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インタビュー

【RIZIN】川尻達也、青木真也からのエールに「クソくらえって感じだけど、戦友でもある。先に“一人舐めんな、ジャパニーズMMA”をやりたい」=10月12日(土)『RIZIN.19』大阪

2019/10/02 17:10
2019年10月12日(土)『RIZIN.19』エディオンアリーナ大阪大会で開幕する「RIZIN FIGHTING WORLD GP 2019 ライト級トーナメント」1回戦で、米国Bellatorの推薦選手としてRIZINに乗り込んでくる現在5連勝中のパトリッキー・“ピッドブル”・フレイレ(ブラジル)と対戦する川尻達也(T-BLOOD)が2日、東京・足立区のJBスポーツボクシングジムで公開練習を行った。 山田武士トレーナーが持つミットに近い距離でパンチを打ち込んだ川尻は、3分×3Rのミット打ちの後に、20秒×6Rの左右のオーバーハンドフックの連打を披露。フックを打ってサイドに回る動きを繰り返し、30分以上におよぶガチ公開練習を終えた。 練習後の囲み取材では、Bellatorで5連勝中の強豪パトリッキーについて「柔術の黒帯だけど完全にストライカー。僕がぶっ倒されるか、僕が抑え込んで一本取るか。パトリッキーに触れればテイクダウンできると思う。しっかり固めて殴って、消耗したところを一本取りたい」と、スタンドで圧力をかけて、得意の組みで勝負することを宣言。 優勝候補の1人との対戦に、「周囲から期待はされているけど、“やっぱり正直、川尻じゃあパトリッキーに勝つのは厳しいだろう”という空気を感じていて、正直イラッとするし、舐められているなとスゲー思う。俺も一人だけ先に、ほんとムカつくんで“一人舐めんなよ、ジャパニーズMMA”で行こうと思います」と、翌日に試合を迎える青木真也の言葉に呼応してみせた。 同時代を戦ってきた青木からの「川尻よ。前日に勝ってオレにプレッシャーをかけてほしい」というエールについても、「クソくらえって感じなんだけど、まあ、彼の存在が俺をまだ現役でいさせてくれているって部分は間違いなくあるんで、ヒネくれているし気持ち悪いし、ワケわかんないけど、戦友だとは思って、ポジティブにその言葉を受け取りたい」と、川尻らしい言葉で返答した。 「10月12日は、勝利だけあればほかに何もいらない。次の日は病院のベッドの上でも、意識が無くても、なんでもいい。15分だけパトリッキー・“ピッドブル”・フレイレを上回れば、あとはもう何もいりません。そういう気持ちで戦います」と、パトリッキー戦の決意を語った川尻。 猛者ぞろいのライト級GPまで、あと10日となった川尻との一問一答の全文は以下の通りだ。 青木に激励される俺も落ちたもんだなって(苦笑) ──試合を10日後に控えた心境をお聞かせください。 「いや、怖いですね。ほんと50戦以上やっているけど、何回やっても、試合前2週間を切って残り10日くらいから徐々に。最初はワクワクの方が大きいんだけど、試合が近づくにつれてワクワクより恐怖の割合の方が大きくなる。で、いませめぎ合いですね。ワクワクと恐怖の。正直、逃げ出したいときもあります。こういうたくさんのファンが来てくれたり、SNSで期待してくれてるんで、それにこたえたい気持ちでなんとか平常心を保っているっていう感じです」 ──対戦相手のパトリッキー・“ピッドブル”・フレイレの印象と、理想とする勝ち方は? 「強いっスね。柔術の黒帯だけど、どっちかっていうと完全にストライカーで。勝つときはKO勝ちが多いんでたぶん、僕がぶっ倒されるか、僕が抑え込んで一本取るかだと思うので、イメージとしては、パトリッキーに触れれば、テイクダウンできると思うので、テイクダウンして、しっかり固めて殴って、消耗したところを一本取れればなと思います」 ──現在の体調は? 「体調はいいですね。前回の試合から2カ月半しかないので、結構焦っていたんですけど、ほんとうだったら──僕は練習のヤマをひとヤマ3週間と考えているので──追い込みは4週間できましたけど、できれば2ヤマ6週あるともっと安心して作れたけど、期間が短いわりにはいい練習ができましたね。茨城のメンバーがとことん協力してくれてるんで、心強い仲間がいて、いいメンタルで倒し合いに挑めると思います」 ──ワクワクと恐怖の「恐怖」とは? 「負けて自分を全否定される怖さ。別に対戦相手は同じ人間なんで怖くないけど、ここまで(格闘技人生)20年かけて戦ってきたんで、そういう積み上げてきたものが、ほんとう格闘技って、たったひとつの負けですべて失うんで、その怖さがあるけど、逆にたったひとつの勝利で、拳ひとつで世界を変えることができるので、目の前の世界を変えることができる。今回は自分の力で世界を切り開きたいなと思います」 ──9月20日の抽選会まで対戦相手が決まらず想定できなかったかと思いますが、そういうなかでパトリッキーに決まったことについては? 「(想定)できなかったですね。でも条件は全員一緒なんで、みんな分からなかったし。仕方ないっていえば仕方ないけど、ちょっと不安はありましたね。抽選会当日のドキドキ感も半端じゃなかったですけど、決まってみれば、一番、参加メンバーのなかで、世界的に見れば、名前も実績もある選手。33歳で一番強い時期なんで、まあ、俺はこういう星の下に生まれているんだなと。今までたくさんのファイターの一番強い時期に戦えているので、そういう意味では、初遭遇のBellatorのトップファイターと一番アブラが乗っている時期に戦える、光栄かなと思いました」 ──パトリッキーは川尻選手より5年ほど後にプロデビューして、PRIDEに憧れてきた選手です。