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【K-1】金子晃大が2度ダウンを奪って防衛成功、ヨードクンポンが秒殺KOで初防衛、寺田匠がリベンジ果たし初防衛、「特技はKO」ターザンがまたも初回KO、璃久がブタザに勝つ、小田尋久はシルバに及ばず、大久保琉唯がJTTの刺客をKO「朝倉未来選手、もっと強い選手を呼んでほしい」、女子アトム級王座決定トーナメントは本命・松谷綺が優勝

2025/02/09 11:02
K-1 WORLD MAX 20252025年2月9日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館 ▼第20試合 K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇金子晃大(K-1ジム自由ヶ丘/FROG GYM/王者)判定3-0 ※30-26、30-27×2×マノリス・カリシス(ギリシャ/NAS CAMP- SOR/挑戦者)※金子が2度目の防衛に成功。  金子は2022年2月にK-1スーパー・バンタム級王座決定トーナメントで黒田勇斗、璃明武、決勝で玖村将史を破りK-1王座戴冠。6月『THE MATCH 2022』ではRISEの鈴木真彦に惜敗も2023年9月に玖村将史との3度目の対戦で判定勝ちを収め、王座防衛に成功。2024年3月は、RISEのリングに乗り込み鈴木真彦を破り、リベンジを成し遂げた。7月と9月の「K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント」でも優勝。12月に元ONEのアスランベック・ジクレーブに判定勝ちで現在10連勝中。戦績は25勝(13KO)2敗 。  カリシスは2016年1月の『RISE 109』にて那須川天心と対戦。当時7連続KO勝ちを飾っていた那須川を相手に判定まで粘った。2023年にはONEにも参戦。直近の試合では胴廻し回転蹴り(ローリングサンダー)でKO勝利も飾っている。WKNフェザー級王者、MAX PAIN -58kg王者、H1 -58kg王者。戦績は28勝(5KO)9敗。トレーナーはあのマイク・ザンビディスと同じ。  1R、金子は重心を落とした低いか前からジャブ、左ミドル。カリシスは右ローから左フック。金子は左ミドルを強打、カリシスはワンツーで入り込む。金子の右カーフが強く決まり、金子はもう一度右カーフ。金子の右ボディストレートには右フックを合わせるカリシス。金子の右カーフにグラついてカリシスは胴廻し回転蹴りを放つ。  2R、カリシスが左右フックを回転させ、金子は右カーフを蹴る。この右カーフに大きく身体が流れるカリシスだが、右ローを蹴り返し、ワンツーも打つ。右カーフによろけながらも打ち返すカリシス。金子は右クロスを打ち込み、右カーフを蹴る。カリシスはステップを踏みながらジャブ、右ロー。圧を強めて前へ出る金子は右クロスを合わせに行く。ローを蹴り合う両者。  3R、カリシスはジャブを突き、ワンツー、そして胴廻し回転蹴り。金子は右クロス、左ボディブロー。このラウンドもローを蹴り合う両者。カリシスは左右フックを回転させるが、金子が前へ出て右フックからの左フックでダウンを奪う。  立ち上がったカリシスは左右フック、金子も左フック、右クロス。カリシスも打ち合う。金子の右強打をもらっても打ち返すカリシス。金子は左右フック、飛びヒザ。ラウンド終了間際、金子は右フックからの左フックで2度目のダウンを奪う。  大差の判定3-0で金子が勝利。2度目の防衛に成功した金子はマイクを持つと「去年に引き続き僕が頑張れているのは応援してくれる方があっての今の自分なので。メインでKOで締めくくれなかったけれど倒し切れるように自分と向き合って、見てるみんなが楽しかったなと思ってもらえる試合をやっていきますので引き続きよろしくお願いします」と語った。 [nextpage] ▼第19試合 K-1 WORLD GPスーパー・ライト級タイトルマッチ3分3R延長1R〇ヨードクンポン・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/王者)KO 1R 1分25秒 ※左右フック連打×鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス/挑戦者)※ヨードクンポンが初防衛に成功。  ヨードクンポンはルンピニー、ラジャダムナンの2大スタジアムで活躍後、2014年からGLORYを主戦場にしてTOPKING WORLDSERIES 2018 -70kgトーナメントで優勝。2023年はタイで開催されたRWSの8名参加のウェルター級王座決定リーグ戦に出場し、ファイナルまで勝ち進んでいる。2024年9月の「第7代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座決定トーナメント」に初来日すると1回戦と準決勝を左フックでKO勝ち、決勝で稲垣柊を判定に破り王座に就いた。戦績は102勝(28KO)38敗1分。身長176cm。29歳。オーソドックス。  鈴木は2016年12月にKrushでプロデビューすると、サウスポースタイルから繰り出す左ミドル&左ストレートを武器に頭角を現し、2019年1月にKrushスーパー・ライト級王座を獲得。しかし2020年2月に佐々木大蔵にタイトルを奪われた。2023年7月のデンサヤーム戦から4連勝を飾ったが、2024年9月の「第7代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座決定トーナメント」1回戦でイオヌット・ポパに出血によるレフェリーストップで敗れた。戦績は17勝(10KO)9敗1分。  1R、サウスポーの鈴木は左ミドル、ヨードクンポンはすぐに右ローを蹴り返す。ヨードクンポンが左フックから飛び込んでいって左右連打でコーナーへ追いつめると鈴木が打ち合いに応じて左右フックの連打、ヨードクンポンの必殺の左フックで鈴木がダウンする。  なんとか立ち上がるも鈴木のダメージは深刻。ヨードクンポンが一気に襲い掛かり、左フックから左右フックの連打で鈴木は防戦一方に。レフェリーがストップし、ヨードクンポンが秒殺KOで初防衛に成功した。  ヨードクンポンはマイクを持つと「日本に戻ってこられて嬉しく思います。自分のテクニックを見せることが出来ました」と笑顔で語り、関係者にお礼を述べた。 [nextpage] ▼第18試合 K-1 WORLD GPフェザー級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇寺田 匠(team VASILEUS/王者)判定3-0 ※30-28×2、30-27×新美貴士(名古屋JKファクトリー/挑戦者)※寺田が初防衛に成功。  寺田は幼少期から様々な格闘技を学び、地元・九州のアマチュア大会でキャリアを積んでABEMAの番組企画『格闘代理戦争』に出演。2020年4月にプロデビューすると6戦無敗の快進撃を続けていたが、2023年6月の元Krushフェザー級王者・新美貴士との試合で初黒星。11月にはイタリアの『OKTAGON』でISKA世界スーパーフェザー級王座を奪取、2024年2月は『RIZIN LANDMARK 8 in SAGA』で冨永武聖から1RでTKO勝ちを奪うと、7月に挑戦者の最有力候補だった兼田将暉を判定で破った。そして9月、軍司泰斗を延長戦の末に破り、K-1 WORLD GPフェザー級王座に就いている。戦績は10勝(4KO)1敗。  新美は2018年8月からK-1 GROUPに参戦し、2020年の「第5代Krushフェザー級王座決定トーナメント」で優勝して王座に就いた。同王座は2022年5月の4度目の防衛戦で玖村修平に敗れて失っている。