2025年4月3日(木)カンボジアで開催されるクンクメール大会にて、「KNOCK OUTvs.クンクメール5vs.5対抗戦」が行われることが決定。2月26日(水)都内にて記者会見が行われた。
KNOCK OUTの選抜メンバーはKNOCK OUT-RED&BLACKスーパーフェザー級王者・久井大夢(TEAM TAIMU)、KNOCK OUT-REDライト級王者・重森陽太(クロスポイント吉祥寺)、古村光(FURUMURA GYM)、鈴木万李弥(クロスポイント吉祥寺)、マサ佐藤(ウィラサクレック・フェアテックスジム)の5名。
この選抜メンバーについて山口元気KNOCK OUT代表は「当初は3月28日予定だったがカンボジアの都合で3日になりました。前回は2勝3敗で負けてしまったので、今回は勝ち越しで行きたいので出場メンバーを選びました。前回敵地でクンクメールの世界王者になった久井選手が大将になると思います」と、必勝を期して選んだと説明。
対戦相手は久井の相手のみ決定しており、2024年12月のKNOCK OUTで小笠原瑛作と対戦したチョムラウン・クンクメール(カンボジア)となった。小笠原戦では、右フックを空振りして片膝をついた小笠原にチョムラウンが顔面へ蹴り。試合は続行されチョムラウンが左ハイキックでダウンを奪い、左フック、左ストレートの連打に小笠原が崩れ落ち、チョムラウンのKO勝ちとなったが、反則の顔面蹴りがあったにも関わらず試合が続行されたことで、ノーコンテストとなった。
他の選手の対戦相手については「それ以外は未知で情報が入っていない。万李弥の相手は調整中で55kgで試合します。久井選手は61kg、重森選手は63.5kg。古村選手は今回フェザー級に上げます。マサ佐藤選手は64kg。クンクメールの選手はアグレッシブで強いので、ベストメンバーでも勝ち越せるか分からない。今回はU-NEXTの生中継が入ります。KNOCK OUTとして勝ちに行きたいと思っています」とした。
以下、選抜メンバーの質疑応答(※マサ佐藤は欠席)。
――意気込みを。
鈴木「クンクメール対抗戦の選抜チームに選んでもらったこと嬉しく思います。もちろん勝ち越し全勝でいけるように自分も頑張ります」
古村「前回兄貴が出たけれど負けちゃって。自分も現地に行っていましたが自分も悔しい気持ちがあったので対抗戦に呼んでもらえて感謝しています。兄の分もしっかり勝ちたい。今まで55kgでやっていましたが体重が苦しくて、練習より体重調整の練習になっていたので57kgでより強い状態で試合が出来ると思うので楽しみ。カンボジアで勝てるように練習して勝ちたいと思います」
重森「前回参戦させていただいて雰囲気や会場の感じを知ることが出来て、今回は2回目の参戦になります。気候だったり国の感じでマイナスになることはないと思っているので、いつも通り結果を残して大将につなげられればと思っています」
久井「王者になって一発目なのでインパクトを残して最高の勝ち方をします」
――久井選手は相手の印象は?
久井「強いと思います。小笠原選手との試合を見てパワーや勢いがあるので強い。でも今の自分はもっと強いので圧倒的に勝ちます」
――カンボジアで試合を重ねているが、今回はどういう試合にしたい?
久井「圧倒的に勝つ。倒して、向こうは日本と違う環境があるけれど絶対に倒して勝ちます」
――大将の役割はどう考える?
久井「何もないですけれど、対抗戦なので全勝でみんなで勝ちたいと思います」
――重森選手は前回UNLIMITEDルールで試合をしたが、そこで得たものは?
重森「UNLIMITEDルールは私にとって貴重な経験をさせてもらいました。得たことは2、3個あるかな。一番は蹴りをキャッチされない、キャッチされてから倒されることを警戒していたので、それを意識して練習することが出来ました。なのでムエタイに戻っても蹴りをキャッチされないようにすることは染み付いたところなので、蹴りがもっと生かせるようになってくるのではと思います。あとはルールを超えた、ギリギリまで攻めていくところが勉強になったのでアグレッシブな姿を見せられるのかなと思います」
――カンボジアは2回目となるが、初めて行く選手にアドバイスは?
