む。平田は背後の澤田にヒジ。
後ろに引き込んだ澤田は亀になる平田にヒザ、平田が立ち上がってもすぐに澤田がバックを奪ってグラウンドへ持ち込む。平田が立ち上がってもバックを奪ったままでヒザ。そしてグラウンドへ引きずり込む。立ち上がろうとした平田に澤田がガブったところで試合終了。
組んでリストを掴み、ワンフックでコントロール。ほぼワンサイドの展開で、澤田が本戦初出場で平田から勝利を収めた。
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▼第1試合 ONEバンタム級(※65.8kg)キックボクシング 3分3R×ウェイ・ルイ(中国/同級1位)143.8lbs 1.0040判定0-3〇秋元皓貴(EVOLVE MMA/POD/同級4位)114.4lbs 1.0023
秋元は2019年1月からONEに参戦し、3月のヨゼフ・ラシリ戦でプロ初黒星を喫するも、その後は5連勝で2022年3月にカピタンを破りONEキックボクシング世界バンタム級王者に。2022年11月のペッタノン戦でスプリット判定負けし、王座を失ったが試合後ペッタノンに禁止薬物の陽性反応が認められたため、ペッタノンの王座は剥奪となっている。
2024年5月、約1年半ぶりの試合となったウェイ・ルイ戦で判定負け。9月のイリアス・エナッシにも判定負けで3連敗を喫したが、2025年3月のONE日本大会でジョン・リネカーを判定2-1に破り、連敗を脱出した。
散打出身のルイは、2017年2月の『K-1 WORLD GP 初代ライト級王座決定トーナメント』でK-1初参戦。1回戦で佐々木大蔵を2R KOに下すと、準決勝でクリスチャン・スペトゥクに判定勝ち。決勝で平本蓮の左ローに苦しみながらも手数を返してスプリット判定勝ち。中国人初のK-1チャンピオンに輝いた。
その後もタイトルマッチでゴンナパー・ウィラサクレックに判定勝ちするなど、怒涛の33連勝を飾るが、2018年3月の卜部功也戦で700gの体重超過。変則王座戦の末に、卜部の左ストレートを浴びて2R KO負け。キャリア初のKO負け、約3年7カ月ぶりの黒星を喫した。K-1を離れてからは、Glory of Heroes、武林風にカムバックし、2024年5月の秋元戦でONE初参戦。2025年2月にはONEバンタム級キックボクシング世界タイトルマッチで王者ジョナサン・ハガティーに挑戦したが、判定3-0で敗れ21連勝がストップした。
前述の通り、両者は2024年5月に対戦してルイが判定3-0で勝利しているが、この判定については物議をかもし、秋元自身も納得がいっていないことを常々口にし、再戦を熱望していた。
1R、秋元は左へ動いていき、両者とも前蹴りで距離を探る。サウスポーのルイは右の横蹴りを多用。両者ミドルも蹴り合っていく。距離は遠く、秋元がワンツーで入っていくルイは打ち合わず蹴って離れる。秋元の入り際にテンカオも。
横蹴りで入りづらい秋元だが、ルイのヒザ蹴りには左フックを合わせる。秋元がワンツーから右ミドルもルイがすぐに左ミドルを返す。
2R、秋元が右ミドルを当てていくと、ルイは左ハイと前蹴り、右カーフ。前に出る秋元は蹴りをフェイントにワンツーを打つ。サイドステップも多用する秋元だが、秋元が前へ出るとルイはすぐに下がって距離をとる。ルイのヒザには左フック。
蹴って離れてを繰り返すルイに、秋元は右ミドルから右フック。しかし、ルイはテンカオで迎え撃ち、距離ができると横蹴りで突き放す。前に出てワンツー、右ミドルと攻めたのは秋元
3Rはルイがペースを上げる。秋元も左ハイ。ルイの右カーフには右ハイを返す。スピード重視のコンビネーションを回転させ、細かくヒットを奪っていくルイ。秋元は鼻血を出す。右ミドルを返す秋元だが手数が少なく、ルイがパンチと左ミドルを当てていった。
判定3-0で秋元がルイにリベンジを果たした。