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【UFC】メラブ・ドバリシビリがオマリーに3R 一本勝ち防衛! ケイラ・ハリソンがペーニャをキムラに極めて女子バンタム級新王者に。ヌネスがケージイン「戦うのが楽しみ」、パッチー・ミックスがバティスタに判定負け、フライ級でヴァンがシウバをTKOで4連勝

2025/06/08 08:06
 2025年6月7日(日本時間8日)、米国ニュージャージー州ニューアークのプルデンシャル・センターにて、『UFC 316: Dvalishvili vs. O'Malley 2』(U-NEXT配信)が開催された。  メインイベントは、UFC世界バンタム級王者のメラブ・ドバリシビリvs.挑戦者ショーン・オマリーのベルトをめぐる再戦。また、同じバンタム級では、メインカード2試合目で、元Bellator世界バンタム級王者のパッチー・ミックスがUFCデビューし、同級10位のマリオ・バティスタと対戦した。  コメインは、UFC世界女子バンタム級王座戦。元王者アマンダ・ヌネスが現役復帰を宣言するなか、現王者ジュリアナ・ペーニャに、PFLから参戦しUFCで階級を落として3戦目のケイラ・ハリソンが挑戦。キムラロックを極めて、見事戴冠を果たし、ケージインしたヌネスとフェイスオフをかわしている。 ▼UFC世界バンタム級選手権試合 5分5R〇メラブ・ドバリシビリ(ジョージア)20勝4敗(UFC13勝2敗)※UFC13連勝[3R 4分42秒 ノースサウスチョーク]×ショーン・オマリー(米国)18勝3敗(UFC10勝3敗)※ドバリシビリが2度目の王座防衛に成功  メインイベントは「UFC世界バンタム級タイトルマッチ」(5分5R)で、王者・メラブ・ドバリシビリ(ジョージア)と挑戦者・ショーン・オマリーが、2024年9月以来の立場を変えた再戦に臨む。  ドバリシビリは、オマリーから王座奪取後、2025年1月にダゲスタンのウマル・ヌルマゴメドフに判定勝ちして王座防衛に成功。  対するオマリーはドバリシビリに敗れてから、年末RIZIN観戦で来日なども行い、今回のダイレクトリターンマッチに臨む。  ドバリシビリにテイクダウン&コントロールされながらも5Rに前蹴りをボディに効かせた前戦以降、オマリーは態度を改め、より謙虚に。SNSを減らし、トラッシュトークも封印。今回のフェイスオフでは「前回とは違う戦いになる。分かるだろ?」とドバリシビリの目を見て語り、王者も「分かってるよ。準備は出来ている」と応えている。  そのドバリシビリは、今回の会見で減量方法を変えたことを明かし、134ポンド(60.78kg)で計量をパスしている。オマリーは135ポンド(61.24kg)のジャストでパス。5Rの王座戦の再戦はどうなるか?  バンタム級タイトルマッチ。5分5R。オマリー1位。  ドバリシビリは34歳でUFC12勝2敗(1KO・11判定勝ち)。UFCデビューから2戦で敗れてからは12連勝中。現在進行系の記録ではマカチェフ(15連勝)、JJ(13連勝)に次ぐ3位。テイクダウン数92は前戦でGSPを超えてUFC史上最多。昨年9月にショーン・オマリーからタイトルを奪うと、今年1月には無敗のヌルマゴ一族・ウマル・ヌルマゴメドフの挑戦を受け、序盤こそテイクダウンを奪えずやや苦戦したが、ウマルが手を負傷した影響もあり、後半いつものテイクダウンを奪う展開に持ち込んで判定勝ち。ウマルに初黒星を与えている。  オマリーは30歳でUFC10勝2敗1NC(6KO・4判定勝ち)。UFC契約当初から次世代スターとして期待されていた。2022年に当時ランキング11位ながら、1位で元王者のピョートル・ヤンとの対戦が飛び級で組まれる。押された内容でメディアの9割がヤンを支持する内容で物議を醸す判定勝ち。この実績でアルジャメイン・スターリングの王座に挑戦し、2RKOで王座を獲得した。2度目の防衛戦となったドバリシビリ戦は、オッズではまだオマリー幻想があったのかフェイバリットとなっていたが、5Rに一瞬だけ蹴りでボディを効かせた場面はあったのもの、それ以外はほぼテイクダウンでドバリシビリにコントロールされる展開で判定負け。それから9ヶ月、オマリーは試合をすることなくドバリシビリとの再戦に臨む。前回の試合からどう変わっているかは不明だが、SNSを見るのをやめて精神状態が安定したとのこと。  オッズはドバリシビリ1.29倍、オマリー3.70倍。王者メラブの入場にはニューアークの会場から大ブーイングが送られる。  1R、両者オーソドックス。距離を詰めるオマリーだが、すぐには間合いに入らない。バックスピンキックで牽制する。ドバリシビリが詰めるとサークリングし距離を取るオマリー。ドバリシビリも間合いには入らず様子見。ケージを背負ったオマリーが三日月蹴り、ジャブで牽制。右ボディを入れたオマリー。サイドステップして距離を保ち続ける。ジャブを一発ヒットさせるオマリー。前に詰めるとドバリシビリがバックステップし距離を取る。サークリングするオマリーを追っていくドバリシビリ。  左を一発入れてバランスを崩したオマリーに組み付くと小内刈テイクダウン。すぐに立ち上がるオマリーだが、ドバリシビリはなおも組んでテイクダウンを狙う。オマリーがクラッチを切るとドバリシビリは離れ際にパンチを入れた。ドバリシビリがケージに詰めてまたタックルへ。両足を抱えて引き出してテイクダウン。背中を付けたオマリー。ガードのオマリーにパウンド・鉄槌を入れる。ハーフからオマリーの首を抱えたが時間がなく、解除して立ち上がったドバリシビリ。1R終了。  2R、遠い間合いで飛び込みのフェイントを見せるドバリシビリ。オマリーが右ボディを一発入れた。再び間合いを詰めてきたドバリシビリ。左右のパンチをヒットさせる。オマリーも右を一発返した。距離を取りボディ・前蹴りを入れるオマリー。ドバリシビリタックルに。切ったオマリー。  オマリーはボディブロー・前蹴りで腹に打撃を入れていく。オマリーの右をかいくぐってタックルに入ったドバリシビリだが引き剥がしたオマリー。パンチで詰めるドバリシビリ。オマリーケージまで下がる。右を入れたドバリシビリが四つでクラッチ。テイクダウンをオマリーがこらえると即シングルレッグに。こらもこらえたオマリー。離れると、残りわずかでドバリシビリがバックブローからテイクダウンを狙いつつパンチをヒットさせる。2R終了。  テイクダウンを防ぎきったオマリーだったが、スタッツではドバリシビリのヒット数が上回っている。  3R、ニータップでテイクダウンを狙ったドバリシビリ。切られたがすぐにパンチを入れて離れる。またケージに詰めたドバリシビリ。ダブルレッグに入ると担ぎ上げてテイクダウン。開始30秒でグラウンドに持ち込んだ。ガードを取るオマリー。ケージ際に移動しようとするオマリーだが、ドバリシビリが向きを変えてケージ際に移動させない。ガードのオマリーにヒジを入れる。  ハーフで半身になったオマリー。そのまま背中を向けると立ちに行くが、ドバリシビリがバッククリンチしたままヒザを入れていく。正対したオマリーを即テイクダウン。立ったオマリーの足を小外で刈ってまた倒した。残り30秒でニンジャチョーク、フェイスロック気味に絞めるドバリシビリ。仰向けになったオマリーだが、ドバリシビリはそのままトップから“リバースニンジャ”をノースサウスチョークの体勢で絞めるとオマリーがタップ!  3R 4分42秒、ノースサウスチョークでドバリシビリが2度目の王座防衛に成功。2021年9月のマルロン・モラエス戦のTKO勝ち以来、約3年8カ月ぶりのフィニッシュ勝利を決めた。  試合後、ジョー・ローガンのケージインタビューに王者は「最高の瞬間だ。ジョージアのみんな、愛してる。本当にありがとう。