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【修斗】バンタム級・野瀬翔平が加藤ケンジを肩固めに極める、宮口龍鳳が左ハイ&右STで野尻由定を初回で沈め、6連続KO勝ち! ライト級・結城大樹vs.安海健人は2Rドロー、フェザー級・磯城嶋が久保村を初回KO。松岡がアサシンの足関潰して判定勝ち、大城が黒瀬に判定勝ち=『TORAO35』

2025/05/11 16:05
 2025年5月11日(日)福岡県福岡市アクロス福岡イベントホールにて開催のプロフェッショナル修斗公式戦福岡大会『TORAO35』(ツイキャス配信)が開催された。 ▼バンタム級(-61.2kg)5分3R〇野瀬翔平(マスタージャパン福岡)※世界バンタム級2位 61.1Kg[1R 3分35秒 肩固め]×加藤ケンジ(NeighborHood)60.9Kg  修斗世界バンタム級2位の野瀬は『Road to UFC』でのユ・スヨン戦の判定負けからの帰還後、2024年9月の修斗環太平洋バンタム級チャンピオン決定トーナメント準決勝で人見礼王を2R キムラで極めたものの、12月の決勝戦でダイキ・ライトイヤーにスプリット判定で惜敗した。今回は地元で再起戦となる。27歳。  加藤は、そのダイキ・ライトイヤーに2022年に1R TKO勝ち後、5連敗中だが、組みの進化は著しい。2024年7月の前戦では人見礼王に1R 右フックでTKO負けしているが、打撃と組みのバランスの結実なるか。白星を掴むために福岡に乗り込む。34歳。  1R、サウスポー構えの野瀬は左前蹴りから。オーソの加藤は踏み込んで右。野瀬のシングルレッグの飛び込みは切る。左オーバーハンドでダブルレッグテイクダウンの野瀬。背中を着かせた加藤はクローズドガードで抱きつき。いったん小さくスラムする野瀬。左脇腹にパンチの野瀬。スラムして細かくパウンドの野瀬。  蹴り上げて立った加藤。左を振って左右からダブルレッグテイクダウンの野瀬。あっさりと下になった加藤は下から蹴り上げ、しかし野瀬はさばいて右に片足パスしてから肩固めで左にパスした野瀬が肩固めで絞めてタップ。  ダイキ・ライトイヤー戦で食らった蹴り上げ=ペダラーダを、今回はしっかり対処してきた野瀬は、「前回負けて王座を逃して、その反省を活かして今回できました。マスタージャパン福岡で、東京にも負けない選手いっぱいいるんで注目してください。あと、お母さん、母の日はこれ(勝利)で」と大きな笑顔を見せた。 [nextpage] ▼バンタム級(-61.2kg)5分3R×野尻由定(マスタ-ジャパン福岡)環太平洋同級2位 61.0Kg[1R 4分41秒 KO]〇宮口龍鳳(総合格闘技道場コブラ会)2024年同級新人王 61.2Kg  環太平洋バンタム級2位の野尻由定が、2024年同級新人王の宮口龍鳳と激突。  マスタ-ジャパン福岡の野尻は、MMA8勝6敗3分。小学校でアイスホッケー、中学で野球、高校時代に道場でMMAを始めた。デビューから7戦負け無し(2分)も、2022年12月から3連敗。しかし、2024年は3月の『BLOOM 02』で上田祐起に判定勝ちすると、5月のTORAOのメインでも磯城嶋一真との福岡対決で3R おたつロックにキムラを合わせて一本勝ちで連勝。11月の前戦『TORAO34』ではジェイクムラタの組みのコントロールにスプリット判定で敗れ環太平洋1位がムラタになっている。地元で再起なるか。27歳。  対するコブラ会の宮口は、MMA5勝0敗。金山流カラテ出身で、岸本泰昭にも学び、修斗・GLADIATORで5戦すべてKO勝ちのフィニッシュ率100%の新鋭だ。野尻と同じ27歳。2023年に岩佐和哉に2R KO勝ちでプロデビューすると、同年9月の Gladiatorで江田“塾長”こうすけのRNCを凌いで2R 右三日月蹴りでKO勝ち。2024年3月にTORAOで63キロ契約で魚山皓平を1R TKO。