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【PANCRASE】5大王座戦! ウェルター級・ゴイチvs.佐藤生虎、フェザー級カリベクvs.栁川唯人、バンタム級・井村塁vs.田嶋椋、ミドル級コシムvs.佐藤龍汰朗、女子ストロー級KARENvs.本野美樹、ラジャボフvs.Ryoも=速報中

2025/12/21 13:12
 2025年12月21日(日)東京・立川ステージガーデンにて『PANCRASE 360』(U-NEXT配信)が開催されている。年内最後のビックマッチは、5大タイトルマッチが並ぶオールスター戦となっている。 ▼キング・オブ・パンクラス チャンピオンシップ ウェルター級 5分5R ※選手名からインタビュー佐藤生虎(UNITED GYM TOKYO)王者)※初防衛戦 5勝1敗1NC 77.1kgゴイチ・ヤマウチ(ブラジル/ヤマウチチーム)1位 30勝7敗 77.0kg  4月大会での押忍マンとの王座決定戦で、剛腕から繰り出すパンチラッシュでダウンを奪い、パウンドアウトによる勝利で17代王者に輝いた佐藤。その勢いのまま5月のROAD TO UFCに挑むも、キット・キャンベルにキャリア初黒星を喫した。 (C)Zuffa LLC/UFC  その佐藤の初防衛戦に用意された相手は、紛れもない世界のトップファイター ゴイチ・ヤマウチ。PANCRASE初参戦となった4月大会で、階級を下げた前ミドル級王者・内藤由良を左ジャブ一撃でマットに沈め、会場を震撼させた。  PANCRASE勢に襲いかかる強豪外国人選手の中でも圧倒的な実績を誇るゴイチを、佐藤の剛腕がはじき返すか。試合前日には「KOで防衛します」と言いながらも「MMAします」とも語っている。対するゴイチは「短期決着を狙いますが、5R戦えるようにも準備してきた。佐藤選手を警戒しているが、最後に勝つのは私」と自信を示している。ゴイチが日本人ファイターに再び絶望を味合わせるのか。年内最終戦のビッグイベントのトリを飾るワールドクラスのチャンピオンシップだ。 [nextpage] ▼キング・オブ・パンクラス・チャンピオンシップ・フェザー級(王座決定戦)5分5R ※選手名からインタビュー栁川唯人(K-PLACE/1位、2023年ネオブラッドトーナメント同級優勝)7勝1敗 65.65kgカリベク・アルジクル ウール[Kalybek Arzykul Uulu](キルギス/Olymp Gym Bishkek/2位)13勝1敗 65.6kg  第11代王者・三宅輝砂の王座返上に伴い、新たな王者を決める刺激的なチャンピオンシップが決定。公務員(消防官)という安定を捨て、格闘技に人生の舵を切り挑んだ6月大会。難敵・平田直樹を撃破し、チャンピオンシップの舞台に駆け上がってきた柳川。カリベクの投げ技、足関節も「自分にはかからない」と言い、ベルトを獲って「UFCに殴り込みに行きたい」と語る。  対するカリベクは、キルギスのフェザー級で「五将」に挙げられる強豪。RIZINで活躍中で練習仲間のシェイドゥラエフを筆頭に、ONE無敗のアクバル・アブデュラエフ、DWCSからUFCと契約を果たしたムルタザリ・マゴメドフ、ROAD FCで原口伸を破り、13戦無敗でフェザー級王者となったエルデュカルディ・ドゥイシェフと並び、キルギスに3本目のベルトを持ち帰るつもりだ。  7月大会で元王者・ISAOを右フックで沈め、11月大会ではレッグロックで平田直樹の足を破壊したカリベク。大晦日RIZINに参戦するラジャブアリ・シェイドゥラエフととともに今回もファイトキャンプを行ってきた。格闘技界を席巻する中央アジアの雄の一角・カリベクが、勢いのままにベルトを強奪するか。  それとも現在のPANCRASEを代表する選手の一角・栁川がその進撃にストップをかけるのか。オールスター戦の様相を呈してきた年内最終戦、注目のフェザー級王座戦だ。 [nextpage] ▼キング・オブ・パンクラス チャンピオンシップ(王座決定戦) バンタム級 5分5R ※選手名からインタビュー井村 塁(ALMA FIGHT GYM PUGNUS)1位、2020年NBT同級優勝 13勝5敗 61.1kg田嶋 椋(OOTA DOJO)2位、2022年NBT同級優勝・MVP 9勝3敗 61.0kg  7月大会で高城光弘を負傷判定で下し、5月のROAD TO UFCでの敗戦から再起を果たした井村。  対する田島は、6月大会で当時負けなしの新鋭・山木麻弥に完勝し、強さに加え怖さを見せつけた。  両者は昨年3月立川大会で対戦し、互いの意地と意地がぶつかり合う大激闘の末、井村が判定で田嶋を下している。名勝負として高い評価を得た戦いの再戦が、チャンピオンシップの舞台で実現。  共にネオブラッドトーナメントを制し、近年のPANCRASEバンタム級戦線を牽引してきた両雄。現在のバンタム級頂点を決めるに相応しい二人による第6代王座決定戦。 ※試合前インタビュー「1年9カ月ぶり再戦にしてバンタム級王座決定戦、井村塁「石渡さんのもとに持って帰るのが僕の使命」×田嶋椋「暫定ではない“本物のチャンピオン”に」 [nextpage] ▼キング・オブ・パンクラス チャンピオンシップ(王座決定戦)ミドル級 5分5Rコシム・サルドロフ(タジキスタン/ドロブファイト)1位 5勝 83.65kg佐藤龍汰朗(坂口道場一族)2位、2023NBT同級優勝、Fighting NEXUS初代同級王者 9勝1敗 83.8kg  9月大会で、平田旭をスラムで叩きつけてからのパウンドで秒殺し、衝撃のPANCRASEデビューを飾ったサルドロフ。攻撃の手を休めることのなく常に前に出続けるスタイルで5戦5勝5フィニッシュをマークしている。  対するは、久々のPANCRASE参戦となった7月大会で、元ウェルター級王者の林源平に判定勝ちし、その実力を見せつけた佐藤。打撃でも寝技でもフィニッシュできる力を持つ現在8連勝中だ。  実績的に申し分のない両雄による王座決定戦。格闘技界において吹き荒れる中央アジア旋風が、PANCRASEミドル級をも席巻するのか。それとも佐藤がその侵略に待ったをかけ、Fighting NEXUSとの二冠王に輝くのか。 サルドルフ「8年間フリースタイルレスリングをやって、2021年からMMAを始めた。前回のスラムは確かに得意だが、次の試合にはスラムだけではなく他の技も見せたい。みんなを驚せるほど、秘密の技を用意してる。中国のJCKで初めてスコティシュツイスターを使ったけど、動画でこの技を見て(PFLのジェイク・ハードリー)、実は練習でもやってみたことがなくて使った。中国の試合の後、もう何回も練習の中でやってみて、今は本当に決定技と言える。佐藤には試合時間が終わる前に勝ちたい。TKOで勝つのか、5Rを戦う覚悟もあるし、日本のファンの皆さんを喜ばせる試合で、タジキスタンにベルトを持ち帰ります」 佐藤「9月に試合をしたコシム選手と12月にやるだろうなって。すごいパワーが強そうな、男性ホルモンが高そうなレスラーだと思います。今回に向けてと言うか、去年からずっと、今年は海外の選手とやりたいと思ってたんで、1年間通してずっとフィジカルは強化してました。僕は喧嘩を久々にしたいなと思っているので、打撃もちょっとやれるようにしてます。気持ちで勝てるように頑張ります。(コシム相のパンチに関しては)重そう、硬そう、というぐらい。食らってみないと分からないんで、一発もらってみようかなとは思いつつ、痛いのが嫌いなんで、もらわないように避けようかなと思いつつ、という感じです。(早いラウンドで決着の展開に?)どうなんですかね。僕けっこうスロースターターなんで、早めにケリつけて早くお酒を飲みにいきたいんですけど、多分行けないなっていう。3R、4R、ドロドロ5R。3R目くらいから僕が上がっていくのかなっていう予想です。  