シュートボクシング
インタビュー

【シュートボクシング】リベンジ戦に燃える笠原弘希「これからは“SBのトップは俺なんだぞ”というのを見せていきたい」

2025/04/10 15:04
【シュートボクシング】リベンジ戦に燃える笠原弘希「これからは“SBのトップは俺なんだぞ”というのを見せていきたい」

昨年12月、延長戦で敗れたジャックとのリベンジ戦に臨む笠原

 2025年4月12日(土)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2025 act.2』(U-NEXT配信)の第10試合65.0kg契約オープンフィンガーグローブマッチ3分3R延長無制限R(ヒジあり)で、ジャック・ラーチャーノン(タイ)と対戦するSB日本ライト級王者・笠原弘希(シーザージム)のインタビューが主催者を通じて届いた。

 笠原は強打を武器に2018年9月にSB日本フェザー級王座、2019年9月に同スーパーフェザー級王座、2022年4月に同ライト級王座とSB史上初の三階級制覇を達成。海外強豪勢を相手に連続KOでSBチャンピオンの強さを証明してきたが、2024年2月にONEでのワラポン・ソー.デッチャパン戦で判定負け。10月の復帰第一戦では長谷川祐也を1Rわずか55秒でKOしたが、12月にジャックに延長戦の末に判定負け2025年2月の再起戦ではコムキョウを1RでKOした。戦績は35勝(16KO)7敗。

 ONEからの刺客ジャックとは昨年12月に対戦し、延長戦にもつれ込む接戦の末に敗れてしまった。4カ月ぶりの再戦となり、笠原はリベンジに燃えている。

2Rぐらいで仕留めるのが妥当かな


――今回の対戦カード発表記者会見では、シーザー武志会長から「(笠原弘希は)練習はあまりしない。この前の試合を見た限りでは、練習をしたら(次のジャック戦は)大丈夫。結構、嘘を言ってサボるからな。真面目にやれよ。とにかく走り込んで頑張ってください」と笠原選手の練習不足を指摘される場面もありましたね。

「あはは。今はしっかり休まず練習しているんで大丈夫です(笑)。以前までは、試合で勝つと練習に行かなかったりして、その度に『練習に来い』と会長から言われていたのですが、まさか会見で言われるとは思いませんでした」

――では、2月のコムキョウ戦では1RKO勝ちしてから練習を休んでしまった期間もあるんですか?

「いいえ、昨年10月に8カ月ぶりに復帰戦をしてからはほとんど休まず、しっかり練習しています」

――長谷川戦祐也戦で復帰してから火がついたと。

「復帰戦で体がやっぱり鈍っているのを感じたので、以前の絶好調の時の状態に早く追いつけるように練習は毎日するようになり、前回の試合でやっと追いついたかなと思います。むしろ、今は以前よりも調子はいいぐらいに仕上がっています」

――2月の試合では圧勝に終わり、ご自身のイメージ通りの戦い方はできましたか?

「当たり前の結果だったと思いますね。倒さなきゃいけない相手だったので、倒せてよかったなと」

――長身の選手でしたが、やりづらさは特になかったですか。

「向こうのタイ人のセコンドが『ヒジを狙え』と言っているのが聞こえたので、さすがに斬られて2連敗というのは嫌だったので少し警戒していたのですが、特にやりづらさはなかったです」

――笠原選手は日本とタイのハーフだけにタイ語がある程度分かるということで、タイ人との試合では、相手のタイ人のセコンドが指示する内容が分かることは試合で有利になりますか。

「そうですね。相手が何を狙っているのか、相手が今どうしたいのかというのをセコンドの声でちょっと聞こえたり、分かったりするので有利になると思います」


――今回、昨年12月のGROUND ZEROで延長戦の末に判定で敗れたジャック選手との再戦が決まりました。リベンジしたかった相手ですか?

