2025年3月23日(日)さいたまスーパーアリーナ『ONE 172: TAKERU vs. RODTANG』(U-NEXTで独占PPVライブ配信)にて、タイトルマッチに挑む3選手が11日(火)都内にて公開練習を行った。
第11試合のONE世界フライ級(61.2kg)王座決定戦5分5Rで、同級1位アドリアーノ・モラエス(ブラジル/アメリカン・トップチーム)と対戦する同級2位・若松佑弥(日本/TRIBE TOKYO MMA)。
公開練習ではシャドーの後、MMAマススパーを披露。途中から飛びつき腕十字、バックスピンキック、飛びヒザ蹴りと大技を連発し、好調ぶりを発揮した。
「あと2週間を切って、当日は集中して全力を出せたら。絶対に王者になるって気持ちが常にあるので楽しみにしてもらえればと思います」と、王座獲得に燃えるコメント。
2022年3月に、当時王者だったモラエスに挑戦して3R ギロチンチョークで一本負けで王座獲得ならず。当時とモラエスはどう変わっているかと聞かれると「全体的にモラエスも自分も強くなっていると思う。特にここ直近の試合で相手はフィニッシュしているので。後は(前回)自分もフィニッシュ出来ているところでそこは自信を持って攻めに来るんじゃないかと思います」と、自信がさらに付いているのではないかとする。
世界のフライ級ではUFCで、平良達郎がブランドン・ロイバルに、朝倉海がアレッシャンドリ・パントージャに、鶴屋怜がジョシュア・ヴァンに敗れるという状況が続いている。その流れで戦うことについては「世間的にはそういう見方もあるかもしれないですが、自分はそこにあまり関心を持っていなくて。自分自身を乗り越えられるか、そこだけに全集中しています」と他のことには目を向けていないという。
UFC世界フライ級王者パントージャ、RIZINフライ級王者・堀口恭司、元ONE世界フライ級王者モラエスとフライ級最強の布陣を要するアメリカン・トップチームの一角を崩す自信についても「それも含めて、自分自身に打ち勝つ方が自分にとって難しいことなので、関係なく集中していますね。そういうことは後からついてくるものなので」と、やはり自分自身のことに集中しているとした。
ONEのタイトルに挑む心境を聞かれると「キック界のスーパースターの方たちと一緒に自分は3年ぶりのリベンジということで。みんな日本人選手は同じ気持ちだと思うので、そこにみんなで一緒に飛び込むような形で。かつ3年前の弱い自分を打ち破る強い気持ちと、死んでもいいという覚悟で僕は生きてきたので。楽しみながらも当日を迎えようかなと。最後にはどうなろうが自分が立っているという強い気持ちで臨もうと思います」との覚悟を口にする。
キックボクシングとムエタイの試合が多い大会の中で、MMAタイトルマッチ。ONEでずっとMMAで戦ってきた者としてのプライドはあるかとの問いには「逆に僕はMMAで唯一タイトルマッチが組まれているので嬉しい気持ちがありますし、ONEと日本人を代表してMMAで自分が勝たないといけない。ONEからの期待だったりそういうのもあって、何が何でも獲りたいという想いと、キックの凄い大会に出られることにめちゃくちゃ感謝しています」と答えた。
3年前の対戦時、自分が100だとしたら今はどれくらい成長しているかとの質問には「3500くらいです」と答えて笑いを誘った若松。「120ですかね(笑)。でも120は当時出せなかったので前回を超えられるんじゃないかなと自分でも楽しみです」とし、その20の違いはと聞かれると「覚悟です。どうなってもいい、どんな泥臭い試合でも、何が何でも、刺し違えるじゃないけれど這いつくばってでも勝つ気持ちが当時とは違います」と勝利への執念をあげる。
2022年の初対戦時はコロナ規制で観客が半分のシンガポール会場での試合だった。今回は満員のさいたまスーパーアリーナ。若松は「みんなのパワーや気を溜めて、さらにプラスに出来る。そこも3年前の未熟な自分とは違うという感覚があります」と、日本の応援を力に出来るという。
日本のファンにどんな姿を見せたいか、との質問には「自分を打ち破る、限界を超えた自分を見せたい気持ちだけです。そこに一点集中で。今回は盛り上げようとか、いいパフォーマンスとかは抜きにして、自分の中の弱い自分をぶちのめす、それだけです。魅せようとは思っていませんが、それを見てもらえれば分かると思う」と、意識しなくても自然と伝わるとした。
また、タイトルを獲ったその先については「変わらず自分自身を見つめ直してさらに強さを求めて、ONEフライ級のベルトの価値を磨いて、ONEが一番というのを目指したいと思います」とONEへの愛を感じさせるコメント。
最後には「全力を出してベルトを獲って、KANAさんから受け取って野杁さんに(バトンを)渡してそれをどんどんつなげていくので、本当に最後のつもりで戦うのでぜひ楽しみにしていただければと思います」とファンへメッセージを送った。