前戦はコシム選手のいいところが引き出せていなかったと思うので、参考にならない。こう見えて同い歳で、彼はレスリングをずっとやってきて、僕は柔道と柔術をやってきて、通ずるものがあるのかなと思います。5大タイトルマッチで一番盛り上がる試合をします。(アドバンテージは)日本だからホームなところじゃないですか。あとは気持ち?」 [nextpage] ▼クイーン・オブ・パンクラス チャンピオンシップ(王座決定戦)ストロー級 5分5R ※選手名からインタビューKAREN(THE BLACKBELT JAPAN)1位、第4代王者 10勝2敗 51.4kg本野美樹(リバーサルジム横浜グランドスラム)2位、元DEEP JEWELSストロー級暫定王者 9勝5敗 52.0kg KAREN「今年最後の試合で必ず勝ってベルトを巻きます。最高の試合にします」 本野美樹「この日のために我が家の犬たちが留守番を頑張ってくれたので、しっかりボーナスを獲って、おいしいもの食べさせてあげたいです」  ソルトの王座返上により、第6代女王を決する一戦が決定。  9月大会で王座への挑戦が決まっていたKARENだが、ソルトの怪我により試合は中止に。12戦の内ソルト以外には負けなし、現在4連勝中の第4代女王。16歳からPANCRSEに参戦し、キャリアを積み重ねてきた。24年9月の前戦ではエジナ・トラキナスに判定勝ち。  対するはDEEP JEWELSで活躍し、PANCRASE電撃参戦となった本野。3月大会では、苦しみながらも第3代女王の藤野恵実を判定で下した。DEEP JEWELSの他に、Eternal MMA やROAD TO UFCに参戦するなど世界の舞台にも挑んでいる。  フィニッシュ力を備えた両者の激突。新たな時代を切り拓くクイーン誕生の瞬間を見逃すな。 ※試合前インタビューストロー級クイーンの座は? KAREN「対戦相手が変わってもベルトに挑戦する立場は変わらない」×本野美樹「私も“血祭り上等”で行く」 [nextpage] ▼フェザー級 5分3Rオタベク・ラジャボフ(タジキスタン/TAJMMAF GYM/4位)4勝 66.2kgRyo(グランドスラム/RINGS/7位)5勝6敗 65.85kg  PANCRASE初参戦となった昨年7月大会で高城光弘をRNCで絞め落とし、フェザーに階級を上げた9月大会では、殺傷能力の高い打撃で遠藤来生を沈めたラジャボフ。対するは、パンクラスの“激闘王”として常に会場を沸かすRyo。現在、平田直樹、山田歩夢に連敗中だが、透暉鷹戦や栁川唯人戦で見せたここ一番の極めの強さは健在。PANCRASEの生態系を破壊する強さを見せつけるラジャボフを、Ryoがいかに料理するのか。フェザー級次期挑戦者争いの行方を占うかの様な一戦。 Ryo「精一杯、やります。相手の印象は“めっちゃ強いじゃん!”。試合が決まった時の心境は“やった!”です。オタベク選手は打撃に特化しているように見えて、グラウンド展開もすごく上手なんです。ポジショニングのキープ率も高いし、トータルで強い選手なんで、そういうところを評価してます。もう、スタートから思いっきり行きます。ガッツリ、“えっ、今行くの? そんな勢いで行くの!?”みたいな、もう初っ端からですよ、ゴングが鳴ったと同時ですよ、思いっきり勝負をかけますよ。だって40ですよ、誰が期待してるんですか、俺だけですよ、一番自分に期待してるのは。思いっきり行く! 以上です」 ラジャボフ「前回(9月大会)からバンタムからフェザー級に上げて調子いいし、好きなものも食べられるし、減量には苦労しなくてもいい。いまはこのフェザー級でやり続けたい。その後はライト級に移ろうかどうか考えている。(タジキスタンの隣国のキルギスのカリベクが同じフェザー級だが?)今カリベクはフェザー級のベルトをかけて戦っていて、誰が勝っても私の次の相手になるので、私は次にベルトを戦う選手になるという思いでいっぱいだ。(Ryoは諦めないファイターだが?)