MMA
インタビュー

【RIZIN】扇久保博正と1回戦で激突のトーレスが『パワーレンジャー』のヘルメットを持参した理由「自分の人生を変えてくれた」

2025/07/25 12:07
 2025年7月27日(日)さいたまスーパーアリーナ『超RIZIN4 真夏の喧嘩祭り』に出場する選手たちの個別インタビューが、25日(金)都内にて行われた。  第2試合の「RIZIN WORLD GP 2025 フライ級トーナメント」1回戦5分3Rで扇久保博正(THE BLACKBELT JAPAN)と対戦するホセ・トーレス(米国)が出席。フライ級GP1回戦最大注目カードへ向けての意気込みを語った。 このチャンスを与えてくれたのはファン ――現在の心境は? 「正直に言うと、今も疲れてますね。自分の声に現れていると思うんですけれども、ショートノーティスなオファーで準備期間が短い中で体重をたくさん落とさないといけない。ただ日本が非常に暑いので、それが体重を落とすことに関してはとても役立っていると思います。短い準備期間ではあるけれども、このチャンスを逃すわけにはいかないと考えているので。こんなチャンスはめったに来るようなチャンスではないので、このチャンスをモノにしたいなと思います。  最初にRIZINからグランプリの発表があった時には自分の名前がなくて。それ以前にRIZINと話して、いろいろと納得をした上でRIZINの方でもグランプリの出場選手を選別したと思うけれども、その後、ファンからの反響が凄かった。自分としてもSNSでいろんな理由があって自分が選ばれなかったっていうような説明をしたら、ファンからの反響が凄くてね。個人的なDMもたくさん来て大きなムーブメントにもなって凄く拡散されたので、RIZINの中でも検討し直して、また再度、征矢選手と自分が追加されてこの形になったと思います。  いま自分がここにいるのは、このチャンスを与えてくれたのはファンたちのおかげだと思っています。悟空が元気玉で『みんなの力を分けてくれ』というようなシチュエーションで、今、私はここにいられるということ。に感謝してます」 ――そのヘルメットは? 「自分が子供の頃に非常に影響を受けた『パワーレンジャー』のキャラクターです。その番組が、自分の子供の頃は自分が生きていく希望でした。この番組が、自分が空手を始めるきっかけとなりました。父親がギャングのリーダーで、兄も非常に乱暴な性格をしていたので、自分は子供の頃から自然と身を守るために戦う必要があったので、空手を習うことになったんです。  松濤館の空手で黒帯を取って、そこからMMAファイターになって。しばらくしたらこのジェイソン・デビッド・フランクさんって役者(※元MMAファイターでもある)なんですけれども、彼がフェイスブックでファンページを立ち上げて、ファンからの質問に答えていたんです。自分が大学生になった時にメッセージを送ってみて、何度か送っているうちに初めて返答してくれたんですね。  あなたのおかげで自分は今、人生を形成できていますと伝えました。その時は大学の特待生としてやっていたんですけれども、そういう会話をしていくうちにチェコで大会があるってことを伝えたら、素晴らしい話なので費用を全部負担してあげるから行ってきなさいと言ってくれて。そういったことがきっかけで、親しい関係になりました。  当時の自分は特待生だったので、仕事もない、お金もないっていうような状況で、そういう部分で大会出場の費用を全部負担してくれたことがあって。そこからアマチュアの世界チャンピオンに2回なって、UFCに入るんですけれども、UFCに入ってから初めて実際に会うことが出来て。そこでいろんな話をして、彼のヒューストンにあるジムで教えることも出来ましたし、個人的な友人として付き合うことになりました。そういった中で、彼から個人的に記念品だったりいらないものを個人的にいただいて、このヘルメットはそのひとつです。  自分は完全にオタクだったので、こういったパーソナルアイテムをもらえることが非常に嬉しかったです。そういった関係を続けていってしばらくすると、彼はその後、いろんなことがあって自死してしまうんですけれども…。