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インタビュー

【RIZIN】榊原CEO、BDとしぞうに「世間を拳ひとつで変えたいと思ったら、今日のパフォーマンスでは無理」。鵜澤悠也「勝つのが当たり前と思っていた」×としぞう「自分はあのレベルなんだって……」

2025/06/19 21:06
 2025年6月14日(土)北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナにて『RIZIN LANDMARK 11 in SAPPORO』が開催され、第2試合に『BreakingDown』常連選手のとしぞう(サイガジム)が出場。K-1・Krushファイターの鵜澤悠也(RIKI GYM)と対戦し、鵜澤がとしぞうを完封。試合後、鵜澤は「勝つのが当たり前と思っていた」と淡々と語り、としぞうは「自分ってあのレベルしか出せないんだ」と号泣した。 ▼第2試合 RIZIN キックボクシングルール 55.0kg契約 3分3R×としぞう(フリー/BreakingDown)[判定0-3]※27-30、29-28×2〇鵜澤悠也(RIKI GYM/K-1 GROUP)  大会後、榊原信行CEOは、試合前からビッグマウスだったとしぞうについて、「その話題性、BreakingDownを含めて──まあ今回も出ることにあたって、いろいろ契約違反とか、いろんな話もあったりとか、ケージの外での話題はもう充分だと思っていて、あとはケージの中、パフォーマンスで言わせるしかないですよね。今日の試合でとしぞう選手がどういう発言をこの場でしたのか分からないけど、僕は見ててとしぞうが、そういう逆境を乗り越えて、いろんな周りの外野の雑音も乗り越えて、“この試合で俺はこれが見せたかったんだ”っていうものは全く伝わってこなかったんで。笑ってリングを降りるっていうのは、なんかニヤけてる感じもしたし……『じゃあ榊原さん、やってみろ』っていう風に言われちゃうと僕はできないんだけど、世間を格闘技、拳ひとつで変えたいと思ったら、今日のパフォーマンスでは、無理です。僕にはその覚悟とかが伝わらなかったので。僕に何て噛みつかれてもいいんですけど、もう結果が全てだから。  勝ったとか負けたとかじゃない。それもルールミーティングの前とかでも、選手に言うように、勝ち負けじゃなくて、本当に第四の審判はお客さんだから、お客さんが『負けたけど、としぞうはすごかった』とか、『負けたけどいいよ、お前また見たいよ』って言ってくれるかどうか。それには今日は届いてなかったなって気がするので。ちょっと(才賀)紀左衛門と、しっかりチームで反省して、今日で終わりではないんでね。またチャレンジして来てほしいというふうに思っています」と、出直してほしいとダメ出し。  さらに、BreakingDown勢の起用については、「別にBreakingDownの選手を使いたいとか、人気があるとか、話題性があるとかっていう──それで使うんだったら、もうBreakingDownをやった方が早いじゃないですか。だからBreakingDownを一つの登竜門として、富澤(大智)選手でもいいんですよ。BreakingDownにも出ていた。だけど、その中でやっぱり格闘技の頂点というか、もう少し最高峰を目指して、本気で格闘技で生業を立てていくんだっていう思いを持っている、それを実行できる選手はBreakingDownで人気を先に手に入れて、RIZINに乗り込んで来てもらうっていうのはウェルカムですけどね」と、格闘技への本気度が問われるとした。  試合後の両選手のコメントは下記の通り。  鵜澤は、小学5年生でボクシングを始め、アマチュアボクシングの強豪校で知られる習志野高校・東洋大学で活躍する。キックボクシング転向後は第27回K-1アマチュア・チャレンジAクラスで優勝。2019年にABEMAの『格闘代理戦争』に出演し“ビッグマウス”として注目を集める。2020年2月にKHAOSでプロデビューし、同年9月のKHAOSで行われたワンデートーナメント「DREAM KHAOS」では2連続KO勝利で優勝。しかし、その後は3連敗を喫し、2023年6月に白幡太陽から勝利するも、その後は2025年4月の板橋武留戦まで4連続KO負け中。戦績は3勝(2KO)8敗。  としぞうは『BreakingDown』の常連出場選手。ボクシング経験6年で、2022年7月からBreakingDownに出場し、2025年3月まで9戦3勝6敗。