NJKF拳之会主催興行24th「NJKF2025 west 2nd」2025年4月20日(日)岡山コンベンションセンター
▼WメインイベントⅡ NJKFフェザー級ランキング戦 58kg契約 3分5R ※ヒジあり×坂本直樹(NJKF道場373/NJKFフェザー級4位)判定0-3 ※48-50、48-49×2○庄司理玖斗(NJKF拳之会/NJKFフェザー級7位)
拳之会主催興行としては24回目となる今回は、地元の英雄・国崇が不出場。「ポスト・国崇」として期待されている庄司理玖斗がNJKFフェザー級ランキング戦でダブルメインイベント第2試合、大会の大トリを務めた。
同級6位の庄司が対戦したのは、同級3位、WBCムエタイ日本同級6位の坂本直樹。2月にNJKFフェザー級前王者・大田拓真がタイトルを返上したこともあり、ここで勝てば一気に王座が見えてくる両者。特に庄司は地元大会のメインということもあり、序盤から緊張感のある戦いが展開された。
1R、ローやミドルの蹴りを中心に様子見の坂本に、庄司はパンチで前に出ていく。ヒジも見せる庄司はコーナーでボディを叩き込む場面もあったが、終盤には坂本もパンチで応戦。
2R、坂本は組んでヒザを打つ場面が増え、接近戦になると庄司はヒジで応戦。離れると庄司はボディから顔面にパンチをつなぐなどで攻め、終盤には跳びヒザも見せる。
3Rはパンチを交換する場面が増え、庄司は左オーバーハンド、左ボディなどをヒット。後半、坂本のインローがローブローとなり、中断。庄司はかなり苦しそうな顔を見せていたが、インターバルの後に再開可能に。庄司はやはり前に出て、終盤コーナーでパンチラッシュを見せる。このラウンド終了時点で公開されたスコアは30-29が2人、30-28が1人で、いずれも庄司を支持。
4R、オープンスコアで不利と出た坂本は組んでいくが形勢逆転には至らず、ハイキックを見せる場面もあるものの、やはり庄司のパンチが優位の印象。庄司はコーナーで右ボディを叩き込む。
5R、今度は坂本にローブローが入り、一時中断。後半はお互いにパンチを繰り出しての乱打戦となり、このラウンドはやや坂本が優勢に。最終ラウンドを終えての判定は49-48が2人、50-48が1人で、庄司に軍配。庄司は格上ランカーを相手に最後まで攻めの姿勢を見せ、地元大会でのメインを勝利で飾ることに成功しただけでなく、第2試合で判定勝ちした弟の庄司翔依斗(かいと)とともに兄弟で地元のリングを盛り上げた。
試合後のマイクで庄司は「去年3連敗して、地元でメインということで、練習もうまくいかず、ものすごく不安だったんですけど、父親から『どんな結果になろうと絶対支えてやる』という言葉をもらったのがすごく支えになって、踏ん張ることができました」と言い、誕生日を迎えたという父を祝福。さらに弟と同日の勝利に「庄司兄弟で最強を目指します」とも。さらに「真琴選手とフェザー級王座決定戦がやりたいです」とベルトへの意欲も見せた。
大会後、庄司は「4連敗になるかもしれないという不安を抱えた中での勝利で、とてもうれしかったです。今回勝ったことで、王座決定戦になるのかトーナメントになるのか分からないですけど、そこには絶対に入ったなと思うので、向上心しかない状態です。作戦は、ローを蹴りつつ右からの攻撃を入れて、ガードが甘いという弱点を克服しようとしていたんですが、めちゃくちゃガードが空いちゃって(笑)。反省点ばかりの勝利でしたけど、まだまだ強くなれるということだとも思うので、しっかり改善していきたいです。
ボディは打っていこうと思っていたんですが、相手が腕でガードをしてこなかったのと、ボディにヒジを一切合わせてこなかったので、けっこう入れられました。ただ、そこからのつなぎが全然だったので、そこも課題ですね。地元でのメインは2回目でしたけど、前回は第2部の女子のタイトルマッチが実質メインだったと思うので、今回はしっかり僕の価値を認めてもらってのメインだったと思うとうれしくて、地元でたくさんの応援団に囲まれたのも心強くて、楽しめました」とコメント。今後への意欲に目を輝かせた。
