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【UFC】マネル・ケイプがアルマバイエフに3R TKO勝ち「パントージャ、カイカラ、覚悟しておけ」、ブランデージがマルケスに逆転勝利、ハクパラストが連勝対決制す! アミルがMMA11戦無敗に、パターソンが3連続1Rフィニッシュ。ピントが失神KO勝ちデビュー。マリスカルがUFC5連勝、元RIZINテミロフがジョンソンの連勝を4で止める

2025/03/02 06:03
 2025年3月1日(日本時間2日)に米国ラスベガスのUFC APEXにて『UFC Fight Night』(U-NEXT配信/UFC Fight Pass配信)が開催された。  メインイベントでは、元RIZINバンタム級王者で現UFCフライ級6位のマネル・ケイプ(アンゴラ)が出場。当初フライ級1位のブランドン・ロイバルと対戦予定だったが、ロイバルの負傷欠場により、同級8位で、17連勝中・UFC4勝無敗のアスー・アルマバイエフ(カザフスタン)と対戦した(※ケイプ インタビュー)。 ▼フライ級 5分5R〇マネル・ケイプ(アンゴラ)6位・21勝7敗(UFC6勝3敗)[3R 2分16秒 TKO]×アスー・アルマバイエフ(カザフスタン)8位・21勝3敗(UFC4勝1敗)  6日にロイバルが欠場を表明したことで、10度目の試合キャンセル(自身が原因のキャンセルは3度)に見舞われた6位のケイプは、下位ランカーながらMMA17連勝中の強豪アルマバイエフとメインイベントで対戦する。ケイプは前戦のブルーノ・シウバ戦に続く、UFC4連勝中の相手との対戦となる。  中央アジア・カザフスタンのアルマバイエフは、MMA21勝2敗。幼少期からレスリングを経験し、小学5年生の時にアルマトイへ移住し、ボクシング、空手、ブラジリアン柔術等を習得し、2013年にプロMMAデビュー。10年のキャリアを経て、2023年8月のオーデ・オズボーン戦でUFCデビューすると、リアネイキドチョークで一本勝ち。その後もCJ・ベルガラ、ホゼ・ジョンソン、マテウス・ニコラウを相手にいずれも判定勝ちの4連勝でランキング入りした31歳。  当初、アルマバイエフは、2024年5月にタイトル挑戦経験のあるスティーブ・エルセグと対戦予定だったが、2025年3月のメキシコシティ大会で元王者のブランドン・モレノとの対戦に変更。さらにアラン・ナシメントに対戦相手が変更されていた。しかし、ロイバルの負傷により、今回のケイプが相手となった。  オーソドックス構えで強靭な体幹から繰り出される、ニコラウをダウンさせた右アッパー、後ろ蹴りなどの足技も繰り出し、ベルガラ戦で9度、ジョンソン戦で6度奪った強いテイクダウンを武器とするアルマバイエフ。9つの一本勝ちのうち、リアネイキドチョークで6つの勝利を挙げているほか、ギロチンチョーク、ペルビアンネックタイの首系サブミッションを得意とする。  左右どちらでも戦えるケイプは近年、テイクダウンディフェンスに磨きをかけており、そのボクシングは前戦でもブルーノ・シウバを寄せ付けないシャープな動きを見せている。アルマバイエフの組みも切ってスタンド勝負が出来るか。  アルマバイエフにとっては、2019年10月のM-1フライ級暫定王座決定戦でクリス・ケレイデスに判定勝ちしたとき以来の5R戦でいかに粘り強く戦えるか。ともに31歳。王座挑戦を狙うケイプにとっては絶対に落とせない、1カ月前の対戦相手変更のメインイベントだ。  今回の試合前に3度目の対戦相手変更となるアルマバイエフは、ケイプとの対戦決定に、「私は計画変更の準備ができています。私は誰と戦おうと気にしない、レッツゴー!」とSNSに意気込みを記し、さらに「スティックを放さず、剣を恐れなければ、私が勝ったと言ってください」と、第二次世界大戦の退役軍人で作家でもあるカザフスタンの英雄バウイルジャン・モミシュリーの言葉を引用している。  1R、サウスポー構えから入るケイプ。オーソのアルマバイエフと前手で牽制。アルマバイエフは右ミドルを強く打ち込む。蹴り足をキャッチして左を打ち込むケイプ。  右から左で詰めるケイプ。かわすアルマバイエフは右の蹴り。かわすケイプも左の蹴り、左ストレートの飛び込み。アルマバイエフは右オーバーハンドを見せる。  左からスイlチチして右を突くケイプ。