2023年2月には皇治の『NARIAGARI』に出場し、元キックボクシング2冠王の矢島直弥に判定勝ち。2024年10月の『RIZIN』に初出場するとMA日本バンタム級王者JINに判定負け。  試合は、序盤からサウスポーの鵜澤が左ストレートを当て、前に出るとしぞうにカウンターをヒット。左右フックを強振するとしぞうにクリーンヒットを与えず、鵜澤が左ハイとミドル、前蹴りで制して判定勝ち。としぞうを空転させて勝利した。 鵜澤悠也「最低ラインで勝った。内容は最悪」 ──試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。 「まあ、あんま嬉しくないというか、勝つの当たり前と思っていたので、勝ったんですけど最低ラインで勝ったみたいな、その内容がもう最悪だったんで、ちょっとダメだったなと思ったっすね」 ──当初の計画、作戦はどのようなものだったのですか。 「本当に、足も腹も効かせてもっとバチバチ来るかなと思ってたんですけど、付き合わずにもう、足と腹を効かせながら、自分の距離で戦うっていう想定でしたね」 ──ただ、思ったよりも効かなかった? 「いや、効かなかったっていうより自分が相手に合わせかけちゃったというか、ちょこちょこ付き合っちゃったなっていうのもあります」 ──としぞう選手と実際に戦った印象として、戦う前と違ったことがあれば教えてください。 「うーん、まあ……、そんなに変わんないかなって感じですね」 ──初参戦のRIZINの舞台はどんな印象でしたか。 「会場も大きかったし、自分自身舞い上がってすごい楽しさと緊張の半々みたいな感じでいい時間を送れました」 ──試合を終えたばかりですが今後の展望・目標を教えてください。 「僕はKrushというK-1の団体で戦ってて、やっぱそこでベルトを獲ることしか今正直、頭にないんで、そのためにももっともっと強くなんなきゃいけないなって思ってます」 [nextpage] としぞう「格闘技で悔しい思いをしたので、格闘技で晴らしたい」 ──試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。 「……まあ自分自身に失望しました」 ──試合の判定結果に不服でしたか? 「試合の結果云々は、もちろん負けたことも悔しいですけど、それよりも試合内容だとか、なんか、自分は格闘技をやって、こういう内容になってしまったのももちろん悔しいですね。試合結果ももちろん悔しいんですけど、それより内容が悔しいですね」 ──鵜澤選手と実際に戦った印象として、対戦前とイメージの違うところがあったら教えてください。 「何も変わらないです」 ──RIZINの本戦に出場したことで、公式のスケジュールをこなしたり公開計量を経験しましたが、そういった経験を振り返っても今は試合結果への悔しい気持ちのほうが大きいでしょうか。 「試合結果はもちろん悔しいんですけど、自分自身にこう……、やってきたこととか、自分ってあのレベルしか出せないんだ。とか、自分はあのレベルなんだっていうのは、もちろん世間のみんなはそう言っていましたけど、自分には自分が期待していたので、(泣きながら)それが悔しいっスね」 ──試合を終えたばかりですが、今後の展望・目標を教えてください。 「今はないっス」 ──自分がこの試合に向けて準備してきたことの何割くらい出せたか、手応えを教えてください。 「そこは僕も思っていて、自分は8割くらい出せたかなとは思っていて。ただやっぱそこで、出せたことは出せたんですけど、突き詰められなかったっていうのが、自分のなかで課題かなと思ったんで。練習の結果、スパーリングとかやっていても感触がよかったので、今回行けるなと自信がすごいあったんですけど……、そうですね、練習の内容が出せたかというと7、8割出せたかなと思うけれど、残りの3割がデカかったかなって」 ──逆に、積み上げてきたことが間違ってなかったということは確かめられたということですか。 「そうですね。本当に、サイガジムに入らせてもらって朝から晩まで格闘技やってて、間違ってなかったです」 ──この悔しさをまたRIZINで晴らしたいですか。 