2025年7月13日(日)福岡・マリンメッセ福岡B館『K-1 DONTAKU』の追加対戦カードが、6月17日(火)都内にて行われた記者会見で発表された。
バンタム級3分3R延長1Rで、石井一成(ウォーワンチャイプロモーション)が白幡裕星(K-1ジム総本部チームペガサス)と対戦。
打倒ムエタイを掲げる石井はWBCムエタイ世界スーパーフライ級、WPMF世界スーパーフライ級など権威あるタイのタイトルを次々と獲得し、2022年8月からK-1にも参戦。初代K-1 WORLD GPバンタム級王者・黒田斗真と2度に亘る激闘を繰り広げるなどし、2023年12月にK-1との契約を解除した。
それ以降はラジャダムナンタイトル獲得を目標に、RWSを主戦場に。スーパーフライ級からフライ級に階級を下げ、昨年12月にラーチャンに判定勝ち。今年3月のジョムホート戦で惜しくも敗れ、階級をスーパーフライ級(52.16kg)に戻した6月15日の再起戦ではラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級6位リッティパンを2RでKOに仕留めた。戦績は46勝(27KO)18敗4分。
白幡はアマチュアで多数の経験を積み、2018年10月にプロデビュー。2019年12月1日にMuayThaiOpenスーパーフライ級王座を獲得。2021年2月にはKNOCK OUT-REDスーパーフライ級王座も奪取。2022年3月、RIZINで吉成名高に挑むもTKOで敗れている。2023年2月にKrush初参戦で第6代Krushバンタム級王者・吉岡ビギンを判定で破った。2024年は「第9代Krushバンタム級王座決定トーナメント」決勝に進出するも黒川瑛斗に敗れ王座戴冠ならず。2025年1月、林佑哉に判定勝ちで再起。5月には長野翔との大接戦を制した。戦績は18勝(1KO)6敗1分。
宮田充K-1プロデューサーは、石井のK-1復帰について「福岡大会が決定した時点でいろいろなファイターいる中で、地元ということもあるけれどまた出て欲しいファイターだった。そこで7月どうかとK-1再登場を相談していました。1年半ぶりのK-1出場で、最初はKrushバンタム級王者の黒川瑛斗選手に打診しましたが、都合により出場できないとのことで白幡選手に白羽の矢を立てました」と説明。
石井は「1年半ぶりの試合ということで。まず地元福岡でK-1が開催されるので僕が出なきゃって思いもあったし、オファーをもらったので地元とK-1を盛り上げたいので決めました。白幡選手は、実は2~3年前に一緒に練習も何度かした顔見知りです。黒川選手とやりたかったんですが、予定が合わなくて白幡選手に決まりました。相手は誰でも自分のスタイルを貫いて倒しに行くスタイルで会場を盛り上げて勝ちに行きます」と復帰の挨拶。
迎え撃つ白幡は「自分がK-1に参戦した経緯が一成選手と戦うことが目標でやってきて。黒川選手が出られなくて自分にまわってきたのもあるけれど、自分が勝てば一気にバンタムの主役になれると思うので、ここで勝って今年中にバンタム級トーナメントを開催してもらえるような内容で勝ちたいと思います」と、元々K-1に来たのは石井と戦うためだったと明かした。
<質疑応答>
――対戦相手の印象は?
石井「K-1の試合は何回か見ていますが、サウスポーで練習した時もテクニックがあるなと。ガチスパーはしていないんですけど、まだ試合が終わったばかりなので作戦とかも考えていないので、これから考えていきたいと思います」
白幡「選手としてリスペクトできる印象です」
――どこをリスペクトしている?
白幡「この前のエキシビションマッチもそうですけど、一人の男としてカッコいいなと思える選手です」
――石井選手はこの会見の2日前に試合をしたばかりだが、ダメージは?
「ノーダメージで勝てたので、体調もバッチリで練習にも行きます」
――K-1は一旦一区切りでムエタイに専念したと思うが、なぜ復帰するのか?
石井「負けて終わっているのと、地元福岡で俺が出ないという気持ちもあります。何も話してないけど、バンタム級が空位なので、石井一成がいないと盛り上がらないなと。そんなことをみなさんに言わせたい。僕から見てもバンタム級は役者が揃っているとは思えない。ベルトを獲りに行きたいです」
――今後はK-1 とムエタイの二刀流?
石井「そうですね。ムエタイも、この前の試合でランキング6位に勝ったことで上位の選手と戦うことになる。そのタイミングで、どちらもやりたい。ラジャのベルトも獲りたいし、運が良ければK-1のベルトも。二刀流でやりたいですね」
――体重は、バンタム級の53kgでやると。
石井「K-1は53kgしかないので、下げるつもりはないです。この前のRWSではスーパーフライ級で52.16kgでやりましたけど、53kgだと正直体重は余裕ですが、以前も53kgでやっているし盛り上げたいと思っています」
――不利なのでは?
石井「今までやってきましたので」
――5月のK-1で大久保琉唯選手とエキシビションマッチを行ったことについては?
「批判されるのではないかと思っていたら、温かく迎えてくれて。急なオファーでK-1が叩かれていたようですが、でも自分はK-1に出たかったので良かったです」
――その流れから今回の参戦に?
石井「辿っていくと地元九州で大会があった時に宮田プロデューサーと久しぶりに会って、これもご縁かなと言われて。それからLINEでやりとりさせてもらって」
――22年開催のK-1福岡大会は、石井選手がK-1デビュー戦。3年後の今回も福岡大会でリスタートすることになったが、縁を感じる?
「3年前は福岡で藤田選手に勝って、黒田選手と戦わせてくださいとアピールして実現しました。今回も勝って、狙っていきたいです」
――白幡選手は、これまでムエタイ、レベルスを経験してきてK-1グループに参戦しての変化は?
白幡「負けも経験しましたけど、自分のスタイルができてきたかなと」
――KOが少ないことをネタにされているが。
白幡「この試合のためにとっておきました!」
――石井選手は二刀流でやっていくとのことだが、ムエタイとK-1の戦いの違いは?
石井「距離感は全然違います。ムエタイだとガードを上げて近づくと組まれるしヒジもあってキャッチされる。K-1だとガードを上げて中に入っても大丈夫。でも黒田選手みたいに回られると捕まえにくい。僕は距離をとる選手ではないので圧をかけるんですけど、黒田選手と戦った時の経験を生かします」
――2日前の試合では、魔裟斗さんのスタイルを取り戻すと話していたが、今後も魔裟斗さんスタイルで戦う?
「そうですね。小さい頃から魔裟斗さんの試合を見て育って練習してきたので、自分のスタイルを考えていたところ原点を見直した感じです。これからもローとパンチで、魔裟斗さんのようなダイナミックなKOを目指したいです」
――石井選手はK-1のベルトを狙うと言った。そのことについて白幡選手はどう思う?
「石井選手が、またK-1に戻ってくれて嬉しいです。役者が揃っていないと言われるのは、その通りだと思います。あと、石井選手が魔裟斗さんのスタイルを目指すと言われていたんですけど、自分はペトロシアンのスタイルで行きたいです」