まず最初に、この素晴らしい会社を作ってくれたことに本当に感謝しています。世界で最高の仕事を与えてくれてありがとう。僕は努力しています。世界チャンピオンとして、多くの若い世代に例を示してインスパイアできたことに感謝しています。あなたがどこに行こうと、何を持っていようと、目標があれば大丈夫です。だから、みんな、夢を信じて追いかけてください。僕ができるように、あなたにもできます。 (あなたのようなスタミナを持つ人はいないが?)毎日トレーニングを繰り返し続けるだけだ。僕にとって一番大切なのは、トレーニングで目覚め、その後友達と過ごしたり、人生を楽しむために充電したり、やりたいことを続けることだ。 (驚くべきことは、あなたが単にレベルを維持しているだけでなく、さらに成長していることだ。この試合では、あなたのゲームの別の側面を別の動物のような強さで見せた。あの寝技は?)僕には特別な才能があるわけではありません。一部の人は遺伝的な心臓の強さだと言いますが、違います。若い頃は疲れていて、何をするべきか分からなかったんです。時々、馬鹿げたタバコを吸ったり、変なことをしたりしていました。これはもちろん肺や心臓に悪いし、全てに悪影響だ。神よ、こんな馬鹿げたことをするために私たちを作ったのか。僕は健康に生きるべきだと思う。医療的な理由が必要な人もいるのは理解するが、僕にはこんな馬鹿げたことは必要ない。例えば、僕はただ水を飲んで、清潔な食事を食べて、ただ一生懸命働いているだけです。それだけですよ。その努力が報われたので、見て楽しんでください。 (オマリーを倒した瞬間、チョークを確実に極めたが?)彼はこの試合でテイクダウン防御が改善されていたのは事実です。彼はしっかりトレーニングし、準備も万全でした。彼が変更を加えるだろうと知っていました。毎回負けるたびに大きな変更を加え、そこから学びました。でも、あなたが言ったように、私もどんどん良くなっていて、このテクニックは見せなかっただけです。ポケットにさらに多くのツールがあります。まだ練習中ですが、少しずつ見せます。今が私の番です。UFCのトップ選手たち、素晴らしい人々、努力家たち、そして厳しい相手たち。本当にありがとう。あなたは最高の男です。ありがとう、そして私のチーム全員、レイ・ロンゴ。あなたが大好きです。新しい世代のコーチや、新しい世代の最高の選手たち。そして兄弟(アルジャメイン・スターリングを呼び寄せ)。この人が僕を僕にしたのです。兄弟、ありがとう。 (美しい友情です。メラブ、これはあなたのタイトルの2度目の防衛戦であり、次の防衛戦はコーリー・サンドヘイゲンとの対戦になる可能性が高い)僕は相手のコーリーが好きです。兄弟、あなたを愛してる。彼は最もふさわしい男だ。何度もここに来てくれた。本当に良い男で、尊敬できる男だ。彼のジョークも好きだ。私の国は、私にモチベーションを与えてくれます。ジョージア、あなたたちをとても愛しています」と、周囲への感謝と努力の成果と、次期挑戦者候補についても言及した。  一方、敗れたオマリーは気落ちした様子で「応援に来てくれた人たちに感謝したい。思った通りの試合じゃなかった。2週間の休暇があり、4歳の子供がいて、完璧な妻がいるので、家に帰って時間を過ごしたい。メラブはクソ強い奴だ。やられたよ」とコメントした。 [nextpage] ▼UFC世界女子バンタム級選手権試合 5分5R×ジュリアナ・ペーニャ(米国)12勝6敗(UFC8勝4敗)王者[2R 4分55秒 キムラロック]〇ケイラ・ハリソン(米国)19勝1敗(UFC3勝0敗)挑戦者※ハリソンが女子バンタム級新王者に  コメインは、UFC世界女子バンタム級王座戦。元王者アマンダ・ヌネスが現役復帰を宣言するなか、現王者ジュリアナ・ペーニャに、PFLから参戦しUFCで階級を落として3戦目のケイラ・ハリソンが挑戦する。  ペーニャは35歳でUFC8勝3敗(2KO・2一本・4判定勝ち)。2021年には絶対王者のアマンダ・ヌネスから唯一タイトルを奪っている。ダイレクトリマッチで敗れると、2023年6月には3度目の対戦が組まれていたが負傷欠場。代役相手に勝利したヌネスはその試合で引退を宣言している。昨年10月の2年2ヶ月ぶりの復帰戦が新王者ラケル・ペニントンのタイトルへの挑戦する試合となり、前半テイクダウンからコントロールしたペーニャだがそこからダメージを与える攻めがなく、後半はペニントンの打撃に押される展開で、メディアのほとんどがペニントンを支持する内容での勝利だったが、2度目の王座戴冠を果たした。テイクダウンを武器に戦うトータルファイター。  ハリソンは34歳でUFC2勝0敗(1一本・1判定勝ち)。キャリア18勝1敗(6KO・7一本勝ち)。2012年・2016年にオリンピック女子柔道78kg級を連覇。アメリカ人唯一の柔道金メダリスト。MMA転向後はPFLでキャリアを積み、女子ライト級を2年連続で制覇し計200万ドルを獲得。しかし3年目となった2022年には、ラリッサ・パチェコに決勝で敗れキャリア初黒星を喫している。昨年4月のUFC300でUFC初参戦。キャリアで初めてバンタム級に落とすと、同じ柔道バックボーンでかつてのトレーニングパートナーだったロンダ・ラウジーからタイトルを獲得したホリー・ホルムを圧倒し2Rチョークで一本勝ち。10月の2戦目では、ケトレン・ヴィエラに対し、テイクダウンを奪えない展開となり、判定勝ちしたものの苦戦した印象を残している。  1R、オーソドックスのペーニャにハリソンはサウスポー。前手で距離を測る両者。ハリソンが牽制のジャブを出すが、まだ間合いが遠い。ペーニャは距離を取り様子見。右を一発入れたペーニャ。ハリソンも左を打ち込む。飛び込んだハリソン。ケージに押し込み四つでクラッチ。外掛けでテイクダウン。倒した瞬間にサイドで押さえ込んでいる。下から脇を差して潜ろうとしたペーニャだが、ハーフにして押さえ込むハリソン。ペーニャガードに戻す。  体を起こしたハリソンに対し、ペーニャが下から鉄槌を入れるが、ハリソンが右のパウンドを落としてまた密着する。ペーニャが下からホールドしながらハイガードに。体を起こしたハリソンだが、ペーシャが下から膝を着いているハリソンの顔面に蹴り上げを入れてしまいタイムストップ。ペーニャに減点1が入った上でスタンドで再開される。ペーニャがパンチで出る。ハリソンは残り時間を見て仕掛けない。1R終了。  2R、ジャブで距離を測る両者。ハリソンが左のヒジで飛び込むと四つに組んでケージに押し込む。ペーニャがケージでハリソンの右腕を小手に巻いてテイクダウンをこらえる。しかしハリソン両脇を差してダブルアンダーフックに。そのままテイクダウン。再びペーニャのガードに。インサイドからヒジを入れるハリソン。ペーニャが腕十字を狙うが、ヒジを抜いてディフェンスしているハリソン。後転させてペーニャを亀にしたハリソン。向き直ったペーニャだが、ハリソンがハーフから肩固めを狙う。が、ケージ際でスペースがない。残り10秒の拍子木が鳴ったところでキムラに切り替えたハリソン。サイドに出て極めるとペーニャがタップ!  2R 4分55秒、キムラロックでケイラ・ハリソンが一本勝ち。ハリソン、危なげなくフィニッシュし、UFC王座を獲得。  ケージの中でハリソンは、ジョー・ローガンのインタビューに「ジョー、あなたに言わなければならないことがあります。言いたいことがたくさんあるので皆さん、少しだけ我慢してください。感謝の言葉を述べたい。まず、愛する家族に捧げます。自宅にいる2人の美しい子供たち、無条件に愛している。家族は常に私を支えてくれました。本当に感謝している。そしてこれはファンたちへ。皆に感謝します。私を愛する人も、私を憎む人も、このスポーツの命です。本当にありがとう。  これはあなたたちへのものです。