同意する。最後の最後に逆転勝ちした意思のある選手だ。それは長年の経験から来てるもののではないかと。ただ、私にもその粘り強さはある。最後まで戦う覚悟もある。それでも私は最終Rまで至らないように戦いたいし、試合をドミネートしたい」 [nextpage] ▼ライト級 5分3R粕谷優介(総合格闘技道場CROWN)3位 14勝10敗2分 70.5kgISAO(NEVER QUIT)第5代ライト級&第8代フェザー級、2009年NBTライト級優勝 27勝7敗4分 70.45kg  3月大会では、初参戦となったラファエル・バルボーザ相手に不運な反則膝蹴りのダメージもあり、ダースチョークで敗れた粕谷。  一方、4年ぶりのPANCRASE参戦となった7月大会で、カリベク・アルジクル ウルルの右フックでKO負けを喫したISAO。  共に前戦では、PANCRASEで猛威を振るう強豪外国人選手に屈しているが、粕谷はUFC、ISAOはBellatorとともに世界レベルを知る。  両者は2017年12月大会においてフェザー級で対戦し、ISAOが判定勝利を収めている。今回ISAOが約11年ぶりにライト級に階級を戻したことにより、注目の好カードが再び実現した。 ISAO「粕谷選手と2度目の対戦で大変光栄に思います。何が何でも勝ちます。応援よろしくお願いします。(カリベク戦は)割と早くにやられてしまって、自分の実力を出せないままだったので、そのまま引き続きしっかり練習を始めて、しっかり作り直してきたところです。(ライト級で戦うのは)最近ちょっと負けてしまってて、身体も疲弊してきているなというのもあったんで、初心に戻って1階級上げて、よりフレッシュな状態で試合をしたいなと思ったから。一度目に粕谷選手と対戦した時はフェザー級だったんですけど、その後、粕谷選手はライト級に上げてよりフレッシュで力強い動きがよくなっているという印象。前回は8年前ぐらいで、かなり久しぶりの対戦。お互い経験を積んできたと思うので、より高度な、新たにフレッシュな試合ができればと思うのと、展開は打投極、お互いできる選手だと思うので、レベルの高い試合を見せたい」 粕谷「CROWNの粕谷です。ISAO選手にはフェザー級で負けてるので、ライト級でリベンジしたいと思います。(ISAOの印象は)変わらず強いなというのと、長くやってきて再戦が初めてだったので決まって嬉しかった。リベンジのチャンスがあって。僕も、フェザー級の時よりかはいい動きができるかなとは思うけど、天弥選手とか鈴木選手といったアグレッシブなファイターとはまた違う、テクニックがある試合を見せられればいいなと。(前回の国際戦を経て)しばらく日本人選手とばかりやっていて、クリーンな戦に慣れていたというか、正直いうと『反則するよな』って思いました」 [nextpage] ▼ライト級 5分3R天弥(和術慧舟會HEARTS/2位、2023年NBT同級優勝)4勝2敗 70.7kgクリストフ・キルシュ(ドイツ/サウスサイドMMA)4勝2敗 70.4kg “ライト級日本最強ストライカー対決”と注目を集めた4月立川での雑賀 ヤン坊 達也との王座戦で、KO負けを喫した天弥。将来を嘱望される21歳は上顎骨折で手術、プレートを入れて再びトップを目指すべく初の国際戦で再起を図る。  一方、外国人旋風が吹き荒れるパンクラスに、新たにドイツ出身で現在はタイを拠点にしているキルシュが参戦。MMA戦績こそ1勝1敗だが、ムエタイ28勝6敗、ベアナックルボクシング4戦4勝のキャリアをもつ危険なファイター。GLORY王者のマーセル・グローエンハートと5分3Rを立ち合った経験もあり、タイクリンチに自信を持つ。激闘必至の “日独殴り屋対決”となるのか、それとも「MMAで戦う」進化の天弥の姿が見られるか。 天弥「殴り合いたい自分を抑えたい。アグレッシブな“MMA”を」 「(雑賀戦で上)顎を折って、前歯治療に時間がかかっちゃったんで。