「そうですね、格闘技で悔しい思いをしたので、格闘技で晴らしたいです」 [nextpage] 『RIZIN LANDMARK 11 in SAPPORO』試合後インタビュー集 ▼第15試合 RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R ※選手名から試合後会見〇ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)[判定3-0]×木村柊也(BRAVE) ▼第14試合 RIZINライト級(71.0kg)5分3R〇堀江圭功(ALLIANCE)[1R 4分50秒 TKO]×西川大和(西川道場) ▼第13試合 RIZINフェザー級(66kg)5分3R〇イルホム・ノジモフ(ウズベキスタン/ Tiger Muay Thai)[1R 2分09秒 KO] ※右前蹴り×新居すぐる(HI ROLLERS ENTERTAINMENT)▼第12試合 RIZINフェザー級(66kg)5分3R×山本空良(パワーオブドリーム)[判定0-3]〇鈴木博昭(BELLWOOD FIGHT TEAM) ▼第11試合 RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R〇ビクター・コレスニック(ロシア/Tiger Muay Thai/Kuznya)[1R 4分34秒 TKO]×SASUKE(MASTER JAPAN TOKYO)▼第10試合 RIZIN WORLD GP 2025 ヘビー級(120.0kg)トーナメント1回戦 5分3R〇アレクサンダー・ソルダトキン(ドイツ、ロシア/SPITFIREGYM in Berlin)[判定3-0]×プリンス・アウンナラー(フランス/Free Fight Academy) ▼第9試合 RIZINバンタム級(61.0kg)5分3R〇後藤丈治(TRIBE TOKYO MMA)[判定3-0]×鹿志村仁之介(BatlleBox) ▼第8試合 RIZINヘビー級(120kg)5分3R〇シナ・カリミアン(イラン)[判定3-0]×荒東“怪獣キラー”英貴(パンクラス大阪稲垣組) ▼第7試合 RIZINストロー級(52.50kg)5分3R×ソルト(マルスジム)[判定0-3]〇万智(67ジム) ▼第6試合 RIZINバンタム級(61.0kg)5分3R〇中島太一(ロータス世田谷)[1R 1分34秒 TKO] ※左フック→パウンド×CORO(JAPAN TOP TEAM) ▼第5試合 RIZINバンタム級(61.0kg)5分3R×マゲラム・ガサンザデ(アゼルバイジャン/Team Alpha Male)[1R 3分33秒 リアネイキドチョーク] 〇安藤達也(フリー) ▼第4試合 RIZIN キックボクシングルール 64.0kg契約 3分3R〇上野空大(kickboxing gym SHINYUUKI+/K-1 GROUP)[判定3-0]※28-25、29-24、30-23×ファーパヤップ・GRABS(タイ/GRABS KICK BOXING STUDIO) ▼第3試合 RIZINフェザー級(66kg)5分3R〇遠藤来生(パワーオブドリームジム)[判定3-0]×ザーシバァディン(中国) ▼第2試合 RIZIN キックボクシングルール 55.0kg契約 3分3R×としぞう(フリー/BreakingDown)[判定0-3]※27-30、29-28×2〇鵜澤悠也(RIKI GYM/K-1 GROUP) ▼第1試合 RIZIN キックボクシングルール 60.0kg契約 3分3R〇上野奏貴(kickboxing gym SHINYUUKI+/K-1 GROUP)[判定3-0]※28-27、29-26、30-25×山川賢誠(Kickboxing Academy Sapporo/RISEフェザー級8位) 【オープニングファイト】 ▼OPファイト4 RIZIN MMA特別ルール 56.0kg契約 5分2R×鈴木嵐士(JAPAN TOP TEAM)[1R 3分41秒 トーホールド]〇早坂優瑠(CORE QUEST KUSHIRO) ▼OPファイト3 RIZIN MMA特別ルール(61.0kg)5分2R×小林大希(D-SPIRAL/ATS-34)[1R 0分53秒 肩固め]〇森永ユキト(ストライプル新百合ヶ丘) ▼OPファイト2 RIZINキックボクシングルール(52.5.0kg)3分3R×西島恭平(ELEVEN)[判定0-3]※27-29×3〇林 修斗(GRABS Kickboxing Studio) ▼OPファイト1 RIZIN MMA特別ルール 77.0kg契約 5分2R×成田佑希(TEAM KAZE/第2代PFCウェルター級王者)[2R 4分50秒 腕十字]〇能登 崇(GO ONE GYM)
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