2023年3月のRISEでRISEフェザー級王者・門口佳佑に判定で敗れた。6月に無敗の寺田匠からダウンを奪って初黒星を付け、再起を果たしたのもつかの間、10月に稲垣澪に判定で敗れた。2024年3月には『ホーストカップ』でシュートボクシングの魁斗とドロー。7月には竹内将生をKO、11月に大脇武を初回KOに沈めて寺田への挑戦をアピールしていた。戦績は18勝(8KO)10敗1分のサウスポー。  1R、さっそく前に出る新美に前蹴りを出す寺田だが、すぐに新美が距離を詰めてパンチ&ロー、左ミドル。寺田がローを返すとワンツーを繰り出す。サウスポーの新美がノーモーションの左ストレートを打ち、寺田も左フックを打ち返す。寺田が左ボディから左フック、さらに左ボディで新美をロープに釘付け。寺田の左ボディ、左フックに防戦一方となる新美。  2R、新美が再び前に出て左インロー。しかしローブローになってしまう。新美は左ミドル、左インロー。寺田は前に出て左フック、左ボディを狙う。プッシュして左インローを蹴る新美。右ハイを蹴る寺田は右カーフ、左ボディ。寺田が前蹴り、ヒザ蹴りで新美を迎え撃つ。  3Rも前に出る新美。ガードの上からでもパンチを叩き、左ミドルと左インロー。寺田も右ローを返して左フック。前進して左ミドルを蹴る新美に寺田は右ロー。寺田が左ボディを連発。終盤になると両者パンチで打ち合い、寺田が左右フックを当てていく。  判定は3-0で寺田の勝利、初防衛に成功した。「1年半前に新美選手に初めて負けて、そこから悔しくて応援してくれる人が減ったりとか絶対に負けたくないと思って。そこから2年間しっかり練習して決ました。やってきたことは間違っていなかったので上を目指していきます。それと武尊さん、武尊さんのおかげで今の僕があるし、3月はみんなで武尊さんを応援しましょう」と語った。 [nextpage] ▼第17試合 スーパーファイト -77kg契約 3分3R延長1R〇松倉信太郎(team VASILEUS/K-1 WORLD GPミドル級王者)KO 2R 1分21秒 ※右カーフキック×パク・チュンイル(韓国)  松倉はK-1甲子園2009 -70kg日本一トーナメントでの優勝を経てK-1、Krushを主戦場にキャリアを重ねた。2018年に戦場を『RISE』に移し、『RIZIN』にも参戦。2020年9月にWPMF世界スーパーミドル級王座を獲得、2021年3月にはKNOCK OUT-BLACKスーパーミドル級王座に就いた。2022年4月にK-1に復帰。2023年6月に行われた「K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント」では決勝へ進出するもハッサン・トイに42秒でKO負け。しかし、12月のタイトルマッチで王座を奪取した。2024年7月には80kgでアレクサンドル・アマリティに判定勝ち。戦績は38勝(19KO)18敗。  チュンイルはKBAライトヘビー級(-80kg)王者で、戦績は7勝1敗。素手で殴り合うベアナックルボクシングに出場し、ビンタだけで勝敗を競い合うスラップファイトにも参加する異色のファイター。打ち合いに強いファイターだという。  1R、チュンイルは大きな左右フックを打ちながら飛び込む。右カーフも蹴るが松倉も右カーフを蹴り返す。ジャブを突くチュンイルに松倉は強烈な左ミドル。松倉の右カーフに大きくグラつくチュンイル。それでも前へ出て左ボディからの左フック、右フック。  2R、左ミドルを蹴って前へ出ていく松倉が左フック。続けて右カーフ。左右フックを振り回して来るチュンイルに松倉が右カーフを蹴るとチュンイルはダウン。座り込むように体勢となったチュンイルは立ち上がるが、立ち上がるのがやっとで松倉のKO勝ちとなった。  松倉はマイクを持つと「嫌われることを気にして知らない人にどう思われるかを気にして、自分を偽っているのはきついことだと思って。今は受け入れてくれる仲間のことだけを考えてやっているので楽しいです。何を言ってるのか分からなくなってしまいました(笑)。僕はこのリングを夢見てやってきたのでめちゃくちゃ嬉しかったです」と語った。 [nextpage] ▼第16試合 K-1クルーザー級 3分3R延長1R〇ティアン・ターザン(オランダ/Luc Verheije Fight Club)KO 1R 2分31秒 ※左フック×カルロス・ブディオ(ブラジル/ブラジリアンタイ)  ターザンはヨーロッパを中心に驚異のKO率(27勝25KO無敗。そのほとんどが1RでKO)を誇り、まだ23歳と若く身長188cm・体重90kg。子供の頃から陸上競技をしており、オランダとゼーラントで優勝経験あり。12歳からは体操も経験。キックボクシング歴は5年で、Enfusion世界ライトヘビー級&クルーザー級王座の2階級制覇、特技は「ノックアウト」。2024年7月の『LEGEND vol.1』に初来日を果たし、遊笑に初回KO勝ち。12月のK-1に再来日すると、RUIを1Rわずか27秒、左ストレートでKOして自身21回目の初回KO勝ちを飾った。  いま注目のターザンを迎え撃つブディオはFIGHT DRAGON BRASIL-90kg王者、KTK WORLDヘビー級王者で、2018年10月のHOOST CUPで谷川聖哉に判定勝ち、2022年8月のRISEでは安ジェスにKO勝ちして2022年12月にK-1初参戦。クルーザー級王者シナ・カリミアンと対戦して1Rに強烈なパンチでダウンを奪ってKO寸前まで追い込んだものの、2Rに後頭部へのパンチを放ってしまい、反則負けを喫してしまった。2023年7月の2度目のK-1参戦では星龍之介を1Rわずか58秒で3度のダウンを奪ってKO勝ちしている。戦績は19勝(14KO)3敗とこちらもKO率はかなり高い。  1R、ブディオは序盤からフルスイングの左右フック、ターザンは右カーフ。ブディオも右カーフを2発。ターザンが前に出てきたところへブディオが右フックをヒットさせてグラつかせたが、ターザンはすぐに回復して再び前へ出る。その後もブディオのフックをもらうターザンだが、前へ出て右カーフ。相打ちのようにターザンの左がヒットし、グラつくブディオ。ターザンはクリンチしてきたブディオを足を掛けて倒し、ブディオは転倒。  再開後、ターザンが右カーフを蹴り、ブディオの返しの左フックをスウェーでかわしたターザンがショートの左フック。これでブディオはダウンし、ターザンのKO勝ちとなった。  ターザンはマイクを持つと「お久しぶりです。ア~アア~! 本調子でなかったけれど最高のKOをお届けすることが出来て最高に嬉しいです」と語った。 [nextpage] ▼第15試合 K-1スーパー・ウェルター級 3分3R延長1R〇ダリル・フェルドンク(オランダ/Fight Team Ringer)KO 1R 1分04秒 ※バックハンドブロー×ジョムトーン・ストライカージム(タイ/ストライカージム)  フェルドンクは“美しい人狼”と呼ばれているオランダの強豪ファイター。ヨーロッパのキックボクシング団体『Enfusion』の元ライト級(-70kg)王者で、K-1初参戦当時は11勝のうち7KOと高いKO率を持っていた。とくに左フックが強く、パンチの回転の速さで相手のガードを弾くパワーが持ち味。24年3月のK-1初参戦ではK-1 WORLD MAX最強決定トーナメント開幕戦で、和島大海をKOしてサプライズを起こした。続く7月の準々決勝はデング・シルバに判定負けを喫した。10月にはゾーラ・アカピャンに延長戦で判定勝ち。戦績は14勝(8KO)6敗。  ジョムトーンはラジャダムナンスタジアム認定バンタム級王座を14歳で獲得すると、フェザー級、スーパー・フェザー級、ウェルター級の4階級制覇を達成。WBCムエタイでも世界フェザー級、世界スーパー・フェザー級、世界スーパー・ライト級と3階級を制覇。