そんな彼を称えて、このパワーレンジャーという自分の人生を変えてくれた番組にリスペクトを込めて、このヘルメットを持ってきました。自分にとっては本当に実際のヒーローなので、その人と一緒に戦うという気持ちで持ってきました」 [nextpage] 扇久保は後半失速するし、フィニッシュがない ――組み合わせ抽選会で、扇久保選手がトーレス選手を選んだ時に嬉しそうに笑っていたように見えた。その時の心境は? 「自分は以前にRIZINの方に戦いたい試合順を提出していて。これはSNSにも上げてるんですけれども、扇久保選手は最後でした。恐れているとかそういった意味ではなくて、一番タフな相手なので、ベストなマッチアップを最後に持ってくるのは当然だと思っていたからです。元RIZINのチャンピオンvs.元BRAVE CFのチャンピオンが決勝で戦うことがテーマとしてもいいから、扇久保選手とは最後にやりたかったと思っていました。  結果的には自分が思っていた最高のマッチアップが一番最初に来ることになったので、それはそれで割り切ろうと思ってます。おそらくこの5試合の中で、このマッチアップが一番注目されるだろうと思います。次の投票システムで、この試合に勝った人間がリザーバーになることは絶対にないと思います。そういった部分では期待感はあるんじゃないかなと思っていますね。  あとは一番タフな相手なので。今回はショートノーティスだった部分もありますし、体重もたくさん落とさなければいけない。体重をたくさん落とすことは、パフォーマンスに影響が出る可能性があるので、しっかりと体重を落とし、リカバリーもちゃんとやらないと、パフォーマンスに影響してしまう。対戦相手が凄く強いからこそ、今回の体重はしっかりと完璧に落とさなければいけないという覚悟が決まりました。本当に決まった瞬間から1mmも気が抜けない、ファイトキャンプが始まってすべてを完璧にこなさければいけないって覚悟が決まったので、逆に自分としてはすごく気が引き締まりました。  例えるなら、刑務所に入った時に一番最初にナメられないように、一番その中でデカくて強そうなヤツをぶっ飛ばす、そうすると他のヤツらにもナメられないので。このトーナメントの中では、自分は名前があって実績もある。そういう相手を扇久保選手が自ら選んできたということに対して、凄くリスペクトしていますし、彼も自分を倒して自分の価値を上げたいんだろうなと思ってます。マッチアップしては非常に面白い試合になると思います」 ――どんな試合展開をイメージしている? 「この試合は非常に早い展開の試合になると思います。みんな知ってると思うんですけど、自分はスロースターターで、彼は試合開始から動きが良いと思うが後半は失速するという傾向があるので、真逆な感じだと思います。そしてRIZINの判定基準が(ラウンドマストではなく)全体で見るっていう部分が非常に自分にとっては有利に働くのかなと思います。扇久保選手は後半失速するし、フィニッシュがないので、自分としては前半を耐えれば後半から自分のペースに持っていけると思っています。  そして彼は絶対に自分とのレスリングの展開になると思います。というのも、自分の試合を見てもらえばわかると思うんですけれども、自分はものすごくプレッシャーをかける選手です。扇久保選手はそういったプレッシャーに対して、後半、非常に苦手意識を持っていると思います。扇久保選手はエゴが入ってしまって最後は打撃で勝負してくる。そうすると結局、非常に僅差の判定になって1Rと2Rのおかげで今まで勝てているというのが自分の分析です。自分としては彼が打撃戦に持って行くのであれば、カウンターを打って常に前にプレッシャーをかけ続けることで、扇久保選手はレスリングをせざるを得ないような状況になると思います。  例えば、コナー・マクレガーとネイト・ディアスの時と一緒で、コナーが打撃戦で圧に負けて自分からテイクダウンを仕掛けた。この試合もそういった展開になるんじゃないかなと思う。自分としては打撃でのエゴの打ち合いを避けて、レスリングの勝負をすることになるじゃないかなと思います」
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