アルマバイエフは右ミドルで応戦。バックスピンキックは距離を潰すケイプ。左から右で中に入る。ケージ背に左フックを返すアルマバイエフ。  右から左を当てるケイプ! 嫌ったアルマバイエフはサークリング。右ミドルハイもテイクダウンの動きはまだない。左から詰めて右をヒットさせたケイプ! アルマバイエフは左目下から出血。シングルレッグも回って切ったケイプは、詰めてボディ打ちも。  2R、右インローから入るアルマバイエフは右オーバーハンド。ステップバックでかわすケイプは左で飛び込むが、そこにカウンターのタイミングでダブルレッグで入ったアルマバイエフをスプロールして切る。後ろ蹴り、左インローのアルマバイエフ。オーソからすぐにサウスポー構えに戻すケイプはアルマバイエフの左右をかわして右を突く。ワンツーから右ハイのアルマバイエフをガードするケイプは、続く蹴りもキャッチ。  右カーフをかすめるアルマバイエフは右ハイ、左フックは空振りに。右前蹴りを突いたアルマバイエフに圧力をかけて左はケイプ。左跳びヒザから右をヒット。アルマバイエフの左、右をかわして詰めて右の後ろ蹴り。右フックを突くがアイポークと主張するアルマバイエフだが、有効打と判断され、続行。  3R、右インローのアルマバイエフ。詰めるケイプに右ミドルも下がりながら。ケイプは右前手フック。アルマバイエフの左フックをかわしてシングルレッグもスプロール。左右を伸ばすと左手のオープンハンドが顔に、アルマバイエフは再びアイポークを主張も、レフェリーは流して続行。ダブルレッグを切ったケイプのヒザ蹴り左右ボディ打ち、アッパーにアゴが上がったアルマバイエフはサークリングで背を無向けて回るが、ケイプが詰めたところでダブルレッグに入って潰されレフェリーが間に入った。  17連勝中だったアルマバイエフを相手に危なげなく完勝したケイプは「アルハムドゥリッラー。僕がこれまで経験してきたこと、そして僕が成し遂げてきたことのすべてに──。次は誰だ? 次の相手は誰だ? 彼らはまた俺のタイトルショットを拒否するつもりだ。ハンター、俺が最強なのは知ってるだろ? 俺は17連勝の男を止めた。みんな怖がってたレスラーだから怖いと思ったのか? 俺はレスリングも打撃でも何でもできる。 この階級の誰も歯が立たない、俺が一番だ。俺がスターボーイだ。パントージャ、カイカラたちよ、次に俺と対戦することになったら、覚悟しておけ。なぜなら、俺は娘にお菓子をやるようにベルトを盗むつもりだからだ」と王座獲りを宣言した。  そして、「俺の娘はどこだ? 娘を連れてこい。知ったことか。娘をここに連れて来い。俺の時間だ」とケージサイドの娘を呼び込むと、「娘が俺のモチベーションだ。俺がしてきたことすべてが、俺の娘のために」と語り、抱きかかえられた長女が「パパの勝ち」と話すと、「そう、パパが一番。愛してるよ、ベイビー」と返した。 [nextpage] ブランデージが元練習仲間対決で逆転TKO勝ち ▼ミドル級 5分3R〇コーディ・ブランデージ(米国)11勝6敗(UFC5勝5敗)[1R 4分45秒 TKO]×ジュリアン・マルケス(米国)9勝6敗(UFC3勝5敗)  1R、先に圧力かけるマルケスにブランデージは右オーバーハンドをヒット。さらにワンツー。立て直したマルケスに右カーフも。マルケスも右カーフを返すが、ブランデージは右縦ヒジ。互いにヒザから崩れたマルケスに、アナコンダチョークを狙うブランデージだが、組手が浅く自ら放す。  右を返したマルケスは、ブランデージをケージに詰めて右をヒットさせるとギロチンチョーク! 外したブランデージに左右ラッシュでケージに釘づけに。アッパー、左右連打にブランデージは動きが止まりかかるが、右を強振して打ち返しに行くと、共にマウスピースが飛び出る激闘に。  両者マウスピースをハメ直して再び打ち合いのなか、右をヒットさせたブランデージが押し戻して右でダウンを奪うと、右の鉄槌連打! 逆転勝ちを決めた。ブランデージは「夢を失いかけたけど頑張ってやってきてよかった」と語った。 (※試合前インタビュー) ──ミドル級のコーディ・ブランデージ選手です。今回のジュリアン・マルケスとの試合に向けてですが、どんなファイトキャンプをしてきましたか? 「今回のキャンプはコロラド州デンバーにあるFactory Xでやったよ。