WMCでも世界フェザー級王座を獲得し、これまで獲得したベルトは16本という超一流選手。  日本では2004年11月に初来日して以来、菊地剛介、大和哲也、日菜太、増田博正、T-98、アトム山田と各団体トップ選手に勝利。2022年9月にK-1初参戦を果たすと、アビラル・ヒマラヤン・チーターに初回KOち、12月には森田奈男樹にも2RでKO勝ち。2023年3月にK-1スーパー・ウェルター級王者の和島大海に挑戦したが、延長戦でKO負けを喫した。12月にウェルター級に階級を落として松岡力と対戦するも判定負け。戦績は211勝(49KO)47敗4分。  1R、右ストレートでジョムトーンをコーナーへ追いつめたフェルドンクは、飛び二段ヒザ蹴りのような動きから着地すると同時にバックハンドブロー。完全に意表を突かれたジョムトーンはモロに喰い、フェルドンクの見事な一撃KO勝ちとなった。  フェルドンクはマイクを持つと「レジェンドに1Rで勝つことが出来て嬉しく思います。さあ、次は誰との試合になりますか?」と笑顔でマイクアピールした。 [nextpage] ▼第14試合 K-1スーパー・ウェルター級 3分3R延長1R×モハメド・ブタザ(オランダ/Southpaw Gym)判定0-2 ※28-30、30-30、29-30〇璃久(HIGHSPEED GYM)  ブタザは元Enfusion -67kg世界王者で、現GLORY世界フェザー級7位のアフマド・チク・ムーサには2度勝利。2022年5月からは『ONE』に参戦。初戦でダビット・キリアに勝利してみせたが、シッティチャイ、モハメド・シアサラニには判定負け。2023年9月にフルカン・カラバフから1年4カ月ぶりの白星を勝ち取ると、2024年2月にドミトリー・チャンゲリアにも勝利してONE戦績を3勝2敗とした。11月23日にはドイツの『Fair FC 18』にて海人と2023年12月に対戦したジェームズ・コンデに勝利。2024年12月、シュートボクシングで海人との対戦が決まっていたが、練習中の怪我で欠場となり試合は実現しなかった。戦績は17勝(4KO)2敗。  ONEでの試合では頻繁にスイッチし、飛びヒザ蹴りをいきなり放つなどアグレッシブな戦いぶりを見せており、海人は「正直、苦手なタイプやと思います。距離を上手にとるし、トリッキーなところもあるので」と評していた。  璃久は2019年4月に『S-BATTLE』でプロデビュー。2戦目からはシュートボクシングを主戦場とし、4勝1敗の戦績を残す。『NO KICK NO LIFE』や『HOOST CUP』、『NJKF』などに出場し、2023年7月にKrush初参戦を果たすと森田奈男樹を3RでKOしてインパクトを残した。続けて12月のK-1ではアビラル・ヒマラヤン・チーターからダウンを奪って殊勲の勝利。2024年3月の「K-1 WORLD MAX -70kg世界最強決定トーナメント」に抜擢されたが、デング・シルバにTKO負けを喫した。5月・8月に行われた「第5代Krushスーパー・ウェルター級王座決定トーナメント」では決勝進出も小田尋久に敗れ戴冠ならず。11月のKrushで匡志YAMATOから左フックでダウンを奪っての勝利で再起した。アグレッシブかつ攻撃力の強さを発揮している。戦績は11勝(5KO)4敗1分。  1R、サウスポーのブタザは懐深く構えてジャブ、前蹴り。璃久はジャブを突きながら前へ出るがブタザのガードは堅い。ブタザは左インロー、左ストレートから右ローと攻撃をつなげていく。璃久もワンツー。ブタザはオーソドックスにスイッチして右ミドルを蹴っていった。  2R、璃久が右ストレートをヒットさせる。ブタザは一度下がるが右ローを蹴る。そこへ璃久が右ストレート。ブタザは前蹴りと右ロー、璃久は右ストレートをボディにも入れる。ブタザの前蹴りでバランスを崩す璃久。  3Rも右ローを蹴っていくブタザ。左右の前蹴りを出しながら前へ出て行く。璃久はワンツー、右ボディからの左フック。しかしブタザはすぐに前蹴りで突き放して右ローを蹴る。突き放すような前蹴りを多用するブタザ。右ローからの右ストレートも。璃久は右カーフからの右を放つが、またもブタザが突き放すような左右前蹴りで前へ出る。ブタザはガチャガチャした動きで璃久はやりづらそう。璃久は右のフックを連打。  判定は2-0で璃久が勝利。世界の強豪を破った。 [nextpage] ▼第13試合 K-1スーパー・ウェルター級 3分3R延長1R〇デング・シルバ(ブラジル)判定2-0 ※29-28×2、28-28×小田尋久(TEAM3K)  シルバはブラジルMMA団体『SFT』のSFT COMBAT-70kg王者。“灼熱のビッグモスキート”と呼ばれ、キックとMMAの二刀流ファイターでもある。身長190cmとこの階級では高くリーチがあり、蹴りとパンチのバランスに長けている。38勝のうち24KOを記録し、打ち合いの中から繰り出されるハイキックは的確。「 -70㎏世界最強決定トーナメント」開幕戦では璃久に初回TKO勝ち、準々決勝ではダリル・フェルドンクに判定勝ち、準決勝でコプリヴレンスキーに判定で敗れ3位となった。10月はジョーダン・ピケオーに延長戦で判定負け。戦績は44勝(24KO)6敗。  小田はフルコンタクト空手出身で、2021年11月にプロデビュー。“マッスルタンク”のニックネーム通りのムキムキボディの持ち主で、空手の蹴り技にプラスしてパンチの強打を持つ。Krushには23年2月の夜叉猿戦で初参戦し、判定勝利。8月に山崎陽一からKO勝ちを収めるも、11月にフランスで初黒星。24年2月はKNOCK OUで中島弘貴から判定勝ちで再起すると、5月は第5代Krushスーパー・ウェルター級トーナメント準決勝で森田奈男樹をKOし、8月の決勝で璃久を破って同級王座を獲得した。10月にはストーヤン・コプリヴレンスキーに挑み、ダウンを奪う大健闘の末に延長Rで判定2-1の惜敗。戦績は8勝(4KO)2敗。  1R、ローを狙う小田にサウスポーのシルバが長いリーチからの左右フック、さらに右ローを蹴る。小田は蹴りから入っていくが、シルバの右ストレートをもらって後退。シルバが前蹴りを出すと、小田は後ろ蹴りで対抗する。  2R、小田はジャブを出しながら距離を詰めていくが、シルバは前蹴り、右ロー、ヒザと小田の進撃を防ぐ。小田は思い切って入り込むが、シルバはパンチを合わせてくる。再び前蹴りから入ろうとした小田にシルバが右のショートを合わせてダウンを奪う。小田は立ち上がると後ろ廻し蹴り、シルバは余裕が出たか同じ後ろ廻し蹴りを出す。  3R、小田が左右のボディ。両腕ブロックを固めて前へ出る。右フックを繰り出す小田だがそこへシルバが右ショート。小田は密着するような状態から左ボディを打つ。  判定2-0でシルバの勝利となった。 [nextpage] ▼第12試合 K-1スーパー・ウェルター級 3分3R延長1R〇アビラル・ヒマラヤン・チーター(ネパール/志村道場)TKO 3R 1分13秒 ※セコンドからのタオル投入×白須康仁(PROTAGONIST)  アビラルは、前体制のK-1に参戦経験があるデーブ・クマール・ギミーレを父に持ち、2016年にネパールから来日。志村道場でキックボクシングを始め、2020年1月にHEATミドル級王座を獲得。同年12月に木村“フィリップ”ミノルから1Rに鋭い右ストレートで先制のダウンを奪うも、出血によるドクターストップでTKO負け。21年7月のK-1では和島大海と対戦し、鋭いパンチで先制のダウンを奪ったものの逆転KO負け。 22年2月に松下大紀をKOすると、5月のHEAT50回記念大会ではラーシーシンをKOした。9月にはジョムトーンにKO負け。23年3月はジョーダン・ピケオーに真っ向勝負を仕掛けるも、左フックに沈んだ。8月にはHEATでヤン・チャンウォンからKO勝ちを奪い再起戦で勝利した。12月は璃久に判定負け。