とりあえず復帰戦、相手は190cmあるんでしっかり足ぶっ壊します。(キルシュは)ベアナックルMMAなのか、ベアナックルボクシングなのか分からないけど、素手の競技に出てる190cmの選手で背が高い。MMAの情報もあんまりないんでそのくらい。 (大怪我からの復帰は)マジで、スパー始めたのは3週間前くらい。歯がついたのがそのぐらい、で、マウスピース作ったのもそんぐらい。なんで、たぶんこれまでで一番試合に向けてのスパンが短かった。1カ月ぐらいで試合に臨んで減量も試合もキツいけど、まあなんとか作れてきてます。(初の国際戦で)空手時代にロシア人とやってきたことはあるんですけど、僕はあんまり、日本人だろうが外国人だろうが、(違いは)ない、強さは。楽しみです。“アグレッシブなMMA”をしようと思ってるんで“殴り合いたい自分を抑えたい”。MMしようと思っています。楽しみにしててください」 キルシュ「俺は長い距離も強いがタイクリンチもある。天弥に打ち勝てる」 「元GLORY王者のマーセル・グローエンハートと15分間立ち合った経験は自信になった。友達のセコンドとして行って、急遽、階級上のチャンピオンと1日で試合を受けて戦ったんだ。天弥はあまりにもワイルドすぎて、自分自身で何をしたいかも分かってない。俺は長い距離も強いがタイクリンチもある、天弥に打ち勝てる。  昨日はもうすでにテンヤさんにサウナで会いました。彼はとてもいいやつです。皆さん、試合をぜひ見ててください」 [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R〇内藤由良(リバーサルジム横浜グランドスラム/5位、元ミドル級王者)7勝2敗 77.2kg[1R終了時 TKO] ※高橋が左足を負傷×高橋攻誠(RIGHT THING ACADEMY)2勝2敗 77.1kg  デビュー以来6戦6勝5フィニッシュと圧巻の戦績でミドル級王者に登り詰めた内藤。昨年9月、UFCとの契約を懸けたDWCSでは、アテバ・ゴーティエに無念のTKO負け。世界を見据え、階級をウェルター級に下げて挑んだ4月大会では、ワールドクラスの強豪・ゴイチ・ヤマウチのパンチに沈むという残酷な結果に。  再起戦となる内藤の相手は、2023年3月以来久々の復帰戦に臨む高橋。思い切りのいいパンチを武器に中村勇太、長岡弘樹といった実力者たちを撃破してきた新鋭。高橋にとっても復帰戦で大物喰いを果たせば、ケージを離れていたブランクを一気に払拭できるチャンス。リスタートを白星で飾りたい両者による熾烈な潰し合い。 内藤「ウェルター級に転向して2戦目。相手が二転三転した中で高橋選手、受けてくれたんで、しっかり敬意をもって戦う。前回(ゴイチ戦)に関してはすぐ終わってしまったので、特に海外の選手だからとかはあんまり感じなかったけど、それこそ去年のコンテンダーシリーズでアテバ・グーティエと対戦した時は明らかに力の差があったなと思ってウェルター級に転向した。  前回の負けから自分の成長した姿を披露できれば。高橋選手の印象は、スマートな打撃を打てる選手。しっかり警戒して戦いたい。(ウェルター級は)普段の練習から質の高い動きができているので、自分の合った階級なのかなと。少し減量幅、今回98kgぐらいあったんで、そこからだいぶ絞れてきた。世界で戦っていくためには、この計量を通過して勝てなきゃ意味ないんで、動けるようにしっかりリカバリーして。減量も世界で戦っていくための練習だと思っている」 高橋「約3年ぶりの試合で内藤選手という世界で戦うすごいファイターと試合を組んでくださった関係者の皆さま、本当にありがとうございます。面白い試合にしたいと思います。(内藤は)レスリングはもちろん、身体能力がすごい。あのサイズであのスピードで動ける選手ってなかなかいない。 (3年のブランクは)格闘技に臨めるような体制じゃないなかった。