これは、かつて絶望を感じた人、辞めたいと思った人、諦めたいと思った人へのものです。木曜日の夜にその理由を話しました。私も辞めたいと、諦めたいと思った。しかし、あなたの中にまだ小さな声が『諦めないで』と囁くから諦めないで。これはすべての母親たち、特にシングルマザーたちへのメッセージです。私はそれが難しいことを知っています。そして、あなたが罰を受けているように感じているかもしれませんが、そうではありません。子供たちの人生においてあなたの場所があります。あなたにはそこにいる理由があります。神を通して、私はこれらの贈り物を受けました。感謝します。 (試合後ジュリアナと何を話した?)お互いのために祈りました。私たちは戦うためにここにいる。これはファイトビジネスです。私がやっていることを愛していて、ジュリアナのような素晴らしいファイターが私をより良いバージョンに引き出してくれたことに感謝しています。 (木曜日に辞めたいと言ったのは体重調整のことですか?)はい。本当に知りたい? つまり、最後の1ポンドを落とせるのは神だけです。私にはできない。強くない。あまりにも難しい。  アマンダ(ヌネス)。あなたを見ているよ、アマンダ。来て、アマンダ。これが次に進む戦いです。彼女を中に入れて。私たちはアメリカントップチームで同僚だった。私の言葉を聞いて。これが史上最高のファイターです。長年、彼女が持つものを欲しがってきた。私はいまベルトを持っている。彼女はレガシーを持っている。戻ってきて一緒に戦うことが最も幸せなことです」とマイク。  ケージサイドで観戦していたヌネスが呼びかけに応えてケージイン。ローガンの「Are you coming back?」の問いかけに「イエス」と答えたヌネスは、「こうなると思っていた。このために準備してきた。戻ってきて戦うのが楽しみ」と応え、対戦を受諾し、ハリソンとフェイスオフ。その後、ハグをかわした。 [nextpage] ▼ミドル級 5分3R〇ジョー・パイファー(米国)14勝3敗(UFC5勝1敗)[判定3-0] ※29-28, 29-27, 30-27×ケルヴィン・ガステラム(米国)19勝10敗(UFC13勝10敗)  ミドル級。3月のメキシコ大会で組まれていたが、当日にパイファーの体調不良により中止となっていた試合。  メキシコ系アメリカ人のガステラムは33歳でUFC13勝9敗1NC(3KO・2一本勝ち・8判定勝ち)。2013年のTUF17を最年少で制すと、TUF後はウェルターに落とすも、度重なる体重オーバーのため、ミドル級に復帰。ミドルではイスラエル・アデサニヤと暫定王座決定戦を戦うところまでいったが、その後はウェルターでも最小という体格差のため、なかなか戦績が上がらず、常にウェルターに戻すことをアピールしていた。23年12月に再びウェルター級に戻したものの、ショーン・ブレイディに一本負け。さらに次のダニエル・ロドリゲス戦では体重を落とせずミドル級マッチに変更。判定勝ちしたものの、さすがに懲りて今後はミドル級でしか戦わないと宣言した。  パイファーは28歳でUFC4勝1敗(3KO・1一本勝ち)。1度目のDWCSでは投げられた際に手をついて脱臼してしまい敗戦。2度目のDWCSでは2RでKO勝ちし、試合後にはダナ・ホワイトから「契約してもらいたかったらジョー・パイファーのようになれ」と言われるほど、倒しに行く姿勢が高く評価された。UFC本戦でも3連続フィニッシュ勝利で、4戦目にして初のメインに抜擢された。ランカーのジャレッド・キャノニアに対し、序盤こそパンチの圧力で攻勢だったが、キャノニアがパンチに慣れるとカーフを効かされ、タックルも切られる展開で判定負け。昨年6月の前戦は中堅のマルク・アンドレ・バリオーと対戦し、1分25秒でKO勝ちして再起している。その後、長年痛めていた背中の手術を受けたためブランクがあり、さらに前戦は試合当日に体調不良で欠場。「二度とメキシコで試合をしない」と責任転嫁するコメントを残したために批判を受けた。  1R、サウスポーのガステラムにパイファーはオーソドックス。パイファーの右オーバーハンドでガステラムダウン!パウンドを打ち込まれると背中を向けて立ち上がった。パイファーは深追いせず立たせる。圧をかけるパイファー。パンチで出て組もうとしたガステラムだが組み付けない。右ボディを入れるパイファー。飛び込みのフェイントを見せるガステラム。両者警戒して手が出ない。パイファーが右を狙いながら詰める。右ボディ。ガステラムもボディを返した。パイファーの右ハイがヒット。ガステラムが出るところにまた右でダウンを奪う。追撃を足で阻んだガステラム。パイファーは離れて立たせる。残りわずかでパイファーがケージに詰めたところで1R終了。  1Rに2度ダウンを奪ったパイファー。余裕が見える。  2R、ガステラムが飛び込んで左ボディを入れるが、パイファーの左アッパーがヒット。左で距離を測りながら右を打ち込んだパイファー。圧されてケージ際まで追い込まれるガステラム。ガステラムも左オーバーハンドを振っていくが、間合いが合わずヒットしない。パイファーがまた右をヒット。飛び込んでパンチを入れるガステラム。ブロックして打ち終わりに右を返すパイファー。また右を打ち込んむ。終盤にまた連打を入れるパイファー。2R終了。  2Rは狙いすぎていたのか、手数が減ったパイファー。スタッツ上ではガステラムのヒット数が上回っている。  3R、ガステラムが左右のオーバーハンドで出ると、打ち終わりにパンチを返したパイファー。シングルレッグを見せるガステラム。パイファーが左アッパーから右をヒット。パイファーの前に伸ばした手が邪魔をして出られないガステラム。飛び込んで左を一発入れたガステラム。タックルを狙ったが受け止めて引き剥がしたパイファー。逆にパイファーがタックルでケージに押し込むとテイクダウン。すぐにリカバリーして立つガステラム。離れ際に右を入れたパイファー。手数の少ない展開に会場からはブーイングが飛ぶ。ガステラムの左、パイファーの右がそれぞれ単発でヒット。ガステラムがケージに詰めて左を打ち込む。パイファーがケージを背負って出ないままタイムアップ。  判定は29-28、29-27、30-27の3-0でパイファーが勝利。試合後は「フィニッシュできなかった。みんなごめん。相手をリスペクトしすぎて自分の攻撃ができなかった。いつもはフィニッシュするのに、つまらない試合になってしまった」と反省の弁を述べた。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇マリオ・バティスタ(米国)16勝2敗(UFC10勝2敗)3KO/TKO・6SUB ※UFC8連勝[判定3-0] ※29-28, 30-27×2×パッチー・ミックス(米国)20勝2敗(UFC0勝1敗)※元Bellator世界バンタム級王者※マルロン・ヴェラ(エクアドル)は欠場。  元Bellator世界バンタム級王者のパッチー・ミックスがUFCデビュー。堀口恭司、元谷友貴に勝利し、マゴメド・マゴメドフに2度勝利している20勝1敗のミックスは1年1カ月ぶりの復帰戦で、UFCバンタム級10位のマリオ・バティスタと対戦。UFC7連勝中のバティスタは2024年10月の前戦でジョゼ・アルドに判定勝ち。  バンタム級。バティスタ10位。当初マルロン・ヴェラがバティスタと対戦予定だったが欠場。ちょうどそのタイミングでPFLからFAになったミックスがUFCと契約し、初戦でトップ10ランカーと対戦することに。  バティスタは31歳でUFC9勝2敗(1KO・3一本・5判定勝ち)。UFCデビュー戦でコーリー・サンドヘイゲンに敗れるなど、最初の4戦は2勝2敗だったが、そこから7連勝中。昨年1月にランカーのリッキー・シモンと対戦し、打撃で押し続けて判定勝ちしてランキング入り。