24年10月にHEATでアントニー・マルコニをKOしてISKAインターコンチネンタル スーパーウェルター級王者となった。  白須は01年11月にプロデビューし、強烈なローキックとシャープなパンチを武器にMA日本キックウェルター級王座とWMAF世界スーパー・ウェルター級王座を獲得。06年からはK-1 MAXのリングにも定期参戦し、佐藤嘉洋らと鎬を削った。またタイのクンタップやゲンナロンに勝利し、11年8月の「THAI FIGHT」では超大物ヨードセングライからダウンを奪って勝利する大番狂わせを起こし、日本のムエタイキラーとして名を馳せた。22年6月のBigbang後楽園大会で約11年ぶりに復帰し、城戸康裕と一進一退の攻防を繰り広げた。22年12月にジョムトーン・ストライカージムとの試合が組まれていたが、足のケガで欠場。24年3月に宇佐美秀メイソンと対戦もKO負けを喫した。  2R、アビラルは左インロー、右ロー、右の与座キックと白須が得意とするローを逆に多用。白須は前に出て右ローを蹴ろうとするが、そこにアビラルがヒザを突き上げる。  3R、アビラルが右ロー、左右フック。白須が前へ詰めてくるとヒザを突き上げる。白須も距離を詰めて左右フックを繰り出すが、与座キックを蹴られた直後にワンツーをもらって後退。そこへアビラルがラッシュを仕掛けて左フックでダウンを奪う。さらにパンチでラッシュをかけるアビラル。白須はロープを背負い、アビラルの右ストレート、左アッパー、左右フックを浴びたところでセコンドからタオル投入。アビラルのTKO勝ちとなった。  アビラルはマイクで「皆さん久しぶりです。K-1のリングで復活できました。2023年の12月に大阪大会で3連敗して引退しようと思っていました。でも志村館長とお父さんにここで引退するのかと言われて、そこからたくさん考えて去年HEATのリングで2回試合して今年はK-1で復活出来て最高です。今回やっと勝てて本当に嬉しいです。去年のトーナメントを見て自分が16人の中に選ばれなかったの当たり前だし、いなかったのが悲しかったです。今年のトーナメントにはぜひ僕も選んでもらえると嬉しいです」と語った。 [nextpage] ▼第11試合 -58kg契約 3分3R延長1R〇大久保琉唯(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER)KO 3R 1分39秒 ※左三日月蹴り×竹見浩史郎(JAPAN TOP TEAM)  大久保は、2022年6月の『THE MATCH 2022』で那須川天心の弟・龍心に勝利。9月は初代Krushフライ級王座決定トーナメントを制し、プロ4戦目にして王座に就いた。2023年6月、バンタム級ワンマッチでアマチュア時代のライバル・齊藤龍之介と対戦し延長判定で敗れてプロ初黒星を喫するも、10月に黒川瑛斗を判定で下して再起。2024年7月と9月の「K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント」では準決勝で玖村将史を破る番狂わせを演じたが、決勝で金子晃大にKOで敗れた。12月にはKrush王者の璃明武を破っている。戦績は9勝2敗。  竹見は6歳からボクシングを始め、小学・中学生時代に全国優勝、2016年全国高等学校ボクシング全国選抜大会フライ級準優勝、2018年全国高等学校総合体育大会ボクシング競技会ライト級ベスト16、2018年国民体育大会ボクシング競技会ライト級ベスト8の好成績を残した。大学中退と共にボクシングからも離れたが、もう一度格闘技をやりたいとの想いからアルバイト先と近かったJTTに入門。2024年5月のDEEP浜松大会でプロデビューしてTKO勝ち、9月のDEEPではオープニングファイトのアマチュアSPルールで松井優磨に一本負け。  2年前に『KNOCK OUT』のアマチュア大会に出場したことがあり、反則で減点されて負けたことがあるというが「その頃より圧倒的に強くなっています」と竹見。  1R、竹見は右へ回り込み大久保は左ミドルと右カーフ、竹見は転倒する。ワンツーで入る竹見。大久保は左ミドルを蹴っていき、大久保のジャブに竹見は右クロスを合わせに行く。竹見が右で入り込むと大久保はヒザを突き上げる。竹見がワンツーを打って左ボディ、大久保は右カーフ。大久保もパンチで打ち合いに行くが、竹見はスピードのあるワンツー。  2R、大久保は右カーフ、竹見が右へ回り込んでいくと左ミドル。組みになると大久保が押し倒す。ワンツーからの左ボディを打つ竹見に大久保は右ミドル、そしてワンツーからのヒザ、ワンツーと畳みかける。じりじりと前へ出る大久保に竹見は至近距離でパンチを回転させ、ジャブを突く。大久保の右カーフに竹見が左右ボディ。大久保の右ストレートに下がる竹見、大久保は左ボディで追撃。さらに竹見にロープを背負わせると顔面とボディへパンチを見舞う。  リング調整のためインターバルがとられ、両者がリングを降りるという事態があり、3R開始。竹見が右ストレート、入り込んでの左ボディ。大久保も負けじと前に出て竹見にロープを背負わせるとパンチの連打で左ボディからの左フック、右フック。大久保の三日月蹴りがヒットし、竹見はステップで離れようとするがそこへもう一度大久保が左三日月。これに竹見がダウンし、うずくまって立ち上がれず。大久保が初のKO勝ちを飾った。  大久保はマイクを持つと「KOってこんなに嬉しいんだって。さんざん前日くらいまでSNSでお前は倒せないとか、悔しくてしょうがなかったんですけれど、しっかり倒せてよかったです。途中ハプニングがあって観客の皆さんだったりABEMAを見ている人が冷めちゃったと思われたら残念ですが、倒せてよかったです。竹見選手、試合前に言いたい放題言ったんですが、わざわざK-1というアウェイのリングに立ってくれてありがとうございます。朝倉未来選手、JTTだかBreakingDownだか分からないですけれど、このリングに上がって来るならもっと強い選手を呼んできてほしいと思います」とアピールした。 [nextpage] ▼第10試合 K-1 WORLD GP女子アトム級王座決定トーナメント決勝 3分3R延長1R×末松 晄(K.I.K team BLADE)判定0-2 ※30-29×2、30-30〇松谷 綺(ALONZA ABLAZE/Krush女子アトム級王者)※松谷が新王座に就く。 トーナメント決勝は、ルシールに判定勝ちした末松とマフィアに判定勝ちした優勝候補の松谷で争われることとなった。  1R、末松はリーチを活かしてのジャブ、右ストレート。松谷は左インローを蹴っていく。末松は前蹴りと横蹴りの中間のような蹴りで松谷を突き放し、ジャブを打つ。松谷は強引に距離を潰してヒザ。松谷は末松が入ってくるところに合わせての右ロー、組むと太ももへのヒザ蹴り。ショートでコンビネーションを出す松谷がペースをつかみはじめたか。  2R、松谷は左インローと右ローで入り込んで右のパンチを当てていく。末松はワンツー。しかし右ローを蹴ったところに松谷にパンチを合わせられる。末松のワンツーをもらった松谷はすぐに組み付いていく。松谷はスタミナを奪う作戦か、組みを多用していたがホールディングで注意を取られる。末松がワンツーの連打で前へ出るとパンチで迎え撃つ松谷。入り際に右ストレートをヒットさせる松谷だが、末松も左右の連打、松谷は右ローを蹴る。  3R、右の打ち合い。左ミドルを蹴る松谷に末松がワンツーの連打、末松は組むとボディと足へのヒザ。松谷は右ローから右ストレート、右ミドルから右ストレートと攻撃をつないでいく。松谷が左ボディで飛び込み、末松がブロックしようとしたところで両者バッティング。再開後、松谷が前蹴り、パンチと前へ出て攻める。パンチと蹴りの手数が出る松谷。末松も打ち返すがヒット数は松谷が上回ったか。  判定は2-0で松谷が勝利。ベルトを巻いた松谷は「ずっと夢だったK-1のベルトを巻くことが出来て嬉しいです。