今後しっかりベルトを狙っていくためにも、一回練習ができる環境を整えてからまた挑戦したいという思いがあってここ3年間過ごしてきた。ここで内藤選手に勝てば国内でも名前が上がる。ベルト戦線にも入っていって、実績をどんどん積んでいきたい」  1R、ノーモーションの左を突く高橋に、内藤はダブルレッグでケージまでドライブしてテイクダウン。立つ高橋をボディロックから何度も投げて崩す。片ヒザ立ちになる高橋にサイドバックからパウンド。  立つ高橋にバッククリンチの内藤は背後から高い打点のヒザ。胸を合わせた高橋に両差しヒザも、突き放した高橋が左を当てて、右前手フックも。打ち合った内藤だが、離れて右インロー、さらに右ハイで身体を浮かせてダブルレッグテイクダウン!  立ち際にバッククリンチで崩していく。レッスルアップの高橋を潰してバックマウントの内藤はパウンド。3者10-9で内藤を支持。  2R、高橋は左足を負傷。椅子から立ち上がれず。1R終了時、内藤のTKO勝ちとなった。試合後、内藤はあらためてDWCSからUFC入りを目指すとマイクで語った。 [nextpage] 【試合中止】▼バンタム級 5分3R松井斗輝(THE BLACKBELT JAPAN/6位)7勝3敗 ※計量会場現れず荒田大輝(パラエストラ八王子/12位)5勝1敗 61.4kg  将来を期待される有望株ながら、25年は井村塁、山口怜臣という実力者相手に連敗中の松井。昨年のNBT決勝で山口怜臣に惜敗した悔しさをバネに、今年はギレルメ・ナカガワ、安藤武尊に連勝中の荒田。全局面においてハイレベルな攻防が期待できる両者の戦い。勝利するのは、崖っぷちの松井か。波に乗る荒田か。 【写真】12月5日の会見時の松井と荒田。計量パスした荒田にとっても残念な結果に。   5日の会見で荒田は、「やっと上位ランカーと試合ができるという感じでワクワクしています。今回はしっかりフィニッシュして勝って来年に繋げたいと思っています。(松井は)ボクシングが強いのと、壁の対応がしっかりしていて、どちらもMMAとして完成されてる選手だと思っています。4月は2Rでフィニッシュして、7月は3Rだったんで、残すは1Rしかないんで、1Rでフィニッシュします」と意気込み。 松井は、2024年2月のフライ級の秋葉太樹戦で、減量中に救急搬送され水分等を補給して計量に臨んだものの体重超過。2024年5月『ROAD TO UFC シーズン3』でも、フライ級で2.7kgの体重超過で、連続で試合が中止となっていた。24年11月大会でフライ級からバンタム級に階級を上げて矢澤諒と対戦。ヒザ蹴りを効かせてからのパウンドで秒殺KO勝利で再起。しかし、25年3月横浜大会での井村塁戦はRNCで一本負け。続く9月の前戦でも山口怜臣に判定負けで2連敗中だった。  12月大会に向け、5日の会見で「今年はもうないのかなと思ってたんですけど、オファーいただいたんで、今年は2連敗しているので、今年最後、しっかり勝って終わりたいと思います。相手は柔道だと思うんですけど、すごく打撃も綺麗でいい選手だと思います。今まで寝技の展開がなかったと思うんですけど、次はそこを見せたいと思います。一本で勝ちたいです」と組み技の進化を見せたいと意欲を示していたが、20日の前日計量で会場に現れず。「試合中止」と発表された。 [nextpage] ▼フライ級 5分3R×浜本“キャット”雄大(クロスポイント大泉&TEAM CAT)10位、Fighting NEXUS第3代王者 6勝6敗 56.9kg[1R 2分41秒 腕十字]〇岸田宙大(パンクラス大阪稲垣組)11位 4勝2敗 56.95kg  4月大会で、7月のチャンピオンシップに駒を進めた大塚智貴に判定負けの浜本。7月大会で、第7代王者・猿飛流に判定負けの岸田。共にトップ戦線目前で足踏みを強いられた両者。  MMA転向前にキックボクシングやラウェイのタイトルを獲得し、RIZINでは那須川天心とも拳を交えた打撃のスペシャリスト・浜本。