キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT×REBELS】石川直樹が“首相撲”を突き詰める理由「絶対に捕まえてヒジ・ヒザを入れます」

2019/10/02 14:10
【KNOCK OUT×REBELS】石川直樹が“首相撲”を突き詰める理由「絶対に捕まえてヒジ・ヒザを入れます」

日本人には珍しいムエカオ(首相撲、ヒザ蹴りを得意とするタイプ)の石川 photo(C)KNOCK OUT

2019年10月4日(金)東京・後楽園ホールにて開催されるKNOCK OUTとREBELSの合同興行『KNOCK OUT×REBELS』。第6試合の52kg契約3分5Rで、WBCムエタイ日本統一フライ級王者・仲山大雅(RIOT GYM)と対戦するジャパンキックボクシング協会初代フライ級王者&スック・ワンキントーン初代スーパーフライ級王者・石川直樹(治政館ジム)のインタビューが主催者を通じて届いた。

 石川は首相撲からのヒジ・ヒザに徹底して磨きをかけ、2016年10月に日本フライ級王座を奪取。2度の防衛に成功し、2018年6月にはKING OF KNOCK OUT初代フライ級王座決定トーナメントにも参戦している。旗揚げに伴い日本フライ級王座を返上、ジャパンキックボクシング協会フライ級王者に認定された。今回は仲山と対戦が決まっていた老沼隆斗のKO負け(45日間のダメージサスペンド期間規定により欠場)を受け、スクランブル参戦。

 対する仲山は沖縄キックボクシング界の新星。高い攻撃力を持ち、ムエタイの激闘王チョークディーと引き分けた実績が光る。『KNOCK OUT』の初代フライ級王座決定トーナメントでは準決勝に進出した。6月の『NJKF』では9戦無敗だったNJKFフライ級王者・松谷桐を初回KOで破り、WBCムエタイ日本統一フライ級王者となり、波に乗っている。

■首相撲からヒジやヒザを打っている瞬間がたまらなく楽しい

――昨年6月大会以来のKNOCK OUT参戦が決まりました。

「前回のKNOCK OUTでは何もいいところを出せないままで終わってしまったので(タネヨシホに判定負け)、その鬱憤を晴らしたいと思ってKNOCK OUT参戦を狙っていました。タネ選手との再戦が良かったのですが、向こうはもう階級を上げてしまったのでやれないのは仕方ないですね。今回老沼選手の欠場で自分にオファーが来た時は、すぐにやりますと即答しました。仲山選手は強くて名前もあるので、そのうちやるんだろうなとは思っていた相手でした」


――石川選手は現在33歳、仲山選手は20歳です。若い世代の選手との試合が続きますね。

「今はずっと18~19歳の選手との試合が続いているので、若い選手との試合は慣れました(笑)。誰が相手でも勝ちたいという気持ちは同じなのですが、歳の差があるとさらに負けたくない気持ちは強くなります」

――仲山選手についてはどのような印象があります?

「パンチも強いし蹴りもできて、戦績は14勝10KOとKO率が高いですよね。僕は8月のホームリングであるジャパンキックボクシング協会の旗揚げ戦のメインイベント(vs大崎孔稀)でKO負けしていて、日本のリングで初のKO負けでした。みんなが見ている前でぶっ倒れるのは絶対に嫌ですね」

――KO負けしたことで練習はどのぐらい期間を置いて再開したのでしょう?

「頭が少し痛いぐらいでしたが、あばら骨が折れたとかそういうことではないので、いつも通り3日後には練習を始めました。試合が終わったら一週間休むという選手もいますが、僕にはその意味がわかりません(笑)」


――敗戦を経て練習で強化していることはありますか?

「自分は腹や足では絶対に倒れないので、顔面に攻撃をもらわないようにパンチのマススパーリングの回数を増やすようになりましたね。僕はガンガン前に出るスタイルなのでどうしてももらってしまうので、仲山選手との試合ではパンチに気をつけようと警戒しています」

――仲山選手にも試合直前インタビューをしたところ、「石川選手は首相撲で勝負してくるイメージ」「ジムの練習では、徹底して首相撲対策をしています」と言われてました。石川選手は首相撲の選手として定着されていることで、相手も対策を立てやすいと思うのですが、ご自身ではどのように思いますか?

「僕が首相撲を得意としているというのは、みんなわかっていることです。何年も前から対戦相手が言っていることは同じですし、何を言われても僕のスタイルが変わることはないですね。相手がどういう作戦で来ようとも僕がやることは同じです」


――ご自身的に、スタイルで悩んだことは?

「それはありましたね。レフェリーによっては首相撲を止めるタイミングが違っていて、首相撲でヒザを出す前に早く止められることが凄く多かったりして、日本では首相撲のスタイルでやっていくのは無理なのかなと思う時期もありました。今でこそ、僕は首相撲の選手としてわかってもらえているので、ある程度のことはやらせてもらえます。首相撲からヒジやヒザを打っている瞬間がたまらなく楽しいですし、今からスタイルを変えていこうとは思いませんね。それにプラスして、1つの技の精度を上げたり技のレパートリーを増やしていこうとは考えています」

――首相撲に徹底した選手は日本では少ないですが、どうしてこのようなスタイルに?

「元々はパンチ、ローのスタイルでアマチュア時代はやっていたのですが、タイでムエタイ中継7ch(BBTV)を見た時に首相撲の展開になったらお客さんの反応が凄くて歓声が飛び交い、会場が揺れたんです。それを見て自分の気持ちが高まり、このスタイルでやっていきたいと思うようになりました。今、日本ではムエタイのコアなファンや自分の友達しか自分の試合では盛り上がってもらえないので、初めて見たお客さんでもわかりやすくて楽しめる、一発で相手をくの字にしてしまうヒジ・ヒザを打てれば盛り上がると思うので、そういうスタイルを突き詰めていきたいですね」

――憧れのタイ人選手はいるのでしょうか?

「僕とスタイルは違うのですが、ムアンタイ・P.Kセンチャイムエタイジムという選手が好きですね。気持ちが強くてひたすら前に出るファイトスタイルで、“エルボーゾンビ”という異名を持つぐらいヒジの名手なんです」


――仲山戦をクリアーして目標はありますか?

「日本にはまだ強い選手はたくさんいるのでそういう選手とやっていきたいですし、世界チャンピオンにもなりたいでのそういうチャンスがくれば狙いたいです。KNOCK OUTでは老沼選手、そして弟の孔稀選手に負けてしまったので兄の大崎一貴選手とやりたいですね」

――新生KNOCK OUTに期待することはあります?

「またフライ級トーナメントを開催して欲しいですね」

――ファンにメッセージをお願いします。

「僕のスタイル的に1、2Rで勝負をかけるよりは、最終的にKOできればいいかなと思っています。ヒジ・ヒザの上下に打ち分ける攻めを注目してください。仲山選手がもし逃げるような戦いをしても、絶対に捕まえてヒジ・ヒザを入れます。相手が倒れたらどちらかの技が入ったことになるので見ていて下さい」

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