女王ロドリゲスが3度目の防衛戦(C)ONE Championship
2025年3月8日(土)タイ・ルンピニースタジアム『ONE Fight Night 29』の全対戦カードが発表された。
今大会はムエタイ5試合、MMA4試合、サブミッションレスリング1試合の全10試合が行われる。
メインイベントは、アトム級ムエタイ世界タイトルマッチ3分5Rで、王者アリシア・ヘレン・ロドリゲス(ブラジル/Phuket Fight Club)がマリー・マクマナモン(アイルランド/英国/The Knowlesy Academy)の挑戦を受け3度目の防衛戦に臨む。

まだあどけなさが残る面影で“ベビーフェイス”のニックネームを持つロドリゲスは26歳。ブラジルで初期のキャリアを積んだ後、タイへ渡り試合経験を重ねてきた。2019年7月にはプーケットのバングラスタジアムでタイトルを獲得している。
オープンフィンガーグローブ着用のムエタイ大会『ムエ・ハードコア』で2試合を行った後、2020年8月からONEに参戦。いきなりスタンプのONEアトム級ムエタイ世界王座に挑戦すると、判定勝ちで王座を奪取した。その後はコロナの影響で試合から離れていたが、2023年3月に暫定王者となっていたジャネット・トッドを判定で破り王座を統一。同時2階級制覇を狙って9月にスミラ・サンデルに挑戦したが、TKO負けでONEでの初黒星を喫した。2024年3月、クリスティーナ・モラレスの挑戦を退けて2度目の防衛に成功。
マクマナモンは今回がONE初参戦にしてタイトルに挑戦。ONEバンタム級キックボクシング世界王者ジョナサン・ハガティを育てた名伯楽クリスチャン・ノウルズの指導の下でトレーニングを行っているという。英国の最高峰2024年ロアーファイティングチャンピオンシップのムエタイ世界王者。
ONEで4勝(2KO)2敗のランボーレック・チョー・アッジャラブーン(タイ/Kiatpetch)は、ONE Friday Fightsで6連勝(4KO)負けなしの快進撃を続けているパルハム・ゲイラティ(イラン/Petsaman)を迎え撃つ。
ソー・リン・ウー(ミャンマー/Doe Yoe Yar Lethwei Club)はバンタム級ムエタイ3分3Rでドミトリー・コフトゥン(ロシア/RUS Gym/Sitsongpeenong Muay Thai Camp)と対戦。
ウーはラウェイの選手で2010年ゴールデンベルト60kg級王者。驚異的な打たれ強さから“マン・オブ・スティール”“アイアンマン”というニックネームが付けられた。2019年12月にはラウェイの試合でパコーンを頭突きでKOしている。ラウェイ戦績は71勝(68KO)3敗52分。ONEには2024年2月に初参戦すると津橋雅祥にTKO勝ち、3月にファビオ・レイスにも左ストレートでKO勝ち、7月にはルンピニー2階級制覇のポンシリをもKOして3連勝を飾ったが、2024年9月にナビル・アナンに判定負けとなった。
コフトゥンはONEでノンタチャイ・ジットムアンノンにはKO負けしたが、フェラーリ・フェアテックス、スーブラック・トー・プラン49に勝利している。
キャッチウェイト (-67.13kg) ムエタイ3分3Rには、日本の北野克樹(誠至会)が登場。ステファン・コロディ(アイルランド/Dublin Combat Academy/P.K. Saenchai Muay Thai Gym)と対戦する。

北野は関西の名門・誠至会のエースで、回転系の蹴り技を得意とし“竜巻旋風脚”の異名を持つ。2020年9月にベテランの健太から判定勝利を奪うと、11月にRISE初参戦で当時11戦無敗と勢いに乗る山田洸誓にプロ初黒星を付けた。これまでHOOST CUPウェルター級王座、WBCムエタイ日本統一スーパーライト級王座、NJKF同級王座、WPMFインターコンチネンタル同級王座、IOCインターコンチネンタル同級王座と五冠を獲得。
BOMで行われた「ROAD TO ONE ムエタイ」のウェルター級トーナメントで2023年4月に優勝し、10月の『ONE Friday Fights 38』に初出場。ハリル・キュトゥクチュからヒジ打ちでダウンを奪って判定勝ちし、2024年6月の『ONE 167』で2戦目にして本戦出場のチャンスを得たがハイドレーションテストを規定時間内にパス出来ず(最終的にはパス)、対戦相手で1ポンド体重超過のリアム・ハリソンがキャッチウェイトでの試合を受けなかったため直前で中止となっていた。
対するコロディはONE Fight Nightでスーブラック、アレクセイ・バリカに2連敗しており、生き残りを懸けて北野との対戦を迎える。
フライ級 サブミッション・グラップリングでは、石黒翔也(日本/Carpediem)がDiogo Reis(ブラジル/Melqui Galvao)と対戦。

石黒は柔術衣を着た柔術も、道衣無しのノーギグラップリングも戦う柔術家。2023年12月のIBJJFシドニーオープンでは、ギ&ノーギともにメダルを獲得。ギはフェザーで優勝、無差別では3位、ノーギはフェザーで優勝し無差別で準優勝という好戦績を挙げている。また、2022年のIREでは今成正和と掌底ありルールで戦い、勝利するなど柔術家の枠を超えた戦いを見せている。
ONEには2024年3月の『ONE Friday Fights 55』で初参戦。寒河江寿泰とサブミッショングラップリングで珍しい日本人対決を行い、判定3-0で勝利。5月にはブルーノ・アセベド(ブラジル)から9分19秒、内ヒールフックで勝利を収め35万バーツ(約150万円)のボーナスを獲得した。9月の丹羽飛龍にも判定勝ちでONE3連勝中だ。
対するレイスはONE初参戦のブラジリアン柔術黒帯。ADCCサブミッションファイティングワールドチャンピオンシップで2022・2024と-66kg級で2度の優勝を飾っている。