柔術全日本選手権優勝の実績を持ち、22歳の若さで黒帯を獲得した寝技のスペシャリスト・岸田。 自身の武器をどれだけMMAに融合出来ているか、戦術と技術の激しいぶつかり合い。 浜本「2連敗中なので、ここで勝って良い年にしたい。実は11月にも岸田選手とのオファーをもらって、すごくいい相手なんでぜひ受けたいなと思ったけど、ちょっと11月はタイミングが合わなくて断らせていただいて、岸田選手の大切なキャリアを1カ月間延ばしてしまって申し訳ないと思ってます。でも12月に同じ相手でオファーをもらって、本当にワクワクというか、いい相手なんで、ちょっとこれは楽しみだぞと。いい試合ができると思っています。勝ち方には特にこだわりはなくて、今回は必死にというか、なんとしてでも勝ちたい、結果が欲しいという試合なので、判定になるかもしれないけど、フィニッシュは狙いに行くつもりです」 岸田「今年ラストしっかりフィニッシュして勝つんで応援よろしくお願いします」  1R、オーソからスイッチする浜本は右ロー。サウスポー構えの岸田も左インロー。岸田はダブルレッグテイクダウン、サイドから速攻バックへ。ずらした浜本に右手首をコントロール。脇を潜る浜本左足をかけて腕十字! タップを奪った。  一本勝ちの岸田は2026年に王座を獲りに行くと語った。 [nextpage] ▼ライト級 5分3R×松岡嵩志(パンクラスイズム横浜)14勝12敗 70.55kg[2R 1分05秒 TKO] ※松岡が右ヒジ負傷〇神谷大智(BRAVE GYM)7勝1敗1NC 70.50kg  4月大会でオタベク・トキロフとの対戦が予定されていたが、自身の怪我により無念の欠場となった松岡。2021年から4年連続年間戦績が1勝1敗と、あと一歩突き抜けられない。  神谷は柔道で培った技術を武器にPANCRASEで4連勝を飾り、今年5月にはROAD TO UFCに参戦するも、キム・サンウクにキャリア初黒星を喫している。  試合期間が空いたことにより現在ランキングから外れているが、共にランカーに名を連ねていた実力者同士。この一戦で勝利を掴み、再浮上を果たすのは……。 神谷「PANCRASEに参戦するのは久々なので、しっかり戦いたい。相手(松岡)はオールラウンダーで、経験値もすごく豊富ないい選手と試合が決まって嬉しいなというのが率直な気持ち。自分は前回負けてしまったので、しっかり勝って今年を終わりたい。自分のスタイルはやっぱりグラップリングなので、極めに行きたいとは思ってるけど、少しずつMMA選手として打撃も加えながらフィニッシュに行きたい。ROAD TO UFCのトーナメントに出て、結果的には申し訳ない結果になってしまったけど、あの世界観を経験したからこそ見えた自分の課題があるんで、やっぱり、やっているのはMMAなので、グラップリングだけじゃダメだし、打撃だけでもダメ。そういった相手と戦えたので、そこの課題が今はしっかり見えて練習してこられた。PANCRASEではまた最初から自分のスタイルを作っていく」 松岡「前回、試合を飛ばしちゃったにも関わらずオファーをいただいてありがとうございます。必死にやりたいと思います。相手の印象は、ROAD TO UFCにも出ていて、将来有望でレスリングも最初から1R目から飛ばしていけるような気合いの入った選手だなという感じ。(前回)欠場してから2カ月はかかってない。怪我というかいろいろあって、という感じですが、今は絶好調なんで期待していてください。今回、レスリングが強い選手が相手なので、必然的にそこになる。頑張りきって勝ちたい。本当は打撃でバーン! というような試合をしたいけど、ちょっとそれを許してくれなそうな相手なので頑張りきるような試合をしたい。(その覚悟は)できています」  1R、サウスポー構えの神谷にオーソの松岡。ローにケージで詰める神谷は右で差して押し込み。左小手の松岡は頭を側頭部につける、シングルレッグからバッククリンチで左足をかける神谷は両足フックから4の字ロック。