2025年2月21日(日本時間22日)米国ニューヨーク州サラマンカのセネカ・ナイアガラ・リゾート&カジノで開催の『LFA 202: Nkuta vs. Garcia』(UFC Fight Pass 配信)に上久保周哉(頂柔術/TRY H Studio)が出場。当初対戦予定だったバクトヴァル・ユニソフ(タジキスタン/10勝0敗)が負傷欠場し、マテウス・ハポジーニョ・サントス(ブラジル)と対戦した。
▼バンタム級→140ポンド契約 5分3R〇上久保周哉(頂柔術/TRY H Studio)15勝2敗1分[1R 4分37秒 ツイスター]×マテウス・ハポジーニョ・サントス(ブラジル)18勝10敗バクトヴァル・ユニソフ(タジキスタン)10勝0敗※ユニソフは負傷欠場、サントスと対戦に
4日前オファーを受けて、ブラジル サンパウロから米国ニューヨーク入りした、MMA18勝9敗のサントスは、柔術黒帯で柔道経験もあり、シュートボクセ ディエゴ・リマに所属する30歳。
ブラジルCorumba Fight Combat暫定王者で、19勝中、11の一本勝ち、6つのKO・TKO勝ち。KO・TKO負けが6つ、一本負けは2つという組み技師。身長171cmでサウスポー構えから左の蹴り、相手のテイクダウンにニンジャチョークやギロチン、バックから後ろ三角、腕十字、トーホールド、カーフスライサーなども極め技とし、5つのリアネイキドチョークでの一本勝ちをマークしている。アグレッシブな一方でポジションを失うこともあり、上久保の精緻な寝技に対しどんな動きを見せるか。
上久保はMMA14勝2敗1分。柔道・柔術をベースに2014年にプロMMAデビュー。同年のDEEPフューチャーキングトーナメントフェザー級で優勝すると、2018年7月からONEに参戦。スノト、モハメド・アイマン、キム・デファン、ブルーノ・プッチ、ミチェル・チャマール、トロイ・ウォーゼンに勝利し、サークルケージで6連勝。UFCを目指し、2023年の『ROAD TO UFC』に参戦。同年5月の1回戦で中国のバーエゴン・ジェライスにスプリット判定勝ちでMMA13勝1敗分けとしたが、続く8月の準決勝で野瀬翔平にスプリット判定勝ちしているシャオ・ロンに判定2-0の惜敗。
2023年12月の『GLADIATOR 024』で負傷欠場したシン・ジェヨンの代役ペ・ジョンウに1R リアネイキドチョークで一本勝ち、再起を遂げていた。2024年7月には『GLADIATOR CS』でグラップリングの「PROGRESSフェザー級王座戦」に出場。竹内稔に判定勝ちで同王座を獲得している。本来は2024年2月に元UFCファイターと対戦予定で、そこで勝利し『ROAD TO UFC』再出場を目指していたが、2月大会負傷欠場で治療に専念、7月大会のグラップリングで実戦を経験するという選択をしていた。
LFAとの契約時に、「この度、多くの方のご尽力の下LFAとの契約書にサインしました。少しでも厳しい道を選ぼうと思っての判断です。毎日積み上げてきたものが自分自身を作ります。今日の自分を明日に繋げる為に過ごしてきました。厳しい相手との試合の日の自分に繋げる為に懸命に1日1日を過ごして備えます」とコメントを発表していた上久保は、今回のLFAデビュー戦決定に、Xにて「異国の地で無敗の男とがっぷり四つ。勝つ為に乗り込む。これより楽しい事は無い。だからこそ全力でやり切りたい」と意気込みを記している。29歳。
上久保のセコンドには頂柔術の礒野元代表、嶋田裕太。ケージを一回りし、サントスとグローブタッチ。
1R、サウスポー構えのサントスの左ハイからの左ストレートを被弾した上久保だが、シングルレッグでケージに押し込み、ダブルレッグ、再びシングルレッグへ。そこにニンジャチョークを合わせに行くサントス。
上久保は慌てず首をずらし、ボディロックからシングルレッグのハイクロッチへ。そこにがぶりから首へのプレッシャーで上久保を押し込みバックに回るサントスは鉄槌。手首を外して正対し、アゴに頭をつけてサントスに壁に座らせる上久保は、シングルレッグ。
左を差して左足をかけてケージに押し込み右のパンチ、さらにサントスの送り手を掴んでバックコントロール。前転からキムラを狙うサントスについていき、4の字バック、おたつロックから正対狙うサントスに左ヒジ打ち、さらに2度目のツイスターを左足を右ヒザ裏にフックした“オタツイスター”!右手で軽く一度タップしたサントスをさらに絞り、完全なタップを奪った。