こんな試合ではK-1王者と胸を張って言えないのでもうちょっと頑張ります」と、嬉しさ半分悔しさ半分という表情で語った。 [nextpage] ▼第9試合 K-1スーパー・ライト級 3分3R延長1R×佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)判定0-2 ※27-28×2、28-28〇稲垣 柊(K-1ジム大宮チームレオン/Krushスーパー・ライト級王者)  佐々木は2008年にK-1甲子園でベスト8入り、同年5月にプロデビューし、2016年にKrushライト級王者(2度防衛)となった。2018年11月の「第3代K-1スーパー・ライト級王座決定トーナメント」では準優勝。2020年2月にはKrushスーパー・ライト級王座を奪取し、2階級制覇に成功。同王座は3度の防衛に成功して返上した。2022年9月のK-1スーパー・ライト級タイトルマッチでは王者・大和哲也に敗れて王座奪取ならず。2023年3月のRISEとの対抗戦では白鳥大珠に判定負け、6月のパコーン戦でも延長Rで判定負けと3連敗を喫したが、2024年は4月に寺島輝、9月に齋藤紘也、12月に塚本拓真に3連勝。戦績は35勝(8KO)20敗1分。  稲垣は極真空手出身で少年時代に数々の大会で優勝・入賞を果たす。中学・高校はバレーボールで全国大会に出場するなど活躍。高校卒業後に格闘技に戻ると「格闘代理戦争」出演を経て2019年9月にプロデビュー。2023年1月・4月の王座決定トーナメントを制し、第9代Krushスーパー・ライト級王者に。11月には小嶋瑠久に判定勝ちで初防衛に成功すると、2024年4月に第3代K-1ライト級王者である林健太を破る番狂わせを起こした。9月の「第7代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座決定トーナメント」では決勝へ進出するもヨードクンポンに敗れた。戦績は14勝(7KO)2敗。  1R、サウスポーの稲垣は左ミドル、左ストレート。佐々木は右のカウンターを狙うが、左フックの相打ちは稲垣が打ち勝つ。稲垣は飛びヒザ蹴りを繰り出すなど技の多彩さも見せた。  2R、佐々木は右ストレートから右ミドル、稲垣はジャブと左ストレート。佐々木は蹴りを空振りしてのバックハンドブローを繰り出し、前へ出るが稲垣のワンツーの左ストレートがカウンターでヒット、ダウンを奪う。稲垣はヒザから左ショート、佐々木も左右フックで襲い掛かり、飛び込みざまの右ストレートでダウンを奪い返す。  3R、佐々木は右の蹴りを多用、稲垣はジャブからの左ストレートを打つ。佐々木がワンツーの連打も、稲垣が飛び込んでのワンツー。ジャブ、いきなりの飛びヒザに行く稲垣だが佐々木もすぐに右ストレートで襲い掛かる。ヒザを突き上げる稲垣。ワンツーの打ち合いから稲垣は首相撲で崩して打ちに行く。佐々木が右をヒットさせて試合終了。  判定は2-0で稲垣の勝利。ベテランの佐々木との競り合いを制した。 [nextpage] ▼第8試合 K-1スーパー・ライト級 3分3R延長1R×ヴィクトル・アキモフ(ロシア/Brazilian Thai)KO 1R 2分19秒 ※3ノックダウン〇近藤拳成(TEAM3K)  アキモフはホーストカップを主戦場に戦い、2024年3月の「K-1 WORLD MAX最強決定トーナメント」に出場。開幕戦では中島玲をバックブローでKOして、インパクトのあるフィニッシュで大会を盛り上げた。7月の準々決勝ではロマーノ・バグボードを左ボディでKO、準決勝もセルジオ・サンチェスをKO。決勝はストーヤン・コプリヴレンスキーにKO負けも準優勝に輝いている。戦績は13勝(9KO)3敗。  近藤は2016年4月にKrushでプロデビュー。同年のK-1甲子園-65kgで優勝。2020年7月に佐々木大蔵の持つKrushスーパー・ライト級王座に挑戦も判定負け。2023年3月に斉藤雄太をKO、2024年10月には元K-1ライト級王者の林健太をKOして、2連勝を飾った。戦績は8勝(5KO)5敗1分。  1R、近藤は左へ回り込んでいくアキモフの軌道を防ぐようにして動き、アキモフがラッシュをかけてくるとコーナーを背にして右ストレートのカウンター一閃、ダウンを奪う。さらに右ストレートでダウンを追加すると、最後は右ストレートからの左フックでKO勝ち。世界トーナメント準優勝をKOするという金星となった。  近藤はマイクを持つと「前回、林選手に1Rに2回ダウン取られて逆転で勝てて、あの時は近藤根性ついたと思ってもらえたと思うんですが、今回は圧倒的な強さを見せるのがテーマでやってきました。世界2位にKOで勝ったので、次Krushのタイトルマッチお願いします。弟と一緒に世界一を目指しているので、近藤兄弟の注目お願いします」とアピールした。 [nextpage] ▼第7試合 K-1ライト級 3分3R延長1R〇里見柚己(team NOVA)判定3-0 ※30-29×3×トーマス・アギーレ(アルゼンチン/Dojo Serpiente)  里見は小学5年生でキックボクシングを始め、高校1年生でプロデビュー。18年11月のKrushで山本真弘からKO勝ち。21年7月のKrushライト級王座決定トーナメントで川﨑真一朗・弘輝を下すも、決勝で瓦田脩二に敗北。22年2月は龍華、8月に西京佑馬に連勝。23年1月のKrushで大沢文也の持つKrushライト級王座に挑んだ一戦は、試合後にノーコンテスト裁定となるも、6月に行われた同一カードでのリマッチで判定勝利を収め、第8代Krushライト級王座に就いた。9月のK-1で伊藤健人と対戦してKO負けも8月に永澤サムエル聖光をKOし、11月にアーロン・クラークから判定勝ちを収めた。  アギーレはKO率が高い、WGP Kickboxingスーパーライト級(-64.5kg)王者。アルゼンチン出身の南米のWGPチャンピオンは、23年1月のGLORY RIVALS 5にてメキシコのエイブラハム・ヴィダレスと激闘を繰り広げた。左右のフックとローキックの破壊力は抜群で、打ち合いに強いところが持ち味のひとつ。24年9月の第7代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座決定トーナメントでは一回戦でメン・ガオフォンを撃破も準決勝で稲垣柊に判定負け。24年11月はKrush名古屋大会で大岩龍矢から判定勝ちを収めた。  1R、前に出てくるアギーレに里見はジャブ、左ボディストレート。アギーレのフック、ミドルは空振りさせていったが、中盤を過ぎるとアギーレが里見に触れ始める。  2Rも前へ出るアギーレに対して右へ回り込んでいくサウスポーの里見。ジャブと前蹴り、ヒザを突き刺す里見が左ストレートをヒットさせると、アギーレも右フックを返す。ジャブを伸ばす里見は左ボディから左三日月蹴り。これにアギーレが下がり、里見がパンチとヒザでまとめる。チャンスを迎えた里見だが、アギーレは持ち前のタフネスで耐えた。  3R、里見が右カーフを蹴れば、アギーレは左カーフを蹴り返す。左右フックを振って前に出るアギーレ。ヒザで迎え撃つ里見。一進一退の攻防が続き、試合終了。  判定は3-0で里見がアギーレを攻略した。 [nextpage] ▼第6試合 K-1フェザー級 3分3R延長1R〇兼田将暉(RKS顕修塾)KO 1R 2分57秒 ※左フック×玖村修平(K-1ジム五反田チームキングス)  兼田は空手をバックボーンに関西のアマチュア大会で活躍。K-1甲子園2017 -60kgで優勝。プロデビュー後もACCEL、HEAT、RKSと様々な団体でベルトを巻き、2022年1月のKrushでプロとしてK-1 GROUPに初参戦。12月に元K-1フェザー級王者・椿原龍矢からダウンを奪い、K-1 GROUP3連勝を果たす。