バッティングでカットした左目上の絆創膏が痛々しい那須川天心
2025年6月8日(日)東京・有明コロシアムで開催された『Prime Video Boxing 13』。セミファイナルのバンタム級3分10Rで、WBA同級6位ビクトル・サンティリャン(ドミニカ共和国)に判定3-0で勝利したWBC同級1位・WBA2位・WBO2位・IBF4位の那須川天心(帝拳ジム)が試合後インタビューに答えた。
4Rにバッティングによるカットで流血も、終始サンティリャンの攻撃をかわして当てるボクシングを見せ、最終10Rには打ち合いで場内を沸かせて99-91×2、100-90の大差で勝利した那須川。しかし、試合後のマイクでも話した通り、反省の多い試合となったようだった。
もう一個先の景色を見たい
「10Rをやって相手がやりづらかったというのもあるし、自分の理想としていたものがなかなか本番になって出なかったなというところもあり、なかなか上手くいかないなというところが正直な感想ではありますね」
――具体的にどういったところを試合前は理想を描いていた?
「やっぱりもっと明らかに勝っていたりとか、倒したいところがありました。もっといろいろな幅を見せられたかなとも思うし、いろいろなことがたくさんあったなというのがありますね」
――10Rは相手も手数を増やしてきて、最後はお客さんも盛り上がっている感じがあったが、最後に決めに行くという気持ちはあった?
「そこはありましたけれど、そうなる前に決めたいというのもありますよね。普通の7戦目だったら満足してもらえると思うし、良かったなってなると思うんですけれど、そうもいかないですし。強いチャンピオンがたくさんいますから、そういう選手と戦っていかないといけないのに、ここでまだこういう勝ち方っていうのは…自分の中でもっと見つめ直してやっていくしかないなっていうのは正直あります」
――世界前哨戦だったが今後に向けては?
「もうやるしかないので、しっかりと世界をもう一度見つめ直してですね、真摯に向き合っていきたいなと思っています」
粟生「倒せるチャンスはたくさんあったのかなと思いますけれど、いなすのが上手い選手、そこを捉えきれなかったのが、もう少し頑張らないといけないかなと思いましたけれど、強いパンチを打つ練習をしていこうかなと思います」
――試合の後、課題が詰め切る、倒し切る、近い距離も練習してきたと言っていたが、やっぱり倒すことだったり、自分のパンチ力が気になっている?
「そこはそうですね。ありますね。やっぱり倒して勝てるのは理想的なものもありますし、圧倒して勝ったというのがね。圧倒して勝ったとは言いましたけれど、もう一個先の景色を見たいですね。だからそこをしっかりと狙って練習したんですけれど、もう一個詰められなかった。試合でそこが出るじゃないですか。だから詰めの甘さというか…なんですかね。もうちょっと自分のボクシングを突き詰めていかないとなっていうのは思いましたね」
――今日の展開は十分予想できた、天心選手なりに詰めていくプランがあった。なぜそれがうまくいかなかったのか?
「相手がいなしてくるのが上手かったですね。気持ちも強い部分もあったし、パンチがずっと生きてたって部分もあるんですけれど、そこの部分でもう一個乗り越えられなかったなっていうのが一個あるかもしれない」
――どう詰めようと思っていた?
「ボディもだし、上もだし。でもガードが堅い分、その状況判断するのがちょっと遅れたというか。だからどうしようと迷ったりとか、あとはいろいろなことを考えすぎて、ちょっと小さくなりすぎてるんじゃないかなっていうのは自分の中で思ったりもしましたね。1回カエルパンチをしたじゃないですか。ああいうことをやることによって、また幅が広がるのかなと思ったりとか、あとは最初のジャブの動きから上下が合ってなかったりとか。それって練習でもたまにあるんですよ。
練習で動かしながら途中でこの感じかって掴むんですけれど、途中で掴むんだとまだ良くないのかな、というか。いきなりハマるぐらいの感じで練習もしなきゃいけないなっていうのは思いましたね」