上久保にインタビューはなかったが、カメラに向かって「UFCで戦いたい」とアピールした。
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メインはフライ級、リドルから3カウントのヌクータがガルシアと対戦
メインでは、フライ級で、8勝無敗プミー・ヌクータ(米国)と、8勝2敗1分のエイドリアン・ガルシア(米国)が対戦。
▼フライ級 5分3R〇プミー・ヌクータ(米国)9勝0敗[判定3-0] ※30-27×3×エイドリアン・ガルシア(米国)8勝3敗1分
公式リリースによれば、南アフリカからアパルトヘイト体制から逃れてきた母を持つ“Turbo”ことヌクタは、セラ・ロンゴMMAに所属する元CFFCフライ級王者。
アルジャメイン・スターリングがUFC世界バンタム級王者だった時のメインスパーリングパートナーだったという。Fury Pro Grapplingなどグラップリング大会にも積極的に出場し、Warrior Cage Grappling 17では1日7試合を戦い決勝戦に進出している。
元UFC&WWEのマシュー・リドルとのHouse of Gloryでのプロレスマッチに勝利し、わずか8日後にUFC FIGHT PASSRのプログラップリングマッチに出場して2024年を締めくくったという異色のキャリアも持つ。地元ニューヨークでターボを燃やすか。
対する“The Elusive”ガルシアは、キックボクシングベースでTitan FCで6戦負け無し、そのキャリアにはショージン・ミキ戦の判定勝ちも含まれる。1年9カ月ぶり復帰戦だった2024年8月の前戦『LFA 190』では、4戦無敗のダニエル・パークに初黒星をつける判定勝ちを収めている。
1R、ともにサウスポー構えから入り、ガルシアは右前蹴り。そこにオーソにスイッチしたヌクータは右を合わせに行く。
サウスポーに戻してワンツーの左を突くヌクータは左ボディをヒット。さらにシングルレッグでケージに押し込み。足を戻し、突き放すガルシアに、バックヒジを狙うヌクータ。その入りにテンカオを突くガルシア。
さらに詰めてヒザ狙いも、その片足を上げたところにシングルレッグに入るヌクータ。足を抜くガルシアのシングルにギロチン狙うヌクータだが、ガルシアは首を立てて持ち上げてテイクダウン。
すぐに立つヌクータはダブルレッグテイクダウン。スイッチから立とうとするガルシアのバックに回り、対角からガルシアの左手を右手で縛り、左のパウンドでゴング。
2R、オーソから圧力かけるヌクータ。左右フックで詰めると、両者バッティング。ガルシアも右を返して、右ヒザを突く。ヌクータのニータップの動きに反応するガルシアは高い打点の右ヒザ! ともに鼻血も蹴り足を掴んだヌクータがシングルレッグテイクダウン。そこにスイッチからすぐに立ち上がるガルシアだが、右で差して押し込むヌクータ。
そこに小手巻きでヒザを突くガルシア。ヌクータはシングルレッグからガルシアを横に寝かせて背中を着かせる、呼吸してから左で脇差し立つガルシアは、右テンカオ! ヌクータのシングルレッグに尻を着きながらもスイッチ狙い。ガルシアの首投げをすかしてトップ、マウントに。しかし、ヌクータはブリッジからリバーサル。トップからパウンドでゴング。
3R、オーソに構えるガルシア、ヌクータの足に合わせてスイッチ。ヌクータの左ジャブに右ヒザを合わせるガルシア。ヌクータは右フックをガード上に叩く。ともにジャブの刺し合い。返しにも繋ぎ、左ボディを当てるのはヌクータ。左ジャブを突くと、ワンツーからシングルレッグ。スピニングエルボーも。
離れたヌクータの入りにガルシアは右ヒザ! 蹴り足を掴んで崩すヌクータに立つガルシア。シングルレッグで崩して立ち際に左足をかけるヌクータは離れ際にヒジ、左ボディから右のセンチャイキックも見せるヌクータはシングルレッグを持ち上げ。足を着地させたガルシアは俵返しで後方に回すと、バックテイクしてリアネイキドチョーク狙いでホーン。
左ボディを効かせてテイクダウンアテンプトも多かったヌクータが判定3-0(30-27×3)で勝利した。