23年4月には中国・武林風との対抗戦にも出場し、中国の地でリュー・ジーポンから勝利を収めた。12月はダウサヤーム・ウォーワンチャイからKO勝ち。2024年3月のRISEとの対抗戦では戸井田大輝をKOも、7月は寺田匠に敗北。10月に斗麗をKOした。戦績は23勝(10KO)3敗。  玖村はNJKFバンタム級王座を獲得後、2018年12月にK-1デビュー。2019年3月はK-1スーパー・バンタム級王者の金子晃大と激戦を繰り広げた。6月はスーパー・バンタム級世界最強決定トーナメント3位になるも、網膜剥離で長期欠場。2020年9月からフェザー級に階級を上げ、12月に才賀紀左衛門をKO、2022年2月は小澤海斗からも勝利を収めた。5月のKrushでは新美貴士に勝利し、第6代Krushフェザー級王座獲得。8月にK-1フェザー級世界最強決定トーナメント一回戦でジャオスアヤイからKO勝利。準決勝で軍司泰斗に敗れた。2023年3月にKrushフェザー級王座を失ったが、他団体のリングで試合を積み、24年6月にKrushで桝本翔也をKOして再起を果たした。10月は椿原龍矢を破り連勝中。戦績は21勝(10KO)13敗1無効試合。  1R、飛び込んできた玖村に兼田が左ストレートのカウンター、ふらついて下がる玖村に兼田が左で追撃してダウンを奪う。そのままラッシュをかけた兼田が左フックを2発ヒットさせ、ダウンさせてのKO勝ち。兼田の圧倒KO勝ちとなった。  兼田はマイクを持つと「地元一緒なので昔から知っていて。僕の兄貴もアマチュアの時に負けているめっちゃ強い選手で。ここは絶対に勝つと思って、勝ててうれしいです。僕はタイトルマッチをやりたいので、軍司選手、僕らでやって勝った方がタイトルでどうでしょうか。軍司選手と僕を見たい方はSNSでバンバンつぶやいてください」と、リングサイドで見ていた軍司泰斗と挑戦者決定戦をやろうとアピールした。 [nextpage] ▼第5試合 K-1フェザー級 3分3R延長1R〇石田龍大(POWER OF DREAM)判定2-0 ※30-28、30-30、30-29×永坂吏羅(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)  石田は2020年2月にKrushでプロデビューしたサウスポーで、2戦目で髙橋直輝に判定で敗れたが、以後は連勝で9勝(4KO)1敗の戦績を誇る。2024年の「第9代Krushフェザー級王座決定トーナメント」を制し、9月に王座に就いた。今回が王者としての第一戦。  永坂は全日本テコンドー選手権大会2連覇&MVP受賞、全九州テコンドー選手権大会7回優勝の実績を持ち、2018年11月からK-1 JAPAN GROUPに参戦。2戦目で璃明武、5戦目で小倉尚也に敗れるも、その後は3連勝。2022年5月大会では第6代Krushバンタム級王者の吉岡ビギンを2RでKOし、7月大会では「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」に出場した内田晶もKOした。2023年7月、Krushスーパー・バンタム級王座に挑んだが、王者・璃明武に判定負け。しかし9月のK-1では元バンタム級王者・池田幸司とのダウン応酬の激闘を初回KOで制した。戦績は7勝(7KO)4敗1分と勝利は全てKO勝ち。  永坂は階級を上げての第一戦、石田としてはKrush王者としての真価を試される一戦となった。  1R、サウスポー同士。石田は左カーフを蹴り、永坂が蹴り返そうとすると左のカウンターを狙う。ジャブ、ワンツーで距離をとる石田は永坂の蹴りを空振りさせる。石田は永坂が踏み込むと左の前蹴りを突き刺す。永坂は自分の距離に入れない展開が続く。  2R、じりじりと前に出る永坂は左ミドルから左カーフ、石田はジャブを突いていき左ストレートにつなぐ。石田の左ストレート2発をもらうと永坂は前へ出て右インカーフと左カーフ、そこへ石田が左を打つ。永坂が入ってくると飛びヒザを出して下がらせる石田。しっかりとガードしてパンチを打って行く。  3R、永坂はオーソドックスにスイッチするがすぐにサウスポーへ戻す。左右フックを繰り出す永坂に石田は左ストレート。左右フックを振り回す永坂に石田は直線のワンツー、ジャブをしっかりと当てる石田。当てて離れる石田に永坂は空振りが目立つ。  判定は2-0で永坂のパワーをテクニックで封じた石田が勝利した。 [nextpage] ▼第4試合 K-1女子フライ級 3分3R延長1R〇池内紀子(POWER OF DREAM/Krush女子フライ級王者)判定3-0 ※30-29×2、30-28×ベセラ・ロガスカ(ギリシャ/DIAMOND CAMP)  池内は21年3月にKrushでプロデビューし小澤聡子から判定勝利。その後も連勝すると、23年6月に麻央を撃破。10月は第6代Krush女子フライ級王座決定トーナメントにエントリーされると、準決勝で真優から判定勝利をものにした。決勝では麻央と再戦し、延長判定で返り討ちにして無敗で第6代Krush女子フライ級チャンピオンに輝いた。24年11月のチェ・ウンジ戦は、チャンピオンになって初の試合、初の国際戦となったが、右の強打を決めて初のKO勝ちを収めた。  ロガスカは、ギリシャのムエタイ&キックボクシングで結果を残し、“ダイヤモンド”の異名持つ。23年8月にはトルコで行われた「OFC Fight Night」で、23年3月にKANAと激戦を繰り広げた5冠王のフンダ・アルカイエスと対戦し、勝利している。的確にジャブを当てて試合を組み立て、パンチ連打から蹴りへつなげるコンビネーションで崩していくタイプで、Kのリングでも大暴れしそうだ。  1R、池内はジャブを突きつつ左右の前蹴り、右ローを蹴っていく。ロガスカも左ミドル、右ロー、左右フックを返していく。池内は右ローを蹴り、右ミドル、左ボディ。ロガスカはボディを打たれて一瞬嫌な顔をする。  2R、右ローを蹴るロガスカに池内は前へ出てワンツー、ヒザ、左ボディ。池内の圧に下がるロガスカは池内との打ち合いにも応じるが、前へ出ていくのは池内。ワンツーの連打で畳み込み、右の強打を叩きつける。ロガスカも池内のジャブに右クロスを狙う。右カーフから右ストレートをヒットさせる池内が前へ出て攻め続けた。  3Rも前に出て攻めまくる池内。ロガスカも打ち返すが手数が違う。池内はジャブ、右ヒザ、右ロー、右ストレート。ロガスカは攻撃を出しても池内が前に出るため下がる。池内の右ストレートにロープを背負うロガスカ。ヒザ蹴りで反撃するロガスカに池内の右フックがヒットし、池内がラッシュをかける。最後まで攻め込み、ロガスカも打ち返した。  判定は3-0で池内が勝利。デビュー以来無敗の9連勝となった。 [nextpage] ▼第3試合 K-1 WORLD GP女子アトム級王座決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R〇松谷 綺(ALONZA ABLAZE/Krush女子アトム級王者)判定3-0 ※30-26×2、30-27×マフィア・ペットモンコンディー(タイ/Petchnongki Gym)※松谷が決勝へ進出。  松谷は2021年8月にKrush初参戦を果たし、森川侑凜からダウンを奪って判定勝ち。2022年6月の「K-1初代女子アトム級王座決定トーナメント」1回戦で菅原美優に判定2-0で敗れ、プロ8戦目にして初黒星もその後は再び連勝し、2023年7月に初代K-1女子アトム級王者のパヤーフォンを延長戦の末に降した。11月には奥脇奈々に勝利し、第4代Krush女子アトム級王者に。その後は奥脇奈々、チョン・ユジョンから共にダウンを奪って勝利し、11月にはガブリエル・デ・ラモスを初回KOで仕留めて6連勝中。戦績は11勝(1KO)1敗2分。  マフィアはなんとまだ15歳の若さで、戦績は21歳の松谷を大きく上回る42勝(3KO)4敗1分。