2025年5月31日(土)神奈川・横浜BUNTAI『K-1 BEYOND』の記者会見が、26日(月)都内にて行われた。
今大会のメインイベント(第17試合)で行われることが決まっていたK-1 WORLD GPクルーザー級タイトルマッチ3分3R延長1R、王者リュウ・ツァー(中国/唐山文旅驍騎ファイトクラブ/CFP)vs.挑戦者ティアン・ターザン(オランダ/Luc Verheije Fight Club)が、ツァーの負傷欠場により中止に。
ツァーの王座返上により、代わってマハムード・サッタリ(イラン/TEAM大和魂)とティアン・ターザン(オランダ/Luc Verheije Fight Club)により「第5代K-1 WORLD GPクルーザー級王座決定戦」が行われることが決定した。
会見にはサッタリとターザンが出席。サッタリは「K-1に戻って今年タイトルマッチが出来ると思っていたけれど、チャンスが来て早めに出来てもっと嬉しくなった。頑張ります。いい試合になると思います。チャンピオンになります」と挨拶。
ターザンは「もしもし。直前の変更に関わらず試合を受けてくれて感謝しています。今回の試合はチャンスだと思うし、自分としても彼との試合はエキサイティングになると思う。最高の試合を見せるので楽しみにしていてください」とコメントした。
昨日来日したというターザンは「元々この試合は人生の中でも一番・二番を争うくらい重要な位置付けだったので、最高の状態でリング上がるために早く来日しました」という。
「知らせを聞いたのは、フライト2時間前で直前に連絡があり、最初はマネージャーが冗談を言ってるいるのかと思った。でも連絡を見て概要は把握して飛行機に乗り、日本に着いてからサッタリが試合を受けてタイトルマッチが消滅することなく日本で仕事ができるということで嬉しく思います」
サッタリはこのオファーを受けて「私は選手です。相手もリスペクトしている。今年は日本に戻って誰とでも試合をしたいと思っていた。これはチャンスです。私の仕事は試合をすることです。だから誰でも大丈夫です。いつでもどこでも誰とでも戦います。オファーを聞いて嬉しかったからOKしました。王者になるために誰とでも試合します」と、目標とするK-1王者になるためのチャンスが巡ってきたから嬉しく思ったとする。
「もちろんベルトのためにK-1に戻りましたけれど、凄く強い相手と試合をするのが嬉しいから、ベルトよりもそれがいいと思います」と、ターザンと戦うことが嬉しいようだ。
実は両者、2024年7月に開催された『LEGEND vol.1』にて、ターザンが日本で初めて試合を行った際、初回KO勝ちしたターザンがマイクで「サッタリが会場にいると聞いた。サッタ~リ~!」と、歌うようにサッタリを呼び出し、サッタリがリングイン。ターザンとフェイスオフし、ターザンは「次のLEGENDは12月にあると聞いている。そこでサッタリをKOする」と宣言。「弱すぎる対戦相手はいらない。ぜひ戦いたい」と宣戦布告すると、サッタリがニッコリと笑ってターザンの肩を叩き「ユー・アー・イージーマネー」と答えて対戦が実現するかのようなやり取りがあった。
この時のことをサッタリは「私は試合を見ませんでしたけれど、その時に会って試合をするかしないかは分かりませんでした。K-1でまだ契約があったからどうなるか分からなかった。でも今回突然チャンスが来てキャッチしました。このチャンスでいいと思います」と、その時は戦うのかどうか分からなかったが、今回戦う機会が来たからそれでいいとした。
ターザンの印象は「K-1の2試合だけじゃなく他の試合も見ました。凄い選手。スキルもパワーもある。ファイヤーボックスになる。いい試合になります」と燃え上がるような試合になると笑顔。ターザンが30勝(27KO) 無敗と驚異的な戦績を持っていることには「ゼロを取ります」と無敗を終わらせると宣言。