重森「リカバリー食を持って行った方がいいかも。近くには丸亀製麺があるけれど飽きてしまうかも。うなぎ屋もあったらしいけれど、調べればあるらしいので。カンボジア料理でリカバリーしなければいけないこともない。持って行けば間違いなし」
――鈴木選手は今の食情報を聞いてどう思った?
鈴木「リカバリーは一番大切なので、現地で調達は諦めます。試合が終わって楽しむ時に食べます(笑)」
[nextpage]
久井大夢は狙われる立場となった
――対抗戦で女子の試合は初となるが、クンクメールの女子のレベルは?
山口「女子自体どれくらい行われているのか分からない。前回は1試合やっていた。これから女子に注力していくようなことは言っていたのでこれからじゃないですか」
――どういう試合を見せたい?
鈴木「今までのクンクメールの試合を見ていると野性味溢れる強さを見せていましたが、女子がどうなのか分からないけれど同じような強さを見せてくるのがあるので、自分も打ち合ってくれれば勝機があると思うし、打ち負けないように気合いを入れてって感じです」
――古村選手は、兄のセコンドで間近で見てのクンクメールの戦いをどう思った?
古村「クンクメールは凄い勢いがあってガンガン来ると思うので、自分が丁寧に作っても来ると思うので自分もグチャグチャにしに行こうかと思いますね。ガツガツ行って会場の雰囲気に飲まれないようにしたい」
――今後はフェザー級でやっていく?
古村「フェザー級でいければベストですが、1回やってみて55kgがいいのか、やってみないと分からない。とりあえずフェザーで挑戦してみないと。身体を作ってやっていければベストかなと思います」
――久井選手は2試合続けてカンボジアでの試合になったが、そろそろ日本で試合をしたいのでは?
久井「日本でも試合したいのがあります。KNOCK OUTで12月から試合をしていないのでまたやりたいなと思っています。ただ、そういう気持ちもあるんですが僕はずっとKNOCK OUTでやっているので、世界に向けてKNOCK OUTのファイターとしてKNOCK OUTの強さを証明するっていう試合をしていきたいなと思っているし 、KNOCK OUTの強さを見せていきたいですね」
――重森選手はヒジ・ヒザを使った試合が期待されるが?
重森「相手次第ではあるけれど、クンクメールは確かに強いけれど、テクニックや細かい技術は見ていると自分の方が分があると思うので、ヒジ・ヒザの細かいポイントを押さえて相手が嫌がる動きを見せたいですね」
――山口代表、クンクメールとの対抗戦が激化しているが今後の展開はどのように考えているのか?
山口「久井選手の試合が終わったあと、オファーがいろいろな国からあって。クンクメール自体がいろいろな国に広げようとしている。僕らも5vs.5がU-NEXTで生中継されるし、後楽園ホール大会もカンボジアの国営放送で放映されることが決まっています。KNOCK OUTが世界へ向けてやっていく戦略の筆頭かなと思っています。クンクメールが世界に広げようと意欲的なので一緒にやっていきたいと思っています。
それと、クンクメールのファイターは魅力的な選手が多いので、そういう選手は定期的に参戦してもらって日本人選手と切磋琢磨して、スターになってもらいたい。日本の昔のキックボクサーみたいで、技術は足りないけれど闘志があるのは日本の選手が忘れかけていた部分。刺激がある存在だと思っています」
――久井選手はクンクメール世界タイトルのベルトの価値・重みをどう感じている?
久井「ベルトを獲らせてもらったので、その価値を上げる、王者として自分の強さを見せていかなあかんと思っています」
――今後はそのタイトルも防衛していく?
久井「多分そうじゃないですかね」
――日本でクンクメールのタイトルマッチが行われる可能性は?
山口「それは今後の話し合いになります。久井選手がこのベルトを獲ったことで、次は誰が久井を倒すのかってことがカンボジアで話題になっているそうです。狙われる存在になったんですよ。打倒・久井みたいな感じでマスコミに風刺画が出ていたのも見受けられました。これは昔で言えば、藤原敏男さんがラジャダムナンのベルトを獲って、誰が藤原を倒すのかみたいな感じの状態で盛り上がっている。4月にやる対抗戦でカンボジアも気合いを入れてくると思います。久井選手は追われる立場になったと思っています」