10月13日(日)東京・両国国技館で「ONE: CENTURY 世紀」第2部が午後5時より開催された。
第2部の第11試合であるメインイベントでは、ONE世界ライトヘビー級(※93kg)選手権試合として、王者アウンラ・ンサン(王者/ミャンマー)に、現ヘビー級王者のブランドン・ベラ(フィリピン)が挑戦した。
ともにアジアにルーツを持ち、米国でMMAを学んだ両者。試合前、34歳のンサンは、「まだ大学生だった頃から彼のファンだった。テレビで応援していたんだ。そしてブランドン、誕生日おめでとう!」と1977年10月10日生まれで41歳の誕生日を迎えたベラを祝福。ベラが駆け寄りハグする場面も見せた。
▼第2部 第11試合 メインイベント ONE世界ライトヘビー級(※93kg)選手権試合 5分5R○アウンラ・ンサン(王者/ミャンマー)[2R 3分23秒 TKO]×ブランドン・ベラ(挑戦者/米国)
ンサンが持つライトヘビー級王座のベルト獲得に名乗りを挙げたヘビー級王者ブランドン・ベラ。試合前から「アウンラ」コールで沸く場内。様々な民族衣装のファンがンサンとベラを両国国技館で迎える。
1R、ウサン、ベラ、ともに最初はオーソドックス構え。後ろ蹴りを見せるウサン。サウスポー構えに変えたベラはウサンのローをかわすと右ロー。しかし、ウサンも右ロー! ベラも左ミドル。しかしウサンは近距離に近づき左右! ベラも首相撲からヒザ! スイッチして回るベラは左ミドル! ウサンも右で飛び込む。しかしベラも左ヒジで迎撃。
2R、右ローを突くウサン、さらに左右ラッシュ! しかしベラも首相撲ヒザ! ウサンはインローを蹴る。左ミドルを蹴るベラ。オーソに戻したベラにウサンは右ロー! ベラは右アッパー! しかしウサンも左右で前へ! フックの連打から互いにバックヒジもウサンの右ヒジにベラが崩れ、ウサンはさらに右! マットに倒れたベラにパウンド連打! 浴びたままのベラを見てレフェリーが間に入った。
試合後、ウサンはケージのなかで、「とても楽しかった、トウキョウ、アリガトウ。会場のみなさんは本当にすばらしいです、とてもいい気分です。いまはとにかく早くジムに戻ってもっと練習して技を磨いてまたリングに帰ってくるよ。19歳から格闘技をやってきて今は34歳になりました」と喜びを語った。
また、勝因を「作戦としてはとにかく彼の目の前でプレッシャーを与え続けることで、ブランドンが振ってきたらブロックする。特に彼はものすごいパワーを持っているからこの全てをきちんとこなすということが大事だったけど、それを出来たと思う。チームや支えてくれたみんなに感謝している。ファンやみんながいなければ今の自分はいないよ」と語り、ヘンリー・フーフトらコーチ陣と、大歓声を送ってくれたファンに感謝の言葉を述べた。
敗者のベラは右ローキックを浴びた左足をひきずってケージを去った。
会見での一問一答は以下の通り。
━━サイズの違いをどう感じた?「ブランドンは非常に大きかった。ただ、これまでも大きな相手と戦ったことはあったし、スパーリングでブランドンやステファン・シュトルーフと練習したこともあったから、それほど問題ではなかったよ」
━━友達と戦うということは?
「友人としてというか、格闘技をやる人間として、彼をリスペクトしている。互いに家族がいて、これを仕事としている。だからケージのなかで対峙したら相手は対戦相手であって、お互いやるべきことはわかってる」
━━今後の対戦について
「ミドル級には多くの優秀な選手があがってきてる状況なので、どんどん倒していくよ」
━━ミャンマーのファンに。
「彼らの声援は常に聞こえている。どこにいても祖国の人を想っているし、これからも若い世代を刺激し続けて、より良く生きるための見本となっていきたい」
━━作戦は?
「プレッシャーを与え続けること、彼は撃ち合いを望んだだろうし自分もそう思っていたけれど、落ちついて、6ヶ月間かけて磨いたテクニックの成果を出した。ハードワークが実った」
━━他の選手が勝つと大喜びしているのに比べて落ちついているのはなぜ?
「物思いにふけっていたというか……いろんなことを考えていたんだ。友人のブランドンと戦ったということであるとか、自分はメインの試合を飾っていて、それがどれほど光栄なことであるか、とか」