メインのトレーニングパートナーは、ダスティン・ジャコビー、オースティン・ジョーンズ、AJ・フレッチャー、アンソニー・スミス。いろんなタイプの選手がいて、経験豊富なベテランも多かったね」 ──錚々たるメンツですね。Factory Xにはたくさんのファイターがいますが、あなたの奥様のアマンダ・クーパーさんは今でもあなたのミットを持ってくれたりするんですか? 「この前、彼女が『ミット持ってあげるよ、一緒にワークアウトしよう』って言ってきたんだ。でも俺は『いや、やめとこう』って断った(笑)。付き合い始めた頃はよく持ってくれてたし、今でも遊びで軽くスパーしたりはするけど、本格的にはやらないな。俺のパンチのパワーが強くなりすぎたからね(笑)※初心者だった頃のブランデージのミット持ちをアマンダが買って出ている」 ──日本にも夫婦でプロMMAファイターの選手がいますが、同じ競技の選手がパートナーであることで良い点も難しい点もありますか。 「難しい点は、仕事と家庭を分けるのが大変なことかな。ジムでのことを家に持ち帰らないようにするのが難しい。でも、逆に言えば、家に帰ったときに『今すごくストレスが溜まってる状況なんだ』とか『減量が思うようにいかない』とか、そういう悩みを話しても、彼女はすぐに理解してくれるんだよね。試合前のキャンプ期間中に少し冷たくなったり、自分勝手になったりしても、彼女はその理由をわかってくれる。 『夫婦関係は50:50が理想』ってよく言われるけど、俺はそうは思わない。時には70:30だったり、80:20だったりすることもある。でも、お互いに支え合うことが大事。彼女は俺の気持ちをよく理解してくれてるし、同じ舞台で戦ってきたからこそ、すごくありがたい存在だよ」 ──素晴らしい関係です。2024年は1敗1NC。前回2023年12月の白星では、ザック・リースの三角絞め狙いを相手の右手を巻き込んで持ち上げてスラムしたのが印象的でした。あの動きはなかなか練習ではできないと思いますが、シミュレーションはしていたんですか? 「たしかにトレーニングパートナーを本気でスラムすることはできないけど、持ち上げて『今からお前スラムされるからな』ってプレッシャーをかけることはあるよ(笑)。スラムって、特に三角絞めの防御としては有効な手段の一つだと思うんだ。よく『スラムで逃げるな』って言われるけど、十分なパワーがあれば、実際に有効な選択肢になる。ランペイジ・ジャクソンがやってたみたいにね。100%の形では練習できないけど、80%くらいの感覚で持ち上げることはできるよ」 ──ランペイジの話が出ましたが、彼のPRIDE時代の試合を見たのですか。 「もちろん覚えてるよ。それで面白い話があって、俺がザックをスラムした後、マネージャーがランペイジと一緒にいて、試合後にビデオ通話を繋いでくれたんだ。そしたらランペイジが『お前、これでランペイジ柔術の黒帯をゲットだな』って言ってくれてさ。あれは最高に嬉しかったね」 ──ヒカルド・アローナに勝った選手の黒帯となりますね。さて、今回の対戦相手であるジュリアン・マスケスも同じレスリングのバックグラウンドを持っています。頭を下げることがリスクになると思いますが、どう対策を準備していますか? 「いい感じだよ。ジュリアンとは1年くらいFactory Xで一緒にトレーニングしてたから、お互いのスタイルをよく知ってる。彼の得意な部分も分かっているし、彼も俺の強みを知ってる。だから面白い試合になると思うよ。レスリング、打撃、どこで試合になっても自信はあるし、楽しみだね」 ──マルケス選手はオーソドックススタンスですが、時々スイッチして強い前手を出すことが多いですよね。 「そうだね。彼はリアハンドを当てたくてスイッチすることが多い。でも、オーソドックスの状態ではなかなか当てられないみたいでね。だから、その動きにはしっかり対応できるように準備してきた。何度も言うけど、一緒にトレーニングしてたから、彼のやることはある程度分かっているよ」 ──その上でマルケス選手に優っている点は? 「スピードについてはかなりの差があると思うし、パワ―や運動神経のアドバンテージは俺にあると思う。グラウンドについて言えば、グラップルでも俺の事を押さえきれるヤツはあんまりいないと思っている。