2024年度 新人王トーナメントでは小見山瞬を1R TKOに下すと、決勝で日本拳法三段の恵真にも前蹴りを効かせて1R TKOに下し、優勝を遂げている。  組み対打撃の構図のなかで、まだ3Rを経験していない──その強打ゆえに2Rまでに全試合をKOしている宮口に対し、粘り強い組みで3R経験豊富な野尻がキャリアの差を見せるか。それとも宮口が野尻の組みを打撃でカットし、連続KO記録を更新するか。  1R、ともにオーソドックス構え。先に右ローの野尻をかわす宮口。ジャブの刺し合いは野尻、宮口は右ローを返す。さらに右ローを突く宮口の入りに組む野尻に近距離でヒザ突き、放す宮口。なおも左フックからボディロックで崩す野尻に、残した宮口が首相撲。  野尻は右カーフを2発。宮口の跳びヒザに、野尻はカウンターの右! 尻餅を着いた宮口だが、すぐに立って首相撲ヒザ! 後退した野尻にさらに左ヒザ! 腹を押さえた野尻だが詰めに左フック。それをかわした宮口が後ろ廻し蹴り、かわした野尻を崩してバック狙いも離れて右! さらにオーソから小さなモーションで左ハイ! 最後に右ストレートを打ち抜き野尻がダウン。レフェリーが間に入った。 (C)TORAO NATION STATE  試合後、宮口は「熊本からみんな来てくれて緊張してたんですけど、よかった。今日、5月11日で母の日ってことで。お母様、いつもありがとうございます。本当いいサポートしてもらってます。ありがとうございます。で、明日は親父の誕生日らしいです。おめでとう。今日じいちゃん、ばあちゃんも来てくれてありがとう。孫、かっこいいでしょう? ありがとう」と笑顔で語った。 [nextpage] ▼ライト級(-70.3kg)5分2R△結城大樹(マスタ-ジャパン福岡)※世界フェザー級6位 70.0Kg[判定1-0] ※20-18, 19-19×2△安海健人(ALMA FIGHT GYM BASE)※2022年ライト級新人王 70.3Kg  世界フェザー級6位の結城大樹がライト級で2022年新人王の安海健人と対戦。  結城は2024年3月にフェザー級で椿飛鳥に判定負け(※1位となった椿が3月16日にSASUKEが持つ修斗世界フェザー級王座に挑戦)。10月の前戦『BLOOM.03』ではライト級に上げてソ・ジェファンと対戦。最初のアタックでバックを奪い、リアネイキドチョークで一本勝ち。  試合後は「前回の試合で負けて、いろんな人が悔しい思いをして、毎回“もういいかな”と思うんですけど、やっぱり今日も練習試合のつもりで来ても怖くて電車降りるのやめようかなと考えながらも、いつもみんなの応援の声が僕に勇気をくれて、勝たないとこんないい思いが出来なかったので、勇気を出して試合をしてよかったです」と語っていたが、今回もライト級での試合に臨む。34歳。  対する安海は、柔道から修斗北海道大会でプロデビュー。2023年6月のRIZIN北海道大会で渡辺トシキに一本負け後、同年12月にGRACHANで植田豊にTKO負け。2024年5月の修斗での前戦で山下康一朗とドローとなっている。24歳。  1R、結城は詰めてのボディロックから引き込みシングルバック。立つ安海に左足をかけて三角ロック。なおもダブルアンダーで背中について対角のヒザ裏にかけてヘンゾロック。  安海もケージ際で残すとケージを蹴って引き込むが、その際でトップになるのは安海。ハイガードの結城は四角。安海は右パウンド。抜いて強い右のパウンドの安海をかわした結城、そこに安海は首投げでテイクダウンしホーン。  2R、右を突く結城、胴タックルから回して引き込む結城に立つ安海。結城はまたもバッククリンチから細かいヒザ。左小手に巻こうとする安海を回してテイクダウン! 4の字ロックからリアネイキドチョーク狙い、腕を掴む安海が両手を着いて立とうとしたところに首を巻くが、ここも後ろ手を剥がす安海。結城は左右を入れ替えパームトゥでも絞めるが、安海も凌ぎホーン。  判定は1者が20-18で結城を支持も、2者が19-19で1-0でドローに。 [nextpage] ▼フェザー級(-65.8kg)5分2R〇磯城嶋一真(MMA Rangers Gym)2024年バンタム級新人王 65.6Kg[1R 1分36秒 TKO] ※右ストレート→パウンド×久保村ヨシTERU(飛翔塾コンドル)65.3Kg  磯城嶋はMMA3勝1敗3分。2022年6月のプロデビューから3勝2分と負け無しも、2024年5月に野尻定由に一本負けで初黒星。11月の前戦では工藤圭一郎を相手にドローとなっている。福岡で看護師として働きながら2024年バンタム級新人王となった29歳の磯城嶋が、フェザー級でベテランに挑む。  久保村は、MMA8勝8敗2分。2019年に怒涛の4連勝も2020年2月に青井人に敗れてから櫻庭泰裕、ムテカツに判定勝ちも轟轟、宇藤彰貴にKO負けで白星と黒星を繰り返している。42歳。  1R、磯城嶋の打撃に久保村はシングルレッグで尻を着かせるが、金網背に立つ磯城嶋。両足を広げる防ぎ、右をヒット。被弾した久保村に体を入れ替えた磯城嶋がシングルで引出し、中央で右をヒット! ダウンした久保村にパウンド連でレフェリーが間に入った。  試合後、磯城嶋は「いつも支えてくれる家族、職場の方々、トレーニングパートナーの方々ありがとうございます、母の日なんで、今日来てくれる母と全国のお母さんの皆さんおめでとうございます。マスタージャパンに出稽古に行きました。この後、勝ってくれると思います。Rangers Gymも頑張ります」と語った。 [nextpage] ▼バンタム級(-61.2kg)5分2R〇松岡琉之介(マスタージャパン山口宇部)61.0Kg[判定3-0] ※20-18×2, 20-17×アサシン秋雄(BLOWS OITA LIFE)60.7Kg  松岡は、11月に植木令和新に1R TKO勝ち。アサシンは7月に健太 エスペランサと判定ドロー。  1R、松岡の跳びヒザに引き込むアサシンが腕十字。松岡が抜きかけると足関節に移行。回って足を抜いた松岡はいったん離れる。サウスポー構えのアサシンは左オーバーハンド。オーソの松岡はアサシンの組みを切ってスタンド勝負。右アッパーの動きを見せる松岡、アサシンの引き込みに右を当てる。鼻血のアサシン。右ストレートを突く松岡。アサシンの低い組みをスプロールしてパウンド。立ち際に右を突いてホーン。  2R、右バックヒジで飛び込むアサシン。シングルは頭を押さえて切る松岡。アサシンは鼻から出血が多くなるがシングルレッグに。片足を持ち上げるも崩せず、松岡は離れる。ドクターチェック。再開。  詰めて前転して足を掴みに行くアサシン。前に出てシングルレッグも切る松岡。足を触られても前転して抜いて離れる。アサシンのローシングルを潰して鉄槌の松岡、ロールするアサシンに足を触らせず。再び鼻血のアサシン。松岡が右のパウンドで飛び込みホーン。判定3-0で松岡が勝利した。 [nextpage] ▼ストロー級(52.2kg)5分2R×黒瀬恭平(マスタージャパン山口宇部)※デビュー戦 52.0Kg[判定0-3] ※18-20×3〇大城正也(T-REX柔術アカデミー)52.2Kg  1R、サウスポー構えの大城に黒瀬は先に右、左を返した大城が左で差すと、大城は潜って内ヒール! 回転する大城に立ち上がり、詰める大城に三角絞め狙いから腕十字へ。外してかつぎパスの大城が上に。中腰からパウンドの大城が連打! 立つ黒瀬にヒジも当てるとシングルレッグへ。尻着き立つ黒瀬は正対。  頭をアゴ下に着けてパンチの大城に、ここも回転して足狙いの黒瀬。送り手を掴んで右足をかけてバックに回る大城がパウンドでホーン。  2R、先にワンツーで詰める黒瀬を右で差して組む大城が詰めてヒジ。黒瀬のワンツーに、左を当てて右、ケージに詰める大城は自ら組んで左で差して押し込み。  大城のシングルレッグに後方に回した黒瀬だが、大城もすぐに立ち上がり押し込み、右の連打。黒瀬も左右で応戦し、大城のシングルにギロチン合わせてクローズドガードに入れるが、外して腕十字、さらに左足を手繰り足関節狙いも、大城も上からパウンド・鉄槌。