10月にはビッグネームのジョゼ・アルドとの対戦が組まれ、組んでケージに押し込むだけという退屈な展開が続き、スプリット判定勝ち。メディアのジャッジはアルド支持とバティスタ支持がほぼ半々に割れたが、ファンの支持は圧倒的にアルド支持だった。柔術・レスリングがバックボーンで、スタンドで頻繁に出入りして打撃をヒットさせ、チャンスがあればテイクダウンからの一本も狙える。  ミックスは31歳でUFCデビュー戦。MMA20勝1敗(2KO・13一本・5判定勝ち)。2019年にBellatorでデビュー。翌年、堀口が返上したベルトの王座決定戦でファン・アーチュレッタと対戦するが、判定負けでキャリア初(現在まで唯一)の黒星を喫する。2022年に開催されたバンタム級GPでは、一回戦で元王者の堀口と対戦。打撃で押す堀口・組んでバックキープするミックスで2Rずつ取り合った最終5Rにまたバックキープして判定勝ち。マゴメド・マゴメドフ、ラウフェオン・ストッツをフィニッシュして優勝すると、セルジオ・ペティスを破りバンタム級王者に。昨年5月には初防衛戦でマゴメドフと再戦。1~4Rまでジャッジの意見が全部割れるという接戦で、一者はマゴメドフに49-46をつけたが、ニ者がミックスを支持してスプリット判定勝ちしている。  1R、オーソドックスのバティスタにミックスはサウスポー。バティスタがジャブから右を出して先に仕掛けていく。ミックスは様子見なのか、牽制の蹴りを見せるのみで手が出ない。パンチをボディに入れるバティスタ。パンチに対する反応が悪いミックス、バティスタの右を被弾している。バティスタが飛び込んだところで組んだミックスだがすぐに離れる。バティスタの飛び込んでの右が顔面にヒット。手数が多い。喧嘩四つで前足をミックスの右足の外側に回っていくバティスタ。右ボディから右ミドルを入れる。残り1分。ミックスも左を出したが当たりが浅い。飛び込んで右を入れるバティスタ。ミックス下がる。ホーン。  ミックスが手数で押したラウンドに。U-NEXT解説の堀口恭司は「ミックスは立ち上がりけっこう見るので、これから出てくるのかと。それとも調子が悪いのか」とコメント。  2R、前に詰めてきたミックスあが、変わらずバティスタが左に回りながらパンチを出していく。バティスタのミドルをキャッチしたミックスだが足を引き抜いて離れるバティスタ。ミックスも手を出しているが、バティスタが手数を出していく。サウスポーにスイッチしたバティスタ。ミックスも手数を増やしてきた。詰めて組もうとしたミックスだがバティスタ離れる。バティスタの右がミックスの顔面にヒット。追っていくミックスだがサークリングしてかわすバティスタ。サウスポーの左ストレートを打ち込むバティスタ。右ボディ。右がヒット。ケージ際まで下がるミックスに右ボディ。2R終了。  インターバル中、ミックス陣営からはテイクダウンを狙えとの指示が出る。  3R、ミックスのシングルレッグをかわしてパンチを入れたバティスタ。バティスタは手数を出し続ける。ジャブを出すミックスだが、距離が合わず届いていない。圧を掛けてきたミックスだが、サークリングして詰めさせないバティスタ。ワンツーを入れたバティスタ。ボディ・顔面に打ち分ける。ミックスは両手を上げて打ち合えとアピールするが、苛立ちが見える。残り1分。バティスタがステップしながら打撃を打ち込む展開が続く。左を一発ヒットさせたミックス。バティスタが最後に跳びヒザを見せてタイムアップ。  29-28、30-27、30-27のフルマークが2者の3-0でバティスタが勝利。Bellator王者ミックス、バティスタのステップをとらえきれず、打撃を被弾し、UFC初戦は判定負けとなった。ミックスの敗戦は、2020年9月のフアン・アーチュレッタ戦以来、約4年9カ月ぶり。  PFLとの契約を解除した元Bellator王者では、2025年4月の『UFC 314』にパトリシオ・“ピットブル”フレイレ(ブラジル)がフェザー級でヤイール・ロドリゲス(メキシコ)と対戦し、判定0-3で敗れており、ミックスも続いての敗北を喫した。 [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R〇ケビン・ホランド(米国)28勝13敗(UFC15勝10敗)[2R 1分03秒 アナコンダチョーク]×ビセンテ・ルーケ(ブラジル)23勝11敗1分(UFC16勝7敗)  ウェルター級。ルーケ14位。  ルーケは33歳でUFC16勝6敗(8KO・6一本・2判定勝ち)。4連勝→後の王者エドワーズに判定負け→6連勝→元タイトル挑戦者トンプソンに判定負け→4連勝でランキングトップ5まで行ったが、ここ3年では2勝3敗。ジェフ・ニールやホアキン・バックリーに敗れてランキング外寸前まで追い込まれている。昨年12月の前戦も、ランク外で4連勝中のテンパ・ゴリンボと対戦。新鋭相手にオッズでアンダードッグという評価だったが、右でダウンを奪ってから得意のアナコンダチョークで勝利している。打撃・寝技の両方でフィニッシュ力が高いファイター。  ホランドは32歳で14勝10敗1NC(6KO・4一本・4判定勝ち)。2020年、コロナ禍でイベントも無観客開催していたころ、8ヶ月で5連戦し全勝(4KO)する活躍で一気にトップランカーとなったが、その後はテイクダウンディフェンスの甘さを突かれるようになり、塩漬けにされ連敗。その後ウェルターに落とし、一時はランキングにも入っていたが、少しでも多く試合したいという意向のため、ミドル級の試合オファーも受けている。そのため試合ペースが早く、今年も前半で早くも3試合目。ミドル級でロマン・ドリーゼとライニアー・デ・リダーに連敗したが、3月の前戦は再びウェルターに落とし、元ランカーグンナー・ネルソンに判定勝ちしている。  1R、両者オーソドックス。蹴りを出したホランド。キャッチしてテイクダウンを狙うルーケだが、ホランドは片足でこらえたままパンチを打ち込み抵抗する。放したルーケ。パンチを打ち込むルーケ。四つに組んだホランド。離れ際に右のヒジをテンプルに入れたホランド。ルーケはケージ際に。ホランドが畳み掛けようと距離を詰めるとルーケがパンチをヒットさせて詰めさせない。飛び込んできたホランドに左を打ち込むルーケ。ホランドがまた飛び込むがルーケの左がヒット。頭を叩いて効いていないとアピールするホランド。リーチに勝るホランドの間合い。ルーケの間合いの外から蹴りを入れていく。1R終了。  中継のリプレイでホランドが打撃をヒットさせた場面が多く流されたように、ホランドの攻めが印象的だった1R。  2R、ルーケの蹴りをキャッチしてパンチを打ち込んでテイクダウンしたホランド。ルーケがすぐに体を起こしてシングルレッグに入るが、ホランドがそこに得意のアナコンダチョークに捕らえた!足を絡まれて抜けないルーケ。タップアウト!  2R 1分03秒、ホランドのダースチョークでの一本勝ちとコールされた。  試合後、ホランドは「相手がやりたいような楽しい試合を展開しようと思ったんだ。腕が長いからダースチョークは得意技だ。一緒にブラジリアン柔術を練習してくれたみんなありがとう。自分はやっぱりウェルター級が合っているね。また夏か秋に試合をしたいよ」と語り、元暫定王者コルビー・コビントンとの対戦をアピールした。 [nextpage] 【プレリム】 ▼フライ級 5分3R〇ジョシュア・ヴァン(ミャンマー)14勝2敗(UFC7勝1敗)※UFC4連勝[3R 4分01秒 TKO]×ブルーノ・シウバ(ブラジル)14勝7敗(UFC4勝4敗)  フライ級。シウバ12位、ヴァン14位。  シウバは35歳でUFC4勝3敗1NC(3KO・1一本勝ち)。フライ級ランカーではティム・エリオット38歳に続く2番目の年長。