これまでUFCでは多分一番レスリングが強いんじゃないかと思う・ボー・ニッケルやADCCの柔術で何度も勝ってる選手とも経験があるし、そのレベルの選手達とやってきてるから誰とでもグラップリングは勝負できるだろう。どこのポジションでもどこに置いても彼より俺の方が優っているよ」 ──この試合に勝った後の目標は? 「UFCデビューから最後の試合まで14カ月で6試合を戦った。UFCではケビン・ホランドと俺が最も活躍していたと思う。でも、今は少しペースを落としてる。今年中にあと1、2試合はやりたいね。この試合が今の契約の最終戦だから、新しい契約を取って、いい試合を重ねて、勢いをつけていきたい。今回は8カ月ぶりの試合で、俺にとっては珍しい長期の休みだった。成長した姿を見せたいし、何よりまた楽しく戦いたいよ」 ──ところでデンバーでは、ロイバル戦が決まる前に平良達郎選手がジムに行ったと思いますが、会ったりもしましたか。 「会った事はないけど、ロイバルはタツロウと一緒に少しトレーニングをしてただろう? 俺はロイバルとしばらく一緒にトレーニングをしてたからその時、ロイバルからタツロウについてはいつもポジティブでいい事ばかり聞いていたんだ。ジャスティン・ホーティンとかタツロウの事をコーチした人とかも皆。彼の事を褒めているんだ。ロイバルとの試合もいい試合だった」 ──日本のファンにメッセージをお願いします。 「もちろん! 日本の皆さん、応援ありがとうございます! 日本はMMAの歴史が深い国だから、いつかUFCが日本で開催されたら最高だね。そこのカードに入れたら最高だし、そこで試合をするのは、全てのMMAファイターにとっての夢の一つだと思うよ。本当に感謝してるし、日本の格闘技文化をリスペクトしてるよ! ぜひ、自分の試合にも注目してほしいです」 [nextpage] 的確な打撃のハクパラストが手数のリボビクスにスプリット判定勝ちでUFC5連勝 ▼ライト級 5分3R〇ナスラット・ハクパラスト(モロッコ)18勝5敗(UFC10勝4敗)※UFC5連勝[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×エステバン・リボビクス(アルゼンチン)14勝2敗(UFC3勝2敗)※UFC3連勝でストップ  1R、オーソのリボビクスが右で圧力かけ右ロー。しかし、ハクパラストは右回りで鋭い左ストレート。右ハイを返すリボビクス。ガードするハクパラストはノーモーションの左を打ち込む。  右インローを突くリボビクス。ワンツーで前に。左ミドルを返すハクパラストに、リボビクスも左ボディから右。右ハイ、前蹴りと多彩なコンビネーションで攻める。  ハクパラストも右に回り、リボビクスの踏み込みに左ストレート。リボビクスはワンツーから右ハイに繋ぐ。ブロッキングのハクパラストに左ジャブを刺すと、ハクパラストも左ストレートを刺し込む。リボビクスのラウンドに。  2R、右のダブルから左、右ローのリボビクスに、左右を返すハクパラスト。左に回って防ぐリボビクスに、ワンツーで詰めて右を当てるハクパラスト。リボビクスは左から右の蹴り。ハクパラストは左オーバーハンド、右ジャブ、左ミドルに繋ぐ。  縦ヒジ、左のハクパラストに、左右のコンビネーションはリボビクス。細かく打ち返して必ず返す。右ジャブを的確に当てるハクパラストは、左ストレートもヒット! 手数を止めないリボビクスは右ヒザまで繋ぐ。  ブロッキングから左ボディを突いて押し戻すハクパラスト。左ローも。しかし笑顔を見せたリボビクスは左右から右ハイに繋ぐ。ブロッキングのハクパラストは右から左フック。リボビクスは右のスーパーマンパンチをガード上に当てる。的確な打撃のハクパラストと、手数のリボビクスの拮抗したラウンド。  3R、先に手を出すリボビクス。左ストレートのハクパラストに左右をガード上に打ち返す。左前蹴りのハクパラスト。詰めるリボビクスは右ミドルも、そこに左ストレートをカウンターで当てるハクパラストは前に。左のダブルから右ヒジ。リボビクスのバックヒジは空振り。左インローのハクパラスト。  その入りに右ヒザをヒットさせるリボビクス! 出血させたリボビクスは左右で前に。そこにダブルレッグテイクダウンはハクパラスト! 金網際で片ヒザ立ちのリボビクスはスイッチ狙いで立ち上がり、なおも組むハクパラストを切ってワンツー。左ミドルを返すハクパラスト。  ワンツーのハクパラストはみたび組みに。