MMA
レポート

【ROMAN】ペケーニョに完勝した日沖発「道衣ありのMMAをやることで、MMAの方でやってきたことと繋がった感じがあった」

2025/04/28 19:04
 2025年4月27日(日)東京・GEN スポーツパレスにて『ROMAN Ⅱ』(ツイキャス配信)が開催された。  格闘技ファンの間で話題となった2024年10月の第1回大会に続く、今大会は初の有観客大会として、メインでは初期UFCを彷彿とさせる「時間無制限の素手・頭突き・金的攻撃の“何でもあり”バーリトゥード」を実施。関根“シュレック”秀樹(ボンサイ柔術)がセネガル相撲のゲイ・ババカールと対戦す。  そしてセミでは、元UFCの日沖発(stArt Japan)がアレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ=ペケーニョ(ブラジル)との道衣MMAに臨んだ。試合後のコメントとともにリポートする。 ▼道衣MMA 15分1R×アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ(ブラジル)[判定0-3]〇日沖 発(stArt Japan)  日沖は、日本MMA黎明期から世界レベルで活躍し、第9代修斗世界フェザー級王者、第3代SRC(戦極)フェザー級王者。UFCでは、シャーウス・オリベイラ相手に寝技で真っ向勝負した実力の持ち主。高校時代にALIVEで着衣総合格闘技で練習していた経験も持つ。  MMAでは2018年8月の『RIZIN 12』での朝倉未来戦以来の復帰戦(※道衣無し)。2021年8月には『GRACHAN49』で中山巧を相手にケージの中でノーギグラップリングを戦い時間切れドロー。2023年3月にはグラップリング『Finish10』でケージの中で土屋大喜と戦っている。  その卓越したグラウンドテクニックと鋭い打撃で、数々の強豪を撃破してきた。柔術黒帯であり日本MMA界を代表するファイターが、「道衣着用MMA」という新たな戦場でどのような闘いを見せるか。打撃ありのなかで柔術衣を掴むこと・掴まれることでMMAはどう変わるのか。柔術とケージレスリングとMMAが混ざるルールで、そのどれもがハイレベルで行える日沖の道衣MMAに注目だ。 “ペケーニョ”ことノゲイラは1998年4月のプロ修斗に初来日、修斗ライト級王者・朝日昇と対戦し、ギロチンチョークで一本勝ち。その後も必殺のギロチンチョークで勝利を重ね、1999年9月には朝日との再戦で修斗ライト級王座を奪取(6度の防衛に成功、無敗のまま返上)。2005年7月のHERO'Sでは所英男と対戦して話題となった。MMAは2014年5月の『The Hill Fighters 1』での試合が最後となっており、MMA戦績18勝6敗3分。日本での試合は2009年10月のリオン武戦以来となる。  1R、互いに左ローから、ノゲイラの道衣を掴んでのクリンチボクシングに、日沖は首相撲ヒザ、さらにボディロックテイクダウン! ハーフからヒジを落としていく。抱きつくノゲイラを突き放しながら、ノゲイラの頭をマットに叩きつける。  日沖はパスガードからマウント。クラッチして抱きつくノゲイラ。剥がしながら声を出してパウンド、ヒジの日沖。タフなノゲイラは片足を戻し道衣をつかみ防御、二重がらみでハーフを割らせず。ブレーク。スタンドで右三日月蹴りを突く日沖。ゴング。判定へ。  判定3-0で日沖が勝利。「プロとしてはしょっぱい試合でしたが、いまの自分にできることをやってきました。この場を作ってくださった皆さんありがとうございました。チームのみんなありがとう。ペケーニョ、ブラジルから来てくれてありがとう。この歳になって強さを求めてやってこれました。ありがとうございました」と語った。  試合後の日沖に話を聞いた。 強さを求めてやってこれた ──ギロチンを組ませない組みから、1発目のボディロックでテイクダウンを奪い、トップから攻め続けました。完勝だったかと思います。 「ちょっと硬かったですね。相手も硬かったんで。テイクダウンはできるかなと思ってたんですけど、もうちょっと展開を作りたかったです。でも……今やれることはやれたと思います」 ──ハーフガードで二重がらみで粘られました。マウントからフィニュシュしたかったでしょうか。 「1回マウントを取ったんですが、すぐに戻されちゃいましたね。そこはさすがペケーニョだなという感じでした」 ──パウンド等でも掴まれる、通常のMMAと道衣ありのMMAの難しさも感じましたか。 「そうですね、でも逆に押さえるのは押さえやすいんです。その意味では柔術はずっとやってきているので、今回、こうして道衣ありのMMAをやることで、MMAの方でやってきたことと繋がった感はありました」 ──試合前に「自分の時間を創ってしっかり仕上げる。そんなことは、もうできないかもしれないと思ってきた」と。今回、道衣ありではありましたが、あのパウンド、ヒジを見ているとしっかり気持ちも作ってきたのだと感じました。MMAでの試合も見たいと思わせるほどに。もし“次”があるとしたら? 「いやもう。でも今回、あの、一生懸命やってきたので……ラストかなという感じですかね。もう弟子たちのサポートに回ります」 ──今回、セコンドにstArt Japanの若い選手もつけていたのが印象的でした。 「後輩にはもうラストかもしれないから頑張っている姿を見せたいと思いましたが、あんまりカッコいいところは見せられなかったですけど(笑)」 ──「道衣ありのMMAをやることで、MMAの方でやってきたことと繋がった」という言葉が、今後の指導のなかでも活かされることが楽しみです。今日は、いつもと逆で、久米鷹介選手がセコンドとして、日沖選手に声をかけていた姿も。 「久米が僕のために時間を割いてくれてミットとか付き合ってくれて、創ることできました。久米がトレーナーになってくれましたから。鷹介のおかげで試合まで来れました」 ──セコンドからの声も敬語でした(笑)。久米選手の次戦にも期待しています。
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