2025年5月31日(土)神奈川・横浜BUNTAI『K-1 BEYOND』の記者会見が、26日(月)都内にて行われた。
今大会のメインイベント(第17試合)で行われるK-1 WORLD GPクルーザー級タイトルマッチ3分3R延長1R、王者リュウ・ツァー(中国/唐山文旅驍騎ファイトクラブ/CFP)vs.挑戦者ティアン・ターザン(オランダ/Luc Verheije Fight Club)に変更があった。
24日(土)正午にCFPからK-1に連絡があり、ツァーが23日のスパーリングで相手から強いパンチを顔面に受けて負傷、その日のうちに病院へ直行したが「状態が良くない」との報告がもたらされた。その後、診断書とレントゲン写真と共にツァーは「鼻骨骨折」および「周囲にも数カ所の骨折」が確認され、ドクターストップがかかったとの知らせが。
この知らせを受け、K-1実行委員会では「どういった選択がベストなのか協議を重ねた」(宮田充K-1プロデューサー)。その結果、同大会にてK-1クルーザー級3分3R延長1Rでレダ・ゼイディ(モロッコ/ARJ Trainingen)との対戦が決まっていたマハムード・サッタリ(イラン/TEAM大和魂)が、会見にて「ツァーとターザンの勝者に挑戦したい」と発言していたことを受け、サッタリに白羽の矢が立った。
さらに「ツァーサイドに、不可抗力ではあるが防衛戦がスタンバイ出来ないので、いったん王座を返上してもらうのはどうか」(宮田P)と提案。「負傷が癒えてから、出来るだけ早い時期にターザンvs.サッタリの勝者に挑戦者として王座に挑戦する権利を与えることを提案しました」という。
ツァー、ターザン、サッタリ三者の選手サイドと交渉を重ね、土曜日のうちに着地点が見えて合意を得ることができ、5月31日はターザンvs.サッタリによる「第5代K-1 WORLD GPクルーザー級王座決定戦」が行われることが決定。当初サッタリとの対戦が決まっていたゼイディに関しては、7月の福岡大会か9月の代々木大会にスライド出場ということになった。
暫定王座決定戦ではなく、返上を受けての第5代王座決定戦になったことについて宮田Pは「2014年に新生K-1が旗揚げされて以来初めての出来事。競技的に言えば暫定王座も選択肢の一つとしてありました。不可抗力なのは分かっていますが、イベントとしてファンへ向けて何がベストなのかを考えた時に、新しい王者を決めて、ツァーが挑戦者としてスタンバイするのがベストだと思いました。王座ははく奪したわけではなく、合意のうえで返上扱いになりました。イベントのために合意してくれた。ベストの選択だと思っています」と説明した。