すぐに差し上げるリボビクスもワンツースリー。ガードするハクパラストも顔面を腫らしながらも来いとアピール。恐るべきスタミナと打撃のリボビクスはワンツーから右の蹴りに繋ぎホーン。ダンスを踊る。左目を腫らしたハクパラストに、意外にも綺麗な顔のままなのはリボビクス。  ノンストップの打撃戦の判定は2-1(29-28×2, 28-29)でハクパラストが勝利。UFC5連勝をマークし、ライト級でトップ15との試合を希望した。試合後、ハクパラストは「すごい試合ができて嬉しい、モイカノ、覚悟しておけよ」と語った。 [nextpage] バックギアを持たないアミルが前進、ゴミスとの連勝対決制す ▼フェザー級 5分3R〇ハイダー・アミル(米国)11勝0敗(UFC3勝0敗)※UFC3連勝[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×ウィリアム・ゴミス(フランス)14勝3敗(UFC4勝1敗)※UFC4連勝でストップ  1R、サウスポー構えのアミルは左の蹴りも掴んだゴミス。離れたアミルはすぐに詰めて組み。両差しのゴミスは体を入れ替え、押し込み。突き放したアミルに、右前蹴りのゴミス。なおも詰めるアミルは右を当てて押し込み。差し上げるゴミスは左前蹴りで距離を取る。  右のダブルから4連打のアミル。右で差してクリンチのゴミスはヒザ。続く左ミドルを掴んだアミルは組みに行くが、ゴミスは小手さらに右バックヒジでダウンを奪う! 効かされながらも前に出るアミルにゴミスは跳びヒザも。揺れながらも右ハイを返し、ホーン。ダメージ与えたゴミスのラウンドに。  2R、前に出るアミル。右インローをもらいながらも右ボディ打ちから左。互いに右の相打ちも下がらないアミル。詰めて右ボディ。回るゴミスは右を返すと、アミルは前に出るも手打ち気味に。  こつこつ左の蹴りを上下に打つゴミス。詰められるとクリンチも、アミルは空いた右で強打! ゴミスも左ハイをガード上に返して突き放す。  右フックからアッパーで詰めるアミル。さらに苦しい時間にダブルレッグにも。差し上げるゴメスがケージ背に。アミルは右ヒザでホーン。拮抗したラウンド。  3Rも先に詰めるのはアミル。右前蹴りを掴むゴミスだが、足を抜いたアミルは右ハイ。右ストレート、左フック。回り込むゴミスは左ストレートをこつこつ突く。構わず詰めるアミルは右ミドル、さらに右ストレート。ゴミスのバックヒジをかわして組んでボディロックテイクダウン!  送り手を掴んでバックマウントからパウンド。立ち上がり正対するゴミスを詰めるアミルは右ストレート、ゴミスも打ち返すが、圧力をかけ続けるアミルは左ヒザ。手数を増やして右アッパーも。さらにシングルレッグから後転も両者立ち上がり。アミルが詰めてホーン。アミルのラウンドに。  判定はバックギアを持たないアミルが前進して攻め続け、2-1(29-28×2,28-29)のスプリットで勝利。MMA11勝無敗、UFC3連勝とした。ゴミスはUFC連勝が4でストップ。 [nextpage] パターソンが無敗バーロウをTKOで3連続1Rフィニッシュ ▼ウェルター級 5分3R〇サム・パターソン(英国)13勝2敗(UFC3勝1敗)[1R 3分10秒 TKO] ※右ストレート×ダニー・バーロウ(米国)9勝1敗(UFC2勝1敗)  1R、サウスポー構えのバーロウに、長身のパターソンは前蹴り、左ジャブ、右ストレート。左インローを当てるバーロウ。パターソンは右で牽制も、かわしたバーロウは左を返す。ともに鋭い右が交錯。  圧力をかけてパターソンにケージを背負わせるバーロウは、パターソンの右の打ち終わりに左をかぶせる。バーロウの右から左のコンビネーションに、長い右を返したパターソン!片手を着いて崩れたバーロウの立ち上がり際をすぐに詰めて右をヒット! ダウンを奪い、右のパウンド連打でTKO勝ち。   ウェルター級転向3連勝3連続1Rフィニッシュとしたパターソンは、「契約更新時にいいKOが出来た」と語った。 [nextpage] マリオ・ピント、DWCSの衝撃再び。レーンを右で沈める 【プレリム】 ▼ヘビー級 5分3R〇マリオ・ピント(ポルトガル)10勝0敗(UFC1勝0敗)[2R 0分39秒 KO] ※右ストレート×オースティン・レーン(米国)13勝6敗(UFC1勝3敗)  1R、ともにオーソドックス構え。