背後から細かい鉄槌でホーン。ジャッジ3者10-9で神谷を支持。  2R、先に組みに行ったのは松岡。シングルレッグからケージに押し込みアンクルピック。左で差す松岡の崩しに右小手の神谷は投げ。右手をマットに着いた松岡はヒジを脱臼か。UFCパントージャと似た形での負傷。神谷のTKO勝ちに。  勝利した神谷は再びPANCARSEで勝利を積み上げてRTUに挑戦すると語った。 [nextpage] ▼フライ級 5分3R〇菅 歩夢(THE BLACKBELT JAPAN/2023年ネオブラッドトーナメント同級優勝&MVP)5勝1敗 57.0kg[判定3-0] ※30-27×3×クーパー・ロイヤル(豪州/MMAFFT)7勝2敗 57.15kg  24年12月岸田宙大にプロ初黒星を喫した菅が、1年ぶりに闘いの舞台に戻ってくる。対するは、ONEでの2勝1敗を含む7勝1敗の好戦績を引っ提げ、PANCRASE初参戦を果たすロイヤル。軽量級ながらも打撃、寝技ともにフィニッシュできる武器を持つ二人。11月大会で大激闘の末、濱田巧が新王者となったフライ級。層の厚いランカー陣を脅かす実力者同士による一戦。 菅「前回試合で負けてしまって、ヒザの手術もして1年近く期間が空いたけど、復帰戦で初の国際戦を組んでもらえてありがたく思ってます。熱い試合をします。この試合を鶴屋代表から伝えてもらって、ずっと海外の選手とやりたいと思ってたので、話が来た時はヨッシャー!と気合いが入った。相手の印象は、オーソドックスもサウスポーも綺麗な打撃を打つ選手だなと。もちろんKO、一本を取って勝ちたいという気持ちはあるけど、今回、対戦相手も強い選手で、自分は前回負けてしまっているので、今回は何が何でも、泥くさくなってもいいから何が何でも勝ち切るっていうのが今回の目標」 ロイヤル「勝利の鍵は打撃。ハイレベルな動きを使って、相手をテンパらせて倒す。みんな『PANCRASE360』を見て。僕と菅歩夢が戦う。とてもエキサイティングな試合して、僕が必ずフィニッシュする」  1R、サウスポー構えのロイヤル。オーソの菅。前手争いから右インローの菅が圧力をかけるとロイヤルも右ロー。菅は近づいて左右フックから左で差して組んで押し込みヒザも、差し返すロイヤルに左四つにして崩す菅は小外がけテイクダウン。  首を抱えるロイヤルはギロチンで立ち上がり。再び崩す菅に左手でギロチンのロイヤル。首を抜く菅は上から鉄槌。3者10-9で菅を支持。  2R、右ローのロイヤルはオーソにスイッチ。サウスポー構えに戻して左インロー。詰める菅は大内刈テイクダウン! ハーフで上に。右はオーバーフックで押さえ込み。細かいパウンド。ロイヤルは立つ動きを見せず。ハーフから腰を切りクローズドガードで再び首を抱えるが、首を放し下のまま。菅はケージに押し込みハーフから右のパウンドでホーン。ジャッジ3者10-9で菅を支持。  3R、左右ローから詰めて右を当てる菅の組みからの崩しに小外がけテイクダウンはロイヤル! 際でバックを取ったロイヤルは両足を鼠径部でフック。リアネイキドチョーク狙いも胸を合わせた菅が上に。  菅にマットに背中を着かされたままのロイヤル。ハーフの菅に、ロイヤルは再びギロチンスイープ狙いも、すぐに首を抜く菅が上のまま。残り1分でパスするもハーフに戻すロイヤル。スタンドになると右を振る菅が首相撲ヒザを突きホーン。判定3-0で菅が2年1カ月ぶりの白星を掴んだ。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト フライ級 5分3R〇齋藤楼貴(暁道場)2勝3敗 56.95kg[判定3-0] ※29-28, 30-27×2×小澤武輝(NO FACE GYM)1勝 56.6kg※前川慧の出場辞退により、齋藤桜貴が代打出場
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