2連敗からの4連続フィニッシュ勝利&4連続パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト受賞でランキング入りしたが、前戦ではマネル・ケイプ相手にローブローを繰り返した上に最後はKO負けで連勝がストップした。打撃・極めの両方で仕留めることができるフィニッシャー。  ヴァンは23歳でUFC6勝1敗(1KO・5判定勝ち)。フライ級では鶴屋に次ぐ2番目の若さ。シウバとは3月のUFC313で試合が組まれていたが、シウバが欠場したため、代役の鶴屋と対戦。鶴屋のテイクダウンをケージを使って凌いで打撃を効かせていき、テイクダウンを奪われてもすぐに立ち上がって完勝。鶴屋にキャリア初黒星を与えている。ストライカーで、1分平均の打撃のヒット数8.10は現時点でUFC史上1位。  1R、両者オーソドックス。オープニングのシウバのカーフキックでスリップダウンしたヴァンだがすぐに立ち上がる。インローを出すシウバにパンチを合わせたヴァン。詰めていくとシウバは下がる。右で飛び込んだシウバだが、かわして右を顔面に入れたヴァン。圧を掛けていく。ワンツーが顔面にヒットしシウバダウン!すぐに飛び込んだヴァンだが、シウバがタックルに入ると離れて立った。  また右を入れたヴァン。シウバがタックルで四つに組んだが、すぐに引き剥がしたヴァン。シウバのカーフキックで足が流れたヴァン。飛び込んだシウバが足払い気味にカーフを蹴るとバランスを崩したヴァン。それでも詰めていく。飛び込んだシウバに左フックを引っ掛ける。1R終了。  ダウンを奪ったヴァンだが、シウバのカーフキックも確実にダメージを与えている。  2R、前に出てパンチを入れるヴァンだが、シウバが詰めて両脇を差した。ケージまで下がったヴァンが差し返して引き剥がす。また詰めるヴァン。シウバ下がりながら前蹴りを入れるが、ヴァンが圧を掛け、シウバが飛び込んでくるとかわしてパンチをヒットさせる。ヴァンのジャブのダブルがヒット。  シウバも下がりながら打撃を入れる。シウバが出るところで右がカウンターでヒットしダウン!すぐに詰めて鉄槌を連打するヴァン。シウバタックルで凌ぐ。スタンドに戻るとシウバがタックルでテイクダウン。しかしすぐに引き剥がして立った。詰めるヴァンにシウバがまたタックルに入るが、切ってヒザ!仰向けに倒れたシウバ。ヴァンがパウンドに行くが、ガードで凌ぐシウバ。ヴァン自ら立ってスタンドに戻す。2R終了。このラウンドもダウンを取ったヴァン。  3R、サウスポーにスイッチしてミドルを入れるシウバ。ヴァンが圧を掛けてジャブを入れる。ヴァンの右が顔面を捕らえる。組みに来たシウバにワンツーをヒット。下がらないシウバだが、詰めたところにアッパーを入れたヴァン。シウバタックル。小手で投げを放って切ったヴァン。パンチをヒットさせていくヴァン。左ボディがヒット。さらに右フックをもらったシウバはケージまで下がるとヴァンが詰めて連打。シウバしゃがみ込んでダウン。そのままパウンドを打ち込みKO! これでヴァンはUFC7勝1敗。  オクタゴンで4連勝としたヴァンは、試合後のインタビューで「もっと成長していく。狙いすぎずにやるべきことをやれば、自然とフィニッシュが取れるね」とコメントした。 [nextpage] ▼ライトヘビー級 5分3R〇アザマト・ムルザカノフ(ロシア)15勝0敗(UFC5勝0敗)※UFC5連勝[1R 3分25秒 TKO] ※左フック→パウンド×ブレンジソン・ ヒベイロ(ブラジル)17勝8敗(UFC2勝3敗)   ライトヘビー級。ムルザカノフ11位。  ロシアのムルザカノフは36歳でUFC4勝0敗(3KO・1判定勝ち)。キャリアでも14戦全勝。20歳でMMAデビューしてから15年でまだ14試合しかしていない(プロデビュー初戦の後、学業に専念するため選手を休業しており、2戦目を行ったのは5年後)。2017年にUFCと契約したが、禁止薬物による2年の出場停止があり、最初はデビュー前にリリースされている。2021年に再度UFCと契約。デビューから3連勝でランキング入りし、前回はアロンゾ・メニフィールドとの打撃戦で打ち勝ってKO勝ち。パンチが武器のストライカー。当初はジョニー・ウォルケルと対戦予定だったが、1ヶ月前にウォルケルの出場がなくなり、代役としてヒベイロの出場が決まった。  ヒベイロは28歳でUFC2勝2敗(1一本・1判定勝ち)。UFCデビュー戦はRTUのワンマッチ出身のジャン・ミンヤンに1RKO負け。2戦目はUFCデビュー戦のマゴメド・ガジヤスロフにカーフを効かせたものの、2R・3Rにテイクダウンされるとリカバリーがなく判定負け。3戦目で同じUFC0勝2敗のカイオ・マシャド相手に判定勝ち。前戦はUFCデビュー戦のディヤル・ヌルゴジェイにバックを取られたところで下からキムラを仕掛けて一本勝ちして戦績をタイに持ち込んだ。  1R、サウスポーのムルザカノフにヒベイロはオーソドックス。ムルザカノフが距離を詰めていくが、ヒベイロがミドルをヒットさせる。ムルザカノフが飛び込んで左ボディ。三日月蹴りを見せるヒベイロ。ムルザカノフ左オーバーハンドをヒット。詰めるムルザカノフに対し左にサークリングしケージに詰まらせないヒベイロ。ヒベイロ関節蹴り。ムルザカノフの左オーバーハンドがテンプルにヒットし効いた!  下がるヒベイロに詰めて上になるとパウンド。タックルでしのごうとしたヒベイロを潰して上になったムルザカノフ。マウントから鉄槌・パウンド。亀になったヒベイロにパウンドを打ち込むムルザカノフ。レフェリーストップ!  1R3分25秒、TKOでムルザカノフがUFC5連勝、プロデビューからも15連勝とした。  試合後、ムルザカノフは「もっと試合がしたい。ランカーと試合をするはずだったが、出来なくなって、ヒベイロが試合を受けてくれて感謝している。どんな相手でも、タイトルに近づく試合なら受けるよ。5Rの試合のチャンスをくれ」と、5R(メインイベント)での試合の機会を求めた。 [nextpage] ▼ヘビー級 5分3R〇ワルド・コルテス・アコスタ(ドミニカ)14勝1敗(UFC7勝1敗)※UFC5連勝[判定3-0] ※30-27, 29-28×2×セルゲイ・スピバック(モルドバ)17勝5敗(UFC8勝5敗)  ヘビー級。スピバック7位、アコスタ11位。  スピバックは30歳でUFC8勝5敗(3KO・3一本・2判定勝ち)。3連勝で現暫定王者トム・アスピナルにKO負け、その後また3連勝で元暫定王者シリル・ガーンに負け。前戦はライトヘビー級の体格でスピードとグラウンドテクニックが武器のジャイルトン・アウメイダにバックマウントからパウンドを打たれてKO負け。ランキングをじわじわ上げてきているものの、タイトル戦クラスの選手とは明確に差がある。テイクダウンからのパウンドが武器。ヘビー級ランカーでは2番目の若さ。  アコスタは33歳でUFC6勝1敗(2KO・4判定勝ち)。2年前にマルコス・ホジェリオ・デ・リマに敗れてから4連勝中で、ランキングもトップ10が見てきたが、ランカーと対戦するのはこれが初めて。前戦はライトヘビー級から階級を上げてきたライアン・スパンにパンチでダウンを奪ってパウンドアウト。元野球のピッチャーで、投球フォームのようなスイングで打ち込む右オーバーハンドが武器。  1R、両者オーソドックスに構える。スピバックが右オーバーハンド。バランスを崩したアコスタにハイキックを打ち込んだ。詰めていくスピバック。ケージを背負いサークリングするアコスタ。カーフを蹴るアコスタだが、スピバックがニータップを合わせてテイクダウン。すぐに立つアコスタからバッククリンチ。テイクダウンを狙ったが、アコスタ正対してこらえた。テイクダウン狙うスピバックを引き剥がしたアコスタだが、スピバックの右がヒットしバランスを崩す。  