右ローのレーンに、ピントも右カーフ、2発を蹴り返し。レーンは右ボディストレート。右から左で組むが、左差しのピントが体を入れ替える。  離れて強烈な右オーバーハンドをガード上に突くピント。レーンの左右をかわすと、組むレーンを差し返して体も入れ替え、右で差して離れ際に右を振る。  手数はレーン。右を打ち降ろしてダウンを奪うと、立つピントを詰めて組み。クリンチのピントは足払いで崩して離れて前に。左ジャブを突くレーン。組んでホーン。レーンのラウンドに。  2R、先に詰めるピント。レーンの打ち返しをダッキングするが、詰めるレーンが左右ラッシュで前に。それを凌いだピントがレーンの左に左を返して右ストレート! ハンドスピードあうるこの1発で後方に吹っ飛んだレーンに、ピントがパウンドで飛び込んだところでレフェリーも飛び込んだ。  2024年10月のDWCSでの1RKO勝ちを彷彿とさせるKO勝ちでUFCデビュー戦で勝利したピントは、MMA10戦無敗となった。  居合後、ピントは「確かに“ジッター”はあったよ。初めての試合は、緊張するものだ。彼は180cmの元NFL選手で、僕は冷や冷やしていたんだ。でも、あまり緊張はしなかったよ。でも、彼は僕を追いかけてきたんだ。巨人のおっさんが追いかけてきて、俺は嵐を乗り切らなきゃって感じだった。彼はアゴを浮かせて突進してきた。左フックで顎が上がってしまっていたから打ち抜いた。  来週は僕の誕生日(※3月14日に27歳になる)なんだ。チームに感謝したい。マーティン・フット、僕の最初のグラップリングコーチ、そして何よりマーヴィン・イーガン、僕のキャリアをとても助けてくれた。今でも私をサポートしてくれている。今夜、UFCデビューを果たし、計画が実を結び、この瞬間に立ち会えて幸せだ。今日はチームのみんなに感謝している。スチュアート、オースティン、ニコ、ジャネット、ありがとう」と語った。 [nextpage] 回転するラモスをマリスカルがスタンドでも上回りUFC5連勝 ▼フェザー級 5分3R〇チェペ・マリスカル(米国)18勝6敗(UFC5勝0敗)※UFC5連勝[判定3-0] ※30-27×3×リカルド・ラモス(ブラジル)17勝7敗(UFC8勝6敗)  1R、先に後ろ廻し蹴りで牽制のサウスポー構えのラモス。オーソのマリスカルは右から左、さらに左右で詰めて組むが、突き放すラモス。柔道ベースのマリスカルは組んで差して投げるもここも立つ。  ニータップのラモス。マリスカルは右を振って組むと、ラモスは右小手巻き投げからカーフスライサーへ。仰向けになし抜けるマリスカルは組みも混ぜて左右で前に。右インローも。回転系の技からなぜか下がるラモスに組んで崩したマリスカル。そこに足関節の取り合いから外ヒールのマリスカルに、内ヒールを狙うラモス。ヒザを抜いて立つマリスカルが押し込みホーン。拮抗もマリスカルのラウンドか。  2R、マリスカルの崩しに下になり誘うラモス。付き合わずに立って待つマリスカルはオーソのラモスに右カーフ。組んでおっつけて右ヒザ。右で差して左パンチも、離れるラモス。左前手フックで詰めて右を振るマリスカル。  離れるラモスはバックエルボー! マリスカルは右カーフを突き、右から左、右カーフ、奥足ローも。右関節蹴りで前足を突くマリスカルに、右ハイはラモス。ブロッキングのマリスカルは、右フック、さらに右で差して投げて崩して左右ラッシュ! 右の跳び蹴りから連打もホーン。マリスカルのラウンドに。  3R、前蹴りのマリスカル。ラモスは右カーフを返すと左のラボーナは遠い。右で差して組むマリスカルは左でラモスの右腿にパンチ。離れ際に右ヒザを突く。右関節蹴りのマリスカルに、右縦ヒジを狙うラモス。  右カーフを被弾したラモスはそのまま回転してバックフィストも遠い。このラウンドは逃げ切り態勢かマリスカルは、ラモスの跳びヒザをキャッチしてテイクダウンも、スタンドを選択。  先にバックフィストのラモスに同じ技を返すマリスカル。右のサイドキックを腹に突き、右ロー。ラモスは左バックヒジから組むが、突き放すマリスカルはラモスのヒジの飛び込みをかわして前に。左右から打点の高いサイドキック、左右でラッシュしホーン。マリスカルのラウンドに。  判定3-0(30-27×3)でマリスカルがUFC5連勝。