変幻自在の戦い方が出来る器用なムエタイファイターで、スピードを活かしたステップワークからの的確な前蹴り、相手のボディをえぐるような鋭角なヒザ蹴りで苦しめたかと思えば、アグレッシブに前へ出てパンチで追い込む戦いを見せるという。K-1ルールへの順応がカギとなりそうだ。  1R、マフィアは前蹴りを伸ばしていく。蹴りからパンチで前へ出ていくマフィアに松谷は左へ回り込みながらの右ロー、左ミドル。手数多く前にも出てくるマフィアを松谷は前手を伸ばして止め、左ローを蹴ってワンツーにつなぐ。松谷の前蹴り2発に転倒するマフィア。前蹴りで前へ出たマフィアを松谷が左フックでグラつかせ、一気に左の連打をまとめてダウンを奪う。立ち上がったマフィアを前蹴りで吹っ飛ばす。  2R、一気に仕留めに行く松谷だがマフィアも前へ出て左ミドルと前蹴り。松谷はジャブでその進撃を止めるが、マフィアは首相撲が多い。ワンツー・左右ミドルのマフィアに松谷はプッシュしてワンツー。左フックでグラつかせる松谷だが、マフィアは前へ出て組んでくる。前蹴りで迎え撃つ松谷だが、パンチが近すぎて当たらない。  3R、松谷がパンチとヒザで攻めるがマフィアも前へ出て左右ミドル。松谷の右ローが重く決まるが、マフィアの突進は止まらない。松谷の手をつかんで連打を許さないマフィア。松谷がジャブ、右フックで前へ出るがマフィアがすぐに組むため攻撃が止まってしまう。  判定は松谷が大差で勝利。末松が待つ決勝へコマを進めた。 [nextpage] ▼第2試合 K-1 WORLD GP女子アトム級王座決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R×ルシール(オーストラリア/Taylormade Muay Thai)判定0-3 ※27-30×2、28-30〇末松 晄(K.I.K team BLADE)※末松が決勝へ進出。  末松は福岡出身の19歳で、2023年4月にプロ2戦目でKrush初参戦。9戦のキャリアを持つ谷田美穂と対戦し、スピードを活かしたパンチ&キックで谷田を翻弄。しっかりサイドに動いて相手の突進をかわし、2Rには右ストレートの連打でダウンを奪って勝利。機動力とスピードを見せつけ、関係者から高く評価された。Krush2戦目では12戦のキャリアを持つKihoと対戦してドローに終わったが、高校卒業後の2024年9月は加藤りこに勝利、12月には大西日和との無敗対決も制した。戦績は5勝(1KO)無敗1分。身長159cmで今回のトーナメントでは最長身となる。  オーストラリアから参戦のルシールはWBCムエタイ世界ミニマム級(-45.35kg)王者、WBCムエタイ豪州ミニフライ級(-47.62)王者、MTL女子ミニマム級(-45kg)王者の三冠王。ムエタイベースで、オーソドックス構えからの右ローキック、左ミドルキックを得意とする。対戦相手のパンチ連打も堅いディフェンスを駆使して守り、接近戦ではボディへ突き刺すヒザ蹴りも使いこなす。2023年9月、当時9戦無敗の戦績を引っ提げてK-1に初参戦。菅原美優と対戦して判定負けも最後まで食い下がった。戦績は15勝(3KO)3敗。  1R、積極的に前へ出てパンチとローで攻める末松。左右フックの末松にルシールは左ミドル。末松は回り込んでタイミングのいい左フック、さらに回り込んでの右ストレート。ルシールもパンチを返すが、末松のスピードと手数についていけない様子。末松の右カーフに大きな反応を見せるルシール。末松は左ボディから左右フック、右ローと手数を出す。  2R、ルシールが強い左フックを放つも末松は下がらずワンツー、右カーフ、左インロー。ルシールの左フックに右のクロスを入れる末松。右カーフ3連発に下がるルシールへ飛びヒザ蹴り。ルシールはヒザとワンツーも末松に右カーフを蹴られて動きが止まり、末松がワンツーを打つ。飛びヒザ蹴りも。ルシールは足を止めて打ち合うが、末松が優る。  3R、ルシールは右ミドル、右ロー。末松は左右ボディにワンツー、右ローと手数を出し、コーナーへ詰めてのワンツーからパンチをまとめる。末松のヒザ、右ストレートで押し込まれるルシール。試合終了のゴングが鳴ると、ルシールは両手を腰に当てて負けを悟った様子。  判定はその通り、末松の完勝となり決勝へコマを進めた。 [nextpage] ▼第1試合 K-1 WORLD GP女子アトム級王座決定トーナメント・リザーブファイト 3分3R延長1R〇大西日和(K-1ジム福岡チームbeginning)判定3-0 ※30-28×3×チョン・ユジョン(韓国/BAEBANG KANGSUNG GYM)※大西がリザーバーに決定。  大西は九州のプロキックボクシング団体『KPKB』で活躍し、2024年5月のKrushでK-1グループに初参戦。aimi-をKOしてインパクトを残した。12月のKrushでは末松晄に判定負けも、バチバチの打ち合いを見せて会場を盛り上げた。戦績は4勝(2KO)1敗のサウスポー。  ユジュンは2024年7月にK-1初参戦。松谷綺と対戦して3Rにダウンを奪われ判定負けを喫したものの、ワンツー・左右フックで前に出るアグレッシブファイト、左右ローからスイッチしての左ストレートを打つところを見せた。  1R、サウスポーの大西が左ミドルで先制。前に出てくるユジュンに大西は左ロー、前蹴り。ユジュンは左フックを狙う。大西は左ミドルと前蹴りで距離を取り、パンチで前へ出てくるユジュンを止める。左右フックで打ち合いに来たユジュンには右フック。大西の左ローがタイミングよく決まり、ユジュンは動きが鈍る。すかさず左ローとパンチで畳み込んだ大西。  2Rも大西は距離を取って左ミドル、左ローを当てて右ストレート。ユジュンは近距離での左右フックを打つが、大西の左右ストレート、左ローで先手を取られる。完全に左ローのダメージを感じさせるユジュン。大西は左ローで畳みかけていく。さらに左ストレートでのけ反らせる。完全に大西のペースに。  3R、距離を詰めるユジュンに左ローを連打する大西。ユジュンは左右フックを打つが大西にローを蹴られて組み付きにいく。離れても大西のステップにユジュンは全くついていけず空振り。大西がローとジャブ、ユジュンが組み付いてくると大西はバックステップで離れ、再び攻撃。大西が左ロー、左ミドルでユジュンに何もさせない。  判定3-0で大西がリザーバーの権利を手にした。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第5試合 K-1ライト級 3分3R×川越亮彦(K-1ジム総本部チームペガサス)判定0-3 ※27-30、28-30、29-30〇中野大輝(TAD)  伝統派空手(全日本空手道連盟=通称・全空連)の大物がK-1デビューを果たす。その男、中野大輝(TAD)は大阪府出身の26歳。浪速高校、近畿大学と日本一の超強豪校の主将を務め、2020年には初のナショナルチーム入り。空手での主な実績は以下の通り。 2021年世界選手権 団体出場2021年全日本選手権 無差別第三位2022年シリーズAカイロ 第三位2022年プレミアリーグバクー 第五位2022年シリーズAジャカルタ 第三位2023年全日本体重別選手権 準優勝2023年プレミアリーグカイロ 第五位2023年プレミアリーグラバト 第五位2023年プレミアリーグ福岡 第七位2023年 年間世界ランキング 第七位2024年プレミアリーグトルコ 第五位2024年全日本体重別選手権 第三位2020年~2023年 ナショナルチーム所属  空手では2024年に一区切りをつけることを表明し、8月の全日本体重別選手権で3位入賞したのを最後に。『KARATE COMBAT』出場を目標に掲げ、11月にはアマチュアのキックボクシング大会に出場、サウスポーからハンドスピードを活かした右フックで豪快KO勝ちしている。  