試合後会見で言葉を詰まらせた元谷友貴。井上直樹とスプリット判定の接戦だった。(C)GONG KAKUTOGI
2025年3月30日(日)あなぶきアリーナ香川にて『RIZIN.50』が開催された。
▼第12試合 RIZINバンタム級(61kg)タイトルマッチ 5分3R
〇井上直樹(Kill Cliff FC)王者 60.95kg
[判定2-1]
×元谷友貴(アメリカントップチーム)挑戦者 60.90kg
※井上が初防衛に成功
香川初上陸となるRIZINの記念すべき50回大会のメインは、RIZINバンタム級タイトルマッチ (5分3R)として。王者・井上直樹(Kill Cliff FC)に、元谷友貴(ATT)が挑戦した。
2020年大晦日以来、4年3カ月ぶりの再戦は、再び井上が元谷を極めるか。それとも元谷が北米ATT修行の成果を見せて悲願の戴冠なるか、注目された。
井上の前戦は、2024年9月、朝倉海が返上した王座をかけて激闘派キム・スーチョルを相手に1Rスタンドパンチ連打によるTKO勝利で王座戴冠。
元谷は、2024年9月に太田忍を3Rリアネイキッドチョークで極めて返り討ちにすると、大晦日に秋元強真を完封して3連勝中。
試合は、序盤からジャブで距離をコントロールする井上に対し、元谷は慎重なディフェンスで入ると、中盤に左を当てて井上の右目を腫らせると、3Rにテイクダウンから、井上のスクランブルに元谷がトップを奪ってパウンドしてゴング。
接戦の判定はスプリットに割れて、井上が王座防衛に成功。これまで防衛されることがなかったRIZINバンタム級のベルトを初防衛したが、試合後は治療のために病院直行で会見を欠席した。
一方、試合後、ATTの堀口恭司から「3R目の動きが2R目から出せていたら、そこが課題」と序盤に慎重なあまり受けに回ったことを指摘された元谷は、会見冒頭で「悔しい」と語り、周囲のバックアップについて振り返りながら、言葉を詰まらせた。
もうちょっとアタックすれば──
──試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。
「悔しいなっていうのがありますね」
──判定の最初の一票が入ったときに声を出していました。
「僕としては、確信はなくて。一票入ったので“どうなのかな”と思いました」
──再戦となり、前回と違ったところがあれば教えてください。
「前回とあっちがどれだけ変わったかはわからないです。僕は自分自身で変わったと思うので。悪いところも出ましたけどいいところも出たので、それは良かったと思います」
──最終ラウンドの最後10秒はどんな気持ちで戦っていましたか。
「最後はやっぱフィニッシュを狙っていました」
──試合を終えたばかりですが今後の展望・目標を教えてください。
「今回応援していただいた方々に本当に感謝したいです。会場に来てくれた人にも、RIZINにも佐伯(繁・DEEP代表)さんにも、こうやって(正面と背中のスポンサーロゴを見せて)いつも応援してくださる方のおかげで頑張って来れたので。うん……(言葉を詰まらせる)。また頑張っていきたいな、と思います」
──試合の判定を分けたポイントは?
「ポイントはジャブの印象が取られたのかなと。それだけかなと、僕としては。ジャブでコントロール。僕がもうちょっとアタックすれば良かったかなと思いました」
──コーナー際でスクランブルの攻防がありました。あそこでもっとこうしたかった、という部分はありましたか。
「際では、僕のほうが勝っていて、上を取りましたしパウンドも当てましたし、肩固めでのニアフィニッシュも狙いました。グラウンドの面ではああいう流れはありだと思いました」
──後押しする声は聞こえていましたか?
「そうっすね。年々、応援してくれる人がたくさん増えてきたなと思っているので、嬉しいです」
──ご家族と話はしましたか?
「さっきちょっと電話はしました。僕としては……あっちは『惜しかったね、勝ったと思った』と言っていたんですけど、僕としては試合終わったあとに、“もし僕が勝ったとしても、僕の思うチャンピオン像じゃない”というか。それは思ったので。ここで勝っても僕の理想とするチャンピオン像じゃないと思ったので、これは……そういう話はしました」
──理解を示してくれましたか。
「というか、まあ、『また頑張るわ』というような話はしました」
──最後にグラウンドで追い込みました。4年前とは違う展開でした。
「試合前は、グラウンドってわけでもなくて、打撃でもコントロールかわからないですけど、出していく意識で、全局面で戦えたらと思っていました。打撃も出せたときは、テイクダウンのフェイントしながらパンチも当たって、そういう展開も作れたので、そういう感じで、全局面でやっていきたいなと思っていました」