詰めたスピバックがパンチから四つに組み付く。ケージでこらえるアコスタ。スピバック離れた。詰めてジャブを入れる。組みに行くが引き剥がしたアコスタ。ケージを背負いながらジャブを入れる。左右のパンチをヒットさせるアコスタ。ブロッキングしながら詰めていくスピバックだが手が出ていない。右オーバーハンドから組み付いたスピバック。引き剥がしたアコスタが左右のパンチをういコム。ブロッキングでしのいだスピバック。1R終了。  前半はスピバックが打撃とテイクダウンを組み合わせての攻めで優勢だったが、後半アコスタが手数をまとめてきた。  2R、ジャブを出しながら詰めるスピバックだが、アコスタはジャブのダブルからボディストレートをヒット。スピバックが飛び込んで四つに組みケージに押し込むが、すぐに離れたアコスタ。下がりながらカーフキック、ジャブを入れていく。スピバックも右オーバーハンドを入れるが、手数ではアコスタが上回る。ケージまで詰めるスピバックだが、そこから先の攻めがない。飛び込んで四つに組んだが、アコスタが引き剥がして離れた。詰めてヒザをボディに入れたアコスタ。スピバックが1R同様カーフキックにニータップを合わせるが、ケージでこらえて離れたアコスタ。が、この攻防で一気に疲れを見せるアコスタ。パンチのスピード、威力がなく、手数も減っている。スピバックも疲れがあるのか手が出ない。アコスタが左ボディを入れたところで2R終了。  両者がスタミナを消耗し、動きが落ちてきた2R。  3R、スピバックが詰めていく。右オーバーハンドを入れるとふらついたアコスタだが、大げさに効いた様子を見せて逆にダメージがないことをアピールしようとする。スピバックがケージに詰めてヒジを入れる。離れて距離を取るアコスタ。スピバックが四つでケージに押し込んだが、アコスタが引き剥がし離れる。スピバックがパンチで出ると背中を向けて距離を取るアコスタ。そこにハイを狙ったスピバック。残り1分でスピバックがシングルレッグ。リフトしてテイクダウンした。すぐに立ちに行くアコスタ。スピバックがバックについたが引き剥がした。両者スタミナを消耗した状態で、残り10秒で足を止めて打ち合う。スピバックの右がヒットするが、倒すには至らずタイムアップ。  30-27、29-28、29-28の3-0でアコスタがトップ10ランカーを下し5連勝。僅差の判定に場内騒然とした中でインタビューを受けたアコスタは「僅差の試合だったが十分やれたと思う。歓迎してくれたニュージャージーに感謝している。相手が打撃で挑んできたのは驚いたよ」とコメントした。 [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R〇アンドレアス・ガスタフソン(スウェーデン)12勝2敗(UFC1勝0敗)[判定3-0] ※30-26×2, 30-27×ケイオス・ウィリアムズ(米国)15勝5敗(UFC6勝4敗)  ウェルター級。ウィリアムスは31歳でUFC6勝3敗(4KO・2判定勝ち)。4KOした試合はすべてパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞している。うち3試合は1RでのKO勝ち。モーションの短い右のパンチが試合序盤には特に対戦相手にとって見切りにくく、序盤のKO勝利を生んでいる。一方、長期戦になった場合はグダグダになりがち。敗れた相手は現ミドル級ランカーのミシェル・ペレイラ、ランディ・ブラウン、2月の前戦で対戦し、ダースチョークでキャリア初の一本負けを喫したガブリエル・ボンフィム戦。  当初はウロス・メディチと対戦予定だったが、試合1週間前にメディチが欠場。代役でUFCと契約したアルベルト・タデヴォシアンとの試合に変更となったが、タデヴォシアンもメディカルチェックをクリアできず欠場。同じように、先週試合予定が対戦相手が2度欠場しているガスタフソンが代役となった。  スウェーデンのガスタフソンは34歳でUFCデビュー戦。11勝2敗(8KO勝ち・2一本勝ち)。昨年8月のDWCSでは首相撲からのヒザで2RKO勝ちしてUFCとの契約を決めた。レスリング(グレコ)でスウェーデン&北欧王者。先週のUFCでジェレマイア・ウェルズと対戦予定だったが、ファイトウィークに入ってから欠場となり、トレヴィン・ジャイルスに変更。が、計量当日にジャイルスが頭を打って負傷欠場し、試合が消滅していた。  1R、両者オーソドックス。ガスタフソンが開始と同時に左右のフックを放ちながら詰めて組み付いた。四つ組みから外掛けテイクダウンを狙うガスタフソン。差し返して両脇を差したウィリアムスだが、すぐに差し返すガスタフソン。テイクダウンを狙っていくが膠着とみなされレフェリーブレイク。再開後すぐにまた左右のパンチを出しながら詰めていくガスタフソン。左をヒットさせると四つに組んでケージに押し込む。離れ際にヒジを入れた。なおも詰めるガスタフソン。ウィリアムスアッパーをヒット。大振りのパンチで詰めたガスタフソンが四つに組んでケージに押し込む。しかしテイクダウンを狙う状態に出来ず、四つからヒザを入れていく。ウィリアムスも密着した状態でヒジ・パンチを入れていく。ガスタフソンが首相撲ヒザを入れ、ウィリアムスがクリンチアッパーを返したところで1R終了。  テイクダウンは奪えなかったが、1Rは積極的に打撃で手を出して組み付き攻め続けたガスタフソンが優勢に試合を進める展開。  2R、ガスタフソンが1R同様大振りのパンチを振りながら距離を詰める。ケージを背負ったウィリアムスに組み付くと脇の差し合いの展開に。ガスタフソンがヒジを入れたところで距離を取ったウィリアムス。詰めるガスタフソン。下がるウィリアムスに左右のパンチがヒット。プレッシャーを受け続けているウィリアムスにも消耗が見える。ガスタフソンの大振りのパンチを被弾。ウィリアムスもパンチを返すが、スピードがなく体が流れている。四つに組んだガスタフソンが初めてテイクダウンに成功。背中を向けて立ったウィリアムスだが、ガスタフソンは再び四つから投げてテイクダウン。バックに回るガスタフソン。ウィリアムスバックを取らせて立つが、すぐにまたテイクダウンしたガスタフソン。消耗したウィリアムスに対し、ガスタフソンは自分の展開に持ち込めたことで息を吹き返してきた。テイクダウンを狙いながらクリンチしての打撃を入れていくガスタフソン。2R終了。疲れを隠せないウィリアムス。  3R、すぐに跳びヒザを出したガスタフソン。変わらずパンチを振りながら出ていき、ケージに詰めて四つ組みに。引き剥がそうとするウィリアムスだが、四つの攻防で口が開いている。ケージに押し込み肩パンチを入れるガスタフソン。引き剥がし離れるウィリアムスだが、ガスタフソンはすぐに距離を詰める。ウィリアムスもパンチを合わせようとするが、疲れで体が流れている。首相撲からヒジを入れるガスタフソン。押し込みながらヒジ・ヒザを休まず入れ続けるとテイクダウン。立ったウィリアムスだがバックをキープ。前転してスクランブルを狙ったウィリアムスだが、ガスタフソンが上をキープしサイドからヒジの連打を入れる。再び背中を向けて立ったウィリアムス。ガスタフソンがバックからヒザ・パンチを入れていく。耐えるだけのウィリアムス。タイムアップ。  30-27、30-26、30-26の3-0でガスタフソンがUFCデビュー戦勝利。試合後は「観客のブーイングが聞こえてきたが、自分は殴り合うのが好きなだけだよ。バイキングのようにね。プラン通りだった。相手も意外に良いレスラーで、腕が疲れたけど、うまくやれたと思う」と語った。 [nextpage] 【アーリープレリム】 ▼女子フライ級 5分3R〇ワン・ツォン(中国)8勝1敗(UFC3勝1敗)[判定3-0] ※30-27×3×アリアネ・ダ・シウバ(ブラジル)17勝11敗(UFC6勝8敗)※体重超過※ダ・シウバは規定体重をオーバー。