ターザンには、なぜサッタリに対戦要求したのかとの質問があり「あの時は自分が強いことを日本で証明する必要があって、サッタリはリスペクトに値する経験も残していたので、その選手と戦って証明するためにリングに上がって来いと挑発した。自分はチャレンジが好きなので強い相手と戦うのがワクワクする。ツァーが欠場と聞いた時にもしかしたらイージーファイトな相手になったらどうしようかと不安があった。蓋を開けたらサッタリという強い素晴らしい選手が相手だったので楽しみになった。必ずKOで終わらせる。簡単ではないが必ずKOで終わらせたいと思う」と、こちらも強い相手と戦いたかったからだと答える。
両選手とも試合1週間前になって対戦相手が変わったことで、対策や戦略を変えなければならなくなったが、ターザンは「ツァーとは全く違うスタイルなので、新しくファイトプランを練り直す必要がある。それはコーチと話をしている。元々サッタリのことは知っていて研究はしていたので、それをここから明確なものにしていくだけだ」、サッタリは「私は相手が誰でもどんなスタイルでも大丈夫なように準備していたので大丈夫です。このマッチアップはいいマッチアップになると思います。お互いにいいマッチアップです。皆さんが楽しい試合だと思います。チームでゲームプランを作って研究して、もうそろそろ準備できそうです」と、それぞれ問題ないとした。
さらにサッタリは「こんなチャンスはなかなか来ることはないから、突然来てモチベーションはもっと上がったし、サッタリも嬉しい。大和魂のスピリットを皆さんに見せたいと思います」と宣言。
互いの危険な部分と相手より自分が優っているものは何か、との質問にサッタリは「相手のパワー、スピード、スキルもリスペクトしています。凄い相手だと思っていて、そのためにもっと頑張らないとダメだと思っているので頑張ります。試合は全てがデンジャラスだと思っています」と全てが危険だと評する。
しかしターザンは「サッタリは経験があっていい選手だが、もう年を取っている印象がある。でも爆発力もあるし、スピードのある選手。アグレッシブで前へ出て来る自分も好きなファイトスタイルなので噛み合うと思う。皆さんには、絶対に瞬きをしない方がいいと言っておきたい。常にアクションが起きる試合になることは間違いないし、楽しんでもらえると思う。ただ正直なところ、パワー、スピード、テクニック全て自分の方が上回っている。2RでKOで勝つ」と、サッタリはもうトシだとし、2RでKO宣言も飛び出す。
続けて「我々はクルーザー級で試合をしているけれども、その中でもスピード、テクニックがある2人だと思っている。間違いなくサッタリもKO出来るパワーを持っている選手だ。そこをリスペクトしたうえで盛り上がる試合になることを皆さんにお約束したい」と付け加えた。
【写真】ターザンがベルトを奪おうとすると、サッタリは「触るな」とその手をピシャリ このターザンの2RでKO宣言に、サッタリは「見てみる。楽しみです」とニッコリ。「いい試合になりそうです。多分、皆さんが好きな試合になります。相手も自分の力を今まで見せて、サッタリも見せて、自分の中でこの体重で試合をしたいと思っていて。この選手と試合するのも嬉しいし、皆さんも絶対に楽しみにしていると思います。これはいい試合なりそうです。本当の試合になりそうです。“ファイト”です。お互いにKOしたいから、お互いにぶっ壊していきたいから。でも結果はサッタリの勝ち。それは忘れないでください」と笑顔で返答。
最後に、サッタリは「タイトルマッチ出来て、皆さんのために家族のために自分のためにチームのために応援してくれる人たちのために、ベルトを獲ります。押忍」と自分のためでなく自分に関わる全ての人たちのために王者になるとの決意。
ターザンは「もしもし。土曜日の試合は必ずKOで終わるので、瞬きをしないで試合を見ててください。押忍」と、今回も瞬間的なKOで終わらせると予告した。