世界前哨戦に臨む那須川天心
2025年6月8日(日)東京・有明コロシアム『Prime Video Boxing 13』の記者会見が、6日（金）都内にて行われた。
セミファイナルのバンタム級3分10Rで対戦する那須川天心（帝拳ジム/WBC同級1位、WBA2位、WBO2位、IBF4位）とビクトル・サンティリャン（ドミニカ共和国/WBA同級6位）が出席。
那須川は「心も気持ちも身体も全て整えてきました。前回と比べてボクシングの自分の中の手札を増やしてきたつもり。練習でいくらやっても試合で出ないと意味がないと思いますが、一日一日、自分が強くなっているのが分かりました。試合は当日の自分に任せるしかないので、体重も明日までに備えて心身ともにいい状態で迎えられると思います」とコメント。
互いの印象を聞かれると、那須川は「気合いの入った、スタイリッシュですし、スマート。一番はいいサングラスを付けているなと。ちょっと気になりますね」と言ってサンティリャンを笑顔にさせる。そのサンティリャンは「いい選手だと思う。リングの上でとてもいい試合が出来ると思う。よく準備してきたという印象です」と評した。
今回は黒髪にした理由を聞かれた那須川は「昨日染めました。髪色はコスチュームとかグッズと揃えて考えます。矢沢の曲にあるように『黒く塗りつぶせ』ってことで黒く染めました」と笑う。
右側頭部に入れた“天”の字の剃り込みについては「自分のグッズのTシャツとかに天と漢字で書いてるので。グッズと連動させることを意識していて。みんなの想いもここに乗せてるよってことで剃り込みを入れました」と説明。
サンティリャンは「フィジカル面でもメンタル面でも100％です。日本に勝利するために来ました。必ず勝たなくてはなりません。日本の皆さま、私はホスピタリティが素晴らしいと感謝しています」と自信をのぞかせる。
「私は勝つために来ました。ラウンドを必ず獲っていく。プレッシャーは全く感じません」とサンティリャンが言えば、那須川は「やることもやってきましたし、今回のテーマが“宿命を燃やす”ってことで。僕もそうですがみんな宿命を持っていると思う。自分のは戦うこともそうだけれど、戦ってみんなを熱狂させること。自分のためだけに格闘技をやっていないので。これだけめちゃめちゃいろいろな人から応援されていると感じているので僕の宿命はそういうことかなと思います。必ず勝って自分の宿命を燃やしていきたいと思います」とのテーマを掲げた。
バンタム級の世界での現在地をどう思うかと聞かれると、那須川は「現在地としては前回のモロニー戦を見てもらえば分かると思いますが、声が変わりましたね。ずっと無理と言われていたのが、いけるんじゃないかと言われたので、それが今回で確信に変わればいいと思う。自分はもっと時間をかけるつもりだったけれど、順調にキャリアを重ねられているのはジムの皆さんのおかげです。飛び級してやってきたわけではないという自信があるので、明日の試合でいつ挑戦してもいいと言われる試合をしたいと思います」と答えた。
同席した浜田剛史帝拳プロモーション代表は「1試合1試合課題をクリアしているところがあって、どんな状況になっても慌てることがなくなったと。明日は短いラウンドでも長いラウンドでも、那須川の世界戦が見たいという声がたくさん出てくると思っています」と評価していた。