対戦相手のワン・ツォンに報奨金の25%を支払う  女子フライ級戦だったが、シウバが6ポンドの大幅オーバーで、ファイトマネーの30%をワン・ツォンに渡した上でキャッチウェイトで実施される。シウバ13位。  シウバは31歳でUFC6勝7敗(2一本勝ち・4判定勝ち)。ローカル時代はKO勝利が多かったが、UFCではまだなし。3連勝でランキング入りした後、カリーニ・シウバとジャスミン・ジャスダビシアスにいずれもグラウンドに持ち込まれる展開で判定負け。ランク外に落ちている。KSQで女子フライ級王座を獲得・2度防衛していたため、契約当初は期待された選手だったが、グラウンドの弱点が大きい上に、改善の兆しが見えない。  ワン・ツォンは33歳でUFC2勝1敗(1KO・1判定勝ち)。キャリアでは7勝1敗で2KO・2一本勝ちRoad To UFCのワンマッチからUFC契約を果たした。UFCデビュー戦では秒殺KO勝ち。。元キックボクサーで、キック時代に現王者のヴァレンチーナ・シェフチェンコを破っているという実績のため、こちらも鳴り物入りでのUFCデビューとなったが、地元マカオでの2戦目は大幅アンダードッグのガブリエラ・フェルナンデス相手に2Rハイキックでダウンを奪われてチョークで一本負け。2月のオーストラリア大会で再起したものの、キャリア初黒星を喫した影響からか、打撃をヒットさせても倒しに行く姿勢は見られず、判定勝ちしたものの、評価を下げる内容だった。  1R、両者オーソドックス。カーフを蹴るワン・ツォン。シウバもカーフキックを返す。ロー、ジャブで牽制の打撃を入れ合う展開。右を打ち込んだシウバ。ワン・ツォンが詰めてパンチの間合いに。左右のフックを打ち込んだワン・ツォン。距離を取るシウバ。ワン・ツォンの蹴り足をキャッチしてテイクダウンを狙う。片足でこらえたワン・ツォン。離れ際にパンチを入れたシウバ。ワン・ツォン詰めて左・右と打ち込んだ。シウバがタックルに行くが、切ってパンチを入れたワン・ツォン。カーフキック。明らかに効いた様子を見せたシウバ。蹴られた左足を後ろに引いてスイッチした。ワン・ツォンが詰めて右ボディから左を打ち込む。インローから右オーバーハンド。ワン・ツォンがミドルを入れたところで1R終了。  早々にカーフキックで左足を殺されたシウバは厳しい状況に。  2R、再びオーソドックスに構えたシウバ。パンチで詰めると首相撲ヒザを入れる。しかしまたカーフを蹴られてサウスポーにスイッチ。右ボディを入れるワン・ツォン。シウバも右をヒット。シウバがオーソに構えて距離を詰め左右のパンチを打ち込む。ワン・ツォンが詰める。首相撲を狙ったシウバだが引き剥がすワン・ツォン。距離を取りながらヒット&アウェイで打撃を入れていく。カーフキックでシウバダウン。猪木アリ状態となるが、ワン・ツォン付き合わずに立たせた。またサウスポーに構えるシウバ。2R終了。  3R、サウスポーに構えて出ていくシウバ。パンチで詰めるが、不慣れなサウスポーで強いパンチが打ち込めない。間合いを詰めたがワン・ツォンの右オーバーハンドを被弾。シウバタックルに。倒しかけたがワン・ツォンこらえる。首相撲ヒザを入れて離れたシウバ。シウバのジャブの打ち終わりにパンチをヒットさせるワン・ツォン。  左ミドルを入れたシウバ。ワン・ツォン腹が効いたのか後退する。詰めたシウバがボディにテンカオをヒット。しかし出たところでまたカーフを蹴られる。すぐにサウスポーにスイッチするシウバ。シウバが逆転を狙いプレスしていくが、ワン・ツォンが距離をキープしてパンチをヒットさせていく。タイムアップ。ジャッジ3者とも30-27の3-0でワン・ツォンが判定勝ち。  UFC戦績を3勝1敗としたワン・ツォンは「これが100%だとは思っていないので満足はしていない。次はもっといい試合をする」とコメント。3戦続けてブラジリアンとの対戦となったが、「もっとブラジル人と対戦したい。ジェシカ・アンドラージとやりたい」と、女子フライ級5位のアンドラージの名をあげた。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇ユ・ジュサン(韓国)9勝0敗(UFC1勝0敗)[1R 0分28秒 KO] ※左フック×ジェカ・サラギ(インドネシア)14勝5敗(UFC1勝3敗)  フェザー級。サラギは30歳でUFC1勝2敗(1KO勝ち)。キャリアでは14勝4敗(9KO・4一本勝ち)。Road To UFCシーズン1ライト級では、先週のRIZIN韓国大会でホベルト・サトシ・ソウザと対戦したキ・ウォンビンに1RKO勝ちしたが、決勝ではインドのアンシュル・ジュブリにテイクダウンされるとなすすべなく攻め込まれ、パウンドでKO負け。  それでも準優勝でUFCと契約すると、フェザー級に落とした本戦1試合目では、UFC1勝1敗のルーカス・アレクサンダーに秒殺KO勝ち。しかし前戦はUFC0勝2敗のウェスティン・ウィルソンに組み付かれると、ガードからの十字→三角で一本負け。一発で倒すパンチはあるが、グラウンドの穴が大きい。  ジュサンは31歳でUFCデビュー戦。キャリア8戦全勝(3KO・1一本勝ち)。昨年、Lookin' For a Fightとして行われたコリアンゾンビ主催のZFN02で、RTUシーズン3ベスト4の河名マストに1RKO勝ち。試合後にUFCとの契約を決めている。河名相手には殺傷能力の高い打撃が炸裂したが、UFCでどこまでできるか。  1R、両者オーソドックス。いきなりスピンキックを見せたジュサン。サラギが詰めていく。サラギの右フックをかわしたジュサンは下がりながらの左前手のフックをヒット!  意識が飛んだサラギがゆっくりと前のめりに倒れ、ジュサンがパウンド1発でレフェリーが間に入った。1R 0分28秒、KOでジュサンがUFCデビュー戦で快勝。  試合後のインタビューでジュサンは「KOしたパンチは毎日トレーニングをしているから自然に出た動きだった。コリアンゾンビにはここまでたくさん支えてもらった。この勝利もコリアンゾンビのおかげ。いつかUFC王者になってコリアンゾンビに捧げたい」とコリアンゾンビへの感謝を口にした。 [nextpage]▼ライト級 5分3R〇クイラン・サルキルド(豪州)9勝1敗(UFC2勝0敗)[判定3-0] ※30-27, 29-28×2×ヤナル・アシュモズ(イスラエル)8勝2敗(UFC2勝2敗)  ライト級。オーストラリアのサルキルドは25歳でUFC1勝0敗(1KO)、キャリアでは8勝1敗(3KO・3一本勝ち)。オーストラリアのEternal MMAではライト級王座を獲得し、防衛戦では今年のRoad To UFCでエフェヴィガに勝利したドン・マー・ファンを破っている。昨年9月のDWCSでは15分間でテイクダウンを9度奪って勝利し、UFCと契約。UFCデビューは2月の地元オーストラリア大会で、Road To UFCシーズン1ウィナーのアンシュル・ジュブリからわずか19秒でKO勝ち。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した。しかしジュブリが未だにUFC未勝利のため、サルキルドの実力も測りきれない部分がある。  イスラエルのアシュモズは30歳でUFC2勝1敗(1KO・1判定勝ち)。キャリアではサルキルドと同じく8勝1敗(4KO・2一本勝ち)。DWCSを経ずにUFCと直接契約し、初戦はサム・パターソンとのUFCデビュー戦対決で秒殺KO勝ち(パターソンはその後3試合連続1Rフィニッシュ勝利)。しかし2戦目はクリス・ダンカンに蹴りで左腕を折られ、片腕が使えないまま戦い抜いたが判定負けでキャリア初黒星。前戦はUFC2勝2敗のトレバー・ピークに打撃をかわして組み付く展開で判定勝ち。