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インタビュー

【ONE】澤田千優、再起戦で難敵アラゴンと対戦。伊澤星花とも練習し、「一本勝ちも狙う」=7月12日(土)『ONE Fight Night 33』

2025/07/10 09:07
【ONE】澤田千優、再起戦で難敵アラゴンと対戦。伊澤星花とも練習し、「一本勝ちも狙う」=7月12日(土)『ONE Fight Night 33』

 2025年7月12日(土)にタイの首都ルンピニースタジアムで開催される『ONE Fight Night 33』(U-NEXT配信)の女子アトム級MMAで、マカレナ・アラゴン(アルゼンチン)と対戦する同級5位の澤田千優(日本)がONE公式のインタビューに現在の心境を語った。

▼ONE女子アトム級(※52.2kg)5分3R
澤田千優(日本/TEAM AKATSUKI)8勝1敗1分
マカレナ・アラゴン(アルゼンチン)4勝1敗

 ONE女子アトム級MMA5位の澤田は、MMA8勝1敗1分。レスリングで2018年東日本学生選手権フリースタイル50kg級優勝、全日本社会人選手権優勝、全日本選手権5位などの実績を持つ。2021年5月に修斗でプロMMAデビュー。リーグ戦で優勝するなど3勝1分で初代女子アトム級王者に輝いた。

 2023年2月にタイで行われた『ONE Friday Fights 5』でイランのサナーズ・ファイアズマネシュを相手に2R アメリカーナで一本勝ちすると、チーム・オーヤマでの北米修行も経て、5月に米国フロリダ州マイアミ開催の『Combat Global』でアナ・パラシオス(メキシコ)にテイクダウン&パウンドで判定勝ち。

 2024年3月のONE2戦目でジヒン・ラズワンに120ポンド キャッチウェイトで判定勝ちすると、5月には柔道ベースのノエル・グランジャンにも判定勝ちでONE3連勝をマークし、女子アトム級MMA3位にまで駆け上がったが、2025年1月の前戦で中国のメン・ボーに判定負け。初黒星を喫している。

 7月の再起戦の相手のマカレナ・アラゴンは柔道ベースでMMA4勝1敗。2024年11月のONEデビュー戦で三浦彩佳に一本負け。2025年4月の前戦では、ONEアトム級(※52.2kg)の試合で54.4kgの大幅体重超過。キャッチウェイト戦でジヒン・ラズワンに判定勝ちしている。

 前蹴りから圧力をかけて組むアラゴン。グラップラーでも組みが異なる両者。再び上位を目指す澤田にとっては、ランキング外のアラゴンに負けられない試合となる。試合に向け、澤田は「先手を打って、相手に出させない展開に」と語った。

得意な展開に持っていくために──

──前回のメン・ボー戦を振り返ってください。

「メン・ボー戦は、ストライカーvs.レスラーという形で自分自身だけでなく周囲からも見られていたので、その分レスリングをやり切らないといけないという気持ちで取り組んでいました。実際、試合をやってみて思っていた以上に自分の形が通用せず、相手が対策をしっかりやっていて、やられてしまって。いい面も悪い面も、悪い面が多いんですけど、すごい勉強になった試合です。自分のレスリングがやり切れなかったのは凄く悔しかったので、悔しい分、いい経験になったと思います」

──澤田選手はタックルからテイクダウン、トップコントロールしながらパウンド、もしくはサブミッションを極めるのが、必勝パターンかと思いますが、メン・ボー戦はどの様な試合展開のイメージで挑んだのですか?

「作戦的には、最初から打撃からタックル、テイクダウンを取り切って、トップ取ってというイメージは1ラウンド目からしていました。でも、1ラウンド目が作戦通り行かなかったので、自分の中で作戦通りに行かなければいけないという焦りもあって、2ランド目以降もテイクダウンをすごい狙いに行って、3ラウンドを使い切った感じになりました」

──確かに、今まで以上にテイクダウンを取りに行く姿勢が感じられましたが、メン・ボーのテイクダウンディフェンスは固かったですか?

「そうですね。構えの形にしてもそうでした。常にアッパーを狙って、構え自体がディフェンスに徹していたので、メン・ボー選手自体が攻めに転ずる形ではなくて、全部ディフェンスした感じで、それがひしひし伝わっていて。その中で、自分が飛び込んだ時に、相手のパンチが来るなっていうのとか、そのヒリヒリする感じだったりとかを対峙してみて、プレッシャーだったりとか、打撃の圧だったりを感じました」

──その中で自身のパフォーマンスで良かった点、手応えを感じた部分は?

「試合前にイメージしていたのが、相手のスタンド打撃を一発でも貰ったら効いてしまう、一発でも貰ったらヤバイと考えながら練習をして、その打撃に一歩も下がらなかったこと。グラウンド状態でパンチをもらってしまったんですけど、パウンドですごい殴られちゃったんですけど、スタンド状態でクリーンヒットでパンチもらうってことはなかった。逆にスタンドでパンチを自分が当てたのを少し感じたので、スタンドでの打撃の展開は自分が思っていた以上に出せたかなと思います。その一方でもう少しスタンドで見せられないと今後キツイよなっていうのは反省としてありました」

──メン・ボー選手、左目下をかなり大きく腫らしていましたよね。

「そうですね。私はおでこが腫れちゃったんですけど、彼女の顔の方が私より腫れていました。多分、グラウンドで下から私がヒジを出した時に当たって、2ラウンド目あたりにもう目が腫れていました」

──結果は惜しくも敗戦となりますが、次に繋がる手応えや課題も見つかった試合だったのですね。そこから約半年が経ちましたが、今はどの部分を強化できていると感じますか?

「トータル的に自分の得意な部分を活かすMMAの練習をしてきたので、前戦以上に、いかに自分の得意な展開に持っていけるかっていう、スタンドでの打撃だったり、強化してきた部分をしっかり出していきたいです」

──これまでの話を伺っていると、スタンド打撃にかなり自信がついた印象があります。自身の戦い方が、これまでのレスラーという戦いから、トータルなMMAファイトに移行している実感はありますか?

「実感は試合を通してじゃないと。いかに練習とかで出せても、試合で出せなかったら意味がないので。そのための試合だと感じます。今回の試合で、そのMMAのレスリング、トータルスキルが上がっているところを見せられるように、自分でも実感するために、しっかりとやることやって勝ちに行かなければいけないと思っています。勝たない限りはその実感は湧かないです」

──そういう意味では、今回の試合は自分の成長の実感だったり、それを証明する機会になる訳ですね。

「そうですね」

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