今ならどんなシチュエーションでも知っている(堀口)
一方の堀口恭司もMMA JUNKIEの動画でオクタゴン復帰と、来るべき同門対決について語っている。
「UFCに戻って来れてエキサイトしてます。いつもUFCに戻ることを考えていました」とインタビューに答えた堀口は、6月のアゼルバイジャンのバクーでの試合について、「ハッピーです。いつも同じ日本の場所で試合していたから。新しい場所で新しいファンと会うことが楽しみです」とフロリダのATTでリラックスした表情を見せた。
2016年11月のアリ・バガウティノフ戦(判定勝ち)以来、8年7カ月ぶりとなるオクタゴン復帰に向け、当時との違いを問われると、「今ならどんなシチュエーションでも知っています。たくさん改善したから、そういうテクニックをUFCで試してみたい」と意気込み。
奇しくもバガウティノフと同じハビブ・ヌルマゴメドフ軍団の一員であるタギル・ウランベコフが復帰戦の相手となったことについて、「彼は良い選手。ほんとうに注意深く戦い、全力を尽くします」と警戒しながらも、「正直に言うと僕の方が彼よりいい。それを見せたいです」と、8年半の進化の自信ものぞかせた。
フライ級にはチャンピオンのパントージャを頂点に、日本人選手では5位の平良達郎、15位の朝倉海、ランク外にATTに出稽古にも来た鶴屋怜も参戦中。さらにRIZINに出場していた4位のカイ・カラ・フランス、6位のマネル・ケイプ、13位のラマザン・ テミロフもランキングに名を連ねるなど、前回の堀口のUFC参戦時と比べ、層の厚みを増している。
堀口は、その状況を「自分たち選手にとっては最高です。パントージャはフライ級の価値を上げてくれたし、前回の朝倉海選手も良いプロモーションをして、より楽しい階級にしてくれた。だからこの階級に参戦することにワクワクしています」と目を輝かせる。
王者パントージャには、昨年8月にスティーブ・エルセグを1R TKOに下したカイ・カラフランス(ニュージーランド)が挑戦を望み、アミール・アルバジ、エルセグを相手に2連勝中の2位のブランドン・モレノ(メキシコ)も9月13日のNoche UFC『UFC 320』メキシコ大会で王座挑戦を目論んでいる。
「すぐ王座挑戦か、そこまでに試合を挟むか?」と問われた堀口は、「正直に言うとどちらでも良い。あまり気にしない。相手も誰でもいいです。僕はどこで誰と戦ってもいい。準備はできています。ただ、ベルトは獲得する必要がある。友人がベルトを持っているから……きっと良い試合になるでしょう。友人と戦うことでともに大金を稼ぐのは良いこと」と、どんな道のりでも目標は変わらないとした。
ATTではこれまでにも同門対決が行われている。
UFC世界ウェルター級王座戦でロビー・ローラーとタイロン・ウッドリーがATT同士で対戦し、近年では、PFLでもオマリ・アクメドフとジョシュ・シルヴェイラが同門対決を行っている。
「試合が決まったら? たぶん別々の部屋で特別な練習に取り組むことになる」という堀口は、「そのためにATTのジムには仕切りの壁がある?」と問われ、「そう、問題ないです」と答えている。
3度目の王座防衛に成功し、同階級の挑戦者を一掃してきたパントージャ。キャリア集大成の挑戦に向け、まずはオクタゴンの入口に再び立った堀口。互いに次戦をクリアし、盟友との試合に向かえるか。