柔術バックボーンでイスラエル王者。現在は開催地のニュージャージーを拠点としている。  1R、両者オーソドックス。アシュモズがパンチで距離を詰める。四つにうkンっだアシュモズ。投げてテイクダウン。すぐに立ったさるキルドだが、アシュモズは空ラッチを放さず再度テイクダウン。また立ち上がったサルキルド。アシュモズはスタンドバックにつく。さらにテイクダウンを狙うが、正対したサルキルド。離れた。サルキルドがハイ、前蹴り、カーフキックを入れる。距離を詰めてきたアシュモズにタックル。テイクダウン。アシュモズはすぐにスクランブルから立ち上がる。サルキルドはケージ際でクラッチすると抱え上げてテイクダウン。アシュモズがシングルレッグでしのごうとするが、なおもバックを取ったサルキルド。ボディロックから反り投げでテイクダウン。バックマウントに。アシュモズが反転して上を取り返したが、サルキルドはすぐに下から蹴り上げて立ち上がった。アシュモズがパンチで出たところで1R終了。  序盤はテイクダウンからチャンスを作ったアシュモズだが、そこでスタミナを使ってしまったのか、それ以降は組みの展開でサルキルドが上回る展開に。  2R、アシュモズのカーフキックで足が流れたサルキルドだが、シングルレッグに入りテイクダウン。背中を向けて立とうとするアシュモズ。バッククリンチでコントロールするサルキルド。正対したアシュモズ。シングルレッグを狙ったが、四つでクラッチしたサルキルド。投げてテイクダウン。サルキルドがバックを取る。動きに消耗が見えるアシュモズ。スクランブルでバックを取り返そうとしたが、先回りしてサルキルドが上を取る。バックからパウンドを入れるサルキルド。アシュモズ立ち上がりまたスタンドバックに。ケージ際で正対するとサルキルド離れた。サルキルドがタックルに入るががぶったアシュモズ。立ち上がり離れたサルキルド。2R終了。  組みの展開で劣勢が続くアシュモズ。  3R、距離を取るサルキルド。アシュモズは打撃での一発狙いに切り替えてパンチで距離を詰めていく。サルキルドタックルに入るが切られた。立って離れるサルキルドを追っていき右をヒットさせたアシュモズ。しかしサルキルドタックルに入りテイクダウン。ハーフで押さえ込んだ。バックに回るが、アシュモズが立ち上がり正対し離れる。なおもパンチで詰めていくアシュモズ。サルキルドもスタミナの消耗が見える。下がりながらパンチを入れるサルキルド。タックルに入るがアシュモズが切った。残り1分。アシュモズがハイを放った際にスリップしたが、サルキルドもそこに組み付くことが出来ずに立たれた。残り30秒っでダブルレッグに入ったサルキルド。スタンドバックで時間を使う。スクランブルで逃れようとしたアシュモズだがタイムアップ。  30-27、29-28、29-28の3-0でサルキルドが勝利。UFCデビューから2連勝としたサルキルドは、「トータルで強いファイターということを見せたかった。前回は19秒で勝利して打撃の強さは見せられたが、今回はレスリングが強いことも見せられたと思う」と語った。 [nextpage] ▼ライト級 5分3R〇マルケル・メデロス(米国)11勝1敗(UFC3勝0敗)[判定3-0] ※30-27×2, 29-28×マーク・チョインスキー(米国)7勝1敗(UFC0勝1敗)  ライト級。メデロスは28歳でUFC2勝0敗(2判定勝ち)。キャリアでは10勝1敗(6KO勝ち)のストライカー。昨年2月のデビュー戦では打撃の手数で上回り判定勝ち。その後2回試合が飛んで、3月末のメキシコ大会でTUF準優勝オースティン・ハバードに判定勝ち。しかし組みでコントロールされる時間も長く、弱点も少し見えた。先週ボラジ・オキ戦が組まれていたが、試合3日前に体調不良で欠場。しかし1週間後にスライドして、初参戦のチョインスキー戦が組まれた。  チョインスキーは29歳でUFC緊急デビュー戦。キャリア8戦全勝で1KO・5一本勝ち。ルーファスポーツ所属で、同門のアンソニー・ペティス主催のアンソニー・ペティスFCライト級王者。2週間後のアンソニー・ペティスFCでにRIZINで矢地や武田に完敗した咬ませ犬(6連続フィニッシュ負け中)のザック・ゼインとウェルター級王座決定戦が組まれていたが、メデロスの出場が決まった10日前に急遽UFCと契約、デビュー戦を行うことに。バックボーンはレスリングで、D-3のオールアメリカン。  1R、両者オーソドックス。プレッシャーを掛けるメデロス。ケージ際まで下がるチョインスキー。左右のパンチで飛び込むがメデロスがバックステップでかわす。バックスピンキックを見せるメデロス。左右のパンチから前蹴り。チョインスキーも右オーバーハンドをヒットさせる。ワンツーがヒット。チョインスキータックルへ。ドライブしてバックに回ると背中に乗った。右腕を首に巻いたが、メデロスは左腕を脇に挟んでチョークを取らせない。自ら降りたチョインスキー。スタンドバックから足をかけてテイクダウンを狙うが、メデロス正対。離れた。カーフを蹴るメデロス。残り1分。メデロスの前蹴りにチョインスキーが右をヒット。またカーフを蹴るメデロス。チョインスキーの足が流れる。右を打ち込むチョインスキー。メデロスがワンツーから前蹴りをヒットする。1R終了。  タックルからバックを取ったチョインスキーだが、有効な攻めがないまま終わっており、打撃の展開ではややメデロスが上回る展開で1Rが終了。  2R、チョインスキーが右オーバーハンドをヒット。間合いがつまり、お互いの打撃がヒットする位置になり、両者の手数が増えてきた。メデロスがジャンプでフェイントをかけてからパンチを打ち込む。両者のパンチが交錯し、チョインスキーの左がヒットしたが、またカーフを蹴られて足が流れる。メデロスが距離を取りサークリングするが、ケージに詰めたチョインスキーがタックルへ。ケージでこらえてヒジを入れたメデロスが離れた。メデロスカーフキック。効かされてダウンしたチョインスキー。パウンドを打ち込むメデロス。タックルに入り立ち上がったチョインスキーだが、メデロスの打撃がヒットする。またカーフキックでダウン。すぐにシングルレッグに入ったチョインスキー。テイクダウン。残り1分でバックにつくと、背負って立ち上がったメデロス。フックした足を解除して脱出したメデロス。またカーフキック。2R終了。  カーフキックを効かせたチョインスキーが明らかにリードした2R。  3R、またカーフを蹴るメデロス。チョインスキータックルへ。スタンドバックに回ろうとしたが回りきれず引き剥がされる。メデロスのカーフキックで三度ダウン。メデロスはガードを取るチョインスキーの足を蹴る。立ち上がるチョインスキーがまたタックルに入るが、メデロスが引き剥がし離れる。距離を取りカーフを蹴るメデロス。チョインスキーが追っていくが、メデロスの打撃をもらう展開が続く。ケージに詰めたところでタックルに入ったチョインスキー。ダブルレッグに切り替えてテイクダウン。残り1分45秒でマウントに。背中を向けたメデロス。ハーフバックになるが、メデロスはチョインスキーの腕を掴んでディフェンス。仰向けになり両足をフックしたチョインスキー。チョークを狙うがディフェンスされている。残りわずかで足のフックを解除し立ち上がったメデロス。チョインスキーがバックからパンチを入れてタイムアップ。  30-27、30-27、29-28の3-0でメデロスが判定勝ち。UFCデビューから2連勝としたサルキルドは、「トータルで強いファイターということを見せたかった。前回は19秒で勝利して打撃の強さは見せられたが、今回はレスリングが強いことも見せられたと思う」と語った。
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