判定3-0(30-27×3)のフルマークで勝利したマリスカルはセコンドから柔術黒帯を巻かれ、「フィニッシュできればよかったけど、セコンドが道を示してくれる。2カ月くらいで試合をしたい」と連戦を希望した。 [nextpage] ▼フェザー級→キャッチウェイト 5分3R〇ダニー・シウバ(米国)10勝1敗(UFC2勝0敗)[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×ルーカス・アウメイダ(ブラジル)15勝4敗(UFC2勝3敗)※体重超過※アウメイダは規定体重をオーバー。試合は予定通り行われるものの、対戦相手のシウバに報奨金の20%を支払う。  1R、長身オーソのアウメイダは右インロー。サウスポー構えのシウバは右前手ジャブからオーソにスイッチして右カーフ3発。アウメイダはインローを返すと、シウバは3連打で左フックをヒット。  鼻頭を赤くするアウメイダ。右前蹴りのアウメイダ。ワンツーの右を突き、シウバの左右をバックステップでかわすと右ミドルハイをガード上に。  シウバはサウスポー構えから右関節蹴り。右で中に入り、左右ボディ打ちから右で差して組み。左小手のアウメイダはシウバが差し返しにきたところを突き放す。  シウバの入りに左右を狙うアウメイダだが、ケージを背負うと左をアゴ下に被弾。押し戻すと組みに。離れ際に右ヒジを突くと、体を入れ替えたシウバが左右のプレッシャーで詰めてホーン。シウバのラウンドに。  2R、左から右ボディを突くアウメイダ。右ローも。シウバも右カーフを返すと左右を伸び上がるように突いて、アウメイダの打ち返しをかわして左をヒット。  右ボディキックのアウメイダ。近い距離でも打ち合いに。右に回るシウバは外足を取って右ジャブ、左ミドル。右を返すアウメイダだが単発。左から右の飛び込みのシウバに、アウメイダも左右を返すが鼻血。右ハイはガードしたシウバがバックヒジ。左ミドルをボディにヒット。右関節蹴り。  シウバはヒザを触るフェイントから伸び上がって左フック。オーソから右ボディストレート、左フックと上下に散らすとダブルレッグへ。両足広げたアウメイダだが、腰を着かされるとすぐに立ち上がりホーン。ここもシウバのラウンドに。  3R、圧力をかけるシウバ。アウメイダに左の蹴りも蹴り足をとったアウメイダが前に。右ミドルをヒット。左フックをかわしたシウバが中に入って左右。後が無いアウメイダはヒザを突くがまだ遠い。  ともに後ろ蹴りを見せるが、先に攻めるのはシウバ。ワンツースリーフォーで攻める。左回りから押し戻すアウメイダ。長い右も、見切るシウバ。さらに右から左を伸ばすが、見切るシウバはダブルレッグ。切って離れたアウメイダは、下がりながらも左から右。バックフィストはブロッキングのシウバが同じバックフィストを見せる。  詰めるアウメイダの左右にブロッキングのシウバはオーソにスイッチして左前手で飛び込み。最後はアウメイダが手数を増やしてホーン。アウメイダが取り返したラウンドか。  判定はスプリットに割れ、2-1(29-28×2, 28-29)でカブ・スワンソン門下のシウバが勝利した。 [nextpage] ▼女子フライ級 5分3R〇J.J.アルドリッチ(米国)14勝7敗(UFC10勝6敗)[判定3-0] ※30-27×2、29-28×アンドレア・リー(米国)13勝11敗(UFC5勝9敗) [nextpage] RIZIN2連勝からUFC入りしたテミロフが、4連勝中のジョンソンに序盤のリード守り、判定勝ちでUFC2連勝 ▼フライ級 5分3R〇ラマザン・テミロフ(ウズベキスタン)19勝3敗(UFC2勝0敗)※RIZIN2勝[判定3-0] ※29-28×3×チャールズ・ジョンソン(米国)17勝7敗(UFC6勝5敗)  ファイターからの評価も高いジョンソンは、2024年2月に緊急参戦でカザフスタンの強豪アザト・マクスムに逆転判定勝ち後、ジェイク・ハドリー、ジョシュア・ヴァンにも右アッパーカットで勝利しアンダードッグの試合を覆してきた。2024年10月の前戦ではス・ムダルジとスタンドでもグラウンドでも止まらない凄まじいスクランブル戦を制している。  対するテミロフは、2023年にMMA15勝2敗でRIZINと契約。浜本“キャット”雄大、征矢貴を初回KOに下してUFC入りを決めた。 2024年10月の前戦ではCJ・ベルガラを右オーバーハンドからの左フックでダウンを奪い、最後は左ボディで仕留めている。  