迎え撃つ川越は『格闘代理戦争』出身で、2020年4月にプロデビュー。なかなか芽が出なかったが、2022年5月に初勝利を飾り、現在の戦績は3勝8敗1分。プロ12戦のキャリアを持って、注目選手にプロの洗礼を浴びせることが出来るか。  1R、サウスポーでリングを大きく左へ回り込む中野。左ボディからの右フックをヒットさせて川越を大きくグラつかせるとラッシュを仕掛けるが川越は耐える。中野は蹴りをほぼ使わず、サークリングから飛び込んでのパンチを打つ。ボディ、アッパーも打つ中野。川越は前へ出て右ミドルを蹴るが、中野のパンチが速い。中野は左の三日月蹴りも。  2Rも大きく回り込む中野を川越が追う。中野が左ボディからの右フック、川越はヒザを突き上げる。ドスンッと音がする左ボディを打つ中野。さらに左三日月。川越は距離を詰めていくが中野にパンチを打たれ、中野はサークリングで離れていく。中野はミドル、ローを蹴るが川越は下がらず距離を詰める。  3R、右へ回り込んで右フック、左三日月を蹴る中野。川越はどんどん前へ出ていくが中野がかわす。そこへ中野が左フックをヒット。川越はヒザからクリンチに。川越が前に出ると回り込んでかわす中野が左ストレート、左アッパー。川越は前へ出て距離を詰めるがそこへ中野のパンチをもらってしまう。  判定3-0で中野がプロデビュー戦を勝利で飾った。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第4試合 K-1スーパー・バンタム級 3分3R×龍生(ALONZA ABLAZE)判定0-3 ※28-30×2、29-30〇遥心(K-1ジム総本部チームペガサス)  龍生はサウスポーで戦績は4勝(2KO)5敗。3月のRIZIN香川大会への出場が決まっている。遥心もサウスポーで2勝(1KO)。K-1カレッジ2023 -60kg王者、第15回K-1アマチュア全日本大会チャレンジAクラス-60kg優勝などのアマチュア実績を持つ。  1R、両者サウスポー。互いに左カーフを蹴り合い、ミドルも蹴る。龍生はボディから顔面へとつなげていき、遥心はジャブでプレッシャーをかけながらじわじわと前へ。  2R、龍生が左右フックでヒットを奪い、中盤には遥心が左ストレートで龍生のバランスを大きく崩す。遥心が左ストレートからの右フック、遥心は左ボディ。遥心が組みに行ってヒザを蹴る。  3Rが始まると距離を詰めて左右フックを連打する龍生。ヒザも入れる。遥心はショートの右フックで対抗。遥心のワンツーでバランスを崩す龍生。遥心が左右フックもクリンチとなる。両選手にホールディングの警告。互いに接近戦でフックやボディを打つためクリンチの多い試合になった。  判定3-0で遥心が3戦3勝となった。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第3試合 K-1スーパー・バンタム級 3分3R×内田竜斗(チーム・タイガーホーク/K-1カレッジ2021 -55kg王者)判定0-3 ※28-30×2、29-30〇大地(ZEBRA GYM/K-1甲子園2024 -60kg王者)  1R、ワンツーで仕掛けるのは大地。それを内田が左右フックで迎え撃つ展開。大地は右ボディストレートも打つ。  2R、内田は右カーフを狙い撃ち、大地も右カーフを蹴って左右フックへ。両者組み合う場面が増え、両選手にホールディングの警告が与えられる。前に出ようとした内田に右のカウンターを入れる大地。  3R、ワンツーで前に出る内田に大地が右フック。ガムシャラにパンチを出す内田に大地がフックを当てていく印象。大地がバックハンドブローで内田に尻もちをつかせる。最後に大地が右ハイキック。  判定3-0で大地が2連勝となった。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第2試合 K-1スーパー・ライト級 3分3R×石川優斗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)KO 3R 3分00秒 ※〇浜名颯斗(K-1ジム大宮チームレオン)  石川は1勝(1KO)1敗で、第15回K-1アマチュア全日本大会チャレンジAクラス-65kg優勝。浜名は第16回・第17回K-1アマチュア全日本大会チャレンジAクラス-65kg優勝、第60回・第62回・第64回・第66回・第68回K-1アマチュアチャレンジAクラス-65kg優勝など数々の実績を持ち、今回がプロデビュー戦。  1R、石川はジャブを突きつつ左右フック、浜名はそのジャブの返しに左フックを打つ。浜名が左ミドルと右カーフ、石川も右カーフを返す。浜名が前へ出ての右ストレートをクリーンヒット、すぐに石川が前に出て顔面からボディへパンチをまとめる。しかし、浜名の右フックがクリーンヒットし、石川がグラつく。石川の打ち終わりを狙い撃ちする浜名。  2R、石川がワンツーをヒットさせると一気にラッシュ。左右のボディを打ち、右ストレート、左右フック。石川のワンツー、左右フックと左ボディに浜名も打ち返すが石川の手数に押される。ならばと右ハイを蹴る浜名。ガードが下がる石川に浜名は左右フックを打ち返す。それでも前に出る石川がボディを打つが、浜名の右フックがヒット。  3Rは激しい打ち合い。浜名は相打ち覚悟で手数を出していく。浜名がヒットを奪うが、石川も負けじと右ストレート、左ボディを当てる。浜名が右ストレートからの左ハイ、すぐに石川がワンツーの連打。残り30秒、浜名が右ハイキックをクリーンヒットさせ、石川がグラつく。ラッシュをかける浜名が身体ごと行くような右フックでついにダウンを奪う。さらに畳みかけ、右ストレートで石川が崩れ落ちる。  浜名が大激闘で場内を沸かせ、プロデビュー戦を勝利で飾った。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第1試合 -51kg契約 3分3R〇大久保世璃(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER)判定3-0 ※30-27、30-28×2×龍希(K-1ジム五反田チームキングス)  大久保は17歳でK-1甲子園2024 -55kg王者、K-1甲子園2024東日本予選-55kg優勝、第64回・第68回K-1アマチュアチャレンジAクラス-55kg優勝などの実績を持ち、今回がプロデビュー戦。大久保琉唯の弟。  1R、大久保が右ローからの左ミドルで先制。龍希はジャブを突いていく。大久保の蹴りにワンツーも合わせに行く。大久保が右カーフ、至近距離では鋭い左右フックも繰り出す。前に出て右を狙う龍希だが、大久保は右カーフを蹴ってパンチにつなげてヒットを重ねていく。龍希の右フックの内側から打つ大久保の左フックがよく当たる。大久保の右カーフにバランスを崩す龍希。  2R、ワンツーを出しながら前へ出ていく龍希に、大久保は体を入れ替えて左右の連打と右カーフ。龍希は左フックも狙い始め、大久保は余裕が出てきたのかセンチャイキック(片手倒立ハイキック)を放つ。左ボディを打つ龍希をジャブで突き放す大久保。右カーフ、右ミドルを蹴る大久保は龍希の右フックの内側から打つ左フック、そこからバックハンドブロー。飛びヒザ蹴りも繰り出す。右カーフを効かせつつ、手数もアクションも多い大久保。  3R、勝負をかけて前へ出る龍希に大久保は左ハイキック。手数を出して距離を詰める龍希に大久保はジャブ、ヒザ、さらに左ミドル。離れ際には左フック。右カーフを主軸に多彩な技を様々な距離で打つ大久保。龍希は左ボディで対抗するが、大久保はダッキングやサークリングでかわして左右フックを入れていく。  判定3-0で大久保がプロデビュー戦を勝利で飾った。
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