「リベンジする機会は欲しいなとは思っていたのですが、復帰してからの調子がイマイチだったので、本調子に戻ってリベンジできる機会を伺ってました。今回こういう機会をいただいたので、しっかりリベンジさせてもらいます」

――改めて敗因は何だと思いますか。

「あの時は復帰2戦目で調子が戻ってなかったことと、自分の動きは戻っていると慢心していました。12月に倒されたことで、本来の自分に全く戻ってなかったことを気付かされました」

――戦ってみてジャック選手にはどういう印象がありますか。

「非常に器用にうまく戦う選手だなという印象を受けましたが、特にパワーがあったり、強いと感じた部分はあんまり感じなかったので完全に自分自身の問題で負けました。12月の時は、試合までにもっともっと頑張れば仕上げられたし、調子が戻っていなかったことが再確認でき、今はめちゃくちゃ練習してるので全然問題ない相手です」

――今回は何ラウンド決着とかイメージしているものはありますか。

「2Rぐらいで仕留めるのが妥当かなとは思うんですけど、しっかり倒すことを意識して戦います」

――会見では「12月に(ヒジで)斬られて10針くらい縫ってるんですけど、次は10倍くらいやり返そうと思って、ミンチにしてやろうというくらいの勢いです。絶対倒します」とミンチ宣言も出ていました。

「そうですね。前回やられた分を何倍もやり返すという意味でミンチという言葉を使ったんですけど、今でもその気持ちは変わりません。その時に斬られた傷跡は残っていて、せっかくのリベンジの機会が来たのでここでやり返さないと男じゃないですよね。毎朝顔を洗う時にこの傷を見るたびに、やっぱり闘志は燃えてきます」

――今まで笠原選手はPhoenixx祥梧(=栗秋祥梧)、深田一樹、重森陽太のリベンジ戦では全て勝利しているだけに、ご自身でもリベンジ戦に強いという自信もありますか?

「あります。負けちゃいけない世界なんで負けることはダメなんですけど、負けることでかなりスイッチが入って燃えながら練習できるので、これがリベンジに強い要因なのかなと思います」

――やはり一度戦っている相手だけに再戦はやりやすいと感じますか?

「気持ち的にもやりやすいですし、相手のパワーや力量とかは全部、最初の試合で分かっています。僕は昨年12月にジャック選手とやった時は自分の調子は戻り切っていなかったので、今回は向こうからすると違う人と戦ってるぐらいの感じになると思いますよ」

――3月29日には笠原友希選手がRISEに出て強豪パヌワット選手にすごくいい勝ち方をしました。そこも刺激になってますか?

「もちろん刺激になってます。あの勝ち方はイメージ通りで、僕のセコンドのおかげだと思います(笑)。友希はいい勝ち方をしているだけに、ここで変な試合をしたら僕の名が廃るので負けないように頑張ります」


――ここで勝ってアピールしたいこともありますか?

「12月に負けたことでちょっと周りから舐められているのを感じているので、12月から成長した姿や、笠原弘希が戻ってきたんだと感じられる試合を今回見せられると思うので、熱い試合をした上でしっかり倒して、これからは“SBのトップは俺なんだぞ”というのを見せていきたいと思います」

――RISEでは、RISEとGLORYが共同で開催する-65kgワールドトーナメント「Last Featherweight Standing」も行われます。

「僕のホームはシュートボクシングなのでシュートボクシングでの戦いを第一に考えていますが、オファーがあればどこの団体でも出て、シュートボクサー、そして復活した僕の強さを見せていくだけなんで、まずはしっかり目の前の試合で勝つことに集中します」

――11月のS-cupでは、山田ツインズの階級のフェザー級で世界トーナメントが開催されることに関してはどういう思いですか。

「山田ツインズには頑張ってほしいですね。今、フェザー級が盛り上がってるんで、そこで世界最強の座を取ってほしいのですが、ただ兄弟対決はちょっと見たくないですね」

――ご自身の階級で世界トーナメント開催が決まらなかったことに関しては、特に思うことはないですか?

「僕は19歳から7年間、ベルトを保持してますけど、SBで相手は誰一人いないですし、僕のタイトルに挑戦できる選手もいません。S-cupはその時に盛り上がっている階級でやることが当然なので、特に思うことはないですね」

――今大会から魂が増えるような最高試合(ベストバウト)をした選手に“ベストアート賞”として100万円がSB協会より贈呈されることも決定しました。

「ちょっと頭の片隅に置いておきながら、試合がしょっぱかったら感動のスピーチで補助しながら100万円を狙っていきたいと思います(笑)」

――ではリベンジ戦を期待してます!

「僕を応援してくれる方がすごい多く、熱い気持ちで今回、試合に挑めますし、しっかり練習もしているので、今回は倒して終わると思うんで、皆さんの声援でバッチリ、僕のKO劇の後押しをしてください。応援よろしくお願いします」

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