身長で12cm、リーチで18cmテミロフを上回る長身スイッチヒッターのジョンソンに対し、回転系の蹴り技とリーチ以上に伸びる左右の剛腕を持つテミロフの打撃は、どちらが先に当てるか。テミロフは18勝中、実に11勝がKO・TKO勝ち(1SUB)で、5試合連続で1R KO・TKO勝ちを更新中だ。一方のジョンソンは17勝中、6KO・TKOに4SUBと立って良し、寝て良しでどの局面でも勝負できる強さを持つ。12位のジョンソンと、15位のヴァンによる順位以上にハイレベルな攻防に注目だ。  1R、サウスポー構えのジョンソン。オーソのテミロフ。先に圧力をかけるのは長身のジョンソンに、右の飛び込みを届かせるテミロフ。ジョンソンの右ローにも左を強振していく。かわすジョンソンの左の蹴りを掴んで右を振ってジョンソンを崩すテミロフ。  シングルレッグから立つジョンソンを切るテミロフは、ジョンソンの前蹴りを掴んでは崩すち、自ら右のバックスピンキックも。  ジョンソンもジャンピングの前蹴り。かわすテミロフが圧力をかけて右から左ボディ。しのぐジョンソンは右ロー。これもつかんでこかすテミロフだが、グラウンドにはいかない。前蹴りを混ぜるジョンソンワンツースリー。下がってかわすテミロフはバックフィストを狙い、右から左、さらに左ボディ。かなり詰めてテミロフを動かさせるジョンソンは左を打ってケージに押し込み首相撲。切って後ろ蹴りのテミロフのラウンドだが、どこまでスタミナが持つか。  2R、連続1RKO勝ちは止まったテミロフ。先に圧力をかけるジョンソンはサウスポー構えで前に。左前手で飛び込むテミロフに、左を振って組んでシングルレッグから右足を股間に挟むジョンソンだが、突き放したテミロフは右オーバーハンドも空振り。  ヒザを見せ始めたジョンソンは前蹴りもそこに右から左のテミロフは若干手数が減るが、後ろ廻し蹴りも空振り。ジョンソンは右ミドルを当てるが掴んだテミロフはこかして、グラウンドの誘いには乗らず。  ジョンソンの詰めに声をあげて右を振るテミロフ。中央で圧力をかけるジョンソンにサークリングのテミロフは移動も大きい。左で飛び込むジョンソンをかわして左を振るテミロフ。かわすジョンソン。左ジャブを突くテミロフは右ボディも。かわして組んで右ヒジを振るジョンソンをかわしたテミロフも左を打ち返す。  押し込み組んで左で差すジョンソンだが、右小手で凌ぐテミロフは突き放して、詰めるジョンソンに右を振ってホーン。拮抗したラウンドも、テミロフのヒットでモノにしたか。  3R、グローブタッチ。すぐに詰めるジョンソンは左。右ミドルも蹴り足を掴むテミロフ。しかし左ハイを当てたジョンソンが前に。詰めるが回るテミロフ。ジョンソンは左ミドル。掴むテミロフだが、攻撃には繋げられず。しかしここでテミロフはダブルレッグテイクダウン! ケージで立つジョンソン。力を使ったテミロフはパンチに軸が崩れ始める。左右でケージに詰めるジョンソン。テミロフは鼻血。  追うジョンソンは左右ボディ打ちをまとめる。下がるテミロフはレベルチェンジも身体が流れる。ボディ打ちから右ローのジョンソンだが、テミロフも右を強振。  右ローを当てるジョンソンに左を打って右に抜けるテミロフ。またもケージに詰めて左右ボディから右アッパーのジョンソン。フィニッシュに繋げたいが、テミロフも左を振ると、右のダブルから詰めてシングルレッグのジョンソン。これを差し上げるテミロフはケージ背に。  細かい右のパンチに突きh無しテミロフは右を振って右バックスピンキックも。組むジョンソンを差し上げてホーン。テイクダウンを許さず。ジョンソンのラウンドに。  判定3-0(29-28×3)で序盤のリードを守ったテミロフが勝利。UFC4連勝中だった12位のジョンソンを下し、ランキング入りとなるか。 【中止】 ▼キャッチウエイト(140lbs)マッチダグラス・シウバ・ジ・アンドラージ(ブラジル)29勝6敗(UFC7勝6敗)ジョン・カスタネーダ(米国)21勝7敗(UFC4勝3敗) ▼女子フライ級 5分3Rモンタナ・デ・ラ・ロサ(米国)13勝9敗(UFC6勝5敗)ルアナ・カロリーナ(ブラジル)11勝4敗(UFC6勝3敗)※UFC3連勝中
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