今回はもっと倒しにいく。リスキー? ファイトはそもそも全部リスクだ。人生がそうであるように
──現在12連勝中ですが、UFCの歴史で13連勝以上しているのは、アンデウソン・シウバ、イスラム・マカチェフ(ライト級王者)、カマル・ウスマン(ウェルター級5位)、ジョルジュ・サン・ピエール、ジョン・ジョーンズ、デメトリアス・ジョンソン、ハビブ・ヌルマゴメドフ、マックス・ホロウェイ(ライト級4位)だけです。このエリートたちと並ぶことの意味は?
「うわ、すごいな。これは俺にとってめちゃくちゃモチベーションになるよ。でも、今はとにかく次の試合に集中するだけ。神が望むなら、勝てると思ってる。記録や歴史は嬉しいけど、まずは次だ。俺の名前がその伝説たちと並ぶなんて、感謝しかないよ」
──前回の試合があまりに簡単だったからこそ、今回はもっとリスクを取るとおっしゃっていました。でも、ここまで苦労してたどり着いた王座を守る立場として、わざわざリスクを取る必要はあるのでしょうか? ショーン・オマリー(バンタム級1位)みたいにすぐ再戦できる保証もないのに。
「わかってる。でも、気にしない。彼にもう一度チャンスをやるのも構わないし、リスクを取るのも構わない。俺はファイターだ。ファイトってのは、そもそも全部リスクなんだよ。人生そのものがリスクだろ? だから、それでいいんだ。もし負けたって、再戦できなくても、そんなの気にしねぇ。とにかく戦いたいだけなんだ。試合をして、忙しくしていたい。それが俺の生き方だよ。それに、俺たちが積み重ねてきた努力があるし、俺はショーンをまた倒せるって信じてる。むしろ、今度はもっと完璧にね。あいつが危険であること、それが逆に俺の闘志をかき立ててくれるんだ」
──親友のアルジャメイン・スターリングがここにいますが、自分の試合とスターリングの試合、どちらの方が緊張しますか?
「友達の試合の方が、正直ちょっと緊張するよ。でも同時に、アルジャメインがどれだけ強いか分かってるから、安心して見ていられる部分もある。俺自身の試合のときは、緊張はまったくない。唯一気にするのは減量だけ。体重がクリアできれば、それだけでハッピーだし、あとは自分の仕事をするだけ。試合が近づくほど、自然と楽しみになるんだ」
──スターリングのスタイルから、学んだことも多いですか? 今日は緑のスーツも着ていて、彼の影響を感じます。スポンサーの名前もぜひ挙げてください。
「ああ、アルジャメインからは本当にいろんなことを学んでる。とくにレスリングの技術やファイトIQは大きい。オシャレのセンスもね(笑)。今日はグリーンのスーツ、これも“オールドスクール・スターリングスタイル”って感じだろ? スポンサーについても感謝してる。この時計はジョージアの『Tsikolia(シコリア)』っていうブランドで、すごくいいよ。支援してくれるすべてのスポンサーに感謝してるし、アスリートを応援してくれる企業には本当にありがとうと言いたい」
──ショーン・オマリーとの再戦、彼は今度もテイクダウンを避けようとしてくると思いますが、今回も判定までもつれる展開になるでしょうか? それともフィニッシュを狙いますか?
「どんな試合になるか分からないけど、タフな戦いを覚悟してる。今までで一番いい状態のショーン・オマリーが来ると思ってるし、俺自身も最高の仕上がりだ。フィニッシュできればもちろん狙う。でも、5ラウンドしっかり削って勝つ必要があれば、それもやる。準備は万端だよ」
──あなたは以前、次の対戦相手としてコーリー・サンドヘイゲン(バンタム級4位)にも言及していましたが、今はどう考えていますか?
「今の時点で、明確なチャレンジャー候補はコーリー・サンドヘイゲンだと思う。彼とはまだ戦ったことがないし、ファイトスタイルも良くて、良い勝利を重ねてきたファイターだ。ファンもこの試合を観たいはず。けど、一番大事なのはUFCがどう決めるかだ。俺は王者だから、UFCが“次はこいつだ”って言ってくる相手と戦うだけ。この階級で一番強いやつを迎え撃つよ」
──最後に、SNSでは「あなたにとって一番リスクが少ないのは“試合”で、むしろプライベートの方が危ないことをしてる」なんて言われてますが、それについてどう思いますか?
「それ、マジでその通り(笑)。試合中はほとんどケガしない。唯一やらかしたのはリッキー・シモンと戦ったとき、自分でテイクダウンにいって、自分の頭から落ちて意識が飛んだ(笑)。でもそれ以外の試合は、いつもほぼ無傷で終わってる。でも普段の生活、特に自然の中にいるときはヤバいことやってる。動物に襲われそうになったりもするし(笑)。実際のところ、一番ケガしてるのはトレーニング中だね」