黒瀬が蹴り上げて離したところでホーン。 [nextpage] ▼フライ級(-56.7 kg)5分2R△平 賢二郎(ロータス福岡古賀道場)56.7Kg[判定1-0ドロー] ※20-18, 19-19×2△古賀優平(TRIBE TOKYO MMA)56.6Kg  1R、古賀のローに合わせてダブルレッグテイクダウンの平。立ち際にバック奪いリアネイキドチョークへ。防ぐ古賀に4の字ロックを解除させて正対狙う平に、古賀はバックキープ。リアネイキドチョーク狙いに古賀はケージに押し付けながら前に落としてトップからパウンド。しかし、平はすぐに右で差してスイープ! スクランブルする古賀にバック狙い。ここも古賀はケージ際で落としに行く。  2R、左右で先に詰める平に体を入れ替える古賀が首相撲ヒザから脇潜りバッククリンチでヒザ。背後からカーフ、背中に乗る。立ったまま背負う平におたつロックで右ヒザを伸ばす。片ヒザ立ちになる平に右手首をコントロール。さらに背後から右腕をアームロック狙い。しかし、平は背後の古賀に右で強いパンチを連打! トップに移行しようとした古賀に平がバックを奪いに行きホーン。 [nextpage] ▼フェザー級(-65.8kg)5分2R〇本松 要(マスタージャパン山口宇部)※デビュー戦 65.5Kg[1R 0分54秒 TKO] ※パウンド×諸石一砂(OMURA FIGHT BASE)65.0Kg  1R、諸石の左ミドルを掴んで倒した本松が鉄槌! これで1回、意識を飛ばすと鉄槌連打。レフェリーが間に入った。 [nextpage] ▼フライ級(-56.7 kg)5分2R〇高宮 諒(DESTINY JIU-JITSU)56.5Kg[2R 0分19秒 KO] ※右フック×小生隆弘(グランドスラムAPP)56.6Kg  1R、右を振って組んだ高宮が押し込み左のパウンド。首相撲ヒザの小生を剥がして左右の高宮。組む小生はボディロックに行くが、高宮が下に入り、ダブルレッグテイクダウン。下から三角狙う小生に作らせず、腕十字、足関節も潰して鉄槌。止まりかけた小生だが、右で差して上に。しかし高宮がレッスルアップ。  2R、サウスポー構えの小生が左ハイ、さらに右を当てるが、高宮がカウンターの右を当てると小生がダウン。パウンド。 [nextpage] ▼バンタム級(-61.2kg)5分2R〇山口 翔(TEAM BANANA)60.9Kg[判定3-0] ※20-18×3×河野慶樹(柔術&MMAアカデミーG-Face)※デビュー戦 61.0Kg ▼ライト級(-70.3㎏)5分2R〇大地(有永道場team Resolve)※デビュー戦。海飛、天弥の吉村4兄弟の次男 69.9Kg[判定3-0] ※20-18×3×はやぶさ(MMA Rangers Gym)※清水洸志改め 70.3Kg ▼ウェルター級(-77.1kg)5分2R〇グラップラー脇(無所属)77.0Kg[判定3-0] ※20-18×3×平尾大和(KAMIKAZE DOJO MMA)※デビュー戦 76.1Kg ▼2025年度新人王決定トーナメントストロー級(52.2 kg)5分2R△緑 真作(マスタージャパン福岡)※デビュー戦 52.0Kg[判定ドロー] ※優勢ポイント3-0△佐野光輝(グラップラーズギルド)※デビュー戦 51.9Kg※優勢ポイント3-0で緑が準決勝進出 ▼2025年度新人王決定トーナメントバンタム級(-61.2kg)5分2R〇有松朋晃(MMA Rangers Gym)※デビュー戦 61.1Kg[1R 3分53秒 キムラロック]×井上滉人(MMA IKUSU)※デビュー戦 61.2Kg  バッククリンチから左足をかける井上の左腕をキムラクラッチに捕らえた有松が後方に回してテイクダウン、頭をまたいでキムラロックを極めた。
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