ダウトベック「タイトルマッチの行方を見届けたい」、鈴木千裕は──
そして『RIZIN.50』のセミで行われた鈴木千裕vs.カルシャガ・ダウトベック戦。
左ボディ、左ストレートを武器とするサウスポー構えのダウトベックの圧力に対し、鈴木は右インローや三日月蹴りなどの蹴りを使って間合いをコントロールした上で得意の右を当てたかったが、会見でも鈴木が明かした通り「バックステップが上手かった」ダウトベックは鈴木に攻撃を当てさせず。
抜群の距離感と立ち位置で、逆に鈴木をコントロール。鈴木のインローもチェックして、右足にダメージを負わせると、左ストレートで鈴木の鼻頭をヒット。
序盤で動きが落ちたことについて、鈴木は本誌の取材に、「多分、鼻が折れたんですよね。人生初めてなので、途中で思った以上に息ができなくなって。途中で血を吐いていましたけど“呼吸できねえ”と思って。そこで、スタミナの供給がちょっと遅いなと思いました」と異変があったことを明かしている。
最後に左フック、右ストレート、右ヒザで猛攻をしかけ、ダウトベックの組みにも投げ返して見せた鈴木だが、届かず。判定0-3で敗れた。
解説席の朝倉はCONFESSIONSで「高いレベルの打撃戦だったと思います」というコメントが紹介されているが、『男祭り』に向けては、鈴木のダメージを懸念する「ここまで激闘した選手とは戦えないですね。YA-MANしかり。あまり無理をさせないでほしい」という言葉は、盛り込まれなかった。
試合後会見で鈴木は「やりたいことは僕はやれていたので、打ち合いの競りで一歩いかれたなっていう感じなんじゃないですか」と振り返り、その敗因について「(MMAで)連敗は初めて。でもそういうときもあります。しばらくは一人でいいっスわ。またすぐ帰ってくるので。それまでは自分で見つめ直しますよ。結局、自分との戦いなので。自分をちょっと見失いかけるっていうか。何て言うんですかね。自分と向き合う時間がちょっと欲しいですね。しばらくじゃなくて、ちょっとの期間でいいんで、一人にさせてください」「何が間違っているのか分からなくなってきたんで考えちゃう」と混乱していることも吐露していた。
「また作り直しですね、しょうがない。時間がかかってもいいんで取り返しますよ」とも語っていた鈴木だが、1週間後の7日のXでは「気持ち身体もリフレッシュ出来た! 拳も足も打撲でしたが完治! 何もしない退屈な時間はもう飽きた! イナズマスピリット帰って来たぜ」と投稿し、唐突に復活をアピールしている。
気持ち身体もリフレッシュ出来た!
— 鈴木千裕Suzuki Chihiro (@Chihiro__0514) April 7, 2025
拳も足も打撲でしたが完治!
何もしない退屈な時間はもう飽きた!
イナズマ⚡️スピリット帰って来たぜ⚡️
フルラウンドの激闘から1週間で、心身はどこまで戻ったか。東京ドーム出場もあるのか。
一方で、元王者を破ったダウトベックは、「鈴木選手の才能と実力はとても評価しています。今日は私が勝つことが出来ました。タイトルマッチの行方を余裕を持って見届けたいと思います。RIZINのチャンピンになることが私の夢です」と、男祭りでの王者クレベル・コイケvs.挑戦者ラジャブアリ・シェイドゥラエフの試合を待ちたいとしている。
カザフスタンのダウトベックは隣国のキルギスのシェイドゥラエフとの対戦は積極的には望んでおらず、これまでもバンタム級でも戦えることを示唆しており、男祭りの結果次第では、階級転向もありえるか。
『RIZIN.50』から『RIZIN男祭り』へ。その道は混沌のフェザー級級戦線とフライ級GP、そして大晦日へと繋がって行く。