同じエディ・アルバレスやジョシュ・トムソンとも対戦しています。パトリッキーのキャリアをどうとらえていますか。 「意外と同じような、エディ・アルバレスやジョシュ・トムソンと対戦して、似たような選手と戦って似たようなキャリアを残している(川尻、パトリッキーともにアルバレスにKO・TKO負け。トムソンに川尻は判定勝ち。パトリッキーはKO勝ち)ので、警戒はしていますけど、たくさんの人や仲間がものすごく期待を込めて『頑張れ』と言ってくれているのは感じるんです。 でも、それとは裏腹に期待はしているけど、“やっぱり正直、川尻じゃあパトリッキーに勝つのは厳しいだろう”という空気は、ファンも運営も、近くにいる人からも、いろんなところから感じていて、正直イラッとするし、舐められているなとスゲー思うんで、ほんとうに“舐めんな”というのをテーマに“舐めんなよ、ジャパニーズMMA”を──なんか聞いたことあるね、コレ(笑)。次の日くらいにそんなテーマの大会(ONE両国大会)があった気がしたけど、俺も一人だけ先にね、ほんとムカつくんで“一人舐めんな、ジャパニーズMMA”で、俺もカッコよく着飾って写真撮ってほしいなって(笑)」 ──話が出たので聞きますけど、青木真也選手はSNSで「川尻は前日に試合をするのだけれども、勝ってオレを追い詰めてほしい。川尻よ。オレにプレッシャーをかけてほしい。DREAMの時のように」とエールを送っています。同時代を戦った選手として、思う所はありますか。 「正直ね……、青木に激励される俺も落ちたもんだなって(苦笑)。そうとう舐められてるんだなって思うから、クソくらえって感じなんだけど、まあ、彼の存在が俺をまだ現役でいさせてくれているって部分は間違いなくあるんで、ヒネくれているし気持ち悪いし、ワケわかんないけど、戦友だとは思って、ポジティブにその言葉を受け取りたいなと思います。絶対、ほんと死んでも生き残るし、10月12日は、勝利だけあればほかに何もいらないんで。次の日は病院のベッドの上でも、意識が無くても、なんでもいいんで、とにかく10月12日、15分だけ、パトリッキー・“ピッドブル”・フレイレを上回って、あとはもう何もいりません。そういう気持ちで戦います」 ──“舐めんなよ、ジャパニーズMMA”を言える資格があるのは、川尻選手と青木選手くらいしかいないと思います。 「それは青木が言っていたけど、まあ、そうですかね」 ──修斗、PRIDE、DREAMと繋がって、いまRIZINを経験している川尻選手にとって、その言葉を最初に聞いて、どのように思いましたか。 「“舐めんなよ、ジャパニーズMMA”? ……何とも思わないですね(笑)。あんまりどうでもいいかな。青木の一言一言に反応してると疲れちゃうんで。気持ち悪いな、くらいで(笑)」 ──お兄さんのように思っているようですよ(“Show”大谷氏)。 「本当スか。あんな弟いたら嫌なんで、断りたいと思います(笑)」 ──今日の公開練習では山田武士トレーナーが持つミットは近く、川尻選手も追って追ってというミット打ちでした。対パトリッキー用の練習でしたか。 「いい質問ですね(笑)。組みたいからいかに……組みたい人は相手のスタンドのプレッシャーで下がっちゃったら組めないので、だいたい負ける人は下がって負けるパターンなので、とにかくほんとうにパンチは一発一発は強いけど、無傷で勝とうとは思っていないし、何発食らっても倒れず諦めず、前に出続けて、パトリッキーに触りたい。触ればテイクダウンできると思うので、しっかり攻略して一本を取りたいと思います」 ──前回は総力戦で、オールドスクール的な技も繰り出して競り勝ちました。今回は……。 「フッフフ、そうですね。困ったときのUインターの(アームロック)。今回は前回以上の総力戦、死闘になると思うので、ほんとう楽な試合をして勝とうとは思っていないんで。ほんとうに血反吐吐いてでも、血だらけになってでも、どんな不利な状況になっても諦めずに前に出続けて、ほんとうに1パーセントでも勝利に近づけるようにやりたいと思うし、まあ、俺が勝ちます」 ──(ファンから質問)中1の学生が格闘家になるためにやるといいことは? 「いろんなスポーツをやること。中学生くらいの頃は、直接打撃のない伝統派空手とかレスリングとか、ほかのスポーツも。陸上とかバスケットとか。ひとつに絞らないでクロストレーニング的にいろんなスポーツをやって、身体能力を高めるのがいいと思います。あとは楽しむこと。その後は、とことん夢中になれるものを見つけられたら無敵です。俺にとってはそれが格闘技だった。40年間、夢中になったのはドラクエと格闘技だけ(笑)」 ──(ファンから質問)当面の敵はパトリッキーだと思いますが、もしパトリッキーに勝った後、やれるとしたら誰と戦いたいですか? 「やれるとしたら? トーナメントに関係なく? トーナメントだったら、弱い人がいいかな(笑)。決勝行きたいんで、一番弱い人と準決勝で戦って優勝したいと思います。あとは……もし1人だけ戦えるとしたら、BJペンと戦いたいです。同世代で僕、戦っていないチャンピオンクラス・トップファイターはBJペンだけなんで。あとはもう五味(隆典)、青木、カルバン、宇野(薫)さん、魔裟斗、武田幸三、メレンデス、アルバレス……いっぱい戦ってきたんで、同世代のトップファイターとしてBJペンと戦えれば、もう俺の格闘技キャリア、思い残すことはないかなって。聞かれてないのに勝手に言っちゃった(笑)。押忍」
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