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インタビュー

【Krush】元プロボクシング日本王者がOFGマッチ、悠斗「MMAでトップを獲りたい。ボクシング、キック、K-1、ムエタイ、そしてMMAでも王者になったら、それこそ世界で僕だけだと思う」

2025/06/25 11:06
 2025年6月27日(金)東京・後楽園ホール『Krush.177』にて、Krush初のオープンフィンガーグローブマッチが7試合行われる。  Krush-OFGバンタム級3分3R延長1Rで、第2代KNOCK OUT-REDスーパーフライ級王者・心直(REON Fighting Sports GYM)と対戦する第3代Krushフライ級王者・悠斗(HUNGRY GYM)のインタビューが主催者を通じて届いた。  悠斗こと高橋悠斗は、元々はキックボクサーで2011年に国士舘大学所属として全日本学生キックボクシング連盟のフライ級王者となっている。プロデビュー後はNJKFの上位ランカー(最高2位)として活躍したが、2014年にボクシングへ転向。2019年10月に世界ランカーでもあった王者・堀川謙一を破り、日本ライトフライ級王者となった。しかし、2020年3月に決まっていた初防衛戦が新型コロナウイルスの影響により度々延期に。気持ちが切れてしまい、4月にタイトル返上と現役引退を発表。プロボクシングの戦績は11勝(5KO)4敗。  2021年6月にキックボクシングに復帰し、『KNOCK OUT』で白幡裕星に判定負け。2022年9月にはWMC日本ライトフライ級王座を獲得している。2023年7月のKrush初参戦で松葉斗哉を左フックでなんと9秒でKOした。10月には王者・大鹿統毅を47秒でKOし、第3代Krushフライ級王者に。しかし2024年1月の初防衛戦で大夢にKOで敗れ、7月の再起戦でも安尾瑠輝にKOされ連敗。今回は約1年ぶりの再起戦となる。戦績は22勝(11KO)15敗4分。自らを“KO体質”と称している。 じゃあ死ぬまでやろうよ ──5月28日の記者会見で、心直選手と直接のやりとりがありました。あの会見では何を感じましたか? 「まあ『痛いヤツ』というか。あの周りの子たちも含めて、今っぽいと言えば今っぽいですけどね。でも昔だったら、あんなことやってたら怖い会長とかからもっと怒られてただろうし。『何がしたいんだろう? 痛いヤツだな』と思ってましたけどね、最初は」 ──対戦相手としては、どう思っているんですか? 「相手はバンタム級でひと階級上だし、もともとはやる必要のない相手ですよね。でもこうやってオファーが来るというのは何かの縁なんでしょうし、こうやってSNSが普及したタイミングで、僕みたいに30歳を過ぎた選手と、彼みたいな今風の選手が対戦することに何か意味があるのかな、というのは感じますけどね」 ──自分の時代を代表して戦う? 「別に『代表』っていうつもりはないですけどね(笑)。ただ単に気に食わないってだけで。あ、『気に食わなかった』という感じですかね。向こうは分かんないですけど」 ──一方で、ご自分のこの試合へのテーマがありますよね? 「そうですね。伝えたいことはいっぱいありますけど、何より『勝つ』というのが今回の一番のテーマですね。僕もプライベートでもいろいろあったし……でも極端な話、心直選手には過去の自分を見ているような気がするんですよ。僕もチャンピオンになった時、『さあ、プロモーションに力を入れよう』と思ったことがあったんです。そしたら、やっぱり勝てなくなって。それどころかどんどんドツボにハマって。今回、彼とやることになって、『昔の自分もそういう時があったな』と」 ──そうなんですね。 「今回、VASILEUSさんにも出稽古に行かせてもらってるんですけど、トップの選手たちとやらせてもらっていると、余計なことをやってるヒマはないんですよね、やっぱり。プロモーションに力を入れて、本来の自分じゃないことをやったり、無理をしたり、数字を追ったりしていたら、僕がKrushで2回、秒殺KOをやった時みたいなパフォーマンスは出せないんですよ。だから今回は前に比べたらPRとかも全然できてないんですけど、その分練習に集中できてますし、もう一度いろんな人に協力してもらってトップの選手たちを目の当たりにして、『やっぱりこれが本来あるべき格闘家の姿だな』と思ってますね」 ──それを、試合の中ではどう出したいですか? 「僕が負けた2試合、何で負けたのか今イチ分かってなかったんですけど、その理由も今は分かりましたし。本来の自分の強みだったり『こうすれば秒殺できるよね』というものだったりというのが理論としてしっかり分かったところがあるので、そこにハメていきたいですね。スパーリングはバンタムのチャンピオンの黒川瑛斗選手にもやってもらいましたし、この前もたまたまRISEの田丸辰選手にも手合わせしてもらって、そういういろんな選手にアドバイスをいただいたりもして、今回は本当にチーム一丸となって作り上げているので、それをしっかり出したいですね」 ──その先、何か描いているものは? 「この前、K-1の事務所に行って宮田充プロデューサーとも話したんですけど、自分はMMAに移行したいという気持ちがあるんですよ」 ──会見でも話していましたね。 「はい。だからオープンフィンガーグローブ(OFG)でのキックボクシングもいいですし、今回の結果次第ではベルトにも近づけると思うんですけど、正直、1回獲ったベルトなんですよね。もう1回取り返したいという気持ちもなくはないんですけど、MMAでトップを獲りたいという気持ちが強くて。ボクシング、キックボクシング、K-1、ムエタイ、そしてMMAでもチャンピオンになったら、それこそ世界で僕だけだと思うんですよ」 ──それは間違いないですね。 「それでこそ本当に『総合格闘家』ですよね。そういうところを最終目標にしてやってますね、今は」 ──それも、そんなに時間をかけてというわけでもないですよね? 「今32歳なんですけど、長くても37までかなと。でも、それだとあと5年もあるんですよ(笑)。とはいえ、内心では焦ってますよ。若い子たちも強いのがどんどん出てきますし。でも40戦やってきた僕がしのぎを削ってきた環境とは、今はちょっと違うなとも思っています。『格闘技って、こういうものだよね』というものが僕の中にはあるので、それを今回はぶつけたいと思っています」 ──なるほど。 「僕は格闘技で有名になりたいとか思ってないんですよね。自分の会社でやってる仕事も順調だし、格闘技でここまで生活することができて、自分のジムもあるので。『有名になりたい』とか、そういう目的のためにやるとうまくいかないというのも、経験として分かりましたし。やっぱり単純に強くなりたいと思うので、寝ても立ってもやれるMMAでその強さを証明したいんです。生きる証明ですよ」 ──「証明」ですか。 「いろんな種目で3つもベルトを獲って、ここまで来たらもう『やろうよ』というだけ、という感じですね」 ──では最後に、今回の試合への“決意”を教えていただけますか? 「『殺す』って言われましたからね(笑)。まあ、いいんじゃないですか。『じゃあ死ぬまでやろうよ』って感じですね。そういう戦いの方が好きですし、そういう戦いの方が得意なので。あとOFGなので、『ホントに殺し合いなんかできんの?』って感じですけどね(笑)。彼はケンカなんかしたことないんじゃないですか? だから絶対に、素手で殴り慣れてるのは俺の方だし、彼は一発殴られたら怯んじゃうんじゃないですか? 分かんないけど(笑)。ホントに、俺に『殺す』って言った意味をよく考えといた方がいいんじゃないの、って感じですね」
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