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【UFC】42歳の“ワンダーボーイ”トンプソン「一番大事なのは“自分がどこまで強くなれるか”。新世代に“今の自分”をぶつけることが、自分なりのバトンの渡し方」×27歳ボンフィム「ワンダーボーイの試合を見て育ったんだ」

2025/07/13 04:07
【UFC】42歳の“ワンダーボーイ”トンプソン「一番大事なのは“自分がどこまで強くなれるか”。新世代に“今の自分”をぶつけることが、自分なりのバトンの渡し方」×27歳ボンフィム「ワンダーボーイの試合を見て育ったんだ」

(C)Zuffa LLC/UFC

 2025年7月12日(日本時間13日朝7時~)米国テネシー州ナッシュビルのブリジストン・アリーナにて、『UFC Fight Night: Lewis vs. Teixeira』(U-NEXT配信)が開催されている。

 メインのヘビー級で、UFC史上最多KO記録保持者のデリック・ルイス(米国)と、UFC2戦目ながらMMA8戦8勝(7KO・1一本勝ち)の全フィニッシュ勝利中のタリソン・テイシェイラ(米国)が対戦する同大会。

 コメインのウェルター級ではベテランとなった“ワンダーボーイ”ことスティーブン・トンプソン(米国)が、2連勝中のボンフィム兄弟の弟・ガブリエル・ボンフィム(ブラジル・27歳)と対戦する。

▼ウェルター級 5分3R
スティーブン・トンプソン(米国)17勝8敗(UFC12勝8敗)170.5lbs/77.34kg
ガブリエル・ボンフィム(ブラジル)17勝1敗(UFC4勝1敗)171lbs/77.56kg


(C)Zuffa LLC/UFC

 UFC最年長42歳のトンプソンは、元タイトル挑戦者。打っても打たれない巧みな打撃で、22年12月にケビン・ホランドにTKO勝ちで2連敗から再起も、23年12月にウズベキスタンのシャフカト・ラフモノフに2Rリアネイキドチョークで一本負け。24年10月の前戦では、ウェルター転向後4連勝中のホアキン・バックリーを相手に1、2Rを優勢に進めるも、3Rに逆転のTKO負け。今回は約2年半ぶりのノーランカーとの対戦となる。

 対するガブリエル・ボンフィムは、同じUFCファイターの兄イスマエルの実弟。ボクシングベースで、17勝のうち3KO・13一本勝ちのフィニッシャー。LFAでの2連勝を経て、DWCSに出場し、ヴォンフルーチョークで一本勝ちでUFCと契約。UFCでは4勝1敗。UFC2連勝後、23年11月にニコラス・ダルビーに2R 逆転KO負けで初黒星も、24年7月にアンジュ・ルーサに判定勝ちで再起を遂げた。25年2月の前戦ではケイオス・ウィリアムスに2R ダースチョークで一本勝ちしている。27歳。

 U-NEXTから届いた両者の会見での一問一答を紹介したい。

「新しい世代には『勝ちたいなら、自分に勝ってみろ』と思ってる」

(C)Zuffa LLC/UFC

──トンプソン選手、多くの記者が集まっています。

「本当、すごい人数ですね。ちょっとびっくりしてます。いい意味で(笑)」

──今回の試合の対戦相手のガブリエル・ボンフィム選手は連勝を重ねている良い選手ですが、トンプソン選手のこれまでの対戦相手と比べるとレベルが違うようにも感じます。

「そうですね……自分が今の位置に来られたのは、ジェイク・エレンバーガー、ジョニー・ヘンドリックス、ローリー・マクドナルドといった選手たちが、当時まだランキングが低かった自分にチャンスをくれたからです。

 最近は、ランキングを守りたがる選手が多いけど、自分はそういう若手にチャンスをあげたいタイプなんです。ビセンテ・ルーケ、ジェフ・ニール、ケビン・ホランドともやりましたし、それが自分のモチベーションにもなってる。プレッシャーにもなるけど、いい刺激になってます」

──ガブリエル・ボンフィム選手が「自分はトンプソン選手の試合を観て育った」と話していました。それについてどう感じましたか?

「最高ですね、ほんとに。自分の地元には自分の動きを見てる子どもたちが600人くらいいるんです。そういう子たちに見られてるだけでも光栄なのに、UFC選手の中にも『影響を受けた』っていう選手がいるのは、本当に嬉しい……でも同時に“歳を取ったなあ”って感じもしますけど(笑)。でもやっぱり、嬉しいですよね」

──今回、オッズでは大きなアンダードッグとされています。気にされてますか?

「いや、まったく気にしてないです。そういう数字は昔から見ないようにしてきたので。自分が土曜日にやるべきことは分かってるし、長年この競技に関わってきた経験もある。それに、自分はいまUFCで最年長(42歳)の選手なんですよ。それもある意味クールですよね」

──対戦相手のガブリエル・ボンフィム選手の印象を。

「ガブリエル・ボンフィムは危険な選手で、特にダースチョークが強いです。あの絞めはまるで体を真っ二つにされそうな感じです(笑)。でもそのために万全の準備をしてきました。ローリー・マクドナルドも来てくれたし、ロレンツ・ラーキンとも良いキャンプができたので、準備は完璧です」

──ちょっと早い質問かもしれませんが……理想の引退試合を考えることはありますか。

「うーん、引退試合で誰と戦いたいかっていうよりも、“どこでやりたいか”っていうのはあります。ホワイトハウスで試合できたら最高ですよね(笑)。今みんな言ってますけど、マクレガーも『オクタゴンに戻ってホワイトハウスでやる』って言ってたし、自分もその場にいたいと思ってます。でもまあ、今はこの試合に集中してますし、契約もあと2試合残ってるので、それをしっかりやり遂げたいです」

──イスラム・マカチェフ選手がウェルター級に来たとして、仮にトンプソン選手がJDM(ジャック・デラ・マダレナ)に勝った場合、次は誰と戦うべきだと思いますか?

「タイトル戦ですよ、間違いなく。正直、トップ5にいる選手たちは怒ってるんじゃないですか? イスラムがウェルターに上がってきて、すぐチャンスをもらえるなんて納得いかないと思う。本来なら、もっとふさわしい選手がいるはずだし、自分だったら、“あと1、2試合やって、まだチャンピオンだったら階級を上げよう”って考えますね。イスラムにとっても、これは厳しいマッチアップだと思いますよ。JDMはテイクダウンディフェンスが強いし、体も大きい。自分がミドル級でクリス・ワイドマンとやるようなもんで、相手がデカすぎる。そんなのやらないですよ、自分なら。

 JDMがベラル・ムハンマドからベルトを取ったわけですけど、ベラルもイスラムに似たスタイルですからね。でもベラルはレスリングを出しきれなかった。JDMのテイクダウンディフェンスはほんとに素晴らしかった。フィジカルも強くて、パンチも重い。イスラムにとっては、かなり危険な相手ですね」

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