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▼WメインイベントⅠ 日韓国際戦 49kg契約 3分3R×MARI(ナックルズGYM/NJKFミネルヴァライトフライ級王者)判定1-2 ※28-30、30-29、29-30○ビョン・ボギョン(韓国/MUYEMARU/KTK女子52kg級王者)
ダブルメインイベントのもう1試合は、昨年10月の拳之会主催興行でNJKFミネルヴァ3階級制覇に成功したMARIが登場。6月1日、岡山・倉敷市マービーふれあいセンターでの大会でISKA世界王座への初挑戦が決まっている彼女は、韓国から初来日の韓国3冠王ビョン・ボギョンと対戦した。
1R、ボギョンは得意という前蹴り、ローなどの蹴りを繰り出していく。MARIは得意のパンチで前進しようとするもボギョンは組んでヒザを繰り出し、MARIになかなか攻めさせない。
2Rもボギョンはサイドキックなどを出し、MARIはバックキックに右を合わせる場面もあったものの、ペースを掴むまでには至らず。2R終了時点のオープンスコアは2名が20-20のイーブン、1名が20-19でボギョンを支持。
3RもMARIが出るとボギョンの組みからのヒザに捉えられてペースを奪えず、試合終了。判定は30-28、30-29でボギョン、30-29でMARIが1名の2-1で、ボギョンがものにした。
勝ったボギョンはマイクで、「ありがとうございます」と日本語で挨拶。「MARI選手は距離の取り方がうまかったですが、後半になれば自分が勝ると思っていたので、勝ててうれしかったです。初めて日本で勝ててうれしいです」とコメントした。
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▼セミファイナル 日米国際戦 87kg契約 3分3R ※ヒジあり×佐野克海(NJKF拳之会/ISKAムエタイ日本ライトクルーザー級王者)判定0-3 ※28-30、26-30、27-30○Tyvon(米軍截空道/GFC future cageウェルター級王者)※佐野は計量1.99kgオーバーによりグローブハンデ、減点2。
セミファイナルでは日米国際戦が組まれ、ISKAムエタイ日本ライトクルーザー級王者の佐野克海が登場したが、前日計量で1.9kgオーバーとなり、2点減点、グローブハンデからのスタート。後がない佐野だったが、コンディションもよくなかったか下がる展開が目立ち、判定負けを喫した。
沖縄の米軍基地に所属するTyvonは、試合直前に祖母が亡くなったものの出場。翌日アメリカに急きょ帰国したという。
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▼第7試合 NJKFミネルヴァ ライトフライ級暫定王座決定戦 3分3R×美斬帝(テツジム/NJKFミネルヴァライトフライ級1位)判定0-2 ※29-29、28-30、29-30○堀田優月(闘神塾/NJKFミネルヴァライトフライ級5位)※堀田が暫定王座獲得。
第7試合では、前王者MARIの王座返上に伴うNJKFミネルヴァ・ライトフライ級暫定王座決定戦が行われた。これが5度目のタイトルへのチャンスとなり「ベルトが私に巻かれたがっている」と語る美斬帝と、デビューから4戦負けなしの堀田優月が激突したこの一戦、パンチで出る堀田に対し、組んでのヒザで活路を見出したい美斬帝だったが、接戦の中で試合を制したのは堀田。5戦目でのタイトル獲得となった。
