ダイヤモンドはプレッシャーの中で生まれる。俺はそういう状況で輝く。アンダードッグでいることが、俺の強さだよ
──この20年近く、MMA界に大きな影響を与えてきましたが、引退後にどんな形でスポーツに関わっていくつもりですか?
「スポーツに恩返しはしたい。でも、ゼロからジムを開いて子供たちに教えるっていう情熱は正直あんまりない。今は、すでにキャリアのある選手にちょっとしたアドバイスをしたり、何か加えたりするのが好きだ。それに、ESPNの解説席とか、そういう形でスポーツに関わるのも楽しいと思ってる。完全に離れることはないよ。アメリカン・トップチームにも通うつもりだ。俺にとって格闘技はライフスタイルだから。髪が真っ白になって、股関節がぶっ壊れるまでマットには立ち続けるつもりだ」
──キャリアを振り返って、MMA界に残したいものは?
「俺の名前が対戦一覧に載った時、みんな“これは絶対に激闘になる”って思ってくれる。それが俺のスタイルだ。ごまかしはしない。与えられた状況の中でできる限りの準備をして、全力で戦ってきた。だから、俺のことは“戦士”として覚えていてほしい」
──あなたの試合以外のことを少し聞かせて下さい。イリア・トプリア(ライト級王者)がチャールズ・オリベイラ(ライト級3位)をKOした時は、どう思いましたか?
「別に“絶対ない”とは思ってなかったけど、やっぱり驚いたよ。みんなもそうだろ? チャールズがあんな風に倒されるのは初めてだったし。止められたことはあっても、完全に意識を飛ばされたのは見たことがなかった。それに、イリアの連勝もすごい。俺もファンだし、あいつの試合は必ず観てる。言った通りのことを全部やってるし、まだ若い。無限の可能性があると思う。あいつは本物だ」
──イリアの次の相手は誰がいいと思いますか?
「ライト級はトップがずっとごちゃごちゃしてるからな。ジャスティン・ゲイジー(ライト級4位)がいいんじゃないか。もしイスラム・マハチェフ(前ライト級王者で、ウェルター級に転向予定)が勝ったらウェルター級でイスラムと戦うって話もあるけど、正直それは無茶だろ。イスラムはデカいし、イリアはそんなに大きくない。でも、あいつなら誰でも倒せる力はあるし、45kgから170kgまでどこでもKOできる。でもああいう体格で、あのレベルのレスラーと戦うのは未知数だろ。まずはライト級で防衛戦を何回かやるべきだな」
──じゃあ、イスラム・マハチェフがウェルター級に上がることについては?
「あいつはデカいから、ウェルター級でも問題なくやれると思う。階級を上げれば、減量のストレスも減るだろうし、きっとあの階級に馴染む。王者になれる力は十分にある」
──ジャック・デラ・マダレナ(ウェルター級王者)と戦ったら?
「試合の最初の数分がすべてを決めると思う。ジャックがどれだけテイクダウンから立てるか、どれだけイスラムを自分から引き離せるか。ジャックはデカいし、アスレチックだから面白い試合になると思うよ。楽しみだ」
──最後の試合、地元に戻ってきて、ホロウェイとの三戦目。しかもBMF王座がかかってる。これに勝ったら、どんな気持ちになりますか?
「夢が叶ったって感じだろうな。ルイジアナで最後の試合、そこでグローブを置く。UFCデビュー戦ではリル・ウェインの曲で入場したし、ラストもウェインと一緒に歩く。この夢を追いかけて、家族には素晴らしい人生を与えられた。自分自身も多くを学び、ビジネスを築き、生涯の仲間を得た。ルイジアナで勝ってBMFのベルトを巻いて、自分の州に飛行機でなく車で帰る。まさに絵に描いたような結末だよ。もし勝てたら、俺は永遠にBMFだ」
──“ザ・ダイヤモンド”というニックネームに込めた意味は?
「このあだ名は元UFCファイターのティム・クレイダーがつけてくれたんだ。アマチュア時代もプロになってからも、しばらくはニックネームなしで戦ってたんだけど、ある日ティムが“ダイヤモンド”って言ったんだ。ダイヤモンドはプレッシャーの中で生まれる。俺はそういう状況で輝く。アンダードッグでいることが、俺の強さだよ」