勝った堀田は「拳之会興行でタイトルマッチができるということで、楽しみな気持ちもあったんですけど、怖い気持ちもたくさんあって。練習でもSAHOちゃん、珠璃ちゃんにボコボコにされて心が折れそうな時もあったんですけど、ここでベルトを巻いて、頑張ってきた甲斐があったなって、メッチャ思いました。今後も世界に挑みたいし、KNOCK OUTで対戦したいぱんちゃん璃奈選手もいるので、そこを目指して頑張っていきます」とマイクでコメントした。
オープニングファイト、アマチュアNEXT☆LEVELジュニア中四国王座戦では-30kg現王者の川端大心(NJKF team Bonds)が2度目の防衛を果たした他、6名の新王者が誕生した。
拳之会主催興行、次回は10月19日(日)、岡山・倉敷市マービーふれあいセンターで開催の予定となっている。
写真&レポート:高崎計三
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〈NJKFプロ公式戦〉
▼第6試合 交流戦 スーパーバンタム級 3分3R×YU斗(NJKF TOP GUN GYM)判定0-3 ※29-30×3○大村絆人(魂心舘)
▼第5試合 交流戦 スーパーフェザー級 3分3R○亮介(BOSS GYM)判定3-0 ※30-28×2、30-29×崇斗(HAKUBI GYM team 箔火)
▼第4試合 交流戦 ウェルター級 3分3R×石原尚斗(テツジム)TKO 1R 0分25秒 ※左フック○璃久(NJKF GRABS KICKBOXING)
▼第3試合 交流戦 65kg契約 3分3R○平田康輔(平田道場)TKO 3R 2分10秒 ※レフェリーストップ×束本涼成(HOPE GYM)
▼第2試合 NJKF 49kg契約 3分3R○庄司翔依斗(NJKF拳之会)判定2-1 ※30-29、30-28、29-30×林 裕人(NJKF心将塾)
▼第1試合 NJKFミネルヴァ フェザー級 2分3R×寺西美緒(フリー)判定0-3 ※29-30、28-30×2○谷岡菜穂子(NJKF GRABS KICKBOXING)
〈オープニングファイト〉アマチュアキックボクシングNEXT☆LEVELジュニア中四国王座戦
▼第8試合 -55kg王座決定戦 1分30秒3R+ex1×松崎幸紀(誠剛館総本部)判定0-3 ※29-30×2、30-29○大澤透士(NJKF TRASH)※大澤が-55kg第12代王座獲得。
▼第7試合 -50kg王座決定戦 1分30秒3R+ex1×大北銀次(BOSS GYM)判定0-3 ※27-30×3○清水龍翔(NJKF TRASH)※清水が-50kg第16代王座獲得
▼第6試合 -45kg王座決定戦 1分30秒3R+ex1×久保紳太朗(BOSS GYM)○下田然之丞(誠剛館総本部)判定0-3(三者とも29-30)※下田が-45kg第18代王座獲得
▼第5試合 -40kg王座決定戦 1分30秒3R+ex1○藤澤雄大(テツジム)判定3-0 ※30-28×2、30-27×山本椅央(武魂會)※藤澤が-40kg第20代王座獲得
▼第4試合 -35kg王座決定戦 1分30秒3R+ex1×藤澤夢乃(テツジム)○永瀬榮翔(NJKF TRASH)ex判定0-3 9-10×3※永瀬が-35kg第19代王座獲得
▼第3試合 -30kgタイトルマッチ 1分30秒3R○川端大心(NJKF team Bonds)※現王者判定3-0 ※30-28×3※-30kg第15代王者 川端選手が防衛2×小林 楓(空修会館)
▼第2試合 -25kg王座決定戦 1分30秒3R+ex1○三宅力矢(テツジム)× 高橋聖政(空修会館)判定3-0 ※30-28×2、30-29※三宅が-25kg第14代王座獲得
NEXT☆LEVEL提供試合▼第1試合 ジュニア -55kg契約 2分2R×梶原一晃(BOSS GYM)判定0-3 ※18-20×3○中村詩音(闘神塾)